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上里翔流(かみさとかける) - (2020/04/21 (火) 18:26:23) の1つ前との変更点
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【種別】
人名
【初出】
新約十三巻
#contents
*【概要】
[[学園都市>学園都市(がくえんとし)]]の外からやってきた、『どこにでもいる平凡な高校生』を自称する少年。
[[上条>上条当麻(かみじょうとうま)]]の[[幻想殺し>幻想殺し(イマジンブレイカー)]]と同種にして対極とされる異能力、『[[理想送り>理想送り(ワールドリジェクター)]]』をその右手に宿している。
「[[魔神>魔神(まじん)]]」[[娘々>娘々(ニャンニャン)]]と[[ネフテュス]]の前に突如として現れ、彼女達を含む全ての魔神を追放するという衝撃の登場を果たした。
*【人物】
茶髪で身長171cm、自身も貧相だと認めるぐらいの特に鍛えられているわけでもない体格。
これといった個性や趣味もない事を気にしていて、肩を鳴らす事を癖にしようとしているが、殆ど鳴っていない。
が、上条と対立した際に感情が高ぶった時、初めて音を立てた。
優しそうな声色だが、その言動の節々に退廃的な雰囲気がある。
上里自身は学園都市の人間ではなく、地方のどこにでもあるような高校の生徒。
能力を手に入れるまでは平々凡々な学校生活を送っており、
女性関係も、上手く会話できない疎遠な幼なじみの[[獲冴>獲冴(エルザ)]]や、ちょっと気になるクラスの園芸部員[[暮亞>田妻暮亞(たづまくれあ)]]程度。
上里もそれに満足しており、平凡な日常を愛していた。
(しかし「絶滅犯」の義妹サロメに対し、兄として普通に彼女に接していた事から、
この時点で既に本人に異常性はあったと思われる)
しかし11月初頭、彼は違和感を感じ始める。
能力に呼応するかのように「困難に苛まれている少女」達が現れ、
上里の持つ「女の顔した物ならなんでも救うクソッタレな性質(ヒーロー性)」により、少女達を助けていくことになる。
が、救いを与えられた少女達は上里を異常な程に慕いだし、
更には[[原石>原石(げんせき)]]や[[魔術師>魔術師(まじゅつし)]]といった常軌を逸した存在と化していった。
そして少女達は、[[上里勢力>上里勢力(かみさとせいりょく)]]と呼ばれる「上里の為になんでもする」集団と化した。
上里はこの上里勢力が「望んでいた未来を無理矢理変えられた物」であるとして、
自らの思想を壊した魔神への復讐を誓う事になる。
が、本当の理由は「普通の高校生」である自分を慕う少女達が理解出来ず、
また「理想送りによって作られた繋がりだから、右腕が消えた時に自分から離れていってしまう」といった感情に怯え、
魔神を倒し元の生活に戻す事でその恐怖を治そうとしていたのが実情である。
(これは、新約九巻でオティヌスが上条当麻に見せた「偽上条当麻が上条当麻の席を奪った世界」
でのオティヌスが上条に囁いていた事と近い物がある)
しかし新約十五巻ラストで、右腕が唯一に取られたのに自分をまだ慕ってくれた少女達に対し、考えを改める事になる。
(しかし、ここで感情がブレてしまったため、新約十六巻での自らの消滅を引き起こしてしまう事になった)
彼の存在は真の[[グレムリン]]の魔神達はもちろん、
[[アレイスター=クロウリー]]ですら知り得なかった事であり、
娘々やネフテュスの前に姿を現した際に初めて存在が確認され、
唯一[[ローラ=スチュアート]]のみが最初からその存在を関知していた。
*【性格】
右手の力には辟易しているが、根本的な思考は善人のそれであり、
目の前の人間を見捨てるかどうかと言えば、彼は必ず救う。
その結果が上里勢力という集団であり、
[[サンプル=ショゴス]]を利用したトラップ工作にも怒りを露わにしている。
自己評価は「何事も平均値かそれ以下しか叩き出せない凡人」と低いものの、
僧正が、
「幻想殺しは偶然で上条当麻に宿ったのではなく、[[神浄の討魔>神浄(かみじょう)]]たる魂の輝きに惹かれて定着した」
と語っていたように、
ネフテュスは「上条当麻と同じように、上里翔流もまた、理想送りを引き寄せるほどの何かを持っていた」と考えていた。
基本的にお互いに嫌い合っている上条でさえ、「上里もまた皆に慕われるヒーローである」という一点だけは認めている。
上条当麻に対しては、「自分と同じく望まない能力を押し付けられた被害者」として接しようとしたが、
考え方の違いにより対立、以降は互いに「敵か味方で言えば敵」と言った関係になっており、
翌日出会った際には本気の喧嘩を起こしていた。
ことあるごとに「平凡な高校生」を強調したがるが、右手が無かった新約十六巻では、
「もし学校にテロリストが現れたら?」という妄想の戦法をシミュレートし、
日常雑貨を使い極めてマニュアル通りな戦法で100m超級の[[エレメント]]を難なく倒す等、卓越した戦闘センスを見せる。
彼曰く「平凡であるがゆえの自由度の高さ」であるようだが、
その様子を見た上条からは「これが本当にどこにでもいる平凡な高校生なのか」と疑問を持たれており、
作中でも「どんな非日常も日常として実行できてしまう」という異常性を生まれつき持っていることが示唆されている。
新約十七巻にて理想送りを取り返すも、上条当麻の「上里勢力は自分で上里に付き従っているだけだ」という発言に信条が揺れ動いていて、
[[窓のないビル]]地下のロケットブースター作動阻止のため理想送りを使用するが、
ブースターの消去と共に『願望の重複』を抱えていた自分自身を消失せしめる結果になった。
上里の信念は「迷いながらも抱いた理想を現実に押し潰される事なくなし遂げさせる」と言うべきものであり、
庇護対象の何よりも譲れない矜持を尊重し、なし遂げる後押しをする事で救う。
つまり、上条が「幻想殺し」という名の通り「幻想を殺して救う」ヒーローであるのに対し、
上里は「理想送り」の名の通り「理想へ送り出して救う」というヒーローである。
*【作中での行動】
初登場は新約十三巻。
娘々とネフテュスの前に突然現れ、娘々を追放する。
その後「他の魔神達は...?」と問いたネフティスに対して「知らないし覚えていない」と返し、
ネフテュスも消し飛ばした。が、彼女の主要な臓器は別の場所に保管されていたため、結果的に逃走を許してしまう。
新約十四巻。ネフテュスが上条のところに転がり込むことを予見し、上条の前に現れるが、
現地に現れた『[[赤>カニバリゼーション]]』と『黒』の戦闘に巻き込まれたため、一時上条と共闘。
『黒』の正体であった[[パトリシア=バードウェイ]]を回収し、現場を離れる事になった。
上里勢力のメンバーである[[絵恋>有村絵恋(ありむらえれん)]]達と合流し、パトリシアの事情を聞いた後、
上里は『サンプル=ショゴス』の除去が難しい事を踏まえ、 パトリシア自身ごと理想送りで消滅させる手段を提案したが、
「姉を救いたい」という強い思いから彼女はこれを拒否。
実際に理想送りに触れても、「理想郷を望む意思」がないために影響を受けなかったことから、
パトリシアに[[ヒーロー]]として尊敬の念を持ち、「命をかけてでも姉を救う」という彼女の望みを叶えるために協力を約束する。
そして、再び上条と対峙し、『同じ』特別な右手を持つ「平凡な高校生」上条に対して、
「望みもしない力を与えられ、日常を乱された者」としての意見交換を求めた。
しかし、同類だろうと期待して身の上を話した上条に、
「俺とお前は全く違う」「他人を信じることができなかったから疑念を払えなかった」
「自分を信じることができなかったから卑屈に定義付けた」と評され、決裂。
『幸運』を通して卑屈になっていた上里と、『不幸』を通して前向きになっていた上条では考え方が合わなかった。
[[レイヴィニア>レイヴィニア=バードウェイ]]とパトリシアの主張の激突における戦闘ではパトリシアに付き、
上里勢力の人員も導入して上条達と交戦。そこで上条と再度主張をぶつけ合うが、
最後までレイヴィニアとパトリシアの両者を救うための方策を諦めない上条に論破されて敗北。
上条の提案した、暮亞の能力を利用したパトリシア救出作戦に協力する事になった。
パトリシア救出後、上条に「魔神に対して復讐しようと思わないのか」と尋ねるも、
「パトリシアを救ったネフテュスを見ても『悪』だけしかないと思うなら、お前の方こそが敵だ」と断じられる。
そして、「幻想殺しと理想送りがぶつかったらどうなるのか?」という純粋な疑問を解消するため、上条と激突した。
幻想殺しとの激突は理想送りの勝利に終わり、上条の右腕を消し飛ばした。
が、しかしその直後、その『奥』から出てきたモノに襲われ、撤退を余儀なくされる。
撤退の直後、アレイスターの意向を受けて現れた[[木原脳幹>木原脳幹(きはらのうかん)]]と対峙。
理想送りを受けて[[対魔術式駆動鎧>対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)]]を消し飛ばされても、
「新たな天地を望むか?」と問われてもなお、 自身の理想や願望を決してブラさず、
『願望の重複』をもたらすこともなかった脳幹に対し、敵として敬意を示した。
抵抗する脳幹を警棒のような物で滅多打ちにして撃破した後、いずこかへ姿を消した。
新約十五巻。僧正がとある高校を破壊したため、上条達は別の学校の校舎を間借りすることになったのだが、
上里自身もその学校に一足先に転入しており、図らずも激闘から一夜明けて上条と再会する。
(なおさらっと流されているが地の文曰く軽く殺し合いになった模様。)
幸い、初日ではお互いいがみ合いながらも平穏に日常生活を送った。
しかしそのまた翌日、去鳴が学園都市に侵入したことをいいことに、去鳴への対処に協力する振りをして
上里勢力のメンバーと共に上条の殺害を決行。
だが上里を元に戻す為に上条が必要と判断した去鳴が上条を助けた事、
去鳴と交戦していた[[一方通行>一方通行(アクセラレータ)]]が現れた事により上条を逃す。
その後、青髪ピアスを含めた上条の男子クラスメイトとで、上条の右腕から出たモノの正体を
掴むつもりだったようだが、復讐を図る唯一の策により隙をつかれ、理想送りごと右手を切断され出血多量で気を失う。
辛うじて意識を取り戻すが、右手を唯一に簒奪されたため、上里勢力が唯一に従い自分を殺そうとするだろうと思い込み、
近づく[[少女達>上里勢力(かみさとせいりょく)]]に対し初めて恐怖を露わにする。
しかし、以前と変わらぬ様子で慕う彼女達の姿を見て、ようやく己の勘違いを悟り、
迷走を止めて正当な進化を歩めるようになる。
そして唯一に奪われた理想送りを取り戻すべく、他でもない「仲間達」と共に決着をつけることを決意する。
新約十六巻。木原唯一が放った[[エレメント]]の活動を抑えるために、
[[府蘭>烏丸府蘭(からすまふらん)]]に指示を出し、学園都市にマイクロ波を放った。
(学園都市全体を高気温にしておかなければエレメントの活動が活発化し半日で学園都市は制圧されていたため)
すなわち、上里こそ[[大熱波]]を引き起こした張本人である。
「[[水晶の塔]]」の破壊工作後に常盤台中学を急襲してきた唯一から上条たちを救い、
上条を自分達の拠点に連れていった。
そこで上条に事情を話し、唯一がいるはずの『[[窓のないビル]]』への殴り込みを持ちかけ、協力を得る。
唯一との決戦では、同じく復讐者であることから唯一の思考を読みつつ、
上里勢力の仲間達の「世界」を把握していることによる連携で、A.A.A.を駆使する唯一に理想送り無しで対抗する。
獲冴の能力によるハッタリで唯一を動揺させ、その隙にA.A.A.の破壊に成功。
が、唯一の策にハマり、ブースターによる全面焼却を阻止するために理想送りを使わざるを得なくなってしまう。
既にこの時点の上里は「魔神への復讐者」の域を脱しており、
「復讐を果たしたい」「周囲への被害を抑えたい」という、
相反する願望を抱えてしまっていた。
理想送りを使用すれば自身が『新たな天地』へ追放される。
しかし使用しなければブースターの高熱で全員まとめて炭になる。
自らが追放されることを覚悟の上で、なお強引に繋ぎ合わせた右手を振るい、上条達を文字通り死守。
最後の最後、共に戦った少女達を上条に託し、笑いながら世界から消失した。
『[[新たな天地]]』に送られた後は、先に追放されていた魔神たちに死なない程度にお礼参りされた。
上条を殺したオティヌスの前例を見るに、丸腰の上里が魔神から本気で袋叩きにされれば一瞬で絶命するのは想像に難くない。
娘々が冗談めいて「演武」と言うように、かなり加減されていたと思われる。
その後、彼に悪意を抱いていない娘々とネフテュスに、
彼を(今度は本気で)殺害しようとする魔神たちから保護され、全力全開の「魔神」同士の本気の戦闘を安全圏から目撃する。
その最中、ネフテュスと娘々に、理想送りが上里に宿った理由を自覚していたのではないかと問われる。
本来彼は「どこにでもいる平凡な高校生...『ではない』」存在であり、
非日常を妄想し、「本当にその通りにどうにかしてしまう」自分の異常性にこそ理想送りは彼を選んだのではないのかと。
その問いに「本物の神と戦うような非日常の中の非日常でしか輝けない自分とは何なのだ」と嘆きを口にした。
そして娘々から「異形の世界で輝き続けるか、人間の世界で埋もれていくか」と問われ、
「ありふれた世界の中で何度でも挑戦し続けたい、輝ける自分に!」という答えを口にする。
そして、娘々とネフティス、二柱の魔神はその答えに価値を見いだした。
直後、上条たちがネフテュスを媒介にして発動させた術式により、『新たな天地』から現世に引き戻された。
その後、「理想送り」の力を消す手段を求めて世界を旅することを決め、上条に別れを告げて学園都市を去った。
*【口調】
一人称は「ぼく」。二人称は「きみ」。
理想送りの使用時には、「新たな天地を望むか?」と問いを投げかける。
「ぼくは上里翔流。どこにでもいる平凡な高校生さ」
「なあ、一つ教えてほしいんだ。きみにとっての『救い』の定義を」
「新たな天地を望むか?」
*【余談】
オティヌスから「上条が天然のダイヤなら上里は人工のダイヤ」と称されているが、実際は上条と同じく「天然のダイヤ」。
これは上条勢力のオティヌスが上里を色眼鏡で見ていた故の評価であり、
上条と交流を交わしてない去鳴、琉華、府蘭以外の上里勢力が上条をどう評価するのかと同じと思われる。
本人が素晴らしい輝きを持っている点、その輝きが多くの人を惹き付ける点、
描いた理想像をまっすぐなぞれる点、それを笠に着る事無く困った人を助け出す点。
右手に宿る力の名が本質そのものな点。
そして何より、これらの凄まじさを本人がまるで自覚していない点まで徹底して上条と共通している。
なお、
・違和感を感じ始めたのは11月初頭(第三次世界大戦前後)
・明確に『身に宿る力』と自覚したのは2、3日前(サンジェルマンの騒動前後)
と、時系列がズレていることから、
理想送りを使わずに、最低でも無意識的に発動することで少女を救っていたことが分かる。
つまり上条と同じく自分の力に頼りきりでなく人を救ったということになる。
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【種別】
人名
【初出】
新約十三巻
#contents
*【概要】
[[学園都市>学園都市(がくえんとし)]]の外からやってきた、『どこにでもいる平凡な高校生』を自称する少年。
[[上条>上条当麻(かみじょうとうま)]]の[[幻想殺し>幻想殺し(イマジンブレイカー)]]と同種にして対極とされる異能力、『[[理想送り>理想送り(ワールドリジェクター)]]』をその右手に宿している。
「[[魔神>魔神(まじん)]]」[[娘々>娘々(ニャンニャン)]]と[[ネフテュス]]の前に突如として現れ、彼女達を含む全ての魔神を追放するという登場を果たした。
*【人物】
茶髪で身長171cm、自身も貧相だと認めるぐらいの特に鍛えられているわけでもない体格。
これといった個性や趣味もない事を気にしていて、肩を鳴らす事を癖にしようとしているが、殆ど鳴っていない。
が、上条と対立した際に感情が高ぶった時、初めて音を立てた。
優しそうな声色だが、その言動の節々に退廃的な雰囲気がある。
上里自身は学園都市の人間ではなく、地方のどこにでもあるような高校の生徒。
能力を手に入れるまでは平凡な学校生活を送っており、
女性関係も、上手く会話できない疎遠な幼なじみの[[獲冴>獲冴(エルザ)]]や、ちょっと気になるクラスの園芸部員[[暮亞>田妻暮亞(たづまくれあ)]]程度。
上里もそれに満足しており、平凡な日常を愛していたと自称している。
しかし「絶滅犯」の義妹サロメに対し、兄として普通に彼女に接していた事から、
理想送りに関係なく既にこの時点で異常性があったと思われる。
11月初頭から、彼は違和感を感じ始めた。
力に呼応するかのように「困難に苛まれている少女」達が現れ、
上里の持つ「女の顔した物ならなんでも救うクソッタレな性質(ヒーロー性)」により、少女達を助けていくことになる。
が、救いを与えられた少女達は上里を異常な程に慕いだし、
更には[[原石>原石(げんせき)]]や[[魔術師>魔術師(まじゅつし)]]といった常軌を逸した存在と化していった(上里視点での話であり、理想送りのせいとは明確に証明できない)
そして少女達は、[[上里勢力>上里勢力(かみさとせいりょく)]]と呼ばれる「上里の為になんでもする」集団と化した。
これによって自身の勢力が「望んでいた未来を無理矢理変えられた物」であるとして、
自らの思想を壊した魔神への復讐を誓う事になる。
が、本当は「普通の高校生」である自分を慕う少女達が理解できず、
「理想送りによって作られた繋がりだから、右手が消えた時に自分から離れていってしまう」といった感情に怯え、
オティヌスが上条に「偽上条が上条の居場所を奪った世界」を見せたように、
魔神を倒し元の生活に戻す事でその恐怖を治そうとしていたと上条に指摘された。
しかし新約十五巻で、右腕が唯一に取られたのにも関わらず自分をまだ慕おうとする少女達に対し、考えを改める事になる。
彼の存在は真の[[グレムリン]]の魔神達はもちろん、
[[アレイスター=クロウリー]]ですら予想できなかった事であり、
娘々やネフテュスの前に姿を現した際に初めて存在が確認され、
[[ローラ=スチュアート]]のみが最初からその存在を感知していた。
右手の力には辟易しているが、根本的な思考は善人のそれであり、
上条のように目の前の人間を見捨ずに必ず救う。
その結果が上里勢力という集団であり、
[[サンプル=ショゴス]]を利用したトラップ工作にも怒りを露わにしている。
自己評価は「何事も平均値かそれ以下しか叩き出せない凡人」と低いものの、
僧正が、
「幻想殺しは偶然で上条当麻に宿ったのではなく、[[神浄の討魔>神浄(かみじょう)]]たる魂の輝きに惹かれて定着した」
と語っていたように、
ネフテュスは「上条当麻と同じように、上里翔流もまた、理想送りを引き寄せるほどの何かを持っていた」と考えていた。
反りが合わない上条でさえ、「上里もまた皆に慕われるヒーローである」という一点だけは認めている。
上条に対しては、「自分と同じく望まない能力を押し付けられた被害者」として友好的に接しようとしたが、
思想の違いで対立し、以降は一触即発な関係になっており、
翌日出会った際には本気の喧嘩をした。
彼曰く「平凡であるがゆえの自由度の高さ」であるようだが、
その様子を見た上条からは「これが本当にどこにでもいる平凡な高校生なのか」と疑問を持たれており、
作中でも「どんな非日常も日常として実行できてしまう」という異常性を生まれつき持っていることが示唆されている。
上里の信念は「迷いながらも抱いた理想を現実に負けずになし遂げさせる」といったものであり、
相手の譲れない矜持を尊重し、後押しをする事で救う。
上条が「幻想を殺し『否定』して」救うのに対し、
上里はいわば「理想へ送り『肯定』して」救う。
*【作中での行動】
初登場は新約十三巻。
娘々とネフテュスの前に突然現れ、娘々を新天地へ追放する。
その後、「他の魔神達は…?」と尋ねたネフテュスに対して「知らないし覚えていない」と返し、
続けて消し飛ばした。
しかし主要な臓器が別の場所に保管されていたため、結果的には逃走を許してしまった。
新約十四巻。ネフテュスが上条へと逃げ込むことを予見し、上条の前に現れるが、
突如現れた『[[赤>カニバリゼーション]]』と『黒』の戦闘に巻き込まれたため、一時上条と共闘。
『黒』の正体であった[[パトリシア=バードウェイ]]を回収し、現場を離れる事になった。
上里勢力の[[絵恋>有村絵恋(ありむらえれん)]]達と合流し、パトリシアの事情を聞いた後、
上里は『サンプル=ショゴス』の除去が難しい事を踏まえ、 肉体ごと理想送りで全て消滅させる手段を提案したが、
「姉を救いたい」という強い思いから彼女はこれを拒否。
パトリシアに理想送りが作用しなかったことで
「命をかけてでも姉を救う」という彼女を[[ヒーロー]]として尊敬し、望みを叶えるために協力を約束した。
再び上条と対峙し、
「望みもしない力を与えられ、日常を乱された者」として同類だろうと期待したが、
上条に
「俺とお前は全く違う」「他人を信じることができなかったから疑念を払えなかった」
「自分を信じることができなかったから卑屈に定義付けた」と評され憤る。
『幸運』で卑屈になった上里と、『不幸』で前向きになった上条は決裂。
[[レイヴィニア>レイヴィニア=バードウェイ]]とパトリシアの激突ではパトリシア側につき、
上里勢力を投入した上で上条達と交戦。そこで上条と再度主張をぶつけ合うが、
最後まで両者を救うための方策を諦めない上条に押し負けることになった。
結果的に上条が考案した暮亞の能力を利用するパトリシア救出作戦に協力した。
作戦後、上条に「魔神に対して復讐しようと思わないのか」と尋ねるも、
「パトリシアを救ったネフテュスを見ても『悪』だけしかないように見えるなら、お前の方こそが敵だ」と断じられる。
最後には「幻想殺しと理想送りがぶつかったらどうなるのか?」という純粋な疑問を解消するため、再び上条と激突した。
理想送りは幻想殺しに打ち勝ち、上条の右腕を消し飛ばした。
しかしその直後に腕の『奥』から出てきたモノに襲われ、深手を負いながらの撤退を余儀なくされた。
撤退後、アレイスターの意向を受けて現れた[[木原脳幹>木原脳幹(きはらのうかん)]]と対峙。
理想送りで[[対魔術式駆動鎧>対魔術式駆動鎧(アンチアートアタッチメント)]]を消し飛ばされ、
「新たな天地を望むか?」と問われてもなお、 『願望の重複』をもたらすことがなかった脳幹に対し、敵として敬意を示した。
抵抗する脳幹を警棒のような物で瀕死にした後、どこかへ姿を消した。
新約十五巻。僧正がとある高校を破壊したため、上条達は別の学校の校舎を間借りすることになったが、
上里自身もその学校に一足先に転入しており、図らずも激闘から一夜明けて上条と再会する。
地の文曰くここでまたもや軽く殺し合いになった模様。
初日はお互いいがみ合いながらも平穏な生活を送った。
一転してその次の日は、去鳴が学園都市に侵入したことを利用し、対処に協力する振りをして上里勢力と共に上条の殺害を決行。
しかし、上里を元に戻す為に上条が必要と判断した去鳴が上条を助けた事、
去鳴と交戦していた[[一方通行>一方通行(アクセラレータ)]]が現れた事により上条を逃す。
その後、上条の男子クラスメイトと上条の右腕から出たものの正体を掴もうとしたが、
復讐を図る唯一の策により隙をつかれ、理想送りごと右手を切断され出血多量で気を失う。
辛うじて意識を取り戻すが、上里勢力が自身の右手を簒奪した唯一に従い自分を殺そうとすると思い込み、
近づく[[少女達>上里勢力(かみさとせいりょく)]]に対し初めて恐怖を露わにした。
しかし、以前と同じく自身を慕う彼女達の姿を見て自分の勘違いを悟り、迷走を止めて正当な進化を歩むことを決意した。
そして理想送りを取り戻すべく、上里勢力の少女達と共に唯一へと立ち向かった。
新約十六巻。[[エレメント]]の活動を抑えるために、
[[府蘭>烏丸府蘭(からすまふらん)]]に指示を出して学園都市に[[大熱波]]を引き起こした。
自身を「平凡な高校生」だと強調しながらも、右手がない中で
「もし学校にテロリストが現れたら?」という妄想をシミュレートし、
日常雑貨を使った戦法で100m超級の[[エレメント]]を難なく倒す等、卓越した戦闘センスを見せた。
「[[水晶の塔]]」の破壊工作後に常盤台中学を急襲してきた唯一から上条たちを救った。
そこで上条を自分達の拠点に連れていって事情を話し、唯一いるという『[[窓のないビル]]』への殴り込みを持ちかけて協力を得る。
唯一との決戦では、自身と同じ復讐者である唯一の思考を読みつつ、
上里勢力が「世界」を把握する連携で、A.A.A.を駆使する唯一に理想送り無しで対抗する。
獲冴の能力によるハッタリで唯一を動揺させ、その隙にA.A.A.の破壊に成功。
が、唯一の策にハマり、ブースターによる全面焼却を阻止するために理想送りを使わざるを得なくなってしまう。
既にこの時点で上里は「復讐を果たしたい」「周囲への被害を抑えたい」という、相反する願望を抱えてしまっていた。
理想送りを使用すれば自身が『新たな天地』へ追放され、使用しなければブースターの高熱で全員が消し炭になる。
自分の追放を覚悟の上で強引に繋ぎ合わせた右手を振るい、上条達を死守。
共に戦った少女達を上条に託し、笑いながら世界から消滅した。
『[[新たな天地]]』に送られた後は、先に追放されていた魔神たちに死なない程度にお礼参りされた。
娘々が冗談めいて「演武」と言うように、かなり加減されていた。
その後、彼に悪意を抱いていない娘々とネフテュスに、
彼を本気で殺害しようとする魔神達から保護され、全力全開の「魔神」同士の本気の戦闘を安全圏から目撃する。
その最中、
「上里翔流はどこにでもいる平凡な高校生『ではなく』、非日常の妄想通りにどうにかしてしまう自身の異常性に理想送りが宿ったのではないか。そしてそれを自覚していたのではないか」
などとネフテュスと娘々と押し問答を続ける内に
「ありふれた世界の中で何度でも挑戦し続けたい、輝ける自分に!」という答えを口にする。
そして二柱の魔神はその答えに価値を見いだし、上条たちがネフテュスを媒介にして発動させた術式により、『新たな天地』から現世に舞い戻った。
その後「理想送り」の力を消すために世界を旅することを決め、上条に別れを告げて学園都市を去った。
*【口調】
一人称は「ぼく」。二人称は「きみ」。
理想送りの使用時には、「新たな天地を望むか?」と問いを投げかける。
「ぼくは上里翔流。どこにでもいる平凡な高校生さ」
「なあ、一つ教えてほしいんだ。きみにとっての『救い』の定義を」
「新たな天地を望むか?」
*【余談】
オティヌスから「上条が天然のダイヤなら上里は人工のダイヤ」と称されている。
が、これは上条の理解者であるオティヌスが上里を色眼鏡で見ていた故の評価である。
よって、上条と交流を交わした上里勢力の去鳴、琉華、府蘭が上条を高評価したようにその逆もあり得ると言える。
また、本人が素晴らしい輝きを持ち、多くの人を惹き付ける点、
描いた理想像をまっすぐなぞり、それを笠に着る事無く困った人を助け出す点。
右手に宿る力の名が自身の本質そのものを表す点。
そして何より、これらを本人がまるで自覚していない点が徹底して上条と共通している。
なお、
・違和感を感じ始めたのは11月初頭(第三次世界大戦前後)
・明確に『身に宿る力』と自覚したのは2、3日前(サンジェルマンの騒動前後)
と、時系列がズレていることから、
理想送りを使わずに、最低でも意識外で使うことで少女達を救っていたことが分かる。
つまり上条と同じく自分の力に頼りきらずに多くの人を救ったということになる。
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