とある王国のペンタ姫は思慕された兄王に誓いを立てるため奴隷に頼み、両手を切り捨てたものの、兄王に理解されず、怒りを買って函詰めにされ、海逃がされた。
その後も箱を拾ってくれた王の妻が姫の美しさに嫉妬し、また箱詰めにされて海に流されたりと繰り返し非道な目に逢う。
しかし、そのたびにまた新たな幸運を受ける。また最終的に彼女を苦しめた原因人物たちが改心。
ペンタを娶り、幸せにするために、彼らは「幸せが欠けることがあってはならない」と口を揃えた。すると両手を新たに取り戻した。
このような慰めを得られたのはペンタ姫の美しい心根のお陰であった。「苦は楽の種」というお話。
これまでの苦益を補って余りある幸運を手にしたという結末から、彼女の両手には「受けた苦益を種とし、それ以上の幸運に変換する」という魔術的効果が宿る。
幻想殺しとは正反対であり、己に受けた苦益以上の神の奇跡を呼び起こすもの。ゆえに異能ではない物理的効果にすら影響を及ぼす。
変換する幸運の性質は苦益の中和に使用する。苦益とは肉体損傷を及ぼす破壊衝撃、呪的攻撃など。
ただ幻想殺しと違って絶対防げるものでもなく、変換できる幸運の量は新たに苦益を受ける時点の以前で受けていた苦益の量で決定される。
また神の奇跡として行使すれば消費される。そのため一度に身に余る苦益を受ければ中和しきれない。ただ変換余剰分の幸運だけを使い続ければ蓄積が可能であり、
大きな苦益を受けて耐えたなら、それ相応の幸運を次に変換し行使できるため、危機的状況に強い性質がある。ローマ正教の霊装『使徒十字』の効果に似ているが、こちらは客観的幸運。
基となった五月物語の一節をネリーナは心に刻んでいる。
【特徴】
23歳妙齢の女性。青い目と長い金髪、白い肌の美貌を持つ修道女。
イタリアのシチリア島の村出身。
ペンタメローネ家はローマ正教への信仰が数百年に亘る家系であり、生粋のローマ正教徒。
慈愛による奉仕に生きることを誓い、歴史の中での宗教者の腐敗とは無縁であり、彼女は聖職者の鑑のような存在。
異教徒を排撃せず、救われたいと願う者には施しを受け、救われる価値があると認める。ただし、いかなる信仰も捨てることには批判的。
それには彼女の生い立ちとが関係している。
本来彼女は信仰心はそれほどなく、普通の女学生としてシチリア対岸のイタリア本土にある大学に通っていた。
しかし、シチリアン・マフィアの抗争に巻き込まれ、両親と兄妹を失い、天涯孤独となる。
実は両親も第二次世界大戦後の混乱期にマフィアの事件に巻き込まれ、祖父母を失って天涯孤独となり、教会での出会いが絆に結びついた経緯があった。
その経緯を遺された手帳から知り、信仰を求めなかったことの罪を自覚し、目覚めた。
マフィアとは因縁が深いが、彼ら自体ではなく、信仰が薄いことを問題と考え、彼らをも排撃せず、親身に付き合ったことでシチリアのマフィアと教会との友好を築いた。
この実績が認められ、ローマ正教から日本支部へ行くよう伝達。そこで政治的に立場が微妙な学園都市内に神学校を設立する密命を受ける。
学園都市におけるチャイルドエラーの問題を認識した彼女は意欲的に学園上層部と交渉し、
ローマ正教との直接的な指導関係から外れることを条件に、学園内部にも相当数いると考えられるローマ正教徒の統率というイメージ戦略を目指したい上層部と利害が一致。
彼女の手により
五月学園が設立されることになった。
学園長だが、シスター・ネリーナと呼ばせている。
【台詞】
「元気をお出し。天はしばしば人を破滅寸前まで追い詰め、救いを奇跡のように見せるもの。希望を捨ててはならない。私はあなたの父となり母となって、命をかけても守ってあげよう。」
「ちょっとお待ちになって。すぐ戻ってきますから、そこにいらして」
「貴女に試験を与えるわ。・・・そうね、この世で最も大きな不運とはどういうものか。その答えを持ってきなさい。」
【SS使用条件】常盤台の学長的な優しさと寮監的な厳しい良い人として出してください。