【種別】 実験 【初出】 三巻 【解説】 1. [[樹形図の設計者>樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)]]の算出したプランに従い、 最強の超能力者[[一方通行>一方通行(アクセラレータ)]]を[[絶対能力者(レベル6)]]へ進化させる実験。 [[天井亜雄>天井亜雄(あまいあお)]]、[[芳川桔梗>芳川桔梗(よしかわききょう)]]、[[布束砥信>布束砥信(ぬのたばしのぶ)]]といった一線級の研究者が参加している。 実験内容は、特定の戦場を用意しシナリオ通りに戦闘を進める事で成長の方向性を操作するというもの。 「二万通りの戦場を用意し、二万体の『妹達』を殺害することで『絶対能力者(レベル6)』への進化(シフト)を達成する」 というとても正気の沙汰とは思えない内容。 それでも約半分ほどまでは順調に進行、第九九八二次実験以降は[[御坂美琴>御坂美琴(みさかみこと)]]による破壊工作が行われたが、 計画を外部機関に引き継がせることで難を逃れている。 が、第一〇〇三二次実験で[[上条>上条当麻(かみじょうとうま)]]の妨害が入り、一方通行が敗北。 「最強の超能力者が最弱の無能力者に倒される」という事態にプランの見直しも考えられたが、既に樹形図の設計者が失われていたため 再計算が不可能な事もあり、計画は無期凍結された。 その後、天井が[[最終信号>ミサカ20001号(最終信号・打ち止め)]]にウィルスを仕込んで起こそうとした事件により、完全な中止・解体が決定される。 しかしその実情は、[[アレイスター>アレイスター=クロウリー]]が『プラン』のために利用した隠れ蓑であり、 [[量産型能力者計画>量産型能力者計画(レディオノイズけいかく)]]の取り潰しから、絶対能力進化計画が失敗するところまでを含めて全てが偽装。 真の狙いは実験のために生み出された[[妹達>妹達(シスターズ)]]を全世界へ送り込むことで、 世界全土を覆うように[[虚数学区>虚数学区・五行機関(きょすうがっく・ごぎょうきかん)]]を発生させるためのアンテナを配置する事だった。 その為、実験後も生き残った妹達は『治療』と称して(実際に治療も行なわれているが)、[[学園都市>学園都市(がくえんとし)]]以外にも世界各地の協力機関に送られている。 なお、[[超電磁砲>とある科学の超電磁砲(とあるかがくのレールガン)]]第四十三話で[[常盤台中学>常盤台中学(ときわだいちゅうがく)]]に掛かってきた 「御坂さんと思われる人物が路地裏でサバゲーを…」 という通報は、この実験が第三者に見られた結果と思われる。 ---- 2. 上記のプランとは別に、 [[木原幻生>木原幻生(きはらげんせい)]]の孫である[[テレスティーナ>テレスティーナ=木原=ライフライン]]もレベル6を誕生させるための実験をしていた。 その対象となった能力者は[[春上衿衣>春上衿衣(はるうええりい)]]。 眠れる暴走能力者となった[[枝先絆理>枝先絆理(えださきばんり)]]他[[チャイルドエラー>置き去り(チャイルドエラー)]]の脳内で分泌される成分を、 [[能力体結晶>体晶(たいしょう)]]と融合させることで能力体結晶を完成させ、それを春上に投与することでレベル6にシフトさせる計画であった。 彼女が枝先絆理限定でレベル以上の[[精神感応>精神感応(テレパス)]]を発現させることを利用し、人為的に[[ポルターガイスト>RSPK症候群]]を起こさせていた。 しかし、その計画は完遂される前に事態を知った御坂美琴の手によって阻止された。 なお、その際にテレスティーナは、 「学園都市の目的はレベル6を誕生させること。学園都市はレベル6さえ誕生したら後はどうでもいい。」 と発言している。 しかし、[[麦野>麦野沈利(むぎのしずり)]]によれば、体晶を使った絶対能力進化実験には、 「『樹形図の設計者』からの絶望的な答え」を返されている。 置き去りとの共鳴や精神感応による実験を「悪あがき」と言及していることから、かなり以前の段階からテレスティーナの個人的な研究として進めていたらしい。 ---- 3. [[大覇星祭(だいはせいさい)]]の裏で木原幻生が美琴を対象に進めていた計画で、「もう一つの『絶対能力進化計画』」と描かれた。 幻生曰く、レベル6として安定するのは一方通行のみだが、美琴の力を暴走させて強引にレベル6に迫ることで いずれ一瞬だけレベル6に到達し神の領域を垣間見るらしい。ただしその一瞬の直後、心身共に限界を迎え個体としては破滅する、と幻生は見ている。 [[外装代脳>外装代脳(エクステリア)]]を乗っ取った幻生が特性のウィルス([[心理掌握>心理掌握(メンタルアウト)]]によって[[ネットワーク>ミサカネットワーク]]の意思総体を洗脳しているらしい)をミサカネットワークに使うことで ミサカネットから溢れ出た正体不明の黒い力を美琴に注ぎ、美琴の眠れる力を引き起こし実験が始まった。 1回目の変形(設定画では「Phase5.1」と呼称)の段階で進捗度は2%程度。それでも本来の美琴の数十倍の火力を持つ。 レベル6への到達度にして53%の段階で美琴の人格は別次元のものに変質してしまうため、こちらの世界に縫いとめるために幻生は『外装代脳』のブーストコードを必要としていた。 Phase5.2の段階では頭に天使の輪らしき物が出現し、腕には圧縮したAIMと電熱化した金属で作った翼を一つ装備しておりそれで戦う(ラフ画のメモより)。 やがてPhase5.3に達した時に[[食蜂>食蜂操祈(しょくほうみさき)]]が幻生を無力化したことでPhase5.3の段階で美琴の精神操作も解除されたが、力の暴走は止まらなかった。 この時生み出していた謎の黒球は美琴が元来持っていた電力などではなく、[[削板軍覇>削板軍覇(そぎいたぐんは)]]曰く「別の世界から来た力」、「文字通り『理解』のできねえモン」であるらしい。 その力は圧倒的で、前述した数十倍の雷撃、広範囲かつ強力な磁力で操った大質量攻撃、瞬間的な翼での殴打などで、世界最大の[[原石]]である削板軍覇を一時的とはいえ戦闘不能にするほど。 削板の協力を受けた上条の突撃によって黒球に接触するも、触れた右腕は千切れて弾け飛んだ後、右腕の断面から[[竜王の顎(ドラゴンストライク)]]が出現。 それぞれ容姿の異なる八本の竜が黒い球体を食い散らし、暴走状態は完全に停止して美琴も元の姿に戻った。 一連の戦闘の余波で周囲の建物にも被害が及んだほか、跡地には[[謎の金属>不在金属(シャドウメタル)]]が残された。 ---- 4. [[人体のどの部位に能力が宿るかを研究>プロデュース]]していた[[菱形>菱形幹比古(ひしがたみきひこ)]]によれば、その結論は、 A.霊魂と呼ぶべき何かが宿った肉体そのものに能力は宿る B.切除によって体が小さくなると能力の出力が落ちる の2つ。Aは応用できそうにない「クソみたいな結論」(菱形の発言)だが、 Bを逆に考えれば、体を巨大化させれば能力の出力が上がることになる。 そこで、機械で出来た巨体を自身の肉体であると脳に錯覚させる[[棺桶]]というシステムが開発された。 事実、棺桶プロトタイプは[[レベル2の素体>人皮挟美(ひとかわはさみ)]]からレベル4相当の出力、 [[窮奇>窮奇(きゅうき)]]、[[饕餮>饕餮(とうてつ)]]の2体はレベル3の素体からレベル5相当の出力を引き出すことに成功している。 ([[渾沌>渾沌(こんとん)]]については不明) 菱形としては[[蛭魅>菱形蛭魅(ひしがたひるみ)]]をレベル6として完成させて学園都市にその成果を認めさせたいところだが、 特殊な処理を施した死体の脳でしか成功していない等、棺桶の実用化には難点も多い。 この特殊な処理とは、スーパーバイザーとして招かれた[[エステル>エステル=ローゼンタール]]による[[死霊術>死霊術(しりょうじゅつ)]]も含んでおり、 レベル6完成のためには[[魔術>魔術(まじゅつ)]]すら利用しようとする姿勢が見て取れる。 巨大化した[[檮杌>檮杌(とうこつ)]]の崩壊および菱形の死亡により計画は頓挫。 なお檮杌が崩壊する際の衝撃波は学園都市全体を壊滅させる規模のものだったが、 この衝撃波は一方通行によって大気圏外に放出された。 ----