tracert(トレースルート)で応答速度や経路確認、及びマルチ対戦の接続方式について




tracertの測定手順


以下の手順はWindows用です。
Androidやiphoneはtraceroute用のアプリを入手してください。

自分の回線環境でどれくらいの遅延があるかを確認するには契約しているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のサーバーに対してtracertを実行すればある程度分かります。


【 Windows XP、Vista、Win7 】
Windowsキー+R を押すと「ファイル名を指定して実行」が開くので
cmd
と半角で入力してEnterキーを押します。
コマンドプロンプトのウィンドウが開いたら


【 Windows8.1 】
Windowsキー+X を押すと画面左下に一覧が表示されるので「コマンドプロンプト」を選択してください。


【 以下、共通 】
例えばISPがOCNなら公式サイトのURLが http://www.ocn.ne.jp/ なので
tracert www.ocn.ne.jp

と半角で入力(またはコピペ)します。Enterキーを押すと実行すると以下のように表示されるはずです。

1 ○ms ○ms ○ms ホスト名 [IPアドレス] ※主に自宅のルーター
 (ONUとパソコンを直接接続している場合は↑がISPの網終端装置)
2 ○ms ○ms ○ms ホスト名 [IPアドレス] ※主にISPの網終端装置
3 ○ms ○ms ○ms IPアドレス ※ホスト名を取得出来ないならIPアドレスのみ
4 ○ms ○ms ○ms IPアドレス
 (中略)
9 ○ms ○ms ○ms ホスト名 [IPアドレス]
10 ○ms ○ms ○ms www.ocn.ne.jp [133.208.59.131] ※ISPのサーバー

最後に「トレースを完了しました。」と表示されたら終了です。測定先によっては「要求がタイムアウトしました」というメッセージが連続して表示される場合があります。3連続で続く場合、それ以降は無いと思われるので Ctrl+C で停止を推奨します(停止しないと30まで続きます)。やり直す場合は↑キーで前回入力したコマンドが再入力されます。
例では10行で終わっていますが経由する経路(ルーター)の数によって違います。概ね5~20行(ホップ)程度です。

表示された結果の1行目がtracertを実行したパソコンに最も近い(1番目に経由する)ルーターに対しての応答速度です。2行目が2番目に経由する ルーターに対しての応答速度。以降3番目、4番目と続きます。そして最後の結果がプロバイダー(ISP)のサーバーに対しての応答速度ということになりま す。

プロバイダーのサーバーは主に東京にあるため、有線接続で関東からなら5~20msで良好、九州や北海道からなら40ms以下で良好と言えます。測定結果の一部(1~3つ程度)で3~5倍くらいの大きい値が表示される場合がありますが、その程度なら問題ないです。
中盤以降の結果が全て大きい値(関東からなら50ms以上、九州・北海道からなら80ms以上)ならプロバイダーが混雑している可能性が非常に高く、早期解決を望むなら別のプロバイダー(バックボーンの異なる混雑していないプロバイダー)に変更したほうがいいでしょう。
ちなみにオンライン対戦中はP2P接続になるのでtracertでいうと2~5つ目くらいで経路(ルート)が変わります。主にISPの網終端装置の次またはその次辺りで変わることが多いです。

tracertの詳細オプション(測定回数など)はtraceroute(tracert)~ネットワークの経路を調査するを参照してください。

自分の環境の応答速度が良かったとしても相手の環境、相手回線との相性(経路の混雑)によってラグが発生するので運任せになることがあります。特にPS3やPS4はユーザー数が多いので相対的に相手の環境が悪い人(相手のプロバイダーの混雑 or 無線Lan接続)と当たるケースが多く、夜が最もラグが発生しやすくなります。

有線接続(屋内LAN配線、屋外LAN配線、PLC)を検討されるなら下記に必用な材料や配線方法を纏めていますので参考にしてください。
LANケーブルの屋内外配線のDIY・工事、及び無線LAN中継機やPLCについて

プロバイダーの乗り換えを検討されるのであれば、私の経験を元に快適なプロバイダーの選択方法を纏めていますので参考にしてください。
NTTのNGN速度テスト(プロバイダーを介さない速度テスト、回線状態を調べる)



プロバイダーの接続先が変更されたのを確認する方法


通信速度や応答速度が遅くなった時、プロバイダー(ISP)の網終端装置(接続先)を変更することで一時的に解消される場合がありますが、tracertで網終端装置が変わったどうかを判断出来ます。


【 ホームゲートウェイ(ルーター)有りでtracertを実行例 】
1 1ms 1ms 1ms 自宅のルーター名 [192.168.0.1]
2 5ms 6ms 5ms ホスト名 [IPアドレス] ※ISPの網終端装置
3 15ms 15ms 16ms ホスト名 [IPアドレス]
 (以下略)


【 ONUとパソコンを直接接続してtracertを実行例 】
1 5ms 6ms 5ms ホスト名 [IPアドレス] ※ISPの網終端装置
2 15ms 15ms 16ms ホスト名 [IPアドレス]
3 15ms 17ms 16ms ホスト名 [IPアドレス]
 (以下略)


基本的に1行目が自宅内のホームゲートウェイ(ルーター)で2行目がプロバイダー(ISP)の網終端装置になります。ルーター無し(例えばパソコンとONUをLANケーブルで直接接続)の場合は1行目が網終端装置になります。
ホームゲートウェイ(またはONU)の再起動後、網終端装置のホスト名とIPアドレスが前回と違うなら網終端装置が変わっているということになります。
ここでは網終端装置のホスト名とIPアドレスが判明すればいいので、判明したら(表示されたら)Ctrl+Cでtracertの測定を中止するといいでしょう。
ホームゲートウェイ(またはルーター)の再起動は30秒~1分程度掛かりますが、ホームゲートウェイ(またはルーター)の設定を開いてそこから切断/接続を行えば10秒程度で繋がります。


【補足説明】
ホスト名にはISP名(またはその上位)と地名が入っていることが多いです。例えば東京在住でOCNなら ○○○.○○○○.tokyo.ocn.ne.jp と表示されます。インターリンクなら上位がNTTPCなので ○○○.○○○○.p-tokyo.nttpc.jp と表示されます。一部のISPはホスト名に地名が入っていない場合があります。
プロバイダー(バックボーン)は都道府県ごとに網終端装置(接続 先)があります。県内の契約者が少ないプロバイダーはこの網終端装置が1つしかなく、切断/接続を行っても意味がありません。全ての網終端装置に同じ確率 で繋がるわけではありません。例えば下記図(アスキーアート)のようにA~Eの5つの場合、最初はAとCに繋がりやすく、しばらく時間を置けばBに繋がり やすくなったり、その日は何をしてもDとEに繋がらなかったりします。全ての網終端装置の存在を調べるには1週間毎日調べたら概ね把握出来るはずです。ま た、網終端装置の上位の網終端集約装置(中継装置)が混雑していた場合は網終端装置(接続先)を変えても効果がありません。

自宅
 ┃
 ┣━┳━┳━┳━┓
  A  B  C  D  E ← 網終端装置(例ではA~Eの5つ)
 ┣━┻━┻━┻━┛ 
 ┃  ISPがNTTから網終端装置をレンタル。
 ┃  切断/接続で網終端装置(接続先)が変わる場合がある。
 ┃ (NTTのNGN速度テスト時はサービス情報サイト用の網終端装置に接続)
 ┃
 ┃
網終端集約装置(中継装置)
 ┃   ※ISPがNTTからレンタル。ここが混雑していると
 ┃     網終端装置(接続先)が変わっても効果が無い
 ┃
 ┃
インターネット(Webページなど)



マルチ(オンライン)対戦の接続方式(トポロジー)について


今(2015年)のところ、どのタイプも自分がホストにならなければそれほど通信速度は必要としません。


P2P スター型(FPSやレースゲーム等)
ルームオーナー(主、ホスト)がサーバー役としてマルチ対戦ネットワークを構築するのでルームオーナーに対して高品質な回線が求められる
PS3ならオーナーは上下4Mbps以上必須、上下8Mbps以上を推奨
PS3なら参加者(ゲスト)は256kbps必須、1Mbps推奨
遅延を内包出来る(無かったように見せかけることが出来る=プログラム次第)
一部参加者のネット環境が著しく悪ければ(ルームオーナーとの回線の相性が悪ければ)その人だけ動きが変(ワープ等)に見える
自分のネット環境(応答速度)が悪ければ他参加者全員がラグって見える
ルームオーナー(主、ホスト)と参加者(ゲスト)のどちらもIPv4のポートを開ける必要がありますが、PS3とルーターの初期設定でUPNP(必要なポートを自動で開けてくれる機能)が有効になっているので特に何も気にせずマルチ(オンライン対戦)で遊ぶことが出来るはずです。注意点としてはVNE系のIPoE接続サービス(IPv6高速ハイブリッド、v6プラス、IPv6オプション、Transixサービスなど)の中で、v6プラスとIPv6オプションとTransixサービスの3つは、P2P接続タイプの一部のオンラインゲームでホストが出来ない場合があります。IPoE接続サービスの仕様の違いについてはこちらを参照してください。

P2P メッシュ型(FPSやレースゲーム等)
参加者全員に安定した回線品質が求められる
PS3なら参加者全員が上下1Mbps以上必須、上下2Mbps以上を推奨
参加者の一人でもネット環境(応答速度)が悪いと全員に影響する(大きい遅延が発生)
全員のネット環境が良好なら遅延(ラグ)が最も少ない
ルームオーナー(主、ホスト)と参加者(ゲスト)のどちらもIPv4のポートを開ける必要がありますが、PS3とルーターの初期設定でUPNP(必要なポートを自動で開けてくれる機能)が有効になっているので特に何も気にせずマルチ(オンライン対戦)で遊ぶことが出来るはずです。注意点としてはVNE系のIPoE接続サービス(IPv6高速ハイブリッド、v6プラス、IPv6オプション、Transixサービスなど)の中で、v6プラスとIPv6オプションとTransixサービスの3つは、P2P接続タイプの一部のオンラインゲームでホストが出来ない場合があります。IPoE接続サービスの仕様の違いについてはこちらを参照してください。

サーバー型(FPS、MMORPG等)
概ねP2P スター型に近い
サーバーの混雑状況に大きく左右されるため、サーバーが混雑すれば接続している全員に影響(ラグなど)が出る。サーバーが快適なら安定したマルチを楽しめる。
PS3なら上下256kbps必須、上下1Mbps推奨。
遅延を内包出来る(無かったように見せかけることが出来る=プログラム次第)
一部の人のネット環境が著しく悪くても、その人だけ動きが変(ワープなど)に見える
自分のネット環境(応答速度)が悪ければ他参加者が全員がラグって見える
IPv4のポートを開ける必要がないのでNAT3(ポート未開放)でも遊べるものが多い












-
-
-
最終更新:2019年02月23日 01:24