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ペリちゃんと殺ちゃんの誘惑談義 - (2007/03/12 (月) 09:18:44) の最新版との変更点

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  ペリドットの主は積極性に欠ける。   今日の話題は、そこから始まった。 「マスターったら、いつも照れて何もしてくれないんですよ」 「それは妾のところも一緒です。もう少し触れ合いというものを大事にしてもらいたいものなのですが」 「でも、殺生石のマスターさんはムードがよければ抱きしめたりしてくれるって言ってたじゃないですか。私のところはそれも……はぁ」   だんな様は結局のところ押しに弱いですからね、ふふふ。 「もしかしたら、マスターから見て私には魅力がないのでしょうか」 「しかし、今回の場合それはないでしょう」 「そう信じたいものですけど……」   気を落した様子でお茶を一口。   まったく、近ごろの殿方は婦女子の気持ちを考えられないのかと。   やはりこれはわたくしが一肌脱ぐしか。わたくしとて友人のためなら真面目にやりますとも。 「では、貴女の主をその気にさせればよいのですよ」 「……誘惑、ですか?」   ペリドットが顔を赤くする。まぁ当然でしょう。   しかし、それだけ頑固な相手にはこちらも確固たる意志をぶつけなくては。それが愛を貫く基本。 「ええ、抑えていた欲望が暴走するような……フフフフフフ」 「まぁ……さすがですね、殺生石さん」 「お褒めの言葉と受けとめさせていただきます。さて、ではどのようなのがよろしいでしょうか」   だんな様の場合はちょっとだけ頑張ればよいので、正直なところあまり深く考えたことが……。 「やはりここは、今流行っているこすぷれというものを」 「こ、コスプレ、ですか……」 「ええ、しかし妾は現代の流行に疎いので。誰か専門家が欲しいところですね」 「コスプレの専門家……」 「まさか姉様たちに呼ばれるとは思ってなかった」   呼ばれたのは虎眼石。宝石乙女の中で最もこすぷれに詳しいらしいそうで。 「ごめんなさいね、虎眼石」 「気にしてない。コスプレ仲間が増えるのは嬉しい限り……ふふ」 「……もしかして私、遊ばれたりしちゃいます?」 「気のせいです。さぁ虎眼石、彼女の主を悩殺するようなこすぷれを」   本当は少し面白かったりするのですが。 「……姉様は、胸が大きい」 「え、そ、それは……」 「……うらやましい」   それはわたくしも同意。 「あのぉ」 「……ごめん、誘惑されてた」 「貴女が誘惑されては駄目でしょう」 「ん……仲間仲間」 「仲間じゃありません。早くなさい」 「じゃあ……スタンダードにメイド服」   かたわらにある鞄から取り出したのは、白と黒を基調とした衣装。すかーとと呼ばれる部分はずいぶんと短いような。   めいど……確か使用人のことだとだんな様が言っていましたか。 「サイズは大丈夫……さぁ」 「え、着るんですか?」 「……さぁ」   その衣装に身を包んだペリドット。   ……確かに太もも付近はいい感じで誘惑させられそうですが。 「これはちょっと恥ずかしいですねぇ」 「ミニスカメイド……うん、似合う」 #ref(http://obsidian.no.land.to/jm/f/jm1232.gif) 「ですが、これだけで羞恥の鉄板に包まれた殿方を落とせるでしょうか?」   わたくしならもっとこう……。 「このひらひらしたえぷろんを素肌に直接まとうのはどうでしょうか」 「せっ、殺生石さんっ!」 「コスプレ知らないで……本能の勘、恐ろしい」   ん? わたくしは何かおかしなことを言ったのでしょうか。   でもだんな様のためならこれぐらいはやりますが。 「わ、私はもう少し素肌の露出が少ないのがよいのですが。スカートが短いと気になって……」 「ペリドット、この期に及んでそんなぬるい言いわけは聞けません。落とすなら徹底的にやらねば」 「待って。じゃあ姉様の意見を取り入れて……合体技」   先ほどのひらひらしたえぷろんは変わらず。   しかし下にまとっている物が違う。これはわたくしも馴染みのある巫女装束……嫌な思い出しかありませんが。 「マニアック方向」 「確かに露出も少ないし、落ち着きますね」 「あくまでマニアック方向……」 「まにあっく?  何ですかそれは」 「一部の男にしか、通用しない……」   ……それでは効果が期待できないではないですか。 「妾としては却下の方向で。巫女装束によい思い出もありませんし」 「落すには力不足……」 「えっと、やっぱり遊ばれてます?」 「少し楽しいですが、ちゃんと貴女のことを考えてやってます。遊びとは違うのですよ」 「はぁ……」 「方向性を変えて……」   次にペリドットがまとったのは……よく見慣れた服。 「これ、グリコンダーの主役の子が着てる制服ですよね」 「正解」 「自作、ですか?」 「もちろん」   虎眼石も、なかなかな技を持っているようで。 「ミニスカ系制服にエプロン。巫女服よりは破壊力あるかと」 「先ほどのめいどより長いすかーと……やはり破壊力には欠けますね。やはり素肌にえぷろんまとった方が」 「それだけは絶対駄目ですよぉ」 「……やってみる価値、ある」 「だ、だからそれはその、宝石乙女としてやってはいけないことですよ……」   やってはいけないこと、ですか。   まぁそれも理解できます。わたくしだってそう簡単に人様に素肌など見せたくはありません。   ですが……。 「愛しい殿方を誘惑するには、すべてを晒すぐらいの勢いでないといけないのです!」 「……すごい熱気」 「せ、殺生石さんっ! 落ち着いてくださいっ」   と、少し熱くなってしまったようで。この熱は、だんな様に冷ましていただきましょう。 「じゃあ、次はエプロンと……」 「あの、先ほどから気になっていたのですけど……どうしてエプロンは外さないのですか?」 「良妻イメージ。さぁ」     ◇    ◇    ◇    ◇   仕事も終わり、今日も残すところはペリドットの作る美味い飯を食べるだけ。   そして家の前。さぁて、今日は何が俺を待っているのかな。 「ただいまー」   ドアを開けて、いつも出迎えてくれるペリドットの笑顔……。 「おかえりなさい……あなた」 「あぁ、ただいまペリ……え?」   今、俺をなんと呼んだ?   声の方に顔を向けてみ――。 「まぁ、マスター鼻血が……大丈夫ですか?」     ◇    ◇    ◇    ◇ 「結局あのこすぷれで効果はあったのでしょうか」 「姉様の意見を取り合わせた結果だから……むっつりには効果てきめん、たぶん」 「そうですか。では今度主様にも試してみましょうか。フフフ」 ----
  ペリドットの主は積極性に欠ける。   今日の話題は、そこから始まった。 「マスターったら、いつも照れて何もしてくれないんですよ」 「それは妾のところも一緒です。もう少し触れ合いというものを大事にしてもらいたいものなのですが」 「でも、殺生石のマスターさんはムードがよければ抱きしめたりしてくれるって言ってたじゃないですか。私のところはそれも……はぁ」   だんな様は結局のところ押しに弱いですからね、ふふふ。 「もしかしたら、マスターから見て私には魅力がないのでしょうか」 「しかし、今回の場合それはないでしょう」 「そう信じたいものですけど……」   気を落した様子でお茶を一口。   まったく、近ごろの殿方は婦女子の気持ちを考えられないのかと。   やはりこれはわたくしが一肌脱ぐしか。わたくしとて友人のためなら真面目にやりますとも。 「では、貴女の主をその気にさせればよいのですよ」 「……誘惑、ですか?」   ペリドットが顔を赤くする。まぁ当然でしょう。   しかし、それだけ頑固な相手にはこちらも確固たる意志をぶつけなくては。それが愛を貫く基本。 「ええ、抑えていた欲望が暴走するような……フフフフフフ」 「まぁ……さすがですね、殺生石さん」 「お褒めの言葉と受けとめさせていただきます。さて、ではどのようなのがよろしいでしょうか」   だんな様の場合はちょっとだけ頑張ればよいので、正直なところあまり深く考えたことが……。 「やはりここは、今流行っているこすぷれというものを」 「こ、コスプレ、ですか……」 「ええ、しかし妾は現代の流行に疎いので。誰か専門家が欲しいところですね」 「コスプレの専門家……」 「まさか姉様たちに呼ばれるとは思ってなかった」   呼ばれたのは虎眼石。宝石乙女の中で最もこすぷれに詳しいらしいそうで。 「ごめんなさいね、虎眼石」 「気にしてない。コスプレ仲間が増えるのは嬉しい限り……ふふ」 「……もしかして私、遊ばれたりしちゃいます?」 「気のせいです。さぁ虎眼石、彼女の主を悩殺するようなこすぷれを」   本当は少し面白かったりするのですが。 「……姉様は、胸が大きい」 「え、そ、それは……」 「……うらやましい」   それはわたくしも同意。 「あのぉ」 「……ごめん、誘惑されてた」 「貴女が誘惑されては駄目でしょう」 「ん……仲間仲間」 「仲間じゃありません。早くなさい」 「じゃあ……スタンダードにメイド服」   かたわらにある鞄から取り出したのは、白と黒を基調とした衣装。すかーとと呼ばれる部分はずいぶんと短いような。   めいど……確か使用人のことだとだんな様が言っていましたか。 「サイズは大丈夫……さぁ」 「え、着るんですか?」 「……さぁ」   その衣装に身を包んだペリドット。   ……確かに太もも付近はいい感じで誘惑させられそうですが。 「これはちょっと恥ずかしいですねぇ」 「ミニスカメイド……うん、似合う」 #ref(jm1232.gif) 「ですが、これだけで羞恥の鉄板に包まれた殿方を落とせるでしょうか?」   わたくしならもっとこう……。 「このひらひらしたえぷろんを素肌に直接まとうのはどうでしょうか」 「せっ、殺生石さんっ!」 「コスプレ知らないで……本能の勘、恐ろしい」   ん? わたくしは何かおかしなことを言ったのでしょうか。   でもだんな様のためならこれぐらいはやりますが。 「わ、私はもう少し素肌の露出が少ないのがよいのですが。スカートが短いと気になって……」 「ペリドット、この期に及んでそんなぬるい言いわけは聞けません。落とすなら徹底的にやらねば」 「待って。じゃあ姉様の意見を取り入れて……合体技」   先ほどのひらひらしたえぷろんは変わらず。   しかし下にまとっている物が違う。これはわたくしも馴染みのある巫女装束……嫌な思い出しかありませんが。 「マニアック方向」 「確かに露出も少ないし、落ち着きますね」 「あくまでマニアック方向……」 「まにあっく?  何ですかそれは」 「一部の男にしか、通用しない……」   ……それでは効果が期待できないではないですか。 「妾としては却下の方向で。巫女装束によい思い出もありませんし」 「落すには力不足……」 「えっと、やっぱり遊ばれてます?」 「少し楽しいですが、ちゃんと貴女のことを考えてやってます。遊びとは違うのですよ」 「はぁ……」 「方向性を変えて……」   次にペリドットがまとったのは……よく見慣れた服。 「これ、グリコンダーの主役の子が着てる制服ですよね」 「正解」 「自作、ですか?」 「もちろん」   虎眼石も、なかなかな技を持っているようで。 「ミニスカ系制服にエプロン。巫女服よりは破壊力あるかと」 「先ほどのめいどより長いすかーと……やはり破壊力には欠けますね。やはり素肌にえぷろんまとった方が」 「それだけは絶対駄目ですよぉ」 「……やってみる価値、ある」 「だ、だからそれはその、宝石乙女としてやってはいけないことですよ……」   やってはいけないこと、ですか。   まぁそれも理解できます。わたくしだってそう簡単に人様に素肌など見せたくはありません。   ですが……。 「愛しい殿方を誘惑するには、すべてを晒すぐらいの勢いでないといけないのです!」 「……すごい熱気」 「せ、殺生石さんっ! 落ち着いてくださいっ」   と、少し熱くなってしまったようで。この熱は、だんな様に冷ましていただきましょう。 「じゃあ、次はエプロンと……」 「あの、先ほどから気になっていたのですけど……どうしてエプロンは外さないのですか?」 「良妻イメージ。さぁ」     ◇    ◇    ◇    ◇   仕事も終わり、今日も残すところはペリドットの作る美味い飯を食べるだけ。   そして家の前。さぁて、今日は何が俺を待っているのかな。 「ただいまー」   ドアを開けて、いつも出迎えてくれるペリドットの笑顔……。 「おかえりなさい……あなた」 「あぁ、ただいまペリ……え?」   今、俺をなんと呼んだ?   声の方に顔を向けてみ――。 「まぁ、マスター鼻血が……大丈夫ですか?」     ◇    ◇    ◇    ◇ 「結局あのこすぷれで効果はあったのでしょうか」 「姉様の意見を取り合わせた結果だから……むっつりには効果てきめん、たぶん」 「そうですか。では今度主様にも試してみましょうか。フフフ」 ----

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