【資料1】
二年前に作成された聖杯とその聖杯戦争について
約二年前、女王はヴァランレーヌが誇る科学力のみで"聖杯の器"を作成。聖杯実験と称して複数のサーヴァントを召喚したとされる。女王が聖杯の作成に着手した理由、またその使い道は軍事利用である。ヴァランレーヌを除く全人類・・・つまりアンティアや世界地図に名前すら記されないその他複数の集落の人類を、聖杯を用いた武力制圧によってヴァランレーヌに極力被害を生まず、禍根を残さず抹殺することで人類を間引こうというものだ。
度重なる聖杯実験を行う内に、聖杯の機能が不完全だと立証されてしまったが、更に研究を続けたことで、聖杯が本来予定されていた万能の願望機としての効力を発揮するには"器"だけではなく"中身"を強大な何かで満たし、動力源とする必要があった。
其処で女王は、聖杯実験に用いたサーヴァント召喚を応用し、消滅したサーヴァント達の魂を動力源とする儀式:聖杯戦争を考え付いたのだ。
しかし、儀式の仕組みを完成させる為には"魔術"の要素が必要不可欠。幾ら科学が長けていようと魔術方面に疎いヴァランレーヌのみでは力及ばない。
魔術に優れたアンティアの協力が必須だった。
一計を案じた女王は、アンティアに対して"世界平和とよりよい人類の繁栄を目的とした願望機の作成"と偽りの共同開発を提案。
一方、既に女王及びヴァランレーヌの不審な行動を察知していた、当時のアンティア魔導者である賢者アルガティアは女王の虚偽を見抜きながらも、直接探りを入れる為に敢えて協力の要請を受け入れた。
そして聖杯戦争はヴァランレーヌに所属する7人の魔術師達によって秘密裏に行われる筈だった。
しかしアンティア魔導者であるアルガティアによる介入で、マスター枠の3人とその令呪がアンティアに渡ってしまう。
女王の陰謀を見抜いたアルガティアは、儀式の妨害と聖杯の破壊を目的に最初から協力していたのだ。
破壊する前に、わざわざ儀式のシステム完成に手を貸したのは"聖杯の器"を壊す為には聖杯戦争を行う必要があったからだ。器だけの状態では聖杯はただの巨大な魔力炉でありサーヴァントを召喚する機構しか持たない代物であった。
聖杯から召喚したサーヴァントや魔力炉である聖杯を爆弾代わりに投下されてしまえば、アンティアは忽ち業火に焼かれ、全滅を免れない。
しかし聖杯を壊そうにも、余りに単純な仕組みの為に手の出しようがない。故に、完成ではなく破壊を目的として、アルガティアは付け入る隙を作る為に煩雑なシステムである儀式:聖杯戦争を完成させた。
この二年前の聖杯戦争が、世間に公表されなかった理由はヴァランレーヌ及びアンティアの国家転覆を狙う人間(ノクティスの父親であり、遥かかつて存在したルシス王国の血を引く男など)に、乱入される等して付け入る隙を与えない為である。
『
ガランブルッグが発見した資料に、付け足されていたこと』
女王リュミノシテは、一つ勘違いをした。
聖杯の理論は間違ってはいない、聖杯が完成しない理由は魔術的要素の不足。
器もまた、科学の手ではなく魔術によって造られる必要がある、と。
魔術に疎い女王とその護衛は、当時アルガティアの妨害の意味に気付けなかったのだ。
最終更新:2017年04月21日 10:24