0014:クレイジー翼





「そこのヤツ、殺る気がないなら出てきな。あるんならそのままでいいぜ」
闇夜の中、空条承太郎は建物の陰に向かって声をかけた。
「僕は人を殺す気なんてないよ」
その声の後、建物の陰から、一人の青年が両手を挙げながら現れた。
「OK、手を下げな。俺もこんなゲームに乗るつもりはないからな」
承太郎は相手に敵意がないことを確認すると、青年のほうに近づいていった。

「僕の名前は大空翼、君は?」
「俺は空条承太郎だ、JOJOとでも呼んでくれ」
「うん、わかったよJOJOくん」
翼は爽やかに笑い、片手を差し出した。
僅かに躊躇った後、承太郎はそれを握り返した。

「もう一度確認するが、お前はゲームに乗ってないんだな?」
「うん、こんなことは間違ってる! 11人の仲間を集めてあの3人を倒すんだ!」
拳を握り、翼は高らかにそう叫ぶ。
「ああ、仲間を集めるのは良いとして、何で11人なんだ?」
「? 決まってるじゃないか、サッカーは11人でやるものだよ?」
その言葉の意味がわからず、承太郎は眉をひそめる。
「おいおい、ふざける場合じゃあないだろ。こんなときに下らない玉遊びの話をしてどうする」
呆れたように言い放つ。
「…下らない玉遊びだって?」
そう呟き、翼は俯きナワナワと震え始めた。
「どうした…? 翼」
突然の様子の変化に、承太郎は僅かに戸惑い翼に声をかけた。

「サッカーを…」
翼の足が、異常と言っていい高さまで振り上げられる。
「馬鹿にするなぁ!!」
叫びと共に、ものすごい勢いの蹴りが承太郎に襲い掛かる。
その蹴りは速さ、タイミング、高さ、どれをとっても一級品。
いくら承太郎といえど、完全に不意を付かれた形でこの蹴りはかわせない。

しかし、確実に当たると思われたその蹴りは空を切った。
僅かに承太郎の目の前を掠めるにとどまった。

(なんて蹴りだ…思わず、僅かに0.2秒ほどだが、時を止めちまったぜ…)
その蹴りの威力、そして突然の豹変に承太郎は戸惑いを隠せない。
「OKキャプテン、サッカーは最高のスポーツだ」
両腕を軽く挙げ、降参の意を表し承太郎はそう言った。

「うん! わかってくれてうれしいよJOJOくん」
その言葉に、先ほどとは打って変わってスポーツマンらしい爽やかな笑顔を向ける。
「それじゃあ行こうか。メンバーを探しに!」
元気の良い声でそう言いながら、翼は歩き始めた。

「やれやれ…まったくクレイジーだぜ」
承太郎はそう呟き帽子を深く被りなおすと、翼を追って歩き始めた。




【大空翼@キャプテン翼】
 所持品:荷物一式、禁鞭@封神演義
 第一行動方針:11人の仲間を集める
 最終行動方針:主催者を倒す】

【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
 所持品:荷物一式、らっきょ@とっても!ラッキーマン
 第一行動方針:翼と行動する】

【現在地:新潟】


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最終更新:2024年08月12日 19:29