【名前】愛追抜身(あいおい ぬきみ)
【性別】女
【所属】科学
【能力】名目坑道(ノミナルトンネル)
【能力説明】レベル3
透過系能力。一定以上のエネルギーを持った物体を、壁などの厚みのある遮蔽物に透過させる能力。物体は体積が小さく、エネルギーが大きな物体で且つ遮蔽物が薄い程透過させやすく、銃弾程度ならば一般的な建築物程度の厚みの壁を容易に透過できる。
理論上では人体も壁に透過させる事が出来るようだが、演算が複雑すぎる事や能力強度の不足、透過に必要なエネルギーの不足等の問題から実際は不可能とされている。
【概要】
国鳥ヶ原学園高等部三学年に所属する女生徒、不登校児で学校にも殆ど顔を出す事は無い不良少女。毎日学校をサボっては喫茶店で一人時間を潰したり第六学区にあるカジノ施設で学生から巻き上げた金でパチンコして一喜一憂したりしている。
それなりに犯罪にも手を染めているようで、「一応、一通りはやった」との事だが真偽は不明。
こういった人物である為友人と言える人物もおらずほぼ孤立状態、唯一落第防止の担任と国鳥ヶ原の女子高生の二人と関わりを持っており、荒らされたアパートの掃除手伝いや御飯奢ってもらったりなど色々と世話になっている。
陣地形成と奇策を得意とし、風紀委員複数人と交戦した際には隠れ家の一つを舞台とし一時的ながらも優勢に立ち回った。
都市伝説「モナリザシールの目」の実行犯、自作のステッカーの内側にマイクロカメラを埋め込み第十五学区周辺を監視、そこで性犯罪を行った人物を後日報復しに行くという行為を繰り返していた。
理由は自分と親交があった国鳥ヶ原の女生徒が自分を見失って探す途中男性に襲われたという事を知り、その犯人探しとこれ以上似た様な犯罪が起きる事を防ぐ為、らしい。
実際「モナリザシールの目」という噂が学園都市に広まった時、第十五学区の事件件数はほんの数件レベルだが減少した。
しかし傷害事件である事に何ら変わりはないので、後日風紀委員と交戦後に確保、留置場送りにされた。
その際女教師と更生する約束をしており、出所後は少しずつ社会復帰を試みている。
都市伝説「モナリザシールの目」
学園都市第十五学区で起きているとされる怪事件、およびそれに付随した噂話。『第十五学区の普段人目に付かない様な路地裏にある日を境にふくよかな女性の顔がプリントされたシールが貼り付けられており、そのシールは罪を犯した者を見ていて、後日女のシールから罰が下される』といった内容で、そのふくよかな女性がモナ=リザに似ている事からモナリザシールと呼ばれる事となった。
その後『シールの眼が見開かれた』、『シールの内側から銃弾が飛んできた』『黒ずくめの男がシールの事について嗅ぎまわっている』だの根も葉もない情報が追加され、遂には模倣犯まで出る始末となった。
【特徴】
国鳥ヶ原の制服にハイソックス。後ろで髪を結わいた明るい茶髪。顔立ちは中性的。背は女性にしては高い。
【台詞】
「いやいや着いてくんなとは言わねぇけどよ、お前も大概物好きよな。何だって俺みたいなスレた女と関わろうとするかね? 避けるだろフツー?」
「『モナリザシールの目』だってよ、何処も彼処も噂話にご執心とか暇なんだな。けどそういった『世間の目』ってのが無きゃ俺の計画はパーだし、寧ろラッキー、噂話サマサマだな」
「罪滅ぼしなんて高尚なもんじゃない、これは俺の自己満足。救いようも無いクズな俺に笑いかけてくれた、たった一人の“大事な友達”すら救えなかった。そんなやり場の無い気持ちをぶつけられる、たった一つの冴えたやり方だよ」
【SS使用条件】
とくになし
【捕捉】透過系能力について
1) 演算に必要な要素、及び理論の関係上可能な事例と不可能な事例
①物質自体の極々小さな波の性質を理解
②そしてどの位置に何の障害がどの程度の厚みで存在するかをある程度理解
③波動関数を障壁の反対側まで染み込ませる
④透過する際の必要なエネルギーを演算
これら全てを考慮・演算して初めて
透過能力が行使できる。これらどの工程を省いても透過は出来ないものとする。
巨視的トンネル理論のマクロ間のトンネル現象(第二種巨視的量子現象に基づく)を利用している。
更に演算の過程で透過率を導き出す。
透過率は粒子のエネルギー(ボールのエネルギー)、ポテンシャル障壁(壁が持つエネルギー)、その他難しい定数で求められ、またその壁がマクロな場合(無限の壁、有限の壁)、粒子自体の密度や粒子の流れ密度(ある地点で単位時間に横切る粒子の数)も関わってくる。
関わってくる要素の関係上壁に関する演算よりも粒子に関する演算をより具体的に算出する必要がある。(無論ポテンシャル障壁を観測しないと透過は不可能)
こういった理由から能動的な透過は可能だが、
Ex1)自分が壁に向かっていって透過する。
受動的な透過は不可能であると言える。
Ex2)自分に向かってくる銃弾を透過させる。
Ex1)の場合、粒子側である自分は予め演算しておく事で演算の大幅な短縮が可能だが、Ex2)の場合、向かってくる銃弾が粒子側であり、放たれた銃弾の密度や材質等を目視で算出しなければならない為演算能力と動体視力、脳の認識速度の関係上不可能に近い。
コレが出来る者はレベル5級(と仮定)。
2) 透過能力で透過出来る壁、出来ない壁の違いについて
機密性が高い、分厚い壁(=ポテンシャルが高い)を透過させるのにはより大きな運動エネルギーを変換する必要がある。
なので自分よりポテンシャルの高い物には透過できない。
また多層構造となっている壁(壁と壁の間に気体や液体の層を挟む等)や透過前にエネルギーを分散させる壁(窓の無いビル)には透過は出来ないものとする。後者の場合はその分散
パターンを完全に把握してそれを演算に考慮すれば或いは可能かもしれないが、窓の無いビルの演算型・衝撃拡散性複合素材は学園都市製のスパコンですら誤差を埋められなかったとされる為、事実上透過は不可能であるとする。
3) マクロの波の有効範囲について
マクロの波は実際の波と同様距離に比例して減衰していくものとする。具体的な有効範囲は実際は観測できない波長の波であり、算出不可である為明記しないものとする。
4) その他考えられる事象に対する透過能力の反応
a) 『大きな金塊が一杯に詰まった金庫の壁に何かを透過させる、ただし中に何がどれくらいあるか分からず且つ物体をその中に入れる程の容量が無い場合とする』
この場合透過しようと思った物体が「かべのなかにいる」状態になるか、大抵は透過出来ずに弾かれるかになる。透過した先に入り込めるだけの容量がある場合は中身を押しのける形で、物体が透過する前の速度を保ったまま中に入る。
b) 『物体の速度、エネルギーが演算とは大きく異なる場合』
この場合は演算型・衝撃拡散性複合素材の例と同様透過は不可能。
最終更新:2013年12月14日 00:46