【種別】
実験
【初出】
三巻
【解説】
実験内容は、特定の戦場を用意しシナリオ通りに戦闘を進める事で成長の方向性を操作するというもの。
「二万通りの戦場を用意し、二万体の『妹達』を殺害することで『絶対能力者(レベル6)』への進化(シフト)を達成する」
という、とても正気の沙汰とは思えない内容。
それでも約半分ほどまでは順調に進行、第九九八二次実験以降は
美琴による破壊工作が行われたが、
計画を外部機関に引き継がせることで難を逃れている。
が、第一〇〇三二次実験で
上条の妨害が入り、一方通行が敗北。
「最強の超能力者が最弱の無能力者に倒される」という事態にプランの見直しも考えられたが、
既に樹形図の設計者が失われていて再計算が不可能だった事もあり、計画は無期凍結された。
その後、天井が
最終信号にウィルスを仕込んで起こそうとした事件により、完全な中止・解体が決定される。
しかしその実情は、
アレイスターが『
プラン』のために利用した隠れ蓑であり、
量産型能力者計画の取り潰しから、絶対能力進化計画が失敗するところまでを含めて、
(アレイスターにとっては)全てが元から織り込み済みの偽装だった。
真の狙いは、実験のために生み出された
妹達を全世界中に送り込むことで、
虚数学区を発生させるためのアンテナを世界全土を覆うように配置する事だった。
その為、実験後も生き残った妹達は『治療』と称して(実際に治療も行なわれているが)、
学園都市以外にも世界各地の協力機関に送られている。
「御坂さんと思われる人物が路地裏でサバゲーを…」
という通報は、この実験が第三者に見られた結果と思われる。
眠れる暴走能力者となった
枝先絆理他
チャイルドエラーの脳内で分泌される成分を、
能力体結晶と融合させることで能力体結晶を完成させ、それを春上に投与することでレベル6にシフトさせる計画であった。
彼女が枝先絆理限定でレベル以上の
精神感応を発現させることを利用し、人為的に
ポルターガイストを起こさせていた。
しかし、その計画は完遂される前に事態を知った御坂美琴の手によって阻止された。
なお、その際にテレスティーナは、
「学園都市の目的はレベル6を誕生させること。学園都市はレベル6さえ誕生したら後はどうでもいい。」
と発言している。
しかし、
麦野によれば、体晶を使った絶対能力進化実験には、
「『樹形図の設計者』からの絶望的な答え」を返されている。
置き去りとの共鳴や精神感応による実験を「悪あがき」と言及していることから、
かなり以前の段階からテレスティーナの個人的な研究として進めていたらしい。
幻生曰く、レベル6として安定するのは一方通行のみだが、美琴の力を暴走させて強引にレベル6に迫ることで
一瞬だけレベル6に到達し神の領域を垣間見るらしい。
ただしその一瞬の直後、心身共に限界を迎え個体としては破滅、余波で学園都市も崩壊すると幻生は見ている。
外装代脳(エクステリア)を乗っ取った幻生が特製のウィルス
(
心理掌握によって
ミサカネットワークの意思総体を洗脳しているらしい)
をミサカネットワークに使うことで溢れ出た正体不明の黒い力を依り代の美琴に注ぎ、実験が始まった。
1回目の変形(設定画では「Phase5.1」と呼称)の段階で進捗度は2%程度。それでも本来の美琴の数十倍の火力を持つ。
53%の段階で美琴の人格は別次元のものに変質してしまうため、こちらの世界に縫いとめるために幻生は『外装代脳』のブーストコードを必要としていた。
Phase5.2の段階では頭に天使の輪らしき物が出現している。
なお、はいむら氏のラフ画のメモに「腕に発生した圧縮したAIMと電熱化した金属で作った翼で戦う」とあるが鎌池氏の公式設定でないことに留意。
Phase5.3の段階で、
食蜂が幻生を無力化したことで美琴の精神操作も解除されたが、力の暴走は止まらなかった。
ここで暴走している力が生み出していた謎の黒球は美琴が元来持っていた電力ではなく、
削板曰く「別の世界から来た力」、「文字通り『理解』のできねえモン」であるらしい。
その力は圧倒的で、前述した数十倍の雷撃、広範囲かつ強力な磁力操作による大質量攻撃、
瞬間的な翼での殴打などで、世界最大の
原石である削板を一時的とはいえ戦闘不能にするほど。
削板の協力を受けた上条が黒球に接触すると右腕は千切れて弾け飛んだ後、右腕の断面から
竜王の顎(ドラゴンストライク)が出現。
それぞれ容姿の異なる八本の竜が黒い球体を食い散らし、暴走状態は完全に停止して美琴も元の姿に戻った。
一連の戦闘の余波で周囲の建物にも被害が及んだほか、跡地には
謎の金属が残された。
4.
人体のどの部位に能力が宿るかを研究していた
菱形によれば、その結論は、
A.霊魂と呼ぶべき何かが宿った肉体そのものに能力は宿る
B.切除によって体が小さくなると能力の出力が落ちる
の2つ。
Aは応用の効かない「クソみたいな結論」(菱形の発言)だが、
Bを逆に考えれば、体を巨大化させれば能力の出力が上がることになる。
そこで、機械の巨体を自身の肉体であると脳に錯覚させる
棺桶というシステムが開発された。
事実、棺桶プロトタイプは
レベル2の素体からレベル4相当の出力、
窮奇、
饕餮の2体はレベル3の素体からレベル5相当の出力を引き出すことに成功している。
渾沌についてはコミックス版では不明だったが、アニメ版では前2体と同等に描写されていた。
菱形としては
蛭魅をレベル6として完成させて学園都市にその成果を認めさせたいところだが、
特殊な処理を施した死体の脳でしか成功していない等、棺桶の実用化には難点も多い。
この特殊な処理とは、スーパーバイザーとして招かれた
エステルによる
死霊術も含んでおり、
レベル6完成のためには
魔術すら利用しようとする姿勢が見て取れる。
巨大化した
檮杌の崩壊および菱形の死亡により計画は頓挫。
なお檮杌が崩壊する際の衝撃波は学園都市全体を壊滅させる規模のものだったが、
この衝撃波は一方通行によって大気圏外に放出された。
最終更新:2021年10月11日 09:51