アゼルバイジャンとは、カスピ海西岸のロシア南部に面した国
欧州にロシア回避のガスルート 初のパイプライン 2019年には実現予定 アゼルバイジャンから(2013/07/30)
【ベルリン=宮下日出男】アゼルバイジャンから
ロシアを通らず欧州に天然ガスを輸送する初のパイプラインのルートが決まった。欧州連合(EU)が進める計画とは異なるが、ガス輸入をロシアに依存するEUにとり、エネルギー安全保障上の課題である供給源の多様化に向けて前進した格好。2019年には欧州への供給が実現する予定だ。
ルートは、アゼルバイジャンからグルジアを抜け、
トルコを横断するパイプライン「TANAP」を経由した後、ギリシャ国境からアルバニア、アドリア海を通るパイプライン「TAP」により、イタリア南部に到達するというもの。TAPはノルウェーやスイスの企業が進めている。
アゼルバイジャン側はカスピ海のガス田「シャフ・デニズ2」から年160億立方メートルを輸出。18年からトルコに60億立方メートル、19年から残る100億立方メートルが欧州に向かう予定だ。以前からTANAPへの供給は決まっていたが、その先のルートとしてこのほど、TAPが選ばれた。
実はEU側も、ロシアを回避できるカスピ海や中東のガスを確保するため、トルコからバルカン半島を抜けオーストリアに届くパイプライン「ナブッコ」を推進。その後、ブルガリアを起点とする「ナブッコ・ウエスト」に規模を縮小し、シャフ・デニズ2のガス獲得を目指してきた。しかし、採算性などの面でTAPに敗北したようだ。
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最終更新:2013年11月08日 23:35