【名前】歌川奏(うたかわ かなで)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】「雨乞い」「人鳩天秤」
【能力説明】
「雨乞い」
世界で最も古くから存在する「神に供物を捧げて、その威を賜る」という信仰体系を基盤とした魔術。水神の一柱である龍神へと供物を捧げ、雨や水害避けの加護を賜る事が出来る、また龍神の威を借りて術者自身が水をコントロールすることも可能。捧げる供物の質によって引き出せる力は変わるが、限定的ながらも龍神の神威を行使する魔術であるため、その効果はなかなかに強力。

「人鳩天秤」
釈尊の前世の一つであるシビ王の逸話を基にした魔術。天秤を模した礼装に鳥の羽と自身の肉体の一部を乗せることで発動する。
ある時、シビ王の元に鳩(獲物)と鷹(捕食者)が舞い込んできた。鷹に食べられたくない鳩はシビ王に保護を懇願し、鷹も鳩を食べないと飢え死にするとシビ王に鳩を返すよう懇願した。するとシビ王は鷹に向かって「私が鳩の身代わりになり、私の肉を同じ量与ええよう」と言い自らの肉をえぐり取り鳩と一緒に天秤に乗せた。しかし、天秤は鳩の方が重いままなのでシビ王は次に片足全部を切り取り天秤に乗せた、しかしそれでも天秤は動かなかった。何かを悟ったシビ王は自ら天秤に乗った、すると天秤は釣りあい、シビ王は自らの全てを鷹に与え、鳩と鷹の両方のいのちを救ったという。
この逸話は鳩と人間の命の平等性を表したものであり、ひいては全ての生き物の平等性(有仏性)を表したものである。そして奏はこの逸話を逆算することで「全ての生き物の命に自分の命と同じだけの価値を見出させる」という効果を生み出してしいる。
奏はこの魔術を用いることで周囲の羽虫にさえ人間と同等の価値を付加させることができ、それらを数十・数百体単位で生贄に捧げることで、規格外の出力で龍神の神威を行使できる。その気になれば台風に匹敵する莫大なエネルギーを引き出すことも可能であり、その有り様は例えるなら「コップ1杯の菜種油でロケットを月まで飛ばす」ことに等しい出鱈目なコストカットである。
しかし、術式の関係上この魔術の影響を受けた生物が生贄として通用するのは龍神のように仏教に通じ、かつ生贄の概念を持った神のみである。また、いくら命の価値を引き上げようとも、この魔術は神に捧げる生贄を誤魔化しているという点に変わりないため、使用後にはその反動として術者の身に祟りが降りかかるというリスクを持っている。ただし祟り自体は相応の禊を行えば祓うことが可能な程度であるため、適度に使用する分には、そうしたリスクと手間を踏まえても、驚異的なコストカットを行えていることには相違ないだろう。

【概要】
香川県の村落にある龍神を祀る神道系一族の生まれ、つまり巫女さん。
彼女の一族は古来より人身御供さえも行い雨乞いや水害避けの神事を執り行っていたが、近代以降の日本では当然、人間を生贄に捧げることは禁じられているため、昨今は専ら米や神酒を捧げ降水を祈る程度の神事に収まっていた。
上下水道や灌漑技術の進歩した現在の日本ではそうした神事も半ば形骸化していたが、それでも乾季の水不足は農家の人々にとっては大きな悩みの種になっていたという。彼女が「人鳩天秤」を生み出したのはそうした農家の人々を助けるためであり「人間を生贄にするのが駄目なのなら、それ以外の生き物を生贄に出来るようにすればいい」という短略的なものであった。しかし幸か不幸か、彼女は生まれ持った巫女(魔術師)としての才覚からその術を完成させてしまう。
始めは定期的に雨を降らせることで地元の人達の助けになっていたが、閉鎖的な世界で暮らしていた当時の彼女は自分が何を仕出かしているのか理解しておらず、その結果、彼女の生み出した魔術を求めた数多くの魔術結社の襲撃を受けることとなってしまった。
彼女は村を守るためにまるで現人神の如き力を振るって襲撃者を追い返し、時に皆殺しにしていったが、その際に強いられた禊が追いつかない頻度の魔術行使は彼女を祟で蝕んでいき、ついには彼女の肉体を生きたまま腐らせるほどに悪化してしまう。また度重なる神威の行使によって自然のバランスが崩れたからか周辺地域で水害が多発するようになっていった。
この攻防は最終的に事態を重く見た魔術結社「陰陽局」の介入によって収束し、彼女の身は保護されることとなったが、日に日に腐り爛れていく自身の体と、そんな自身を怪物のように恐れるようになっていった周囲の人達の目、そして水害にさらされる村の現状を見つめ続けていた彼女の心身は衰弱仕切っており、保護された当初はすでに人間としての生活を送れる状態ではなかったという。現在は医王野潮の管理する結界で覆われた病室に隔離され、そこで点滴と生命維持装置に繋がれながら緩やかに回復へと向かっていっているらしい。

【特徴】
20代半の女性。元々は清楚な美人であったが、現在は治癒と鎮痛の術式が付加された包帯で全身を覆っている。また病室では日常的に祓いと彼女の腐敗臭を緩和する香が焚かれているため、彼女の体にもその香りが染み付いている。

【台詞】
声帯が損傷しているため途切れとぎれに話す
「私は巫女として・・・ただ皆のために・・何かできないかと思っただけなのに・・・どこで・・間違ってしまったの・・かな」
「私は・・神様を・軽んじてしまった・・・祟られて・当然・・ですね」
「藤原さん・・・大変恐縮ですが・・・私は貴方のことは信用してます・・・が、貴方の後ろにいるこの国のお偉いさん方のことは・・信用してません・・・彼らに伝えてください・・私の提供した魔術でよからぬ事を企んだら、例えこの身が怨霊に成り果ててでも・・・殺す・・と」

【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年06月26日 01:59