著作一覧


文庫

Missing 神隠しの物語

2001年7月25日発売:電撃文庫
物語は『感染』する。そして徐々に、現実は『異界』に喰われている。
これは現代の『神隠し』の物語。
その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へと消え失せるという怪異なる都市伝説。
幼い頃『異界』から生還した過去を持つ少年――空目恭一。
常に黒ずくめの格好をしている彼は、傲慢な態度とオカルトに関する圧倒的な知識量から
「魔王陛下」と呼ばれ変人扱いされていた。
そんな空目恭一が、一人の『神隠し』の少女と出会った時……!
鬼才が贈る現代ファンタジー、登場!!

Missing 2 呪いの物語

2001年10月25日発売:電撃文庫
夜中の2時に、のろいのFAXがくる。
もし最初の送信を受けてしまったら、FAXは7夜のあいだ続く。
最後の7夜めのFAXを受けたら、あなたは次の日から同じ時間、同じ手順で誰かにそのFAXを送らなければならない。
もし送らなかったり、手順をひとつでも間違えれば……。

木戸野亜紀の部屋に送られた一枚のファックス。
奇怪な文字と紋様で埋め尽くされたそれは、実はとんでもない代物だった。
亜紀の周辺で次々と起こる異変。混乱する亜紀を救うため“魔王陛下”こと空目恭一が動き始めるが……!
人気の現代ファンタジーシリーズ第2弾!!

Missing 3 首くくりの物語

2002年1月25日発売:電撃文庫
図書館の本にまつわる三つの約束事。
一、図書館にある『持出禁止』の本は、できるだけ読んではいけない。それには呪われた本が混じっている。
二、著者の死後に書かれた本。これは決して読んではいけない。死の世界へと引き込まれてしまう。
三、本を読んでいる途中に寒気がしたら、決して振り返ってはいけない。
その時、あなたの後ろには死者が立っている。

日下部稜子の持ち物に借りたはずのない一冊の本が混ざっていた。表紙の裏に押された『禁帯出』のスタンプ。
その本を「自分が返す」と言って持って帰った稜子の姉が首を吊って死んだとき、何かが動き始めた……!
人気の現代ファンタジー第3弾!!

Missing 4 首くくりの物語・完結編

2002年3月25日発売:電撃文庫
あるところにお母さんと、三人兄弟がありました。お母さんは病気が悪くて、
山梨がくいたいと言いました……。

昔話『奈良梨取り』――。
そこに秘められた“真実の意味”が多くの人々を首くくりに誘ってきた。
そして今、死の連鎖を断ち切るべく、空目恭一が動き出す。
すべての謎を解き明かしてくれるはずの一冊の書物――『奈良梨取考』を追う彼らの前に現れたのは、
魔術に狂った一人の死人の妄執だった……。
異端の著作家・大迫栄一郎――“彼”と“首くくり”と“奈良梨取り”にまつわるすべての謎が解き明かされる――。
超人気現代ファンタジー、第4弾!

Missing 5 目隠しの物語

2002年6月25日発売:電撃文庫
「コックリさん」――この儀式は心霊学的には霊魂との交信手段であり、
自動書記などの延長線上にある一方、
科学的には無意識の筋肉運動がもたらす現象だとして一応の決着がつけられている……。

聖創学院大付属高校で一人の少女が自殺した。死んだ彼女の名は雪村月子。
彼女は死ぬ前日、“そうじさま”と呼ばれる<儀式>を行っていた。こっくりさんと同じやり方で行うその<儀式>は、
学校に棲んでいるという小さな男の子の霊を呼び出すもので、
やがて、その<儀式>に誘われて参加していた近藤武巳の周囲にも異変が起こり始めた……!
超人気現代ファンタジー第5弾。

Missing 6 合わせ鏡の物語

2002年10月25日発売:電撃文庫
  • 夜中の二時ちょうどに鏡を覗き込むと、鏡に死んだ人が映る。
  • 深夜二時に合わせ鏡をすると、鏡の中から悪魔が出てきて、取り憑かれてしまう。
  • 夜中に合わせ鏡をすると、霊が現れて鏡の中に引きずり込まれてしまう。

聖創学院に訪れた文化祭の季節。文芸部の面々も、会誌の作業に追われる日々を送っていた。
そんな中、美術部の特別展示である『連作・鏡の中の七不思議』に、
空目恭一らが遭遇した事件と明らかにリンクするモチーフが描かれていることを知った空目たちは、
作者である八純啓のもとへ向かったが……!?
超人気現代ファンタジー第6弾!

Missing 7 合わせ鏡の物語・完結編

2003年1月25日発売:電撃文庫
私の小学校では一階から二階に上がる階段の所に鏡がかけてあった。
夜中の二時に鏡の前に立つと、幽霊が映ると言われていた。
昔、一人の女の子が夜中の学校に探検に行ったきり、帰ってこなかった。
心配したみんなが次の日になって見に行くと、その鏡の前に女の子の上履きが揃えて脱いであった。
その女の子は鏡の向こうに行ってしまったと噂になった。
鏡は私が四年生の時に取り外されて、今はない。

『連作・鏡の中の七不思議』の作者である八純啓が変死し、
行方不明になっていた赤名裕子と大木奈々美が戻ってきた。
だが異変は止まらない。そして……!
超人気現代ファンタジー第7弾!!

Missing 8 生贄の物語

2003年5月25日発売:電撃文庫
羽間村の某が家の養ひ児、入らずの山に入りて帰らず。
神隠しに遭ひたりと聞く。
右、元屋の隠居たずねし折に伝へ聞きし事、ここに記すもの也。

聖創学院高等部で、シャワーを浴びていた一人の少女が消えた。学校に伝わるある怪談そのままに。
一方、空目恭一ら、文芸部の面々はとある場所に向かっていた。
そこにいたのは精神に異常を来した空目の母親で、彼女を皆が紹介した後、
空目は文芸部の面々にある宣言を行うのだった……!
ついに羽間にまつわるひとつの秘密が明らかにされる――!!
超人気現代ファンタジー、第8弾!

Missing 9 座敷童の物語

2003年10月25日発売:電撃文庫
座敷童とは「福をもたらす童女の霊」という形だけでなく、愛らしいどころか不気味な姿をしたもの、
また福だけでなく不幸の先触れである場合も『座敷童』の範疇に含むとしている。
あくまでも、この童子の本質は『怪異』である事を忘れてはならない。

「――ようこそ、みんな。“ここ”では久しぶりだねえ」
その言葉とともに、“魔女”――十叶詠子は聖創学院に帰ってきた。
そして、その“帰還”にあわせるように空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始める――。
超人気現代ファンタジー第9弾!

Missing 10 続・座敷童の物語

2004年1月25日発売:電撃文庫
伝承の『座敷童』が“引っ越す”事があるのは知られているが、
実はこれに関しても陰惨な伝承との関わりが考えられている。
ある家に座敷童が入った時、多くはこのような話が語られる。
『ある家に子供が入ったが、出てくる姿を誰も見なかった。その後、その家は急に富み栄えるようになった』と。

「ここに闇あれ」
深夜、魔女・十叶詠子と、彼女の使徒たちが動き出した。今だ語られざる“なにか”に向けて。
一方、木村圭子のもとに現れた童子様の正体が明らかになり……!
超人気現代ファンタジー第10弾!

Missing 11 座敷童の物語・完結編

2004年7月25日発売:電撃文庫
うちの学校には“夜に鳴るチャイム”の噂がありました。
それは絶対に聞いてはいけないチャイムで、死んだ人の時間が始まるということを知らせるチャイムなんだそうです。
そういえば、うちの学校には用務員さんや宿直の先生がいませんでした。

“どうじさま”はゆっくりと確実に聖創学院を蝕みつづける――。
その状況に抗するべきかつての文芸部の面々はすでに分裂してしまっている。
さらに復活した魔術師と魔女宗も動き始め……。
シリーズの核心に迫る第11弾!

Missing 12 神降ろしの物語

2005年3月25日発売:電撃文庫
「……ねぇねぇ、トモ。知ってる? あのケータイの噂。
 あ、知らないんだ? ふっふっふ。私ねー、聞いちゃったんだ。ケータイのね、怖い話。
 そう。あのねぇ、ケータイって電波でしょ? だからね、ときどき悪い電波も拾っちゃうんだって。
 死んだ人の声とか、ヤバいやつ」

聖創学院をむしばむ多すぎる数の怪談――だが、その怪談はある時期から徐々に数を減らし始めていく。
同時にいくつかの特定の噂がささやかれる頻度は著しく上がっていき……。
その先に待っているのは、魔女の望む世界なのか――。
超人気現代ファンタジー第12弾!

Missing 13 神降ろしの物語・完結編

2005年6月25日発売:電撃文庫
神隠しの少女、あやめ。
神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。
その空目を護ることを誓った村神俊也。
呪われた血を持つ木戸野亜紀。
愛のために友を裏切った近藤武巳。
近藤のことをただ慕う日下部稜子。
人にあらざるモノ、神野陰之。
ひたすらに知識と力を渇望する魔術師、小崎摩津方。
呪われた土地に立つ聖創学院。
異界の世界を望む魔女、十叶詠子。
すべての因果が揃い、そしてかつて神が棲んだ山から、“ソレ”がやって来る―。
超人気現代ファンタジー、ついに完結。

夜魔 -奇-

2010年1月10日発売:電撃文庫
「君の奥底に眠る『願望』は、何だね?」
小学校の校庭に立つ、大きな桜の木。
この桜は子供を攫う。咲がまだ子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。
風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。
――桜の花びらは危険だ。
そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。
これは、『Missing』シリーズの夜色の外套を身に纏った魔人・神野陰之と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。
そして二人の出会いとは――。
甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『‐怪‐』と連動し、待望の文庫化。

夜魔 -怪-

2010年1月25日発売:メディアワークス文庫
恐怖はココロの隙間に入り込む――
「君の『願望』は―何だね?そして、君の『絶望』は――」
満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは、密かに憧れていた従姉だった。
彼女はその晩、桜の木で首を吊る。
――彼女は桜の中にいる。……彼女に会いたい。
そう信じ、願う男は、遂に夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。
曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。
夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。
鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。

断章のグリムI 灰かぶり

2006年4月25日発売:電撃文庫
曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。
この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。
そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。
明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる―。
普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。
人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは―!?
鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。

断章のグリムII ヘンゼルとグレーテル

2006年7月25日発売:電撃文庫
市立第一高校の一年生で時槻雪乃のクラスメイトの媛沢遥火は、通学途中で怪異に巻き込まれた。
自身が以前から恐怖症のように苦手としていた駐車場。
そこに停まっていた車の窓に、まるで赤ん坊がこちらを覗き込んでいたかのように、白い手形が二つ浮かんでいた。
彼女は、学校で腫れ物扱いされている時槻雪乃に話しかける唯一の少女だった。 
そして同じ頃、白野蒼衣も、<グランギョニルの索引ひき>と名付けられた、
童話の形を取るほど大きな<泡禍>の予言を受けた。
おそらくは雪乃も一緒に巻き込まれるだろう予言に。人食いの物語(ヘンゼルとグレーテル)の予言を───。
かくして神の悪夢と混じり合った悪夢は、再び<童話>の形で現実のモノとなる。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第二幕。

断章のグリムIII 人魚姫・上

2006年12月25日発売:電撃文庫
薄汚れた洗面台で、老女はいつものようにひび割れた石鹸を取り上げて、掌で揉み始める。
乾いた石鹸はすぐにぬめりを取り戻し、白く濁った水がぬるぬると手にまとわりついて泡となって嵩を増やしていく。
最後に一通り両手の表面を泡で拭った瞬間、それまでとは違う異様な感触が掌に伝わり、そして―。
泡禍解決の要請を受け、蒼衣たちは神狩屋がかつて暮らしていたという海辺の町を訪れた。
過去に例をみないほど町中に溢れ出す泡禍の匂いの中、彼らは神狩屋の婚約者だった女性の妹・海部野千恵に出会う。
彼女は重度の潔癖性であった。奇しくも婚約者の七回忌を明日に控え、悪夢の泡は静かに浮かび上がる―。
鬼才が贈る悪夢幻想新奇譚、第三幕。

断章のグリムIV 人魚姫・下

2007年3月25日発売:電撃文庫
じりりりりりん!寺の敷地内にある住職一家の住居に、不意に電話のベルが鳴り響いた。
くぐもった遠い電話の音は、音が夜に食い尽くされたかのような静寂の中を虚ろに繰り返して、響き続けた。
誰も決して出ることなどなく、血と、腐った磯と、
そして石鹸の匂いが混じったような、異様極まる臭いがただよう住居の中に―。
神狩屋の婚約者の七回忌前夜、人魚姫の物語をなぞる惨劇は、蒼衣たちが訪れた海辺の町全体に広がっていく。
そして、大量の泡に押し潰されるかのように、徐々に泡禍に巻き込まれていく蒼衣と雪乃。
彼らが死の連鎖を誘う人魚姫の真相を知る時―。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第四幕。

断章のグリムV 赤ずきん・上

2007年7月25日発売:電撃文庫
小さな森の中。小さな神社へと続く、石と根だらけの細くて狭い、暗い道。
前を行く友人の律子に追いつこうと、危なっかしい歩みで必死に足を進める愛。
そして彼女は、神社を目前にした石段の上、律子の頭上にかかる朽ちた赤色をした鳥居から、
死体の色をした真っ白な“腕”が垂れ下がるのを目撃した…。
田上颯姫の妹が住む街で起きた女子中学生の失踪事件。
“泡禍”解決要請を受けた雪乃と蒼衣の二人を待ち受けていたのは、
愛の幼馴染みであり、雪乃へ敵意剥き出しの非公認騎士の少年だった。
『赤ずきん』の予言を受けた“泡禍”は、静かに新興住宅地の町を蝕んでいく―。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第五幕。

断章のグリムVI 赤ずきん・下

2007年12月25日発売:電撃文庫
街灯の明かりも届かない細くて暗い袋小路。暗闇の中から流れ出すのは、
鼻の奥を突き、口から胸へと流れ込む生臭い湿った鉄の匂い。
そして、墨に沈んだような暗い路地に浮かび上がるように、真っ白な裸の手足が無造作に転がっていた。
その前にしゃがみ込んでいたのは、小柄な少女の影―。
“泡禍”解決の途中で怪我を負い、意識不明の重体に陥った雪乃。
彼女の重荷をなくすため、蒼衣は単身、未だに手がかりの見えぬ謎へと立ち向かう。
徐々に『赤ずきん』の欠片は繋がっていくのだが、この街の狂気は想像を遥かに超えていた。
失踪事件を発端とした悪夢の結末に待っているものとは―!?
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第六幕。

断章のグリムVII 金の卵をうむめんどり

2008年4月10日発売:電撃文庫
時槻風乃は、知っている。この世界と全ての存在は、常に『痛み』という火によって、焼かれ続けている。
幼い頃に火傷した時、火という物の本質は『痛み』であると学んだ。―火は『痛い』もの。
そして、彼女に燻り続けていた『火』と『痛み』への思索は醸成され、一つの結論へと―。
時槻雪乃のクラスメイトの古我翔花は、継母との確執により、いつも雪乃の家で泣いていた。
死んだ母親の居場所を、形見の指輪を守りたいが、翔花は悔しさと悲しみに明け暮れて泣いていた。
そんな時、ゴシックロリータに彩られた人形的な美しさを持つ風乃に出会い―。
悪夢の短編連作型で贈る幻想新奇譚。

断章のグリムVIII なでしこ・上

2008年8月10日発売:電撃文庫
七月初め。金森琴里が自殺した。恋人の石田臣は、その理由について自分を責めていた。
琴里の机の上に置かれた花瓶の前で落ち込み悩む臣。
やがて、無言のまま乱暴に一本の白いユリを引き抜き、立ち去っていく。
机の上にこぼれた水が広がり、その上に人間の足跡が浮かび上がったことに気づくこともなく―。
人魚姫の“泡禍”事件から二ヶ月。一人残された海部野千恵を見舞いに、蒼衣は雪乃と離れ、再び海辺の町を訪れる。
そして、蒼衣の目の前で繰り広げられたのは、琴里の母親の惨劇。
彼女の死を悼み臣が持ち帰った白いユリは、決して枯れることもなく静かに風に揺れていた―。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第八幕。

断章のグリムIX なでしこ・下

2008年12月10日発売:電撃文庫
『──────お姉ちゃん』
悲嘆と暗闇の中で泣いていた金森梢枝の背後から、突然少女の声が囁かれる。
背後の闇から聞こえてきた、小さく、くぐもった、しかし異様にはっきりと聞こえた声。
忘れもしない、忘れるわけもない、しかし記憶の中以外ではあってはならない、死んだ妹の、“声”。
金森琴里の自殺を発端に、徐々に悪夢が浸触していく海辺の街。
だが蒼衣は、ユリと物語の行方が分からぬまま、雪乃を置いて、地元の普通の日常に戻らなくてはいけない。
琴里の恋人だった臣と幼馴染みの一真を護るために必死な雪乃。
そして悪夢は、雪乃を心配する蒼衣の予想を大きく裏切り、拡散していく―。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第九幕。

断章のグリムX いばら姫・上

2009年4月10日発売:電撃文庫
教室で唐突に始まった怖い話。それは、初めてできた子を両親がボートから池に落として殺し、
可愛がっていた二番目の子が同じ場所で『今度は落とさないでね』と語りかける、という内容。
一緒に聞いていた真喜多莉緒は、その手の話が苦手だった。なぜなら彼女の名前は、死んだ姉と同じだったから―。
夏休みが始まり、雪乃とできるだけ長く一緒にいようと目論む蒼衣。だが、泡禍解決に赴いた雪乃と颯姫が戻ってこない。
雪乃たちは、死なない“異端”を相手に真喜多家に閉じ込められているらしい。
邸は異常現象により完全に外界と隔絶されていた。雪乃のためにも単身で邸内へと救出に向かう蒼衣だったが―。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第十幕。

断章のグリムXI いばら姫・下

2009年8月10日発売:電撃文庫
「…し…白野さん?雪乃さん!?」
真っ黒に焦げたドアと壁と天井。ひっくり返って破壊された棚。床はガラス片の混じった水で水浸し。
庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、
ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で―。
始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。
異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。
雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。
抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が―。
悪夢の幻想新奇譚、第十一幕。

断章のグリムXII しあわせな王子・上

2010年5月10日発売:電撃文庫
大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。
その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。
安奈はあまり幸福とは言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。
膨れあがる不安感に押され家の中に忍びこんだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。
蒼衣が深い傷を抱えた一週間後。処分しそこなった“泡禍”被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。
だが、可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は“生き返り”という概念に疑問が隠せず、そして―。
悪夢の幻想新奇譚、第十二幕。

断章のグリムXIII しあわせな王子・下

2010年10月10日発売:電撃文庫
 きっと、浅井は自殺したんだとおもう。
 私は呪い殺されるなんてやだ。
 ぜったい耐えられない。
 だから死ぬことにする。さよなら。

病院で首を吊って死んでいた少女が残した手紙。
そこには、自分たちがいじめていた浅井安奈からの復習が匂わされていた。
いまだ解明できていない謎の死を遂げた安奈と、行き返りの彼女を連れて逃亡を続ける多代亮介。
被害はさらにクラスメイトたちへと広がっていく――。
一方で満身創痍の蒼依とさらには可南子に対して不信感が募る雪乃。
安奈たちを追うべくクラスメイトに接触を図るのだが、彼らよりも早く可南子が動き始めていて――。
鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第十三幕。

断章のグリムXIV ラプンツェル・上

2011年3月10日発売:電撃文庫
“―彼女の髪に、触ってみたい…”
少女が歩道橋を登り、階段の一番上に、ぺた、と差し掛かった時。
突然、ぐん、と後ろ髪を鷲掴みにされた感触と同時に、髪の毛が思い切り後ろに引っ張られた。
そして、恐怖とともに堕ちていき―。
いまだ葉耶の悪夢に苦しむ蒼衣は、葬儀屋の件でさらに自責の念に駆られていく。
葬儀屋の蘇りにより自我を保っていた保持者が多く、蒼衣は方々から恨まれていた。
周囲は蒼衣を休ませようと気を遣うのだが、“泡禍”解決の依頼は増えていくばかりで…。
そして舞い込んできた蘇りの娘が関わる“泡禍”事件に、
蒼衣も責任を取るかのように、雪乃と二人で解決に向かうのだが―。
悪夢の幻想新奇譚、第十四幕。

断章のグリムXV ラプンツェル・下

2011年8月10日発売:電撃文庫
「いま敵じゃないひとは、いつか敵になるひと。まだ気づいてないだけだよ……」
葬儀屋の蘇りによる影響はまだまだ続く。蒼衣に復讐を誓う少年は、自分も死ぬ覚悟で蒼衣を苦痛の海へと沈めていく。
遠くなりかけた視界に佇むのは、かつて蒼衣が破滅させ、いまは蒼衣を破滅させつつある、死した少女の姿だった。
そして、蒼衣の窮地を救った雪乃も、勇路を始末するべく、動き出す。
いまだ真相の掴めない〈泡禍〉に加え、勇路の存在は危険すぎた。蒼衣を置いていくことに不安は残るものの、
雪乃は一人〈泡禍〉の渦中へと飛び込んでいくのだが──。

断章のグリムXVI 白雪姫・上

2011年12月10日発売:電撃文庫
「『普通』なんて、いつか壊れて、ここに戻って来る。蒼衣ちゃんは『王国』の国民なんだから」
握り拳を震わせて言いつのる葉耶。蒼衣を苦しめる、かつて蒼衣が破滅させた少女の幻影。
だが、蒼衣は<泡禍>と出会うまで、葉耶の存在すら忘れていた。
過去に本当に起きていたことも覚えてはいなかった──。
そして、主の帰ることのない神狩屋の書斎で見つけたスクラップブック。
そこに記されていたのは、葉耶にまつわる過去の真相。そして──。

断章のグリムXVII 白雪姫・下

2012年5月10日発売:電撃文庫
「正直僕も、白野君をどれだけ追い詰めればいいのか、手探りなんだよ──」
日々苦しみ続けていた蒼衣の過去の悪夢の真相、雪乃が抱える様々な想いや誇り、そして神狩屋から消えてしまった颯姫と夢見子……。
謎が謎を呼び、混沌としていく神狩屋で、また一人 『白雪姫』 の悪夢に巻き込まれ、騎士たちが消えていく。
だが全ては、蒼衣の過去より、始まるべくして始まっていた──。
蒼衣と雪乃、そして最悪の悪夢の結末は── !?
甲田学人が描く悪夢の幻想新奇譚、ついに最終幕!

時槻風乃と黒い童話の夜

2014年1月25日発売:メディアワークス文庫
『自分は母親に好かれていないのかもしれない……』
中学二年の木嶋夕子は悩んでいた。常に優先される姉と、我慢をする自分。それは進路問題にまで発展していく──。
そしてある所では、母親の顔色を窺いつつ、二人で助け合っている兄と妹がいた。
だが二人の絆の中で広がっていくすれ違い。やがて負の想いが膨らんでいった時──。
彼女達が悩みの末に出会うのは、時槻風乃という少女。風乃は闇に溶け込むかのように、夜の中を歩いていた──。
「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」など、現代社会を舞台に童話をなぞらえた恐怖のファンタジーの幕が上がる。

時槻風乃と黒い童話の夜 第2集

2014年7月25日発売:メディアワークス文庫
「奈緒。わたし、可愛い?」
京本奈緒は、嘘が嫌いだ。その潔癖とも言える『嘘嫌い』のせいで親しい友達も少ない。
だが唯一、天城紅美子だけは中学校からの親友と呼べる存在だった。紅美子は奈緒が知る限り最上の美少女だが、
過度の寂しがり屋と浅慮な言動のため、同性からは嫌われていた。そんな紅美子の嘘や隠し事のないあけすけな言動は、
奈緒にとっては心地よかった。
だが事件は唐突に起きてしまう。そして闇夜を歩く時槻風乃に出会い、二人の少女の間に黒い影が落ちて──。

ノロワレ 人形呪詛

2012年12月10日発売:電撃文庫
双子の弟・真木現人は兄の夢人のことが嫌いだった。
主人公の虐めと呪いをテーマにした小説『呪験』で十五歳にして作家になり、上京した夢人。
そして、その内容に影響された殺人事件により帰郷するのだが、彼は七屋敷薫という婚約者を連れていた。
──七屋敷は呪われている。七屋敷の花婿は、呪いによって、二年と経たず早死にするのだ。
そんな『呪い』が噂される婚約だが、夢人は暗い嘲り笑いを浮かべるだけだった。
そして、夢人を尊敬し慕う妹の信乃歩に、彼らを蝕む呪いの物語が、静かに始まりを告げていた──。

ノロワレ弐 外法箱

2013年5月10日発売:電撃文庫
同級生・日高護の祖母の葬式に出席した真木現人は、そこで騒ぎに巻き込まれる。
それは日高が過去に祖母から聞いていた「神様の入った箱」を差し出せというものだった──。
一方で現人の双子の兄・夢人は、その箱と同時に日高の家系にも興味を持ち始める。
それは脈々と引き継がれている『憑き物筋』で、呪いの本尊をその箱に収めているという。
兄の話に怒りを覚える現人だが、呪いの怪異はすでに浸蝕を始めており──。

ノロワレ参 虫おくり

2013年9月10日発売:電撃文庫
──死ね。死ね。
天井から聞こえる微かな物音。少年の意識には、その音が狂おしく囁いているように思えた。そして……。
社で始まる「虫おくり」の祭りの準備中、街では蜂の被害が広がっていた。
被害は主に、信乃歩の学校で自殺した少年の住む地域で起きていた。
そして少年を虐めていた人間がまた一人、犠牲になっていく。果たして呪いと虫おくりの関係とは──。

単行本

夜魔

2005年11月10日発売:メディアワークス刊(単行本)
───その男は「陰(カゲ)」を引き連れて現れた。
「君の願望(のぞみ)は───何だね?」
人の噂に聞いたことがある。この都市(まち)に棲むという魔人の事を。
曰く、暗闇(やみ)より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。
夜より生まれ、永劫の刻(とき)を生きるという昏闇(くらやみ)の使者──。

これは、『Missing』シリーズの夜色(ヨルイロ)の外套(マント)を身に纏った魔人と、
まだ中学生だった頃の魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは──。
鬼才・甲田学人が紡ぐ、ホラー短編連作集!

漫画

Missing 神隠しの物語(1)

2005年6月27日発売:電撃コミックス
常に黒づくめの格好で、超常現象に関する圧倒的な知識量を持つ事から
「魔王陛下」と呼ばれる少年――空目恭一。
そんな空目が、ある日“あやめ”という名の少女を仲間たちに紹介する。
「恋愛など完全な錯覚」と言っていた空目が、突然彼女を連れてきた事に驚く周囲。
ところが程なくして二人が失踪。文芸部員の仲間たちは事件の真相を調べ始めるのだが――。

“その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へと消え失せる”
人々の間で噂される、都市伝説――『神隠し』。これは現代に起こった『神隠し』の物語。

Missing 神隠しの物語(2)

2005年9月27日発売:電撃コミックス
謎の少女あやめと共に姿を消した空目恭一。
空目がかつて“神隠し”に遭遇していた事を知り、事態を重く見た仲間達は、空目を探すため行動を開始する。
自らを「魔女」と名乗り奇妙な噂の絶えない少女、十叶詠子の元を訪れた村神と近藤。
あやめの存在に気づいていた彼女は、二人に“空目を取り戻す方法”を知るという人物を紹介する。
一方、“憑き物”の相談として近くの寺院を訪ねた木戸野と日下部。だが、二人の前に現れた人物は――!?
「魔女」「霊能者」「精神科医」……空目失踪の手がかりを知る者達が語る、事件の裏側に隠された驚愕の真相、
そして少女あやめと神隠しの関係とは――!?

Missing 神隠しの物語(3)

2005年11月26日発売:電撃コミックス
あやめの正体を知りながら、自ら望んで神隠しに遭遇した空目恭一。
空目はいったい何の目的で神隠しに遭遇したのか?
この世界を脅かす「異界」と少女あやめの関係を知った文芸部員たちは、空目の立場になってその理由を考察する。
空目失踪から既に三日。具体的な対策に思い至らぬまま、仲間たちに焦りが生じ始めていたその時、
武巳の携帯に空目から着信が入り――!?
"こうこう、さくら"……わずかな手掛かりをもとに学校へと向かう仲間たち。
その先に待っていた衝撃の結末。そして、空目の真の目的とは――?
「神隠しの物語」編、ついにクライマックス!

ドラマCD

Missing 呼び声の物語

2002年11月8日発売:メディアワークス
芳賀が持ってきた一本のテープ。
それは、彼らの学校の生徒である遠見梨花子が聴いた後に発狂してしまった「呪いのテープ」だと言うのだ。
何らかの霊的なものがあるのか、解明して欲しいと・・・。
それを聴いたメンバーのうち、唯一亜紀だけに曲に重なって「助けて」と言う声が聞こえるのだった。

ドラマCD『断章のグリム』―小人と靴屋―

2009年8月11日発売:アスキー・メディアワークス
物語の舞台は雪乃がまだ騎士になったばかりの頃。
祖母の死体発見というトラウマを抱える伊東穂の周辺に、徐々に〈泡渦〉の手が伸びていく。
夜中に響き渡る狂気の物音や親戚の自殺。そして、常に現場に残されている一対の靴。
事件の解決要請を受けた雪乃は、物語の真実に近づけるのか――。

その他

撲殺天使ドクロちゃんセカンド 第2巻 初回特典「帰ってきた!集えおかゆの仲間たち その2」

2007年11月21日発売:ジェネオン エンタテインメント
前回のシリーズでも好評だった電撃文庫人気作家によるドクロちゃんトリビュート小説入り!
第2巻は「Missing」、「断章のグリム」でおなじみの甲田学人さんが執筆!

電撃h&p(はじまり&ピリオド)

電撃15年祭(2007年11月24日、25日)限定販売:メディアワークス
あなたが大好きでよく知っていると思っていた小説。
その小説の第一話&最終回が、違う形になっていたとしたら――。
著者自らが書き下ろした、あなたの知らない世界がここにある。
こんな最終回&第一話はいやだ!?

断章のグリム 金のかぎ

目指せ一千万部!


電撃文庫MAGAZIN プロローグ1 電撃コラボレーション「とある家族の謹賀新年」

2007年12月10日発売:メディアワークス
ジャンル:ファンタジー、ラブコメ、ホラー、ミステリ、そして成田(?)。
電撃が誇る5人の人気作家とイラストレーターが描く、
摩訶不思議な家族の大晦日の一日。
これを読まずして2007年は終わらない!

おおつごもりのアリス

――自分は、この家の一員になれていないのではないか?
古風な家に嫁いだ母親が抱える悩みの先に
待っている結末とは――!?

電撃hPa

御茶ノ水だよ!全員集合!

2005年11月25日発売:メディアワークス
電撃文庫キャラクターTRPGリプレイ
これは、電撃文庫のキャラクターでTRPGを楽しもう!という企画である。
もちろんキャラを操るプレイヤーは創造主たる作家本人。
ゲームマスターをつとめる甲田学人氏が描いた『Missing』の世界を舞台に電撃文庫のキャラクターが大暴れ!

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最終更新:2014年08月15日 01:30