【名前】百鬼千化(なきり せんげ)
【性別】男
【所属】魔術
【能力】魔術生命体『百鬼夜行』
【能力説明】
百鬼が製造した妖怪をモチーフにした魔術生命体の総称。
『百鬼夜行』の名を冠してはいるものの、未だ百体には至っておらず、どちらかというと数値目標に近い意味合いである。
彼が拠点とする工房『化物屋敷』は魔術生命体を生み出すに足る環境に調整されており、年月を経た器物や動物から抽出した魔術的記号から付藻神の理論に基づいて望むデザインの生命体を生成する。
『百鬼夜行』は元になった妖怪の性質をある程度再現する事が可能であり、戦闘力に秀でた個体は工房に侵入した者を迎撃するセキュリティとして働いている。他の個体も家事や炊事など何かしら役割を与えられ、持ちつ持たれつ貧乏暮らしを乗り越えている。
『化物屋敷』は魔術生命体の生存を維持するための儀式場としての役割もあり、『百鬼夜行』は基本的に工房からは出られない。個体数の増加により工房が手狭になった場合にはその都度『化物屋敷』を増築している。最初は一戸建ての日本家屋くらいだったが、次第に『御殿』と呼んで差し支えないサイズに拡張されている。
魔術生命体であるため思考能力を有し自由意志によって行動するが、一応設計上は創造主である百鬼の命令には逆らえない。もっとも彼が何かを命令した事などただの一度もないのだが。
【概要】
神道系遠野派の一員を名乗る
日系魔術師。遠野派内の特定の魔術結社には所属せず、東北のどこかの山奥に篭って魔術生命体の研究に明け暮れる変わり者。ちなみに百鬼千化というのは偽名。
元々幼少期から妖怪やお化けに興味があり、大学では民俗学を専攻していたが、のめり込むあまり魔術に触れ何時しか自らの手で憧れの妖怪を生み出す事を願うようになった。
以前は彼と志を同じくする者たちと研究チームを組んでいた事もあったが、製造コストや寿命の問題などから一人また一人と抜けて行き、結局彼だけが今でも一人研究を続けている。遠野派に身を寄せているのは魔術生命体の製造コストを維持するために、技術提供の見返りとして資金援助を得るためである。
研究に注ぐ情熱は相当のものであり、魔術師となってから僅か十年余りで魔術生命体の製造に成功したのだから間違いなく天才の部類に含まれるだろう。その過程で工房兼儀式場『化物屋敷』を組み上げているが、その所在地は幾重にも張り巡らされた結界に施された情報隠匿魔術や認識誘導術式によって徹底的に秘匿されており、余程腕の立つ魔術師でなければ辿り着く事すら困難である。
製造を成し遂げた現在は『魔術生命体は清潔な儀式場や神殿など限られた場所でしか生存出来ない』という欠陥を克服する事を目的としていたが、ある日結界を突破して工房を訪れた
バーバラ=グリマルキンと出会い、利害の一致から協力関係を結ぶ。以前から構想していた『人体改造を伴う儀式場化による魔術師と魔術生命体の一体化』という実験は彼女を
被験者として成功を収め、次はこれを他のあらゆる妖怪でも可能とする応用性を発展させようとしている。
研究者としては優秀だが人間的にはまだ未熟な部分もあり、新たな生命を生み出すという行為に後になって慄いたり、失敗の可能性もあり得た人体実験を見事成功させた後で「一歩間違えていたら……」と自責の念に駆られるタイプ。やりたい事に集中している間は周りが見えておらず、ふと我に帰って怖くなるというのが何時もの
パターン。その度に「死にたい」と呟くが、数日後にはケロっと忘れて研究に打ち込んでいるのでやはりどこかで破綻しており、今後も改善は見込み薄と思われる。
そんな彼だが『百鬼夜行』にとっては親代わり的な存在であり、彼らの事は自分の『家族』のように接している。だが研究一筋で生きてきたため、家事スキルの欠如を『百鬼夜行』にフォローされる事が日常化しており、実際はどちらが親か分からない。
【特徴】
35歳。童顔のため実年齢より10歳は若く見られる。中肉中背で髪はサラサラのセミロング。
作務衣の上に白衣を着た出で立ち。白衣の白さにだけは拘りがあるらしく、僅かでも染みが付くと途端に不機嫌になり、すぐに新しいのと着替える。工房には同じサイズの白衣が数十着は常備されている。
【台詞】
「やあ、お目覚めだね。僕の名前は百鬼千化……まあ、偽名なんだけどね。何でって、本名は普通過ぎてつまらないから……という事にしておいて」
「おっかしいなあ、理論上では『空亡』の発生条件はこれで十分満たしている筈なんだけど……。やはり由来が由来だけに理論値の推測に誤差が生じているのかな、それとも何か重要なピースを見落としているのか……、ん?もうご飯の時間?ありがとう、今行くよ」
「あああああ、やはり僕は駄目な奴だ。こんな実験まともじゃない、狂ってる!ヒトが命を生み出そうなんて、神に対する冒涜だよ‼バーバラさんの時だって、あの時はノリノリで人体実験なんかしちゃったけど、もしかしたら取り返しのつかない状況になってた可能性だって……‼はあ、もう駄目だ。いっそ死にたい」
「というかバーバラさん、なんだかんだでちゃっかりウチに居着いてますよね。一応我が家の家計は常に綱渡りの現状な訳ですけど、エンゲル係数改善のために何かしようという気は……、ありませんよね知ってます」
【SS使用条件】
特になし