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Hara 20091208

こんばんは。原悠樹です。rurban に対して、長いメールで未熟な結論が遠くに
見えるので、結論を先に述べます。

「大都市の都市発達段階モデルに於ける第五段階として、再郊外化と言う都市の
空間経済構造の再編を促すRGSの提案―人材育成と魅力発展戦略ツールの開発によ
る都市BOPの巻き込み」

これにより、
○都市BOPを巻き込むICTサービスの確立
○他郊外地域に対する人材―intermediate actor 育成方針の提案
○都市社会の空間構造を、社会・経済・環境の面から再編させる再郊外化を促す
が実現されると考えました。

あくまで、現在は、です。では、暇な方のみ、下をご覧くださいませ。

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厳さんのメールを見ましたが、色んな人が対象になってますね。国際学会への参
加、2010年5月1日が締め切りですから、対象地と研究材料の準備次第でしょう
が。。。

しかし、まあ、休み時間にcoffeeとかあるのが、優雅ですね~。

この会議、PLUREL Projectと言う、Rural-Urban Linkage の構築を目標としてい
るEUのプロジェクトが主体ですね。詳しくは、このURL;
http://www.plurel.net/Project-4.aspx

はやりです。時代の流れに乗りながらも、日本独自且つ世界に先駆けた研究を蓄
積してゆく事が求められるでしょう。この流れが廃る前に、研究手法を確立しま
しょう。

以下は、その簡単な紹介と同時に、私の頭の整理です。参考にはなさらないでく
ださい。

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○背景
都市的な土地利用変化に対しての予測と、変化による影響評価ツールの開発です。

○目標
都市と郊外が連携する中、持続可能な土地利用システムの計画に資する効果的な
戦略立案ツールの構築

○研究方法― site-specific and site-adequate conceptual approach
第一;EUの様々な都市化の変遷と原因究明
第二;変化の原因を、地域の空間的需要として評価
第三;ケーススタディから解釈
第四;トリプル・ボトム・ラインから影響評価
第五;評価ツールの作成―GEO-compatible databases to support decision-making

○対象地域
EUの七箇所
地理空間・経済・社会属性は似ているが、政治文化・人口が異なる地域。

この研究は、同時に、中国やアジアの、都市化しつつある地域に対して、一程度
の知見を提供できると考えられる。とりわけ、中国の杭州が適例である。

○プロジェクトのoutcome
持続可能な影響評価ツールの作成
ベストプラクティスと計画指針の作成
データ・地図情報のポータルサイトの作成

○outocome の中身
持続可能に向けたトリプル・ボトム・ライン指標の作成―社会的・経済的・技術
的要因の等価評価
土地利用変化の誘引子、
地域のステークホルダーとの密な関係による都市―郊外の関係の発展
最新情報ポータル構築と予測シナリオの提示
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以下、私の感想です。長いので、暇な人以外は読まずに寝てくださいませ。

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○Rurbanの研究として
科学者として、他の世界に適用可能な指標とツールを作成する事が、求められて
います。
私達の研究も、日本を対象にしていますが、世界に遍在する都市の、どのような
属性と類似しているか念頭に置く必要があります。

これからの研究は、冗談抜きで、世界に通用・適用できる必要があります。
プロジェクトの方針としまして、日本の事例だけではなく、海外の研究に手を出
す事が必要です。

しかし、地盤である日本をおろそかにしてはいけません。しっかりした海外に対
する基礎調査がある上で、現実のフィールドである地域のステークホルダーとの
関係を築いてゆき、研究の成果を出す必要があります。

○社会特性
では、具体的に、どのような社会の違いがあるのでしょうか。
たとえば。上田君が紹介してくださった都江堰のデータを見ると(腐った中国語
の知識ですので、間違いがあると思いますが、、、)、世界遺産に指定される都
江堰には、植物種の交配機会が無かったおかげで、貴重な植物が残っているそう
です。自然生態系の環境は弱い上に人間生態系関係も複雑だそうです。このよう
な生態系を保有する地域は、日本の中で、どこにあるでしょうか?

現在都江堰のような世界遺産に登録されるような郊外地域を、日本では見られま
せん。自然生態系に関して言えば、白神山地、知床、屋久島があります。
都江堰は世界文化遺産としての灌漑施設が重要で、都市と農村を繋ぎ、都市の生
活が農村の生活を壊さないよう、高度な設計が行われています。

日本の熊野古道を歩かれた方、いらっしゃいますか?熊野古道は世界遺産にする
には疑問を抱かずにはいられないのですが、森林管理が不十分で、伐採された樹
木が置き去られており、途中の古道はスカイラインや林道に変わり殆ど壊れてお
り、歩く人は少なく、バスや自家用車による来訪が主であります。

話かわって杭州も世界遺産の西湖があります。2004年に訪れた時には、湖の東は
高層ビルと商店街の開発に追われていました。一方西に於きましては、
longjingcha (龍井茶)と言うお茶の名産地があります。ここは大変な山の中
で、バスが都市部の整備された道から、田舎の細い整備されていない道を走ります。
雨の後は、道が水に沈みます。そこを、渓流登りのように渡ってゆきます。ひょ
いっ、ひょいっ、と。
山の中は自然が一杯で、農村ではそこかしこでお茶を栽培・販売しており、おば
ちゃんがお茶を出してくれて、紙袋でお茶を量り売りしています。
勿論、帰りはバスしかありません。しかし、本数は少ないので、私は歩いて帰り
ました。都市部まで4時間程の徒歩です。
都市化が進む一方、杭州は他にも世界遺産に登録されるだけの資源、豊富な自然
が存在しています。この両者の関係を、良好に発展させる事が、plurel の目的
です。

○日本の大きなrurban特性
では、日本の資源を確認しましょう。JDream2 を概覧した結果です。

白川郷では、自然生態系に於ける地政学・地理学的特徴があって、人間生態系が
形成されています。砺波市を都市と捉えれば、砺波市との関係が考えられます。
白川郷に関する研究は豊富ですが、交通、土木、歴史、文化・大気・景観・生態
系等の分野にまたがっています。しかし、白川郷のみに着目するか、交通のよう
なラインの一部としての価値に着目する事が多いです。

熊野古道の現在は、観光・文化・水理・経済・景観・集落等の面から研究されて
います。
熊野古道には、多くの山間地域を含むので、面的な広がりは存在しますが、地域
を全体として研究するものや、その一つを取り上げるものが多く、都市域や集落
同士のネットワークを見ているものはありません。

白神山地では、地域社会に関する研究は殆ど見当たりません。世界に通ずる観光
や森林環境保護が社会研究であり、土壌、植生、生態系、温暖化、ばかりです。
勿論、ここは郊外、と言うよりは、山奥なのですから、都市社会の面からの研究
は難しいかもしれません。

熊野古道のような森林管理の未熟な地域に於いても、人間生態系の卓越する地域
に於いても、都市域との社会学や地域研究、地理学、経済学、環境学等から、歴
史学、考古学、文化学等学際的研究を進め、保護すべき森林と歴史の価値を上げ
る必要があると思います。熊野古道は、都市郊外の部分から山間部まで多様です
から、郊外研究としての蓄積が必要でしょう。

このような卓越した自然生態系を保有する地域と都市化を受けている地域のネッ
トワーク・連携を対象にする研究が、rurban や plurel の研究になります。こ
のような世論も世界の注目も高い、特出すべき街ですら、研究は蓄積されていま
せん。このような地域研究では、特徴が濃い事を利用して、応用性は海外の同様
に特徴ある地域に適用する事が可能になります。


○小さなrurban
では、御所見のような日本の小さな郊外地域では、どのような特徴があるので
しょうか?

例えば大都市圏の郊外地域は、自然生態系が卓越していると見られず、人間生態
系との関連で生み出された里山空間が存在する傍ら、都市の居住地域としての価
値が高い―都市化の波を直接受けている地域です。

このような地域では、まちづくりの多様性が重要になると考えられます。
郊外地域に於いては、様々なステークホルダーが、多くの活動を展開していま
す。農業従事者もいれば、都市労働者もおり、老若男女がいて、多様な社会属性
を保有しています。
まちづくり活動には多様な速度があり、それぞれの主体が各々の趣味・欲求・興
味関心・義務・責任・名誉等を求めています。

しかし逆に言えば、郊外地域では多核的まちづくりであり、求心的な活動・イ
メージ・戦略が不在の場合も多いです。農業従事者と都市労働者、旧住民と新住
民では、なかなか足並みをそろえる事ができない、否、まず同じまちづくり活動
の舞台に登る事から課題になるのかもしれません。

このような地域では、多様性―diversityを受容し発展させるまちづくりが必要に
なると考えられます。
つまり、professional なまちづくりを提案します。

一つのサービスをとってしても、活動速度の違いはどれほどか、サービスはどの
主体と連携し利用者は誰で、地域・コミュニティに対してどのような効果があっ
たのか、利用者の地域にはどのような関係があったのか、BOPは誰か、土地利用
ツールは一般人が使えるのか、一般人は誰か―サービスに無関係者な人か、それ
ともサービスの潜在利用者か、、、

多様なまちづくりの中で、速度が速い人、サービスを生み出し提供する人、潜在
ニーズを保有する一般人をくみ上げる手法、を対象にする事が、一つのJ-
Rurban の研究になるのではないでしょうか。

ですので、J-Rurban プロジェクトでは、誰を対象に、誰が非対象となり、この
成果の後にどのような社会・研究が必要で、速度の違いをどれ程考慮するのか―
速度を上げるのか、下げるのか、新たに創りだすのか、を把握する必要があるで
しょう。

土地利用に関する意思決定ツール作成以外に、Rurbanをまたぐintermidiate
actor は、何も農業・農村関連サービスに特化する必要は無く、ツール開発をす
る人材でもあります。そして、このような人材が、土地利用をどれ程変化させた
のか、保全と発展の度合いはどれほどか、まちづくりの流れ・速度を如何に変化
させたか、多様性はどれ程に変化したのか、新しい活動の分野は何か等が評価さ
れるのではないでしょうか。

土地利用のツール開発では、研究プロジェクトの価値ではなく、あくまで地域の
主体が利用するものですから、主体の意思決定に対しても、地域による柔軟性が
必要でしょう。
このような柔軟性を持つツール開発が、時代に即応して様々な地域を対象にしつ
つ統一される事も、一つの成果です。

例えば単なる観光者であっても、この意思決定ツールを利用して、土地利用の評
価や政策提案への一票を投じる事―地域のまちづくりの流れ毎に、 intermidiate
actor の概念を拡張し、住民でも行政でもない、一般観光客が単なる経済活動や
景観阻害要因として捉えられるよりも、むしろ土地利用計画に参画する機会とし
ての、ツール開発が重要になります。つまり農村計画事業に関しては、郊外の住
民が上位に存在して計画策定を行い、計画に携わらずただ地域を眺めるだけの、
都市域からの観光者がBOPであり、ここにICTの可能性があると考えられます。

そして、社会学的に見るのでしたら、郊外は、社会をどのような段階に動かしう
る存在になるのでしょうか?
都市の縁辺部ではない、都市の機能や社会・経済変化により大きな波を被る地域
ではない、都市と郊外の四段階変化モデルではなく、「再郊外化」のような五段
階目であり、都市部に対して空間構造的にどのような影響を与えるのでしょうか?
郊外を捉える視点には、このような構造計画に関する理念を保有する必要がある
と思います。そこに、社会的・経済的・環境的な視点が必要になるのではないで
しょうか。
社会学の視点では、環境活動の特徴と従事者の年齢・数と家族構成、地域特性、
雇用形態と職種割合、自然生態系の特徴と郊外サービスの対象面積・BOP人数・
参画者数等が挙げられる。


○或一つの方針
そこで、郊外に特徴のある「魅力」を、応用可能な一般特徴としての「資源」に
解釈し、日本の小さなrurban を眺めます。

あくまで提案です。全然ひどいものですから、そう思って見てくださいまし。

△評価指標;
社会指標
まちづくりの速度の評価と分類
まちづくり活動とその主体の多様性
郊外のBOP ― 都市域に住むintermidiate actor の発見と育成・社会貢献
他産業から農林水産業分野への参画数と商圏の形成

経済効果
サービスによるBOPからの経済活動参加者数
サービスによる地域外~海外への経済活動とその従事者の数と空間分布
サービスによる地域の環境活動への従事・社会活動への従事から生まれる収益
他産業から参画した農林水産業サービスの収益

環境指標
農林水産業の従事面積と環境活動従事者の数と活動面積
自然生態系と人間生態系の連携活動の属性と数と活動者数
環境活動の展開による地域の潜在生態系の再生と発展の状況


△理想社会―再郊外化による都市の空間構造の再編を促すRGSの形成

現在の私の考えでは、

人材育成
魅力発展戦略ツールの開発

の二つが研究成果になります。

この二つを利用したoutcome としては、

○都市BOPを巻き込むICTサービスの確立
○他郊外地域に対する人材―intermediate actor 育成方針の提案
○都市社会の空間構造を、社会・経済・環境の面から再編させる再郊外化を促す

事であると考えます。
最終更新:2009年12月21日 19:08