宝石乙女まとめwiki内検索 / 「ごはんはどうしておいしいの?」で検索した結果

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  • ごはんはどうしておいしいの?
      ごはん……。   マスターが作るごはんは、とってもおいしい。   『ん、電気石もおかわり? 珍しいね』   今日のは、特においしかったからいっぱい食べた。   いっぱい食べると、マスターも喜んでくれる。マスターが嬉しいと、私も嬉しい。   ……でも、どうしてマスターのごはんはおいしいの? 「……んー」   マスターの後ろ姿。今、ごはんを作ってる。   なんだか、とても楽しそう。 「今日は何を……ん、電気石?」 「……ごはん?」 「うん、そうだけど。今日はカレーか肉じゃが、どっちかにしようと思ってるんだ」   マスターは、いろんなごはんが作れる。もしかしたら殺生石よりすごい……。   でも、どうしておいしいのかは分からない。   分からないことは観察しようって、姉様たちは言うけれど……観察しても、分からない。   ……どうして、おいしいの? 「……電気石、...
  • 小説-電気石メイン
    ...所)」より ごはんはどうしておいしいの? 58スレ目「蒼星石や翠星石がいるなら黒曜石が」より 抱っこ流浪人 59スレ目「黒曜石とか雲母とか置石とか化石がお茶会しても」より 手をつなごう 68スレ目「黒曜石とか天河石が東方に苦戦したって」より こいのぼり? 75スレ目「黒曜石とか雲母とか金剛石とかがGWにワクワクしても」より 妙な夢を見た 78スレ目「黒曜石とか雲母が爽やかな風に微笑んでも」より あこがれの海 79スレ目「黒曜石とか雲母が荒巻の伸縮性に驚いたって」より おっきいびりびり 81スレ目「黒曜石と雲母とかが雨合羽装着したって」より 雷追っかけ娘 81スレ目「黒曜石と雲母とかが雨合羽装着したって」より 諦めるな! 84スレ目「黒曜石とか雲母が満月の夜に集まっても」より はじめてのお...
  • 赤ちゃんはどこから来るの?
    ある日の昼下がりのお茶会にて 黒「ちょっと疑問に思ってたことがあるのですが」 珊「なぁに?」 黒「私たちは人間に作られて生まれてきましたが、人間の赤ちゃんはどうやって生まれてくるのですか?」 マスター(ブッ!) 珊「ええと……男女がお互いのことをとても好いていて、神様に望んだときに、コウノトリが運んでくるって聞いたことがありますけど」 雲「……男女が互いを愛しているときに、願ったら神様がキャベツ畑においていってくれるって聞いた」 黒「あれぇ? ううん……どちらが本当なのかな?」 金「全く……静かに話を聞いてれば。そんなことも知らないなんて、あなたたちは本当にお子様なんだから」 黒「金剛石ちゃんは知ってるの?」 金「ええ。赤ちゃんって言うのはね、男女がお互いのことを愛しているときに、神様に願って神様が認めれば、神様が聖なるキャベツ畑に子供を置いていって、それを...
  • プリン記念日
    『おみやげはプリンがいいなぁ~♪』 『毎回毎回……だからねーよって言ってるだろうが』   俺がバイトに行く前、必ず天河石とする会話だ。   あいつと初めて出会ったときに、偶然残っていたプリンを食わせて以来気に入ったらしく、隙あらばプリンプリンとうるさい。   ちなみに契約したのは天河石の方が先だ。珊瑚はそれから1ヶ月後ぐらいに来たな。   ……そろそろ半年か。   まぁ、それがどうということではない。   それよりも今は俺の晩飯だ。バイトから帰ったらたいていあの二人は寝ているし、そういうときの俺は一人でコンビニ弁当を食べる。   まぁ、昔は毎日コンビニだったし、今さら気にすることでもない。だが、珊瑚が作ってくれる飯が食えるようになってからは食生活もよくなっている。   だから、最近コンビニの弁当が味気ない……誰か美味しい弁当教えてくれ、セ○ンかロー○ンで。   ……愚痴...
  • 忘れちゃった? 雲母
    黒「マスター!」 マ「どうしたんだい、黒曜石。そんなに大声をあげて……」 黒「雲母ちゃんが、雲母ちゃんが……」   そこにはいつもの雲母はいなかった。   おびえたように物影に隠れ、知らない人を見るかのようにこちらを伺う、小さな子供がいた。 マ「きらら……」   びくっ! 雲母は声におびえて目を閉じ、震えている。 黒「私たちのことも、忘れてしまっているようです……」   黒曜石の声が、悲しげに震えている。 金「うんも、うんもうんも。どうしちゃったのよ」   金剛石が、隠れた猫を捕まえるような勢いで話しかけている。 金「うんもー! ……はあ、だめか。いつもなら『う』のあたりでノコギリ構えられるのに」 雲「……?」 珊「雲母殿、某のことも忘れてしまわれたか」 雲「……?」 珊「共に荒巻を狩った思い出も……ああ、あのときは楽しかった...
  • 落ち込みやすい人なので
      時刻は夕食時。今日も一日ご苦労様。 主「ただいまー」 蛋「おかえりなさーい。ご主人様、ソーダちゃんが遊びに来てますよー」 ソ「パパー、おつとめごくろーさまー♪」 電「ぐりーんだよー」 主「うん、ありがと……」 ソ「……?」   夕食が終わったらソーダちゃんを送って、それから風呂を湧かして……はぁ。 主「みんなー、ご飯できたよ」 電「ごはんだよー」 ソ「わーい♪」 蛋「ごはん♪ ごっはんだぁー♪」 殺「主様、お手伝いします」   それぞれの反応を見せ、家の中が賑わう。でも、僕はどんな顔をしてるだろう……ダメだよなぁ、僕だけこんな気分じゃ。 殺「主様、準備は妾が済ませますから」   テーブルを拭く僕に殺生石が耳打ちをしてくる。 殺「今は、あの子たちのそばにいてあげて下さい」 主「え……?」 殺「蛋白石、主様が急用です。貴女も手伝って下さい」 蛋「...
  • パパになるのも悪くない
    主「はぁ~……」   一人暮らしの頃は、家でこうしてぼんやりするのは至福の時だった。でも今は……。 蛋「ご主人様ーっ、一緒におやつ食べましょうよぉー」 電「んにぃ~……」 殺「主様、お茶を」   ……こんな調子なんです、はい。ちなみに電気石は充電中です。ぼんやりする暇なんでないし、静かなひとときはほとんど残されてない日常。でもそれなのに、楽しかったり生きてる実感を感じたり……不思議なものだよねぇ。   ふと、3人の方に顔を向ける。アップルパイ片手にこちらへ笑顔を向ける蛋白石。相変わらず顔を真っ赤にして三輪車のペダルを踏む電気石。そしてちっちゃな女の子を抱っこしながらあやしている殺生石……んっ!? 主「一人多いよっ……って、なんだソーダちゃんかぁ」 ソ「パパー♪」 殺「ふふ、呼ばれてますよ?」 主「だからそれはやめてってばぁ……」   この前遊びに来たときに、殺生石が余...
  • いっぱい食べて
    「それじゃあ、今日はありがとうございましたー」  一礼と同時に、大きな胸が一揺れ。  その童顔に似合わぬ蛋白石ちゃんの胸は、同性の私ですら思わず目が行ってしまう。  大きい……何というか、雑誌のグラビアアイドルも真っ青になりそうだと、つくづく思う。 「おねーたんっ、またあそんでねー」 「うん、また今度ね。それでは」  ソーダの頭を撫でた後、笑顔で玄関から外へ出る蛋白石ちゃん。  もう一度一礼した後、玄関のドアが閉められた。 「ママー、ごはん……ママ?」 「……え? あぁ、ご飯ね。今から準備するから、ちょっと待っててね」 「ソーダ、ピーマン残しちゃダメ」 「うー……」  隣で野菜炒めのピーマンだけをどかしていたソーダ。  まぁ、これぐらいの小さな子が好き嫌いをするのは当然のこと。でもそれを克服させる術は、 母親としての経験がない私...
  • 好物
      いい加減日々のおかずを考えるのに苦労を覚え始めたころ、僕は一計を案じた。 「今日の晩ご飯は誰かの好物にしようと思ってるんだけど、どうかな」 「やったーっ♪」 「……電池ー」 「ごめん、それは無理」   なんだか出だしから不安だ……。 「好物、ですか……誰のを作るのですか?」 「それはじゃんけんで決めよう」   これだったら殺生石相手でも公平に決められるよね。 「……神通力か何かで人の考えを読むのはなしだからね」 「妾がそんな卑怯な真似するはずありません。主様ったら、ひどいですよ」 「ご、ごめん……できるの!?」 「当然です。ですが卑怯なのは嫌いです」 「ご主人様ー、早く決めましょうよっ。じゃないとお腹……おなか……ごはーんっ!!」 「ぎゃーっ!!」   話が脱線しすぎたけど、まぁとりあえず……うぅ、噛み跡ついた。 「というわけでおかずじゃんけん」 ...
  • 卵はどう使う?
    黒「卵はどうしようかな?」 金「オムレツ!」 珊瑚「…私も」 雲「たまごやきさん…甘いの…」 瑪瑙「僕も甘いのが…」 真珠「わかってないわねぇ~卵は目玉焼き、それもサニーサイドアップね」 ア「フフフ…わかってるじゃない」
  • こいのぼり?
      お空に浮かぶ、大きなお魚。   ひらひらで、青とか、ピンクとか、いろんな色。   ……あまりおいしそうじゃない。皮だけ? 「鯉のぼりがどうかした?」 「んー?」   こい、のぼり? 「うちの大家さん、いつもこうして大きな鯉のぼり立てるんだよ」   こい、のぼる……お空に?   んー……。 「僕の家でもこんな感じの立ててたけれど……電気石、何してるの?」 「のぼりー……のぼれない」 「しょんぼりする気持ちは分かるけど、危ないから登っちゃダメだよ」   マスターの、だっこ。   ……あまりのぼれない。   こい、のぼり……。   こい……? 「そんなに鯉のぼり気に入ったの?」   マスターから、おやつをもらう。 「あんまり見上げてると首が疲れちゃうよ。食べながら休憩しよう」   チョコレート……。   …...
  • そのお金はどこから出した?
      かれんだーというものをこうも凝視するなどということ、おそらく初めてでしょう。最近やっと読めるようになったこの数字、左から右に月日が進んでいるようですが……わたくしが気になっているのは24の数字。確か日曜日というところにある数字で、わたくしにとってとてつもなく重要な日。   ……くりすます、でしたか。その前祝いの日。 「……んー?」   わたくしの隣で、電気石が首をかしげる。今のわたくしよりくりすますについて詳しいこの子なら、よい相談役になるかもしれません。 「電気石、貴女はくりすますの贈り物はどうするのですか?」 「プレゼント……サンタさん、持ってくるよ♪」   ……この子らしいですね。 「殺生石ー、お姉様と何してるの?」 「蛋白石ですか。貴女はくりすますの贈り物、用意しているのですか?」 「え? ちゃーんと、ご主人様に渡すプレゼントは用意してあるよ」   迂闊。ま...
  • 北海の珍味
      それは、蛋白石が唐突に言い放った一言に端を発する。 蛋「あたりめー♪」 主「当たり目って……お昼のサイコロ?」 蛋「違いますよぉ。これですこれー」   そう言って取り出したのは……あぁ、するめの方だったんだ。よく見たら、先ほどから蛋白石は口を動かして何かを噛んでいる。 主「それどうしたの?」 蛋「近所のおばあさんのお手伝いしたらもらいましたー」 主「……あまり人前を出歩かないようにって言ってるのに」 蛋「えへへ、ごめんなさい。でもおかげでこんな美味しい物が食べられるなんて……幸せぇ~」   目を輝かせて感動する蛋白石。でもするめってソコまで驚くほど美味しいのかなぁ。実はイカ苦手だし、僕。しかし、このパターンで行くとおそらく……。 蛋「ご主人様もお一つどーぞ」   ほらね。 主「ははは……気持ちだけは受け取っておくよ。イカ苦手なんだよ」 蛋「えーっ! 好き嫌いは...
  • あこがれの海
    『これ、蛋白に渡してあげてねぇ』   帰り際に出会った爆弾岩さんに手渡された紙袋。   中身はもちろん見ていないし、教えてもらってもいない。気にはなるけど。   でも、蛋白石に手渡したとき、とても嬉しそうな顔してたなぁ。きっといいものなんだろう。 「ご主人様ーっ」   と、明るい声が居間に響いたのは夕食後。   食事を終えてすぐに隣の部屋へ籠もった蛋白石の、ふすま越しからの呼びかけ。   テレビを見ていた僕、そして殺生石と電気石が声の方向に振り返る。 「どうしたの?」 「えへへー、見ててくださいねー」   その一言と同時に、ふすまが開け放たれる。   現れたのはもちろん蛋白石……いや、え? 「……どうしたの、その格好」   正直、目のやり場に困った。   いつもより明るい笑顔を浮かべる蛋白石。その姿は普段の胸を強調したドレス姿ではなく、それよりさらに胸を強調する...
  • ある日、森の中で
    「あれー……おかしいな……」   今、僕は湖のほとりの森の中にいる。なぜこんなところにいるのかというと、雲母についてきたからだ。   何やら特大荒巻が採れると言っていたんだけど……この辺の地理に詳しくない僕は雲母とはぐれてしまった。 「おーい、雲母ー!」   はぐれてからかれこれ一時間は経っただろうか。『迷ったらその場を動くな』とはよく言うけど、雲母相手じゃ探してもらえないかもしれない。なんせ嬉々として一人突っ走って行ったからなぁ……。   そんなわけで、あてもなく森をさまよい続ける。そういえば、ここら辺に誰か住んでるって話を聞いたような……誰だったかなぁ?   プチン。   ん? 今何か音がしたよう……な゙!?   ばしゃーん!   そうして僕の意識は途絶えた。 「――気がついた?」 「……んあ」   焦点の合わない視界の中、目だけで辺りを見回す。   目...
  • ダブル好物
     環境のことを考えると、クーラーの使いすぎは良くない。 「あつ……」  でも、使わないと精神衛生に良くない。  持ち帰りの仕事があるのに、全然手が付かない……大体天気のいい休日に 仕事してるあたしって一体何なんだろう。  ……文句を言っている暇はない。うなだれていた体を起こし、ノートパソコンとにらめっこ。  モニタに映る文書が、今日はやたらと憎たらしく感じる。 「ママー、あついぃ……」  いつもの元気もすっかり抜けたソーダの声。  暑いのは分かるけれど、部屋に入ってくるやあたしに抱きつくのはどうしてだろう。 「暑いなら離れなさい」 「やー」  こういうところは、よく分からない。 「ぶぃーんうごかそ?」 「扇風機で我慢して」 「やーなのー」  あたしだって付けたいけど、そこは我慢。  しかし、それもいつまで持つか。あたしもソーダも。  このままでは部屋で脱...
  • 言伝
    「庭掃除の手伝い?」   部屋で寝る準備をしている最中、蛋白石がそんなことを頼みに来た。 「はいっ。あたりめのおばあちゃんの庭広いから、お手伝いするんですよー」 「おばあちゃんって、確か前にするめくれた?」 「そうですよー。一人暮らしで家事が滞りがちだから、時間のあるときにお手伝いしてるんです」 「そうなんだ……って、あまり世間と関わらないようにって言ってるのに……」   まぁ、困っている人の手伝いだから大目に見よう。   しかし蛋白石が困った人の手助けかぁ。なんというか、蛋白石らしい心がけだね。 「まぁ、そういうことなら喜んで手伝うけど」 「ありがとうございますー。殺生石と違ってご主人様は優しいですね♪」   殺生石が庭掃除なんて、少し想像できないかも。というか絶対やらないね。 「で、手伝いは僕と蛋白石だけ?」 「お姉様は約束があるからいけないって言ってましたから...
  • 居場所
      この世に生きるものそれぞれには、居場所というものが用意されている。   だんな様にはだんな様の居るべき場所、わたくしには、わたくしの居るべき場所。   ……わたくしの居場所は、命の消えた場所。そのはずだったのに……。 「んにゅぅ……ごはんにぃ……なっとぉ……」   今、わたくしが義務付けられた居場所はここ。窓際の、光がよく差し込む暖かな場所。   しかし今は、蛋白石が勝手にわたくしの膝を枕にして昼寝中。許可した覚えはないのですが。   まぁ、だんな様はまだ帰ってこないし、暇なのはよく分かりますが。 「みそしるぅ……のりぃ……たまごぉ……」   それにしても、春になってずいぶんと日差しが強くなった気がする。   冬の間もずっとここにいたから、尚更そう感じる。   ……もう、1年近くもここにいる。   小さくも、緑のある庭。ここではいつも、生の営...
  • 新しい家族
    「マスター、暖房を強めにして下さい! お風呂場使いますねっ! あ、あの使ってない毛布出しておいていただけます?」   帰るなり、ペリドットがバタバタしている。 「な、どうしたんだ?」 「ああ、一度に言って申し訳ありませんが、ミルクも温めておいて下さい。私も一緒にシャワーしてきますから……のぞいたら、めーですよ」   パタン。   なんなんだ、いったい。彼女がこんなに慌てるなんて。   さてさて、部屋を暖かくして、ミルクを火にかけて、毛布はぁ……ああ、あったあった。   やがて、出てきた彼女。バスタオル巻いただけって……。 「ペリドット、何を慌てているのかしらないけど、服くらい着なさい。いったい、どうしたんだ?」 「ごめんなさい、マスター。実はこの子たちが……」   ペリドットの胸には3匹の子猫。うわぁ、俺も子猫になりたい……じゃなくてさ! 「捨ネコか?」 「ど...
  • 月長石のおくすり
    「……ホントに大丈夫なのぉ?」 「絶対に損はないからぁ。可愛い妹のお願いっ、ね?」 「んー……」           ◇   前日まで大忙しだった。そりゃあもぉ馬車馬のごとく働かされて……はぁ。 「おはよぉ……うぅ」   パジャマ姿のままリビングへ。   すぐに、ソファに座るソーダと爆弾岩さんが挨拶を返してくる。また面倒見てもらっちゃったか。 「ママー、おつかれ?」 「んー……」   生返事で返す。 「疲れてても身だしなみはきちんとしなきゃだめよぉ。あたしの【ソーダのマスター】ちゃんがだらしなかったら悲しいもの」 「分かってますけど……爆弾岩さんのじゃないです。ソーダ、朝ご飯は食べたの?」 「うんっ。ママの分もあるよー、よういするー」   台所へ走っていくソーダ。   ホント、最近はお手伝いもよくしてくれるし、成長したのかなぁ。 「我が妹ながら関...
  • お星様はどんな味?
      天体観測をする黒曜石と雲母。   星に見とれる雲母。   「くれるの?」   「……こっちにおいしいのがいっぱい?」   「j%#@|4 」   「黒曜石たちにも持ってこう」   「*+@’~」   「……あ?」   「ふふ、雲母ちゃん寝ちゃったんですね」   (…夢?)   (……やっぱり夢か)   「∈∩Э」
  • 品のある目覚めとは
    「すぅ……」 「鶏の朝は早いものだけど、鶏冠石はまったく関係ないな。おーい起きれー」 「ん……」 「起きろー。えい」   ツンツン 「くー……」 「無反応かよ。じゃあ今度はこんな感じで」   ぐにぐに 「……」 「ここまでやっても起きないのか。うーん、じゃあ次はどうしてやろうか――」 「――その辺りにしておいたらどうです?」 「うわッ!? お、起きてたの?」 「あんな真似をされても起きない方がいるのなら、ぜひ見てみたいものですわね」 「……怒ってる?」 「というより、呆れておりますわ。まったく、乙女の部屋にずかずか上がりこんで、あまつさえあのような品のない……」 「いつまでも寝てて起こされるお嬢様ってのも、ある意味品がないんじゃないかな?」 「ゔ……きょ、今日はたまたまですッ! それより、貴方ももう少し品のある起こし方を覚えなさいッ!」 「品のある起こし...
  • 十五夜
    月「今日は十五夜!」 マ「ど、どうしたのいきなり」 月「いやー、仮にも名前に月があるんだしこれは是非とも祝わなきゃってね」 マ「なぁるほど。でもどこでお月見するの?」 月「私の家」 マ「へ?」 マ「おじゃましまーす」 紫「おや……初めてじゃないか、君が我が家に来るのは?」 マ「そうですね、いつもは月長石が来るばっかりだし」 紫「それで今日はどうしてまた?」 月「十五夜だからお月見よ」 紫「あぁ、なるほど」 月「とゆーわけでお団子よろしくー♪」 紫「まったく姉使いの荒い妹だな。待ってろ」 月「美味しー♪」 マ「本当美味しいね。ところでアメジストさん、出かけちゃったみたいだけど」 月「んー、愛しい人のもとじゃないの?」 マ「ふーん」 月「……もうちょっと寄ってもいい?」 マ「どうぞ」 月「えへへ……」
  • ご飯で満ちない心とか
    「主様、みかんを一つ取って頂けませんか?」 「マスター……似顔絵」   こたつを出して以来、居間はいつもよりにぎやかだ。夕食後はこうしてみんなで集まって、テレビを見たりのんびりしたり。なんというか、心地いい。 「はい、殺生石」 「ありがとうございます……本当、やみつきになってしまう味ですね」 「マスター」 「うん、えーっと……前より上手になったね」 「……うん」   でも、こたつの中でこの二人にくっつかれるのはさすがに暑い。僕がどこかへ移動しても何かあるごとにくっついてくるからなぁ。   ……あれ、そういえば……。 「主様、お口を開けてください」 「え、うん……ん、美味しい」 「主様の実家は美味しい物ばかりですね。いつか行ってみたいものです」 「私も……いく」 「あー、お金ないから無理だよ。今年は実家に帰れそうにない」 「んー……マラソン?」 「絶対無理だよ...
  • 天ちゃんとお買い物
      子供というのは、懐いている人がどこに行こうが、どんなリスクを背負おうと付いてくる傾向があると俺は思う。   で、ここは某ショッピングモール。駅と一体化した複合施設になっている。 主「服買いに来ただけなのだがな……」   溜め息が漏れそうになるのを抑え、視線を足下に向けてみる。   そこには、俺のズボンを楽しそうに、だがまるで手放せば絶対死ぬ命綱の如き勢いで掴んでいる女の子が一人。 天「ん~? マスタぁー、どぉしたの?」 主「いや……なんでも」   天河石。確かアマゾナイトの和名を名乗る金髪ツインテールのちびっ子。   留守番してろと言ったのに、こうして俺の買い物についてきてしまった次第だ。子供の扱いは慣れてないんだがなぁ……。   しかし、こんな日に限ってなんだかやたらと人が多い。きっとこんなちびっ子が迷子になったら俺は見つけられない。邪気眼でも欲し...
  • ケチ
    雲「何食べてるの?」 金「あんみつっていう日本の甘味よ。色々なフルーツが入っていておいしいの」 雲「ちょっとちょうだい」 金「駄目。あーげない」 雲「……ケチ」 金「そんなこと言っても駄目よ」 雲「Youarestingy」 金「英語で言っても駄目よ」 雲「Vousetesavare」 金「フランス語でも駄目」 雲「Leieavaro」 金「イタリア語でも駄目!」 雲「Siesindgeiz――」 金「ドイツ語でもオランダ語でもベルギー語でも駄目なものは駄目なの!!」 虎「ベルギー語なんてないよ」 金「え――」 虎「それより今本読んでいるんだ。できれば静かにお願い」 金「う……あ……」 雲(今の内にあんみつもらっていこう……)
  • だんな様は動物好き
      殺生石の本来の姿、それは九本の尻尾を持つ妖狐。   その中でも白面金毛九尾の狐と呼ばれ、三国を股にかけて恐れられた有名妖怪だ。   そんな殺生石の本来の姿を、僕は初めて目の当たりにした。 「……うわぁ」   座布団の上に丸まっているその姿は、金色の体毛に覆われた狐。普通の狐よりは大きいし、尻尾は人間の身長ほどもある。   どうしてこの姿をしているのか……何でも、あまり長い間人の姿でいると力がどうとかで困ることになるらしい。さすがにその辺は僕には理解できない。   それよりも驚いたのが、意思疎通の方法。 『だんな様、あまり見つめられると恥ずかしいのですが』   空気を伝わず、頭の中に殺生石の声が響く。   まるでアニメか映画の世界だ。驚きが隠せない。   ……それにしても、派手だけど綺麗だなぁ。   それに顔つきもかわいらしいし、毛並みもいいし……。 『あ、あのぉ...
  • そんなにおいしくない
    虎「秋には松茸、松茸と騒がれるが、   実は味はそんなにおいしくないのではじめての人は覚悟しないと幻滅する」 置「あ~よく聞くねぇ」 虎「そこで生しいたけを用意した」 置「いきなりランク下がったね」 虎「とらめチョップ」 置「ウヴォア」 虎「椎茸は炙って塩を振り掛けるだけで味はもちろん、   香りすらおとらない。芋焼酎にはこれ以上ないほどあう」 置「焼酎てあんた・・・」 虎「さらに経済的。松茸など、ただの希少価値で高いだけだ」 置「言うねぇ」    ◇   ◇   ◇ 化「おなかすいたなぁ」 化主「弱音をもらすなぁ!!   ・・・松茸さえ!松茸さえみつかれば!明日のメシの心配をしなくてすむんだ!!」 化「そやけどなぁ、こんな山ん中で遭難でもしたら・・・」 化主「・・・・・・」 化「ますた、まさか」 化...
  • October
      ――宝石乙女は、マスターの命令に逆らえない。   少なくとも、彼女はそう教え込まれてきた。   彼女自身、主のために仕えるのは苦手だと自覚していた。   だから何も言わない。たとえどんな罵声を浴びせられようとも、何も言えない。   彼女は笑顔で耐えていた。自分の意見など、人間には関係ないのだから。   この後自分を襲う理不尽な苦痛すら、逃げることを許されない。   でもその苦痛に耐えれば、その日の糧を得られる。   ――宝石乙女は、マスターなしには生きられない。   少なくとも、彼女はそう教え込まれてきた。   彼女に妹ができたのは、それからしばらくしてからのこと。   同じ10月の誕生石の名前を持つ少女。金髪の癖毛が、とても可愛らしい少女。   彼女は、宝石乙女の言いつけを少女には教えなかった。 「電気石は、電気石らしく生きればいいんだよ」 「…...
  • 髪は女性の命らしい
      最近、髪がうっとうしい。伸びすぎたかなぁ。 「うーん……」   鏡の前で考え込んでみる……やっぱり長い。せっかく伸ばしたのだからもったいないとか、そういう思いはいっさいない。この際ばっさりカットしてしまおうかなぁ。でもどれぐらいにしようかなぁ。うーん、一人の意見で決めるのもアレだし、どうしよう。 「あーっ」 「痛っ、いや、ちょっ!」   いきなり背後から髪を引っ張られる。こんな悪戯をするのは一人しかいない……というかあたし以外にこの家にいるのは一人だけ。 「ソーダっ、めっ!」 「う……ごめんなさい」 「もぉ、髪を引っ張るのはダメ。ソーダだって痛いのは嫌でしょ、分かった?」 「あぅ……」   昔は叱っただけですぐ泣き出しちゃったけど、今回はちゃんと泣くのを我慢している。だからあまりきつく叱ったりはしない。それがあたしのやり方ってことで。   ……そうだ、この際だから...
  • 三が日限定!
      正月の朝……うぅ、眠い。   確か蛋白石に初日の出を見ようと無理矢理起こされたんだっけ。あれ、その後の記憶が曖昧……まぁ、寝ぼけながら布団に潜ったんだろうけど。 「おはよぉ……」 「あっ、ご主人様ー。明けましておめでとうございますっ」 「……おめでとー」   さっそく居間で出迎えてくれる二人。   だが一人足りない。いつもなら僕の寝ぼけ顔を微笑みながら見つめてくるあの殺生石だ。   台所からは物音もしないし、一体どうしたのだろうか……。 「蛋白石、殺生石はどうしたの?」 「え? 確か野暮用とかで出かけてますよー」 「へぇー、珍しいね」 「はつもーでー?」 「……それはみんなで行くって約束したでしょ」   しかも電気石のイントネーションだとどうしても発毛デーに聞こえてしまう。そんな正月は嫌だよ。 「ただいま戻りました」   と、殺生石の声が玄関から。   ...
  • 次の日も三人で
      周りは先ほどまでのにぎやかな雰囲気も落ち着き、皆自分の時間を過ごしている。   しかし俺は何でか知らんが、エプロン身につけてあちこちを……あぁくそ、あまり料理食ってない。   それもこれも、向こうで手伝いをしている珊瑚に巻き込まれたせい。ちっくしょーっ、あの女のマスターさんに話しかけたかった! いつの間にかいないし!! 「くそぉ、珊瑚の奴……人のことこき使いやがって」   何なんだろうな、最近。どうも珊瑚がいじめてくるような感覚を覚えてしまう。   だがまぁ、昔のどこか他人行儀なのよりはいいのかもしれないけど。 「マスタぁー、はいっ」 「ん、何だ……お、ケーキか。取っておいてくれたのかー」 「うんっ」   皿とフォークを受け取り、さっそく一口……んーっ、黒曜石ちゃん天才! 「黒曜石お姉ちゃんのケーキ、おいしいよねー」 「あぁ、美味いな。さすがだよ」   といって...
  • 花鳥風月:虎置編
    ~花~ 虎「ねぇ置石。家(ログハウス)の周りに花壇作ろうと思うんだけど。はいこれ、計画書」 置「え、なんで私に見せるの、そんなもん。ていうか見てもよく分かんないし」 虎「前、勝手に――って言ってたから」 置「いや、そういう意味じゃなかったんだけど。まぁ、いいんじゃない? 華やかになるなら」 虎「了承した。雲母に声かけてくる」 ~鳥~ 虎「置石、救急箱どこ?」 置「あそこの棚の上だと思うけど。って、うわ何……梟?」 虎「そう、ふくろう。まだちっちゃいけど。森の中散策してたら落ちてた」 置「うわ、怪我してるじゃん」 虎「うん。とりあえず消毒。あ、暴れるな。置石、押さえといて」 置「くっ、力っ強い」 虎「……あと包帯巻くだけ。ちょっと動きにくいかもしれないけど、我慢して」 虎「元気になったら森に返さなきゃ」 置「それまでどうする?」 虎「...
  • 水着談義
    「ケイちゃんはいつも水着着ないけど、嫌いなの?」  不意打ち。まさか漬物石姉様がそんなことを尋ねてくるとは。もう少しでマスターのように紅茶を吹き出すところで……危ない危ない。 「姉様、いきなり何をおっしゃるのかしら?」 「だってみんな海行くのに水着選びしてるから。でもケイちゃんはまだでしょ?」 「まだも何も、着るつもりはありませんわ。安易に素肌を晒すのは嫌ですので」  それに、私にあんなものが似合うとは思えない。ああいうのは蛋白石や爆弾岩姉様が着てこそ映える物でしょうし……。 「でも、一緒に遊べないよ?」  姉様が首をかしげている。そんなに不思議なのでしょうか。 「でしたら、姉様はどうですの?」 「え? 私はもうマスターに……ふふ」  微笑む姉様の顔……何故か、姉様のマスターに対して怒りが湧いてきた。まったく、いったいこの二人はどれだけ仲がよろしいんだか。 「ケイちゃ...
  • アイス
    ア「時に月長石。」 月「ん、なぁに?」 ア「冷蔵庫に私のバニラアイスが置いてあったんだけど、まさかとは思うが食べてはいないだろうね?」 月「(ギクリ)な、なんのこと?」 ア「まさにその手に持っているものはバニラアイスとは呼ばないかな?」 月「……もー、アメジストばっかりアイスずるいよ!あたしも食べたいもん!」 ア「開き直るか…」 月「だってずるいもん!」 ア「……やれやれ、見つかってしまったのも仕方がない。一緒に食べようか?」 月「いいの?!」 ア「楽しみを丸ごと奪われてしまうよりかは幾分マシというものだろう?」 月「やたー♪」 ア「さ、スプーンをもう一つ持ってきなさい。」 月「うん!」 月「…ひぐっ……アメジスト…酷いよぉ……」 ア「すまないね、今日はどうしても一人でとっておきを楽しみたかったんだ。」 月「アメジストのケチ!早食い!寝る前に食べる...
  • ママ? マスター?
      結婚なんてする気など、まったくない。今の仕事は楽しいし、特にいい男がいるわけでもない。自分で働いて、気ままな一人暮らしと洒落込みたかった。でも……。 「んーとぉ……ま、ま……ママー?」 「ママじゃなくてマスター。ちゃんと覚えてね」  どうしてあたしの家に、こんな小さな女の子がいるのだろう。どうしてママって呼ばれることになったのだろう……。 「いい加減慣れたらどうかしら?」 「そうは言いますけどね、あたしまだ未婚ですから……結婚もするつもりないし」   あたしの傍らで眠る女の子、名前はソーダ珪灰石。悩みの種筆頭候補。なぜか知らないけど、とある事情からあたしはこの子の保護者となった。   そして、一緒にお茶をしている……なんというか、不思議な人? 彼女は真珠さん。あたしがソーダを育てる手伝いをしてくれている。 「相手もいないし」 「それは貴女が探していないだけよ」 ...
  • ヴィンテージ
      今日は特に予定も何もない休日。外もいい天気だし、ひとつ本気出してお屋敷の片付けをすることにした。 「倉庫もしばらく使わないと傷むわねえ……今度虎ちゃんや雲母ちゃんに手伝ってもらって改装しようかしら」   あたしは庭園の隅にある年代物の倉庫の扉を開けた。 「うっぷ。埃っぽいわねえ……あら?」   倉庫の片隅に、大事そうに厚い布でくるまれた箱。埃を払って包みを解いてみると……。 「あら、まあ……こんなところに残ってたのね」 「お帰り、爆ちゃん。手伝えなくてごめんなさいね」   屋敷に帰ると、マブダチの真ちゃんが暖炉の前のソファーでくつろいでいた。 「ああ、いいのよ真ちゃん。好きでやってるようなもんだから。それより、ちょっといいもの見つけたのよ。ほら」   倉庫から持ち出したそれを出す。 「あら? ……まあ、懐かしいこと。そのワイン、18××年……...
  • ちょっと嬉しい? すれ違い
      夕方。 「早く帰らないといけませんね」   スーパーの自動ドアを抜けたところで、黒曜石が言う。   もうすぐマスターが帰ってくる。多分夕食は間に合わないだろう。   両手のビニール袋、中身は焼きそばの材料。   結構量は多い。荒巻辺りに手伝わせれば良かった。 「あ、雲母ちゃんあれ」   そう言って指差す先。 「たい焼き屋か」 「はい、ちょうど今出来たところみたいですね」   そういえば、スーパーに入ったときに店のおじさんが忙しそうにしていたのを思い出す。 「そういえば、最近食べてないってマスターが言ってましたね」   ……確か、最後に食べたのは1ヶ月前か。   あのとき初めて食べたが……あんこが詰まってておいしかった。   でもクリームの奴も捨てがたい。 「……雲母ちゃん、食べたいですか?」   黒曜石は鋭い。いくら隠していても顔を見られたらすぐばれてし...
  • あなたに“ありがとう”を
      この窓を揺らす音。   鳴らしているのは風じゃない。眠りの時間にだけやってくる、僕の恩人。 「おっきろー」   でも、本当は寝かして欲しい……低血圧だし。 「はい、お茶……ふあぁ~」   大きなあくびがこぼれる。   時刻は午前0時。人によっては起きている時間だろうけど、明日も早い身としてはもう寝ておきたいところ。   そんな僕の気持ちもお構いなし、受け取ったお茶を飲みながら笑顔を浮かべる女の子が一人。 「月長石ぃ……出来れば寝かせて欲しいんだけど」 「だって昼間は学校だーって、全然話す機会ないじゃない。契約してるんだからコミュニケーションを大切にしないとねー」   彼女、月長石に僕は命を救われた。   でもどうやって僕を救ったのかとか、そんな事は全然分からない。   彼女の言う『契約』。それを行ったおかげで、不治の病から救われていた。 『……別に...
  • 椛の頃
      ただ一つのことを伝えるのに、どうしてこんなに緊張しなければならないのか。でも男としては……やっぱ、その、ね……うん。 「ね、ねぇ殺生石」 「何でしょうか?」 「えーと、今度の休みにね、ちょっと一緒に来て欲しい場所があるんだ」 「妾とですか? 珍しいですね。初めてではありませんか」   そう、殺生石とは一度も一緒に外を出歩いたことがない。家でのつき合いは……親密なわけだが、これまでデートの類というものは、互いに全く経験したことがなかった。そういう意味でも、今回は殺生石を是非とも誘いたかった。 「うん。殺生石って身なりの関係でいつも家の中に篭もってるでしょ、だからちょっと……」 「その身なりで奇異の目に晒されるのは主様ではありませんか。妾が無理につき合わなくてもよろしいのでは?」 「いや、人のいないところだから大丈夫だよ」   人のいないところ……本当に誰もいない。予想は...
  • クリスマスの準備
      玄関に編み上げの可愛らしいブーツが置いてある。黒曜石ちゃんが来ているようだ。 「おじゃましています」 「いらっしゃい、ゆっくりしていってね。それにしても、本だらけだね。何の相談かな?」 「クリスマスにパーティでも、と思いまして。黒曜石と料理の相談をしていたのです。人数が多いですから、いまから手配や準備しておかないと」 「ああ、なるほどね……手伝えることがあったら言ってよ。力仕事くらいしかできないけど。さて、お風呂に入るよ」 「はい。その時はお願いしますね」 「でも……どう考えても厨房係が足りないわね……」 「他の姉様たちはいかがでしょう?」 「う~ん、彼女たちには会場のほうをね。気配りと采配は一流だから、厨房に閉じ込めるのはもったいないわ。虎ちゃんや漬物石ちゃんにもお願いしてみようかしら……」 「置石さんも来ちゃいそうですね……」 「それ、いいかもしれないわね...
  • ドッキリ乙女 後編
     目の前に広がる暗闇。 「おーい」  そこから呼びかけられる声は、まるでトンネルの向こうから聞こえる遠い声のようで。  いや、そんなはずはない。昨日はそんなトンネルになど入った記憶は……。 「ねぇねぇ、起きなさいよー」  さっきよりもはっきりと、声が聞こえる。  それと一緒に、頬を細い指でつつかれるような感触。  ……眠っているのか、俺は。  だが、いつもと何か感覚が違うような。 「ちょっとー……あ、起きた起きた。おはよう、【鶏冠石のマスター】」  目を開け、体を起こす。  そしたらどうだろう。何故かそこは鶏冠石の部屋で、しかも俺は絨毯の上で、 毛布を被って眠っていたようだ。  そして俺の隣には鶏冠石ではなく、どこか呆れた表情の月長石ちゃんが、 カーペットに足を崩して座っていた。 「んー? あたしの顔に何か?」 「ん、いや……...
  • クリスマスの夜
      誰か俺に教えて欲しい、どうしてクリスマスはイブに祝うんだ?   まぁ、そんなことはどうでもいいか。   それにしても……。 「何で俺の家にみんな勢揃いなの?」   リビングにありったけのテーブルが並べられ、そこにはご馳走やケーキが満員電車のように。   そして何より、宝石乙女+そのマスターがそろい踏み。宝石乙女オールスターズ状態になっている。 「マスターの家が一番広かったので……その、ごめんなさい」 「あ、あぁいいよ黒曜石、謝らなくて。どうせパーティはするつもりだったんだから」   もちろんこんな規模でやるつもりはなかった。軽い宴会だろこれ。忘年会か? 「何けちけちしてるのよー? にしし」 「ちょっ、月長石ちゃんっ。勝手に背中乗らない!」 「だってー、アメジスト賑やかなの嫌いだって言って来なかったんだもーん。だから相手してよー」   だったらアメジストの方に行け...
  • ネクタイは苦手
      俺は仕事柄、基本的に背広なんて着ない。だから昔からネクタイって奴はどうも苦手だ。締めるのも上手くできないし、何より首元が苦しいのはどうも……。   でも、ごくたまにそういうきちっとした服を着なければいけないときがある。それが今日だ。 「うー……」 「マスター、どうしました?」   鏡の前で唸っていると、漬物石が上着を持ってこちらにやってくる。 「ネクタイがな、上手く結べなくて」   手元に持ったそれを指でつまんで軽く揺らす。なんというか、どうして人間はこんなモンつけるのが好きなんだろうか。全然理解できないぞ。 「マスターはやっぱり正装が苦手なんですね」 「笑いながら言うなよー」 「ふふ、ごめんなさい。じゃあ、こちらにしゃがんでくれますか?」   漬物石に言われた通り、彼女の前でしゃがむ。   ……まぁ、漬物石が何をしてくれるかは分かる。分かるよ、うん。それは男とし...
  • たまには女の子
     それは、買い物帰りのことだった。 「瑪瑙ちゃん、何を悩んでるの?」  隣を歩いていた漬物石姉さんが尋ねてくる。 「え、どうして?」 「妹のことは顔を見ればだいたい分かるよ。それで、どうしたの?」  やっぱり、僕や鶏冠石の面倒をずっと見てくれていただけのことはある。姉さんに隠しごとはできそうにない。そして、相談相手としてはうってつけの相手だ。 「そ、その、今度マスターとね……出かけることに、なってて。二人きりで」  こんなこと、姉さんぐらいにしか言えなかったかもしれない。きっと真面目に聞いてくれるだろうし、からかうようなことは何も……。 「まぁ、デートですねぇ……ふふふ」 「な、何?」 「なんでもないですよ。それで?」  どうして姉さん、楽しそうなんだろう……まぁ、いいか。 「だから、その……せっかく、マスターの隣を歩くんだから、女の子らしい格好をした方がいいかな…...
  • 怒った顔も愛らしくて
    「なっ、なんや、なんやこれはぁーっ!」   と、俺が10時間ならんで購入した某ハードのリモコンをテレビの前で振り回している化石ちゃん。一緒にやっている漬物石は慣れたものだ。暇があれば俺の相手をしてもらっているからな。 「化石ちゃん、そんなに慌てなくても大丈夫だからね」 「せやけどつーちゃんっ、うちこんなの初めて……あわわっ」   うーむ、なんだか見ているだけで面白いな、化石ちゃんの動きは。つーちゃんっていう呼び方も面白いけど。だがテレビに突き刺すとかはホント勘弁して欲しいな……そんな惨劇が起きないことを祈ろう。 「仲いいんだな、二人とも」 「はい、昔からの仲良しですよ」 「つーちゃんはうちの大親友やーとととっ」   昔からかぁ、いいなぁそういうの。   いいといえば、漬物石って遊んでいるときはホント子供みたいに無邪気なんだよな。本人に面と向かって言ったら赤面するだろうが、...

  • 黒「おはようございます。みんな、今日の朝御飯はどうします?」 マ「オムレツがいいなあ」 雲「…(手をあげて同意)」 珊瑚「私も」 瑪瑙「僕も」 金「…」 黒「あれ?金剛石ちゃん、いらないの?」 金「う、うん…」 マ「だめだよ、朝はちゃんと食べなきゃ。大きくなれないぞ?」 金「…!結構です!これ以上ふと…!モゴモゴ」 皆「…」 マ「なんだ、体重を気にしてたのか?今更2~3キロ太っても変わらない…ゴブァッ!(金剛石のアッパーがヒット)」 黒「…金剛石ちゃんは全然太ってないと思うけどなあ?」
  • 銭湯っていいよね
    置「ねぇ、何作ってるの?」 虎「……」 置「もしもーし?」 虎「……できた」 置「お疲れ。で、何ができたの?」 虎「肌色の全身タイツ」 置「ブッ! 何でそんなもの!?」 虎「大丈夫……置石が考えてるようなことじゃない」 置「ちょちょちょ、私は別に何にも考えてなんか――」 虎「分かったから。落ち着いて」 置「オーケーオーケー、落ち着いた……で、なんに使うの?」 虎「銭湯に行く」 置「? それでなんでタイツなの?」 虎「さすがに球体関節さらすのはよくない」 置「あぁ……そうだね」 虎「これは防水性に優れ、かつ伝熱性は高い。極薄だから普通にお風呂に入ってるのと感覚はほとんど変わらない。はず」 置「よくもまぁそんなものを」 虎「置石の分もある。行こ」 置(銭湯かぁ……銭湯ならではの悪戯とかいいかも……) 虎「ちなみに銭湯で悪戯したら一週間おやつ抜き」 置「わ...
  • 殺生石、クリスマスを考える
      ……さっきから殺生石がテレビに釘づけだ。こんな夕食の場面も珍しいせいで、僕の箸は進まない。 「殺生石、なんか珍しい物でもあった?」 「? そういえば全然食べてないー。もらっていいっ?」 「駄目です」 「ぶぅ……でもご飯食べるときはちゃんと食べなきゃー。テレビばかり見てちゃダメっ!」   まぁ、蛋白石の言うことも一理あるけど。 「……そうですね、そうしましょうか」   テレビから目を離し、黙々と箸を進め始める殺生石。んー、やっぱり気になるなぁ。どうしたんだろう? 「もしかして、何か悩んでる?」   とりあえず話を切り出してみたけれど、悩みごとだったら殺生石のこと、華麗にごまかされそうだ……。 「え? あぁ……少し気になることがありまして」 「気になること?」 「はい、最近世間ではくりすますなるものが話題に上がっているようですね。てれびもほとんどその話題でした」 ...
  • 七夕の災難
     短冊に書く願い事。  見せ合っている子もいるけれど、僕のは到底見せられない。  『もう少し女の子らしくなれますように』  ……こんなの見られたら、本当に大変だ。特にアメジストには。 「私には、何だって?」 「うわあぁぁっ!?」  どうして彼女はこんなにも唐突なんだろう。 「ふむ、女の子らしく、か。そうかそうか」  で、いつの間にか僕の手から短冊はなくなっていて……。  短冊を持ったアメジストが、何故かとても嬉しそうに見えた。 「えっ、あ、か、勝手に見ないでよっ!」 「大丈夫、誰にも見せないよ。もちろん月長石にも」 「そ、そういう問題じゃなくてっ……って、えぇっ、ど、どこに行くのっ!?」  突然アメジストにさらわれたと思えば、着いたのは何故か僕の部屋。  いや、僕の部屋というのはおかしいか。マスターの家だし……。 「さて、用意したのはいいが、どうしたもの...
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