成瀬台に通う男子高校生が日常よく目にしている恒例行事がある。それは何かというと
「退いてくれ!!君達!!」
「おわっ!?」
「ぬおっ!?」
もう少しで遅刻しそうなある成瀬台高校生2人に大声が掛けられる。
何を隠そうその声の主こそ成瀬台高校2年で風紀委員も務める
速見翔が必殺技!!“速見スパイラル”なのだ。
能力としては気流操作系に属し、足に噴射点を設置・噴射することでロケットの如き加速を実現させているのだ!!
速見の声を聞き慌てて左右へ跳ぶ2人がさっきまで居た場所を速見は突っ切っていき・・・
「うおおおおおーーーー!!!!」
ドカーン!!!
「「あ~」」
お約束の如く電柱に衝突した。何を隠そう“速見スパイラル”を繰り出したら最後、速見は自分の意思で停止することができないのだ!!
正確には止まる気が無いだけなのだが。そんな速見を見慣れている2人がだるそうに声を掛ける。
「お~い、大丈夫か~」
「死んでないよな~」
「・・・・・・」
『返事が無い。ただの屍のようだ』
「何か聞こえたような・・・?気のせいか」
とりあえず返事が無いのでちょっぴり心配になった2人が近くに駆け寄ると、
「むくり!!」
「「うわっ!!」」
電柱の前にぶっ倒れていた速見が反動も無しに急加速で起き上がった。そして・・・
「早朝から全力の“速見スパイラル”・・・すっっごく気持ちいい!!!そう思わないか君達!!」
「いや、知らねえよ」
呆れて返事を返す2人の反応を碌に聞いていないのか、速見はクラウチングスタートの構えを取り、
「さあ、学校まで後曲がり角5つ!“速見スパイラル”ならあっという間に到着間違い無しだ!!飛ばすぜ!!Ready~GO!!!」
「・・・」
「・・・はっ!おいやべーぞ。このままじゃ遅刻だ」
「はっ!ウソ!?マジでか!?くっ、とにかく走るぞ!!」
呆気に取られていた2人も遅刻を避けんがために全速力で突っ走っていく。そして・・・
速見翔だけが遅刻した。
continue…?
最終更新:2012年04月18日 20:34