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「レディイイイ―――ズッ エェエエンド ジェントルメェエエエエンッ!  そして、少年少女たちよッ――――――――――――――!」 目も眩むようなスポットライトは閉じられた瞼を抜きぬけるように鋭い。 耳元で叫ばれたような声は部屋を揺るがすように空間へと広がっていく。 突然の閃光に、男たちは身体を起こすことすらままならなかった。 唐突に響き渡った大声に、女たちは反射的に耳を覆うほかない。 バシッ バシッ バシッ 照明を覆っていたスクリーンが剥ぎ取られ、更なる光源が一人の男を照らす。 壇上一人、集会でもするかのように台の前に立つ男。 中肉中背、初老で色が入ったメガネをかけた男の名は―――スティーブン・ステイール。 「ようこそッ、そしてよくぞここにやってきたッ  今から君たちはッ! まさにッ! 歴史の目撃者となるだろうッ!  その幸運、豪運、運命にッ! 私は敬意を表そうッ!  さぁ、始まりだッ、豪快に豪勢に派手に行こうとしようじゃないか!」 壇上とは対照的に暗闇広がるホール。 何人、何十人の男と女がまるで魚市場かのように、無造作に並べられている。 突然の光と不意打ちの演説に、戸惑いがガスのようにゆっくりと、だが確実に色濃く充満し始める。 誰もが声にならないような不安と、そしてそれ以上の何かを感じ取っていた―――何かが始まってしまったという『嫌な予感』。 「 今、この場を持って『バトル・ロワイアル』の開会を宣言するッ! 」 ―――果たしてそれは『恐怖』と呼べるものなのだろうか? ★ 「この『バトル・ロワイアル』は総勢100名以上による殺し合いの祭典である!  開催日程は三日、もしくはそれ以下。  優勝者には何でも……文字通り何でもだッ! 願い事を叶えることを約束しようッ!  金も! 名誉も! 地位も! 名声もッ! 叶えられないものはないッ  この世の真理! 覇権! 君が望むもの全てが優勝商品だッ!」 ざわつくでもなく、静まり返るでもないホールの空気に一瞥をくれるスティーブン・スティール。 オーディオの音量を捻るように徐々に呟きが呟きを呼び、羽虫が舞っているかのような微かな音が広がり始める。 何が起きているのか未だ現状を把握できないもの、スティールの言葉を一言も洩らすまいと神経をとがらせるもの、全く見当違いにぼんやりしているもの、無視するもの。 反応は様々だ。だが変更はない。スティールは再び口を開く。その声に変わりは見られなかった。 色眼鏡が光を反射する。その瞳の奥に何が映っているのだろうか。 太く、大きく、機関車でも引っ張っていけるような力に満ち溢れた声が沈黙を破った。 「続いてルール説明に移ろう。ルールは簡単ッ!  一つ、生き残れッ! 最後まで生き残ればいいッ! それだけだ!  ギリシャ像のような美しい肉体を持つ者、悪魔の用に冴えわたった頭脳を持つ者、同性ですら惑わす魅惑のカリスマを持つ者。  暴力、腕力、知力、策略、裏切り、色仕掛け……大いに結構!  なんでもありだッ! このゲームにおけるルールは唯一にして絶対無二、『生き残れ』、ただそれだけッ!  手段は問わない、結果だ! ただ生きることを目指し、抗い、必死に生をつかみ取ってほしい!」 一つ、と男が叫ぶと同時に新たにもう一つスポットライトが点灯した。 ヒィ、と短い悲鳴に紛れて驚き、溜息のような声が重なりあう。 スティーブン・スティールの立つ台より少し低い位置、一段下がった場所に一人の男が椅子に縛り付けられている。 ジョセフ・ジョースターの若く、逞しい肉体。だがその顔に表情はない。意識を失っているのだろうか。 そしてその鍛え抜かれた首には――――黒光りする首輪。 「もちろん武器もこちらで用意してあるッ! どれも選りすぐりの逸品ばかりだ!  円滑な殺し合いはこちらが望むこと……なにも参加者に期待していないわけではない。  だがより素晴らしいエンターテイメントには演出も必要だ。武器だけでなく、様々な趣向をそろえたものをこちらで選んでおいた。  楽しみにしておきたまえ……」 何事もないように話は進んでいく。許容もなく慈悲もなく、ただ淡々と。 「二つ、放送の存在!  最初に宣言した通り、このゲームにはルールが存在するッ  そしてゲームであり、ルールが存在する以上審判が必要だ。絶対公正、中立の審判がな。  そこでこの私が死亡者、及び禁止エリアの発表を六時間ごとに行う。  大事な大事な情報源だ。くれぐれも聞き逃さないように。  ライバルは誰が生き残っているのか。強敵の誰が死んだのか。このゲームでは情報を制する者は大きく前進することになるだろう。  ちなみに参加者が記載されている名簿、これについては第一回放送終了後、配布予定だ!  それまでだれが参加しているかはお楽しみとしよう……」 二つ、その言葉とともにまたも灯るスポットライト。 ジョセフ・ジョースターの隣、同じように椅子にくくりつけられた男が光の中に浮かび上がる。 白い帽子、白いコートに姿を包んだ空条承太郎の登場にホールはもはやざわつきを通り越し、絶句。 パニックのような引きつけ、搾り取られたような緊張感がチリチリと肌を焼く。 「そして三つ、首輪の存在!  参加者の中にはこのゲームを快く思わないものもいるだろう。非人道的だ、倫理観に反する、付き合ってられない、と。  だが賽はもう投げられたのだ! そしてなにより参加者たちは『選ばれし者たち』なのだッ  そう、このゲームに反対するものたちがいること、そんなことは我々も承知済みであるッ  そこでこの首輪の登場だ。参加者たち全員にこの首輪をつけてもらうッ!  おっと、無理に外そうなんて思うなよ……あまり機械に詳しくない私でも首にぶら下ってる爆発物を弄ることの危険性はわかってるつもりだ。  首輪の爆発条件は大きく分けて三つ。  一つ、無理矢理外そうとしたとき。  二つ、先ほど説明した放送、その中で読み上げられる禁止エリアに侵入したとき。  三つ、大きな衝撃を与えたとき。  そして、先に言っておくッ! この首輪は手動でも爆発可能だ。この私が持っているボタンをぽちっと押せば……BOOOOOM!!  チャンスを無駄に潰したくないものは素直に戦い、出し抜き、殺し合うことをお勧めしよう」 スポットライトに光がつく。 三つ並べられた最後のイスに座るのはあどけない表情を残す金髪の少年。 ギャングスターに憧れる少年の瞳は固く閉ざされ、隣の二人と同じく深くうなだれるのみ。 照らし出された三つの影とその後ろに堂々と立つ司会進行役の男。 ホールに漂う『恐怖』を感じ取ったのか、スティールは身体を膨らませるように深く深く息を吸った。 呼吸を整え、自分を落ち着かせたのだろうか。毅然とした態度の裏に何が潜んでいるのだろうか。 もう一度マイクを取ると、最後の仕上げに取り掛かる。軽く咳ばらいをし――― 「そろそろ始めようとしようか。  ここまで言っておいて、気付いていない者はいないだろうが一応言わせてもらおう。  度々口にしていた『参加者』……このゲームで殺し合うのはほかでもない、『君たち』だッ!  このホールにいる君たち全員、今から参加者としてゲームボードに立ってもらい思う存分、殺し合ってもらうッ」 全員の視線がスティールに向けられる。 言葉すら出ない、信じられないといった想いの目が突き刺さるように男を見つめる。 男は手を広げる。 『始まり』はもうそろそろ『終わり』にしよう。 舞台は整った。開幕のベルを鳴らせ。 「さぁ、始めようじゃないかッ! 一世一代の大イベントッ!  誰も見たことがない、体験したこともない、手に汗握る最高、至高のエンターテイメントッ!  世界中のだれもが見たことのない命を賭けた競技大会ッ!  このゲームに失敗なんぞ存在しないッ 無駄な死なんぞありはしないッ  各々全力を振り絞り、最後の最後まで生を掴み、足掻き、輝いて見せてくれッ  各人の健闘と幸運、そして『無事』を祈るッ!!」 演説は終わりをつげ、始まりが訪れる。 高らかなファンファーレがどこからともなく鳴り響き、ドラム音が腹の底に響くように大きくなる。 そして幕が上がる。 始まりを告げるのは三つの爆発音。 テンポでも刻むような、リズムに合わせるかのように、三度爆発音が響いた。 飛び散る血、怒号と悲鳴。 金切り声に名前を呼ぶ声。歓声と嗚咽。 パニック、混乱。混沌、カオス。 悲しみと恐怖、怒りに脅え。 倒れ込む三つの身体。首から上をなくし、まるで間欠泉のように血が噴き上がった。 御堂だにしない壇上の男。色眼鏡と左半身が血で真っ赤に染まる。 いくつか影が動き出した。スティールが立つ壇上へ疾走。 暴れだす影。隣いる者、周りにいる者、所構わず突き飛ばす。 微動だにしないもの。冷静に血を浴びながら眉一つ動かさず。 退屈そうに眼をそむける。我関せずの隣で舌なめずりするように血に飢える者たちが声をあげる。 ―――次の瞬間 ホールは静寂と暗闇に包まれ――――そこに残るのはスティーブン・スティールただ一人のみ。 ★ パチパチパチパチ――――………… 「上々……上々だよ、スティール君…………!  流石私が見込んだ男、『スティール・ボール・ラン・レース』のプロモーターを買って出ただけの腕はあるよ。  今後にも君には期待できそうだ。司会進行役として、ね」 「…………」 「どうした? 何を悩んでいるんだ?  負けず劣らずのビッグイベントのはずだ。生まれついての敏腕プロモーター様は心躍るのではないかね?  君も言っていた通りだ。このゲームは実に面白い。最高にして至高のエンターテイメントじゃないか。  心躍ると思わんかね?」 「…………」 「まぁ、いいさ。こうなった以上、今さら君がどうあがこうと始まってしまったものは止められんよ。  もはやこのゲームは君の手を離れ、『君個人の意志を超えた存在になっている』んだからね」 「…………」 「そう、もはやこのゲームは止められない……ッ!  たとえアメリカ合衆国大統領の私ですら、このゲームは止められないのだよ……!  フフフ……ハッハハハハハハ―――――――ッ!!」 &color(red){【別の世界の ジョセフ・ジョースター@第二部 死亡】} &color(red){【別の世界の 空条承太郎@第四部 死亡】} &color(red){【別の世界の ジョルノ・ジョバァーナ@第五部 死亡】 } &color(red){【残り 150人】} 【スティーブン・スティール …… 司会進行】 【ファニー・ヴァレンタイン …… ???】                      and more……?   /└────────――――┐   <     To Be Continued…… |   \┌────────――――┘ *投下順で読む [[戻る>本編 第1回放送まで]] [[次へ>HEROES]] *時系列順で読む [[戻る>本編 第1回放送まで(時系列順)]] [[次へ>HEROES]] *キャラを追って読む |前話|登場キャラクター|次話| |&color(blue){GAME START}|[[スティーブン・スティール]]|103:[[第1回放送]]| |&color(blue){GAME START}|[[ファニー・ヴァレンタイン]]|056:[[獲得]]|
「レディイイイ―――ズッ エェエエンド ジェントルメェエエエエンッ!  そして、少年少女たちよッ――――――――――――――!」 目も眩むようなスポットライトは閉じられた瞼を抜きぬけるように鋭い。 耳元で叫ばれたような声は部屋を揺るがすように空間へと広がっていく。 突然の閃光に、男たちは身体を起こすことすらままならなかった。 唐突に響き渡った大声に、女たちは反射的に耳を覆うほかない。 バシッ バシッ バシッ 照明を覆っていたスクリーンが剥ぎ取られ、更なる光源が一人の男を照らす。 壇上一人、集会でもするかのように台の前に立つ男。 中肉中背、初老で色が入ったメガネをかけた男の名は―――スティーブン・ステイール。 「ようこそッ、そしてよくぞここにやってきたッ  今から君たちはッ! まさにッ! 歴史の目撃者となるだろうッ!  その幸運、豪運、運命にッ! 私は敬意を表そうッ!  さぁ、始まりだッ、豪快に豪勢に派手に行こうとしようじゃないか!」 壇上とは対照的に暗闇広がるホール。 何人、何十人の男と女がまるで魚市場かのように、無造作に並べられている。 突然の光と不意打ちの演説に、戸惑いがガスのようにゆっくりと、だが確実に色濃く充満し始める。 誰もが声にならないような不安と、そしてそれ以上の何かを感じ取っていた―――何かが始まってしまったという『嫌な予感』。 「 今、この場を持って『バトル・ロワイアル』の開会を宣言するッ! 」 ―――果たしてそれは『恐怖』と呼べるものなのだろうか? ★ 「この『バトル・ロワイアル』は総勢100名以上による殺し合いの祭典である!  開催日程は三日、もしくはそれ以下。  優勝者には何でも……文字通り何でもだッ! 願い事を叶えることを約束しようッ!  金も! 名誉も! 地位も! 名声もッ! 叶えられないものはないッ  この世の真理! 覇権! 君が望むもの全てが優勝商品だッ!」 ざわつくでもなく、静まり返るでもないホールの空気に一瞥をくれるスティーブン・スティール。 オーディオの音量を捻るように徐々に呟きが呟きを呼び、羽虫が舞っているかのような微かな音が広がり始める。 何が起きているのか未だ現状を把握できないもの、スティールの言葉を一言も洩らすまいと神経をとがらせるもの、全く見当違いにぼんやりしているもの、無視するもの。 反応は様々だ。だが変更はない。スティールは再び口を開く。その声に変わりは見られなかった。 色眼鏡が光を反射する。その瞳の奥に何が映っているのだろうか。 太く、大きく、機関車でも引っ張っていけるような力に満ち溢れた声が沈黙を破った。 「続いてルール説明に移ろう。ルールは簡単ッ!  一つ、生き残れッ! 最後まで生き残ればいいッ! それだけだ!  ギリシャ像のような美しい肉体を持つ者、悪魔の用に冴えわたった頭脳を持つ者、同性ですら惑わす魅惑のカリスマを持つ者。  暴力、腕力、知力、策略、裏切り、色仕掛け……大いに結構!  なんでもありだッ! このゲームにおけるルールは唯一にして絶対無二、『生き残れ』、ただそれだけッ!  手段は問わない、結果だ! ただ生きることを目指し、抗い、必死に生をつかみ取ってほしい!」 一つ、と男が叫ぶと同時に新たにもう一つスポットライトが点灯した。 ヒィ、と短い悲鳴に紛れて驚き、溜息のような声が重なりあう。 スティーブン・スティールの立つ台より少し低い位置、一段下がった場所に一人の男が椅子に縛り付けられている。 [[ジョセフ・ジョースター]]の若く、逞しい肉体。だがその顔に表情はない。意識を失っているのだろうか。 そしてその鍛え抜かれた首には――――黒光りする首輪。 「もちろん武器もこちらで用意してあるッ! どれも選りすぐりの逸品ばかりだ!  円滑な殺し合いはこちらが望むこと……なにも参加者に期待していないわけではない。  だがより素晴らしいエンターテイメントには演出も必要だ。武器だけでなく、様々な趣向をそろえたものをこちらで選んでおいた。  楽しみにしておきたまえ……」 何事もないように話は進んでいく。許容もなく慈悲もなく、ただ淡々と。 「二つ、放送の存在!  最初に宣言した通り、このゲームにはルールが存在するッ  そしてゲームであり、ルールが存在する以上審判が必要だ。絶対公正、中立の審判がな。  そこでこの私が死亡者、及び禁止エリアの発表を六時間ごとに行う。  大事な大事な情報源だ。くれぐれも聞き逃さないように。  ライバルは誰が生き残っているのか。強敵の誰が死んだのか。このゲームでは情報を制する者は大きく前進することになるだろう。  ちなみに参加者が記載されている名簿、これについては第一回放送終了後、配布予定だ!  それまでだれが参加しているかはお楽しみとしよう……」 二つ、その言葉とともにまたも灯るスポットライト。 ジョセフ・ジョースターの隣、同じように椅子にくくりつけられた男が光の中に浮かび上がる。 白い帽子、白いコートに姿を包んだ[[空条承太郎]]の登場にホールはもはやざわつきを通り越し、絶句。 パニックのような引きつけ、搾り取られたような緊張感がチリチリと肌を焼く。 「そして三つ、首輪の存在!  参加者の中にはこのゲームを快く思わないものもいるだろう。非人道的だ、倫理観に反する、付き合ってられない、と。  だが賽はもう投げられたのだ! そしてなにより参加者たちは『選ばれし者たち』なのだッ  そう、このゲームに反対するものたちがいること、そんなことは我々も承知済みであるッ  そこでこの首輪の登場だ。参加者たち全員にこの首輪をつけてもらうッ!  おっと、無理に外そうなんて思うなよ……あまり機械に詳しくない私でも首にぶら下ってる爆発物を弄ることの危険性はわかってるつもりだ。  首輪の爆発条件は大きく分けて三つ。  一つ、無理矢理外そうとしたとき。  二つ、先ほど説明した放送、その中で読み上げられる禁止エリアに侵入したとき。  三つ、大きな衝撃を与えたとき。  そして、先に言っておくッ! この首輪は手動でも爆発可能だ。この私が持っているボタンをぽちっと押せば……BOOOOOM!!  チャンスを無駄に潰したくないものは素直に戦い、出し抜き、殺し合うことをお勧めしよう」 スポットライトに光がつく。 三つ並べられた最後のイスに座るのはあどけない表情を残す金髪の少年。 ギャングスターに憧れる少年の瞳は固く閉ざされ、隣の二人と同じく深くうなだれるのみ。 照らし出された三つの影とその後ろに堂々と立つ司会進行役の男。 ホールに漂う『恐怖』を感じ取ったのか、スティールは身体を膨らませるように深く深く息を吸った。 呼吸を整え、自分を落ち着かせたのだろうか。毅然とした態度の裏に何が潜んでいるのだろうか。 もう一度マイクを取ると、最後の仕上げに取り掛かる。軽く咳ばらいをし――― 「そろそろ始めようとしようか。  ここまで言っておいて、気付いていない者はいないだろうが一応言わせてもらおう。  度々口にしていた『参加者』……このゲームで殺し合うのはほかでもない、『君たち』だッ!  このホールにいる君たち全員、今から参加者としてゲームボードに立ってもらい思う存分、殺し合ってもらうッ」 全員の視線がスティールに向けられる。 言葉すら出ない、信じられないといった想いの目が突き刺さるように男を見つめる。 男は手を広げる。 『始まり』はもうそろそろ『終わり』にしよう。 舞台は整った。開幕のベルを鳴らせ。 「さぁ、始めようじゃないかッ! 一世一代の大イベントッ!  誰も見たことがない、体験したこともない、手に汗握る最高、至高のエンターテイメントッ!  世界中のだれもが見たことのない命を賭けた競技大会ッ!  このゲームに失敗なんぞ存在しないッ 無駄な死なんぞありはしないッ  各々全力を振り絞り、最後の最後まで生を掴み、足掻き、輝いて見せてくれッ  各人の健闘と幸運、そして『無事』を祈るッ!!」 演説は終わりをつげ、始まりが訪れる。 高らかなファンファーレがどこからともなく鳴り響き、ドラム音が腹の底に響くように大きくなる。 そして幕が上がる。 始まりを告げるのは三つの爆発音。 テンポでも刻むような、リズムに合わせるかのように、三度爆発音が響いた。 飛び散る血、怒号と悲鳴。 金切り声に名前を呼ぶ声。歓声と嗚咽。 パニック、混乱。混沌、カオス。 悲しみと恐怖、怒りに脅え。 倒れ込む三つの身体。首から上をなくし、まるで間欠泉のように血が噴き上がった。 御堂だにしない壇上の男。色眼鏡と左半身が血で真っ赤に染まる。 いくつか影が動き出した。スティールが立つ壇上へ疾走。 暴れだす影。隣いる者、周りにいる者、所構わず突き飛ばす。 微動だにしないもの。冷静に血を浴びながら眉一つ動かさず。 退屈そうに眼をそむける。我関せずの隣で舌なめずりするように血に飢える者たちが声をあげる。 ―――次の瞬間 ホールは静寂と暗闇に包まれ――――そこに残るのはスティーブン・スティールただ一人のみ。 ★ パチパチパチパチ――――………… 「上々……上々だよ、スティール君…………!  流石私が見込んだ男、『スティール・ボール・ラン・レース』のプロモーターを買って出ただけの腕はあるよ。  今後にも君には期待できそうだ。司会進行役として、ね」 「…………」 「どうした? 何を悩んでいるんだ?  負けず劣らずのビッグイベントのはずだ。生まれついての敏腕プロモーター様は心躍るのではないかね?  君も言っていた通りだ。このゲームは実に面白い。最高にして至高のエンターテイメントじゃないか。  心躍ると思わんかね?」 「…………」 「まぁ、いいさ。こうなった以上、今さら君がどうあがこうと始まってしまったものは止められんよ。  もはやこのゲームは君の手を離れ、『君個人の意志を超えた存在になっている』んだからね」 「…………」 「そう、もはやこのゲームは止められない……ッ!  たとえアメリカ合衆国大統領の私ですら、このゲームは止められないのだよ……!  フフフ……ハッハハハハハハ―――――――ッ!!」 &color(red){【別の世界の ジョセフ・ジョースター@第二部 死亡】} &color(red){【別の世界の 空条承太郎@第四部 死亡】} &color(red){【別の世界の ジョルノ・ジョバァーナ@第五部 死亡】 } &color(red){【残り 150人】} 【スティーブン・スティール …… 司会進行】 【ファニー・ヴァレンタイン …… ???】                      and more……?   /└────────――――┐   <     To Be Continued…… |   \┌────────――――┘ *投下順で読む [[戻る>本編 第1回放送まで]] [[次へ>HEROES]] *時系列順で読む [[戻る>本編 第1回放送まで(時系列順)]] [[次へ>HEROES]] *キャラを追って読む |前話|登場キャラクター|次話| |&color(blue){GAME START}|[[スティーブン・スティール]]|103:[[第1回放送]]| |&color(blue){GAME START}|[[ファニー・ヴァレンタイン]]|056:[[獲得]]|

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