国家は一般的に自国の居住者(個人ならびに法人)に対して、全世界所得への課税を行うのが一般的です。従って「居住者」の定義は、国家の課税権の及ぶ範囲を決定する上で重要な概念の一つとなります。この居住者の定義が各国共通であれば各国の租税法が適切に執行される限りにおいて、課税権の重複することはありませんが、国家の成立に至る歴史や、法体系の違いから国内法上の定義が異なることがあります。このことからある国家ともう一方の国家で二重に「居住者」とみなされ一つの所得にも拘らず重複して課税を受けることがあります。
この問題については租税条約を締結することにより、「居住者」の共通の定義を定めるほか、解釈に争いのある場合にはお互いに協議を行って二重課税を排除することができます。
一方で、「非居住者」に対しても自国の領土やインフラなどを使用し所得を獲得したのであれば、課税権を行使することも一般的であり「源泉地」での課税となります。上記の「居住者」の概念と同様、二つの国家で二重に「源泉地」とみなされる場合や、全世界所得に対する課税と源泉地国での課税の考え方の抵触により重複して課税を受けることがあります。この問題についても同様に、租税条約を締結することによって、二重課税を排除しています。
最終更新:2010年12月30日 18:11