律「あーごめん、その子知恵遅れなんだ」

律「あーごめん、その子知恵遅れなんだ」


唯「(^p^)んひっ!んひっ!」
男「うわーマジだ、きもちわりぃ…」
男2「困るよりっちゃーん、合コンにこんなの連れてきちゃ」
律「あーもう悪かったよー、あんまりうるさいようならボディにキツイの一発入れれば黙るからさぁ」
男「へー、じゃあちょいと試しに…オラッ!!」

ズドムッ!!!

唯「(^p^)ん゛む゛ぃぃいい!ん゛ん゛ん゛みぃいいい」

ボダボダボダボダ

律「あ!あぁー、吐いちゃった…めんどくさいなー」

律「ごめんこいつ連れて帰るから今日のは無しってことで」
男「マジかよー、りっちゃんの前髪おろし見たかったのによー」
律「悪かったって」
律「ホラ帰るぞ」
唯「う゛ー、りったんりったん」
律「はやくしろって」
唯「だう」

唯「あぅ…あぅ…」
律「おなか痛いか?悪かったな殴らせて」
唯「いたい」
律「しょーがねーなー、おんぶしてやるよ」
唯「あぅ゛ーりったんおんぶ」

律(重っ!)

律「おい落ちるなよ」
唯「だいじょうぶれす」

律「……」
唯「ぁう…うー」Zzz
律「寝てるし…首筋あたりに鼻水がついてる感じが…」



律「おい起きろよ」ユッサユッサ
唯「ぁ゛あう…りったん」
律「家ついたぞ。暗いな…まだ憂ちゃん帰ってないのか」

ピンポーン

シーン…


律「やっぱ帰ってない…あーめんどくさっ」
律「唯、まだ憂ちゃん帰ってないみたいだぞ。家入れないわ」
唯「うーい。うーいまだ」
律「そうだよ、まだ。玄関に座って待ってろ」
唯「りったん」
律「いや私は帰るから」

最近憂ちゃんはパートに出るようになった。
両親が遊び過ぎて家計がキツイことになっているらしい。

しかし唯が急にこんな有様になってしまった事もあってか、そんな状況でもまだ海外で遊び呆けているという。
まさにクレイジーだ。

そんなわけで、憂ちゃんがパートに出ている間は、何の因果か知らないが私が唯の面倒を見る事になってしまったのだ。

最初は部員の皆でジャンケンしてその日の当番を決めることにしていたのだが、
いつの間にか部長の私が一人で世話をするという流れに変わっていた。

ちくしょう!軽音部なんか作らなければよかった。

律「じゃあな唯。風邪ひくなよ、あとで憂ちゃんに愚痴られたら嫌だからな」スタスタ
唯「ぁうーりったん!りったん!」トコトコ

律「おいついてくるな」グイッ
唯「りったあああ」ギュウウ

律「や、やめろって!帰るって言ってるだろ」ドンッ


どてっ


唯「ぁうっ」

律(やば…)
唯「…ぁ゛あ゛ぁああ゛ぁああ~~~!」
律「お、おい静かにしろご近所さんに見られちゃうだろが!」
律「ああああもおおめんどくせーなああ」



律(結局憂ちゃんが帰ってくるまで一緒にいるしかないっていう…)

律「はぁ」
唯「だぅ♪だぅ♪」
律「遅いな憂ちゃん…もう夜の9時過ぎてるっての…」
唯「りった、りった」
律「……(疲れてるんだよ、ほっといてくんないかな…)」
唯「りいいったあああ」ユサユサ

律「あぁあなんだよ」
唯「おなかへった」
律「……私だって減ってんだよ」
唯「りったんもへった!へった!ゆいもへった」
律「…わかったよ、コンビニ行って何か買うぞ」
律(…ちくしょー!今月小遣い厳しいから金使いたくないのに…)

店員「しゃーs(…うわっ、近所の池沼だ)しゃ、しゃっすぇー」

律(…糞店員見てんじゃねーよ)

唯「こんびに!りったこんびに!」
律「あぁ分かってるよホラ何が食べたいんだよ」
唯「あいす」
律「アイスでお腹一杯になんのかよ」
唯「むううううう」
律「…分かったよアイスな」
唯「しろくま!」
律「しろくまアイスな」
律「…あんパンも買っとくか、どうせアイスだけじゃ腹へってまた騒ぐし…」
唯「ぁううあ」ガサササボトボト
律「あっこら!やめろ、棚いじるなよ!」
店員「……」
律「す、すいません(くそっ、何で私が謝らなきゃいけないんだよ)」

唯「まうまう」モグモグ
律(あーあー口の周りアイスだらけだよ、きったね)
唯「んぐ。うまかった」
律「ほら、ハンカチ」
唯「だぅぁ~…」フキフキ

律「……(きたね)」
律「てか憂ちゃんまだかよ…明日も学校なんですけど…」
唯「たんう♪たんう♪」
律「コイツはなんも分からんとゴキゲンかよ」
唯「りった♪うんた♪」
律「はいはいうんたん(夜遅くてよかったわ…こんなん人に見られたくないし…)」
唯「うんたんwうんたんwりっ…」ピタリ
唯「おなかへった」
律(やっぱりな)ガサガサ


律「ほらあんパン」
唯「あんぱんまん、あんぱんまん」
律「い、いいから食べろよもう…」
唯「あんぱんまん!あんぱんまん!」
律「う、うっせーな分かったよ…くそっ」

律はあんパンを自分のおでこにつけると、それを一つまみちぎる

律「ほらーゆいちゃんぼくのおでこをお食べよ~^^」
唯「あんぱんまんwあんぱんまんw」モグモグ

律(クッソ…毎回やらせる気かよこれっ……)

唯「あんぱんまん!あんぱんまん!」ダンダン
律「……ハァ…」

ぷるるるるるる

律「あ、おい唯ケータイ鳴ってるぞ、貸せ」
唯「けーたい」ゴソゴソ


ピッ

律「はいもしもし」
『あ、平沢憂さんのお姉さんですか?』
律「えー…(めんどくせ)はい」
『私憂さんがパートをしているスーパーの○○と申します』
『実は憂さん仕事中に急に倒れられて…過労だそうです。今病院の方にいますので』
律「え」チラッ


唯「りった、でんわwりったんw」

律(………まじですかぁー?……)

律「は、はいすぐ向かいますわざわざありがとうございました」ピッ

律「おいおい」

律「失礼します」ガチャ

唯「うーい!」
憂「…あ、お姉ちゃん…律さん」

律(唯が先ですか。いいけど)

律「憂ちゃん大丈夫か?」
憂「ご、ごめんなさい律さんわざわざ…」
律「いやまぁしょうがないよ。今日はこのまま病院にいる感じなの?」
憂「はい…あの…2,3日入院して様子見るって言われて…」
律「えっ」
憂「それでその…その間うちでお姉ちゃんの様子見てもらえませんか…?」
 「さすがに律さんの家にお姉ちゃんおいて貰うわけにもいきませんし…

  食事の世話だけでいいので…」
律「う、うんいいけど…(うわーマジですか)」
憂「本当にごめんなさい…律さんしか頼る人いなくて…ぅうっ…」
唯「うーいないてる。りった」
律「いや気にしないでいいよ…(と言うしかないだろう)」

律「じゃあ明日も学校あるし、私らこれで帰るよ」
憂「はい…ありがとうございます律さん」
律「いいって」

唯「うーいねてる!ゆいもねる」グー

律「こら帰るぞ」グイッ
唯「うー!ねゆ!」
憂「お、お姉ちゃん律さんにわがまま言わないで…」
唯「うー!うー!うううう」
憂「お姉ちゃん!」

バッシッ!!

唯「あうっ」
憂「…少しは言うこと聞いて…」
唯「うーいぶった…ゆいぶった」ジワ
唯「うううぅううぁああ゛あ゛~~」
憂「やめて!やめてよ!」

バシバシ


唯「ぁうっ! うっ 」
律「お、おい憂ちゃん」
憂「お姉ちゃんのばかっ!どうしてこうなのっ!」

バシットバシッ!!

唯「ぁぅっ ぁうっ」
律「や、やめろって憂ちゃん!唯もう黙ってるぞ!」ガシ

憂「……す、すいません」
唯「グシッ…グス…」
律「か、帰るぞ唯、ほら」ぐいっ

唯「……ぅーぃ~…」トコトコ


ガチャ


憂「……ぅうっ…」グスン

律「……」スタスタ
唯「ぅうー…うー」テクテク

唯「ぁう」どんっ

律「お、おい」
唯「ねむい」
律「またかよ…私だって眠いん」
唯「スピー スピー」
律「…またおんぶかよ……くっそ」

律「はぁ…はぁ…」
律「はぁっ……おい、唯ついたぞ」ユサッ
唯「ふぁふ… スピー…」
律「…んだよ、熟睡かよ」
律「憂ちゃんに渡された鍵…唯ポケットにしまってたよなぁ」ゴソゴソ


唯「ひはは!んううう スピー…」モゾモゾ
律「……あ、あった」

ガチャリ

律「部屋で寝かすか」
律「お、おんぶで階段とか…ちくしょ」ギシギシ


律「はぁはぁ…」
唯「…んぁ。りった」ゴシゴシ

律「今起きるのかよ」
唯「あぇ。おうち」
律「そうだようちだよ…ほら起きたんなら降りろよ(もう部屋の前だけどな)」
唯「ぁう」

律「起きたならちゃんと歯磨いて寝ろな」
唯「はーみがいて」
律「…そうだよ、磨けって」
唯「りったみがいて」
律「いや私は帰ってから磨くから」
唯「りった!みがいて」
律「…私に磨けって言ってんのかこれは」

唯「あ゛ー…あ゛あ゛」
律「他人の歯磨くのなんか初めてだよ。ったく」シャコシャコ
唯「ま゛う゛ーーー」
律「…唯、お前自分で歯磨きもできなくなったのかよ……」シャカシャカ
唯「ぇあ゛~~~あ゛ぁ゛」
律「おい、あんま口開けすぎるな逆にやりづらい」シャコシャコ
唯「ま゛ーーー」
律「もすこし閉じろ」

律「はーやっと終わった…」
唯「あいす」
律「だめだろ今歯磨いたんだから」
唯「わかった」
律(お?)

律「…じゃ、部屋行こうな」
唯「ぁーいー」


律「唯パジャマどれだ」
唯「こぇ」
律「これか?」
唯「うん」
律「脱がすからじっとしてろよ」プチプチ
唯「ひははwくすぐったい」
律「じっとしてろって」
律「これで全部終わりか?はぁ」

一息ついて唯の部屋を見回す。

律(こうなってからベッド以外ろくに使ってないんだろうな。…ん?)

律「これ…」カタッ


律(…唯が軽音部に入った時に撮った写真だ…)

唯「りった!りった!」
律「ん?あぁ、これ私だなwほとんどデコだな、プハ」
唯「みおた、むぎたん」
律「おーそうだな。唯もいるな」
唯「ゆい」
律「……ま、寝るか」カタン
唯「ねゆ」
律「おやすみな。じゃあな」

グィッ

唯「りったん」
律「なぁ唯、私もう帰るんだ。分かるよな」
唯「っかんなぃ…」ギュウ
律「なぁ…」
唯「りったん」

律(…あ、もう日付変わってるし…あーもう明日めんどくさいなー…)

律「分かったよ一緒に寝てやるから」
唯「りったん!りったん!」
律「なぁ唯、明日学校休んじゃうか」
唯「やすむ」
律「おー休もう。どっかいきたいとこあるか?」
唯「んん…りったんがいい」
律「そうか」
律「電気消すぞ、おやすみ」パチン


律「おいーす」ガチャ

唯「あ、りっちゃん隊員!おいっす!」
律「あー唯、早いな。他の皆は?」
唯「私だけだよ~」
律「そうかー」
律「ムギ早くこないかなーお菓子くいてー!」
唯「あははそうだね」
律「澪もまだなのか~、何してんだあいつ」
唯「そだね、遅いね」
律「梓も練習練習うるさい割りに遅いのな」
唯「はは、ほんとだね~」
唯「……ごめんねりっちゃん私しかいなくて」
律「ん?何言ってんだ唯」
唯「ごめんねりっちゃん…」
律「お、おい唯なんだよ謝るなって意味わかんないって…なぁ…」


律「…!!」ガバッ


律「……夢かよ」
律「……」チラ

唯「んん~…りった…ムニャ」

律「……」
律「ぅっ」ブルル
律「トイレいこ」


唯「りった!りった!」ギュウギュウ
律「んが…ぅあ… …ゆ、ゆい」
唯「りったん!りった!」
律「はいはい起きるよ、んん~っ!」

律(唯に起こされるとは…)

唯「りった、ごはん」
律「あぁ分かった分かった。ちょっと待ってな」

律「うーん、食パンぐらいしかないなぁ…まぁいいか」

唯「んぐもぐ」モシャモシャ
唯「…ぇう」
律「どうした唯」
唯「じゃむ」
律「いや、無かったぞ」
唯「じゃむ~」
律「わ、わかったよ…ちょっと待てってもっかい探すから」


律「自分ちじゃないから全然わかんないってもう…」ゴソゴソ

唯「じゃーむうー♪じゃーむぅうう」
律「分かった分かったから静かにしてろってもう」ゴソゴソ

 「あ、ここか?…あった。ふぅ~買いに行かなきゃならないかと思って焦ったぜ」
律「ほら貸せ、塗ってやるから」
唯「じゃむりったん!ひははw」
律「ジャムおじさんって言いたいのかこいつ」

唯「はらいっぱい!」
律「良かったな」
唯「いっぱい!」
律「聞いたよもう」
唯「いっぱいい~」
律「…あ、ああ。これか」ポンポン
唯「んくくwおなかぽんぽん」
律「はいはい」ポンポン
唯「りったん!りったん!」

律(こりゃ憂ちゃん大変だわ…)ポンポン

唯「ぁうー」ゴロゴロ
律「なぁ唯、せっかく休んでるのにずっと家にいるのも詰まんないだろ」
唯「んぁあ?」
律「どこか出掛けたくないのか?」
唯「りったんがいい」
律「って言われてもなぁ」
唯「うーい!」
律「あ、そうか。そうだな、憂ちゃんに会いに行こうか」

律(…昨日みたいにならないといいけど)

唯「うーい!りったん!」
律「分かった分かった。今日は自分で歩けよ」
唯「うん」


ガチャ


律「失礼します」
憂「あ…律さん。学校じゃ」
律「あぁ…なんか休んじゃった」
唯「うーい!」
憂「お姉ちゃん。そうなんですか…お、お姉ちゃんのせいですよね」
律「いや…まぁ…いいんだよ、なんか面倒くさかったしさ」
憂「ごめんなさい…」
律「だ、だからいいんだって(もうほんとマジで…)」

唯「うーい、うーい」
憂「お姉ちゃん、ちゃんと律さんの言うこと聞いてる?」
唯「うーい!」
律「まぁ大丈夫だよ、大体は」
憂「そうですか」

律「まぁ昨日よりは顔色良さそうだし安心したよ」
憂「あ、はい。あとちょっとだけお姉ちゃんお願いします…」
律「いいから気にしないでゆっくり休んでよ、そうじゃないと早く良くならないだろ」
憂「は、はい…」
唯「うーーいいいー」

律「そろそろ行くぞ、唯」
唯「うー!ううー!」
憂「お、お姉ちゃん!」
律「唯」
唯「うー。りったん」
律「…よし、行こう」
唯「うーい、ばいばい」
憂「あ、うんばいばい…」

ガチャ


憂「………」

律「はぁ。まぁこれぐらいだよな、出かけるって言っても」
唯「だぅーぁ」

律(電車とか使うのもあれだしな)

唯「りった!あいす」
律「分かった分かった、途中で買って帰ろう」
唯「しろくま」
律「分かってるって」

唯「うまうま」ベタベタ
律「あーあーまた口の周りべったべただよ、きったないなー(マジで)」
唯「ぁう」
律「自分で拭けな。ほら」
唯「だぅう」フキフキ


ピリリリリリリ

律「ん、誰だろ」ゴソゴソ

律「澪…」ピッ


澪『もしもし律?』
律「おー澪、なんだよ」
澪『なんだよはこっちの台詞だろ、部活きてないからどうしたかと思ったら、ムギに今日は律休みだって聞いてさ。風邪でもひいたのか?』
律「いや、ひいてないけど」
澪『じゃあズル休みか?お前そんなことしてるとなー…』
唯「りった、ふいた。りったん!」
澪『……今の唯か?』
律「あぁ、そうだけど」
澪『あー…その…わ、悪かったな。そ、それじゃ』ピッ


ツーッ ツーッ

律「………」

唯「りったんでんわ」
律「もう終わったよ」
唯「りった!」
律「…たく、ここまだついてるし」フキフキ

唯「あぅ」


ピンポーン

唯「ぴんぽん!ぴんぽん」
律「ん、誰だ?(まさか憂ちゃん奇跡の超回復か?)」

律(んー…憂ちゃん以外なら唯出すわけにもいかないよなあ)

律「ちょっと出てくるな」
律「は~い」ガチャ

梓「あっ。え、律先輩?」
律「な、なんだ梓どうしたんだ」
梓「今日憂休んでたのでお見舞いに来たんですけど…律先輩こそ何してるんですか」

律「えーっと…なんてーか、その…とりあえず憂ちゃんは今ここにはいないよ。
  過労で倒れちゃってさ、今は病院にいるよ」
梓「そ、そうなんですか!?」
律「んで私はその…」
唯「あー!あずなん!」
梓「え」

律「あっ、唯」
唯「あずなんー!」だきっ

梓「ひっ!」
律「……」

梓(あ、思わず…や、やな感じだったよね今の…)

梓「あはは、唯先輩お久しぶりです(よ、よだれついてる~…)」
律「…」

唯「あずなああぁあん」グリグリ
梓「も、も~唯先輩恥ずかしいですよやめてくださいよ~(うぅ…)」
律「ははは。唯嬉しそうだな」
梓「そうですねっ(うぐっ…服が…)」ヒクヒク

唯「きもちいい」
律「よかったなー唯」
梓「あ、あははは」

律「なぁ唯、おやつにするか?」
唯「おやつ!りったんおやつ」
律「じゃあ部屋戻って食べるぞ」
唯「りったんおやつ!あずなん!」グイッ
梓「えっ、ちょっ」
律「唯、梓靴脱がないといけないから唯だけ先行ってな」
唯「あずなん!あずなん!」グイグイ

律「唯」
唯「あぅ」パッ トテトテ

梓(ほっ……)

律「梓」
梓「はっ、はい」
律「…唯嬉しそうにしてるし、一緒にお茶でもしてくか?」
梓「えっ。えーっと…あの…その、わ、私親におつ、お遣い頼まれてるんでっ…」
律「そうか。悪かったな引き止めて」

梓(………)

梓「…ぁっ…でも、その少しなら…」
律「いやいいよ。じゃあな」
梓「は、はいすいません…」
律「謝るな」
梓「あっ、あの」
律「じゃあな」
梓「……」テクテク

律「……」
律「うっ」

律(何梓にあたってんだ私は…しょうがないだろ、普通はさぁ…)

唯「うー!うー!」ダンダン
律「はぁ」ガチャ

唯「りった、おやつ!」
律「はいはい」
唯「あずなん!あずなん~」キョロキョロ
律「梓帰ったよ。忙しいんだって」
唯「あずなん!あずなん!」
律「唯」
唯「ぅう りったん」
律「…お菓子もってくるからな~、へへ」

律「今日も泊まるしかないか」
律「着替えとりにいきて~…」チラ

テレビ「アーンパーンチ!」

唯「むーむー、むはは」

律(…一人にしてなんかあったら嫌だしなぁ…連れてくのも今日病院往復してるしなぁ
  絶対疲れた疲れた騒ぐよなぁ…)

律「しょうがないなー…」ピ
律「……あー聡?着替えもってきてほしいんだけど…」
律「い、いいよ適当に漁れよめんどくさいから…あぁ、じゃあメールで住所送るから」
律「聡に下着を触らせるはめになるとは…」
唯「あんぱん!あんぱん!」

ピンポーン


律「お」

ガチャ


聡「姉ちゃん持ってきたよ」
律「おー、早かったな。サンキュー」ゴソゴソ

律「何このチョイス…」
聡「し、知るかよ適当につっこんだんだよ持ってきてやっただけで感謝して欲しいし」
律「まぁサンキュー」
唯「りったん~、りった…」ピタリ
律「あ、唯」
聡「あ…(こ、この人が例の…)」
唯「……」コソコソ
律「あー、唯。これは聡。弟だよ」
唯「……」
聡「さ、聡です、どうも」
唯「……さとし」
聡「そ、そうです聡です」
唯「おとうと」
律「憂ちゃんはいもうとだよなー」
唯「うーい、うーい」
律「はは、今日会っただろ唯。また明日な」

聡(姉ちゃん何言いたいのか分かるのか?慣れてんのかな。大変そうだ)

聡「姉ちゃんなんか手伝おうか?」
律「ん?んーじゃあ弁当か何かさ、適当に買ってきてよ」
聡「分かったよ」
律「お前も食べてくか?」
聡「いいけどとりあえずお金」
律「分かってるよ、ったく…ほら」

聡「おっけー、んじゃ買ってくる。何がいい?」
律「えーっとなんかこう、幕の内っぽいやつ!」
聡「っぽいってなんだよ…じゃあ幕の内にするよ」
聡「…えと」チラ
唯「あぅ」
律「あ、あぁ唯はな、えーっと」
唯「あんぱん」
律「だそうだ」
聡「え、そんなんでいいの?」
律「んーまぁ…足りなそうならあれだから何か他に適当に買ってきて」
聡「わかった、じゃね」タッタッ


唯「さとし」
律「そう、さとし。似てるか?」
唯「りったん」グイグイ

律「はは、デコ押すな」


聡「買ってきたよ」ガサガサ


律「わりーわりー、ありがとな… っておい、なんでしょうが焼き弁当なんだよ」
聡「ま、幕の内なかったんだよ」
律「ぽいって言ったろ」
聡「わかんねーって!いいだろそれで」
律「つ、使えねー…」
聡「えっと…はいこれ、どうぞ」ガサ

唯「あんぱん!」
律「唯あんパン好きなんだ」
聡「そうなんだ。姉ちゃん良く知ってるね」
律「まぁそれなりに世話してるから…」
唯「あんぱん!あんぱん!」
聡「…?」
律「あ、あーこれなー。聡あのな…」ゴニョゴニョ


聡「え、ええ!?」
律「いいからやれって。今はお前をご指名なんだよ」
唯「あんぱん!あんぱん!」
聡「ほ、ほらーゆいちゃんぼくのおでこをお食べよ~^^(は、恥ずかしすぎる)」
唯「あんぱん!ひははw」モグモグ
律「唯うまいか~」
唯「あんぱん!あんぱん!」
律「ほらもっとやれ」
聡「えええええ」
聡「ほらーゆいちゃん、ぼくのおでこどんどん食べてよ~^^(もうヤケだな)」
唯「あんぱんwあんぱんw」モグモグ
律「あはは」


律「ごちそーさん」
聡「んじゃ俺そろそろ帰るね」
律「そうだな、あんまり遅くなるとあれだし」
唯「さとし!」
聡「はは、どうも」
律「じゃ気をつけて帰れよ~」
聡「うん」
聡「…姉ちゃん」
律「ん?」

聡(…あんまり無理するなよ、とか言いたいけど……)

聡「おやすみ」
律「あぁ、おやすみ」
聡「うん、それじゃ」
律「聡」
聡「なに?」
律「ありがとな」
聡「はは、いやーしっかりしてる姉ちゃんってのも物珍しくてよかったよ~ははは」
律「なんだとこのっ」ブン
聡「あぶねっ!じゃあねー!」タッタッタッ



律「ふー、よし唯フロ入るか」
唯「おふろ!りったんおふろ」
律「服脱ごうな。唯ばんざいして、ばんざい」
唯「ばんじゃーい」
律「よっ と」スルスル
唯「りったんばんじゃーい」
律「いや私は自分で脱ぐから」
唯「ばんじゃーい!」
律「わ、わかったよ…ばんざーい」
唯「うー、うー」
律「ひ、ひっかかってんじゃん…く、くるし」

律「……唯ちょっとそこ立って」
唯「あぅ」

律(真横に並んで…)チラッ

律(……)

唯「りったん」
律「え?ははは!入るか!」
唯「りったんおふろ!うー」

ガララ

律「目閉じてろよー」ワシワシ

唯「あぅ うぅ ひははw」
律「くすぐったいか?」
唯「くすぐったい」
律「がまんがまん」ワシワシ

唯「ううー、ぅぁー」
律「もうちょっともうちょっと」ワシャワシャ
唯「ぅあ!」バッ

律「うわ!しょーがないなー、ほらもう流すから」ジャー
唯「あう~ ぅうー」

ジャー

律「……ん?」

律(肩のあたり髪に隠れてたけど、なんかこれ)
律(アザかな?微妙だけど)

唯「ぅうー ひああ」
律「よし、もういいぞー」
唯「おふろ」
律「おぉ、入れ入れ」

律「ふー」ザバーッ
律「ごくらくごくらく…ってオッサンか私は」
唯「おっさん、りった」
律「こら」
唯「おっさー」
律「……」

律は病院での憂の事を思い出していた。

憂『お姉ちゃんのばかっ!どうしてこうなのっ!』

律(……あの時についたのかなぁ…)
律(そ、そうだよな。そうだよきっと…)

唯「ぅぶぶ」ブクブクブクブク…

唯「ぷぁ」ザパッ


律「…なぁ唯」
唯「ほぁ」
律「………」
唯「りった」
律「お、おっさん!」
唯「ひははwおっさ!」ジャバジャバ
律「そろそろ出るぞー」
唯「ほああ」

律「唯、明日は学校行こうな」
唯「んん」
律「私も保健室一緒に居てやるよ」
唯「んぁ、りった」
律「分かった分かった、寝るぞー」パチン


生徒1「おはよー」
生徒2「あ、おはよー …あっ」
生徒1「ん、何?あ…」
律「おはよう」
唯「おあよー」

ヒソヒソ…


律「……」

律「お は よ う」
生徒1「お、おはよう律。…ひ、平沢さんも」
唯「うー、りった」
律「ま、教科書取ったらすぐ行くからさ」ゴソゴソ


ガチャ


紬「おはy あ…」

律「よームギ。んじゃ私ら保健室行くから、先生に言っといてよ」
紬「え、ええ分かったわ…」
唯「ほぁ、むぎた!」
律「行くぞ~唯」
唯「りった」
唯「むぎた」
律「ほらほら」スタスタ
紬「……」


唯「りったー、りったぁ」
律「私今勉強してるんだぞ」
唯「りったりった」
律「たく…」

ピリリリリリ

律「はいもしもし」
憂『あ、律さんですか?憂です』
律「おぉ、どうしたの」
憂『今日から家に戻れるみたいなので』
律「そうかー良かったじゃん」
憂『は はい』
律(……)
憂『えと、お姉ちゃんは大丈夫ですか?』
律「あぁ大丈夫だよ。じゃあ学校終わったら家行くね」
憂『あ、はい…す、すいません』
律「…いいって。それじゃね」
憂『はい、また後で』

ピッ

唯「りったんでんわ」
律「憂ちゃん戻ってくるってさー」
唯「うーい!うーぃい!」
律「良かったなー、学校終わったら会えるぞ」
唯「りったん!うーぃ!」


ピンポーン


唯「うぅーい!うーいいー!!」ピョンピョン
律「ははは嬉しそうだなー唯」

…ガチャ


憂「あっ、どうも律さん。お姉ちゃんお帰り」
唯「ぅうういいい」ガバ
憂「きゃっ!もーお姉ちゃんたら…」ナデナデ
律「やっぱり憂ちゃんがいいみたいだなー唯は」
唯「りった!」ガバ
律「うわっ!おいおい」
唯「うーい!」ガバ
憂「あはは…」
律「忙しいやっちゃなー」

憂「本当にありがとうございました律さん」
律「いやーまぁ楽しかったよ、はは」
憂「そ、そうですか」
律「な、唯」
唯「りったん!おっさ!」
律「ははは」
憂「おっさ?」
律「あぁ、気にしないでwなんか唯おっさんって言葉がツボったらしいわ」
憂「は、はぁ…」
律「じゃね、憂ちゃん。パートはしばらく休み?」
憂「あ、はい来週から…」
律「そっかー病み上がりだししっかり休みなよ」
憂「はい…ありがとうございます」
律「唯もじゃあなー」
唯「りったん!りった!」グイッ
律「はは、明日来るよ」
唯「うー…うー!」

憂「……」
律「唯」
唯「うー、りった」
律「唯。分かったか?」
唯「りったん」
律「よし。じゃあな~」
唯「りった…りった…」

憂「…お姉ちゃん、中入ろう」
唯「うー」
憂「お姉ちゃん」
唯「うー」
憂「律さんはもう行ったよ」
唯「うー」

憂「……」グイッ
唯「ぅ…」
唯「うーい」テクテク

憂「……」

バタン

律「………」

唯「あいす!」
憂「あ、うんアイスねーちょっと待ってね…」ガチャ


憂「…うーん、ないなぁ…」
憂「お姉ちゃんごめんアイスないよ」
唯「あいす!あいす!」
憂「ないよ…明日でいいよね?」
唯「あいすー!うーい!」
憂「私今日病院から帰ってきたばかりだよ…休ませてよ」
唯「うーい!うー!」
憂「……っ!」

バシ


唯「ぁうっ」

憂「…わかった?アイスは明日ね」
唯「ぅう… りったん」
憂「」

唯「りった!りった!」
憂「もう帰ったよ…」
唯「うー!りった!うー!」
憂「お姉ちゃんやめて」
唯「うー!」
憂「律さんはもう帰ったよ!やめてよ!お姉ちゃんどうしてそうなの!?」ブンッ


律「憂ちゃん」
憂「!?」

唯「りった」
憂「えっ、なんで…」
律「鍵返してなかったからさ」
憂「あ…」

憂「……」
律「はい」チャリ
憂「……」

唯「りったー」
憂「…何か言いたそうですね……言ったらどうですか…」
律「何かって?」
憂「とぼけないでくださいよ、私がお姉ちゃんぶったこと」
律「あぁ…それじゃ」スッ

憂「……(ぶたれるぐらいいいよ、ぶてばいい)」

律「こら、唯」ポン
唯「りったー」
律「憂ちゃんに迷惑かけちゃだめだろ?」

憂「えっ…?」
唯「うー」

憂「な、なんですかそれ…なんなんですか…」
律「大変なの分かるよ」
憂「なっ…何が分かるんですか!たった二日お姉ちゃんの世話見たぐらいで…」
律「たった二日でも随分大変なんだなって思ったよ」
律「憂ちゃんはずーっとだもんな」
憂「……」
唯「うー。りった。うーい」
律「私、憂ちゃんがパート行ってる間唯の相手してる時さ」
律「ほんと言うとめんどくさいっていうか…なんで私がっていうかさ」
律「そういう気持ちあったんだよ」

憂「……」
律「で、憂ちゃんが倒れただろ?なんていうか…ホント悪かったって思うんだけど」
律「ちょっと…カンベンしてよ って思っちゃったぐらいでさ」

律「でもやってみて本当、想像してた以上に大変で」
律「憂ちゃんはずっと一人でこれ頑張ってんだな…って、感心したんだ」
憂「……」
律「文句一つも言わずに凄いなって」
律「風呂に入れてやった時にアザ見つけたんだけど、それも
  まさか…っていうか、気のせいかなって」

憂「……私がやったんですよ…気のせいじゃないです…」

律「うん。でも私には憂ちゃんを責められないよ」
律「いくら周りからよく出来た妹さんだ、とかしっかりしてるって見られててもさ」
律「まだ16歳の女の子たった一人でこんなに頑張ってるんだ。
  それをどうしてほんの少しの間代わりに面倒見ただけの私が」
律「どうしてこんなことするんだ!唯の気持ちを考えろ!って。
  唯だってなりたくてこうなったわけじゃないんだ!なんて…」
律「…そんなこと憂ちゃんが一番良く分かってるって話じゃない」
律「だから私には憂ちゃんを責められないよ」

唯「うーうー、うーぃ」
律「大変だったよね」
憂「……」
律「だからさ、私もこれからはもっともっと頑張るよ!」
律「弟にも手伝わせようかな!wはは、あいつ暇だしなー」
律「てか唯のことかわいいって言ってたしw」
憂「……」
律「皆にも、唯のこと分かってもらえるように努力する。だって大切な仲間だもん」
律「だから憂ちゃん、一人で頑張ろうなんて思わなくていいんだ。
  これからは皆で頑張ろうよ。少しずつだけど」
律「きっと良くなっていくよ。色んな事がさ」
憂「…律さん……ぅっ…」
律「今までよく頑張ったね、憂ちゃん」
憂「ぅう…うううっ…!」ギュウ
唯「うーい。りったん」

憂「お姉ちゃん…ごめ…ごめんね……ごめんなさい…!」
唯「うーい、うーい」
律「よーし、じゃあお茶にでもする?実は私お菓子買ってきてるんだ~!」
唯「おやつ!りった、うーいおやつ!」
憂「グス…もう、お姉ちゃんったら…」
律「ははは、憂ちゃんお茶お願いしていいかな~っ」
憂「ふふ、いいですよ~」
律「唯、座って待ってような」
唯「りったん!うーい!」グイグイ

律「ん?」
憂「なぁに?お姉ちゃん」

唯「だいすき!」


(おしまいだよーん)

 (2009.08.25)

律「あーごめん、その子知恵遅れなんだ」
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最終更新:2016年06月22日 18:33