劇中劇(げきちゅうげき)
劇の中に挿入された劇。
物語や小説では作中作と称する。
劇の中でさらに別の劇が展開する「入れ子構造」によって、
ある種の演出効果を生むために良く使われる技法。
メタ演劇とも言う。
劇中劇の作例としては、
近代演劇の父とも言われるウィリアム・シェイクスピアの作品、
『真夏の夜の夢』『恋の骨折り損』『ハムレット』など、
またリアリズム演劇が確立される端緒となったアントン・チェーホフの『かもめ』などが挙げられる。
例えば『真夏の夜の夢』では6人の職工が公爵の結婚式の余興で、
『若きピラマスとその恋人シスビーの冗漫にして簡潔な一場、悲劇的滑稽劇』なる芝居を練習して演じている。
また『かもめ』においては新しい形式の芸術を志向する作家志望の青年による野心作として
デカダン風の劇中劇が演じられ、その上演が不様に失敗する様子が描き出されている。
また、物語の終わらせ方の技法として、
「それまでの出来事が実は登場人物らにより演じられていた演劇であることが物語の終盤になってから判明する」というものがある。
劇オチ(演劇オチ、劇中劇オチ)と呼ばれ、これも劇中劇形式と考えられる(類似する技法に夢オチがある)。
最終更新:2009年10月08日 08:18