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プレインエイジア

東方夜想天 ~ Night of End Rhapsody

後編


徐々に机の並べられて行く料理を盛られた皿々からは、天界で食べていた料理からはとてもでは無いが匂わない様な香りがしている。
何と言う料理かも知らないそれは、地上の下世話な食べ物。
そう言い切ってしまえばそれまでなのだが、不思議と食欲が沸いてしまう。
そんな魅力に溢れていた。
「なんで私があなたなんかの施しを受けないといけないのよ」
背を向け、煮込み料理を見ている慧音の後ろ姿に声を掛ける。
少女のその言葉は口調こそ高飛車だが、確かな穏やかさがあった。
「お前な、それが今から御馳走になる相手に向ける言葉か?ほら、もう出来上がるぞ」
小さな鍋を持った慧音は少女の方に歩を進める。
とっくの昔に夕食は食べ終えてしまっている。全て少女一人のためだけに作られた料理だ。
「私は何もあなたに料理を作れと言っていないわ。あなた、とんでもないお節介焼きね。見ていて腹立たしいわ」
どう腹立たしいのかは知らないが、思わず輝かせてしまっていた目が慧音と合ってしまった瞬間、慌てて顔を反らす少女の様子からは、そんな言葉が嘘だと直ぐにわかってしまう。
「お前みたいなか細い娘が、朝から何も食べていないって言うんだ、お節介も何も、何か食べさせないのは人道に反するだろう?」
苦笑を見せながら返した慧音は、少し深みのある器に鍋の中の料理をよそう。豚肉と芋や緑の野菜を醤油で煮込んだ物なのだが、天人である少女はこのような田舎臭い料理、見た事も無いだろう。
「さっきからその「お前」って言うの、やめてくれない?いい加減不愉快なんだけど」
案の定、その料理に物珍しげな視線を向けながら、少女。
「そりゃ、名前も聞いていないんだ。お前はお前としか呼び様が無いだろう?お嬢ちゃんとでも呼べば良いか?」
目の前に器を置かれると、何が材料であるか調べるためだろうか、少女はそれを蟻の行列を見る子供の様に凝視する。
「人に名前を聞く前に自分から名乗って。幾ら私が心の広い天人だからって、それだけは譲らないわ」










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最終更新:2008年07月26日 00:10