管責彼女
「ば…馬鹿だろっ!お前絶対馬鹿だろ!」
学年首席にそんなこと連呼されちゃうと、さすがにちょっと凹みそう。
「うん、馬鹿だから許してねぇ~」
力の抜けた両足はカーペットを擦るだけで、ヘラヘラしながら身体を寄せる俺から逃れ
られない。
「やっ、嫌だっ!来るなぁっ…あ!」
奴の悲鳴の後ろには、ほのぼのと二匹のペンギン人形が戯れる声。かたや毛糸の帽子か
たやバケツって、差別じゃね?
「はぁい、『お兄ちゃんスイッチ』はじめましょうねえ~!」
яяя
いつも通りの週末。ただ奴は学校で行われる外部模試の設置係の仕事があったので、俺
の家に着いたのは夕方近かった。自分が受けるわけでもないのによく引き受けるものだ。
向こうが疲れてるみたいだったのもありお出かけはやめにして、親も兄貴も姉貴も今日
は泊まりか午前様だからと、のびのびとリビングで事に及んでいた。
やっぱり始めは言葉責めで遅れて来た奴を苛み、ギリギリのところで労ってやるとあっ
さり床に寝かされ太腿やら乳首やらをこね回されて喜びまくった。
不自然に隆起したショーツにいよいよ手をかける…というところで、須藤が逃げるよう
に身体を反らせてカーペットに肘をつき、
「ひぁ…あっ、あっ?」
プチッ。聞き慣れたスイッチ音に、奴が座ってたあたりにテレビのリモコンを置きっ放
しだったことを思い出す。
「っ…ごめ……っ!」
「あーあー、大丈夫大丈夫」
『…それじゃあ次回をお楽しみに!まったね~え!』
慌てて起き上がる奴の身体の下からリモコンを取ろうとしていると、突然聞こえだした
アニメ声に続き、画面が浮かびあがってきた。ちびっ子と年増のお姉さんが並んで手を振
っている。
「…なっつかしー」
教育テレビなんて何年ぶりだろと、リモコン持ったまま思わず二人して眺める。ちょう
ど番組が終わるところだったのか、パッと白い背景に変わった。そして、
コロロー…
「おぉー」
テレッテレッテテッレテッレテーレレーテレッ♪と気の抜ける音とともに、落とされた
ピンポン玉が微妙な早さでコースを滑ってゆく。途中ドミノ倒しのコマやパチンコ玉にた
すきを渡しつつ、独特な脱力メロディーをバックに着々と目的地へ。
どうでも良いはずなのに思わず無言で見入ってしまう。よく考えてるなあ。
一ミリのブレも許されないミッションをクリアして、パチンコ玉は音楽の終了とともに
フライパンに勢い良く当たった。カーン。
そしてその乾いた音は、俺の頭を閃かせた。
「………ちょっと、ごめん」
「……うん」
捲り上げたスカートやブラから手を放すと、須藤は肩まで脱げていたフリルブラウスの
前を合わせる。背中のホックは外されたままだ。よく分かってらっしゃる。
ピタ○ラ装置の行く末を真剣に見守って、さっきまでみたいに乳首舐められて脇腹くす
ぐられてアンアンらめぇ~な気分に、ちょっとすぐには再燃できないみたいだ。
台所で用を済ませてリビングに戻ると、惰性で人形劇を眺めていた須藤が振り返り、
「…あ、何して………」
ティッシュの空き箱に蛇の目ストロー貼っ付けて再登場した俺を見て、元から人形のよ
うに整った顔をこおりつかせた。
яяя
それからさんざん馬鹿だの頭おかしいだのわめかれたが、先程のように仰向けに押し倒
し奴に跨った俺が、にこやかにマジックで箱に書き込みを始めた頃には無抵抗になってい
た。というか、つぶれていた。
「おにーちゃんスイッチ、イきますよぅ~♪」
「かっ、考え直せ村瀬!お前どう考えてもおかしいから!」
「ああ、そっか。ユカちゃん女の子だから、『お姉ちゃんスイッチ』だよねぇ」
「考えるのはそこじゃない!」
体格で負けているというのに果敢に俺を押しのけようとしてくるので、ちゃっちゃか準
備することにした。
「はいはい、聞き分けないこと言わないの~」
箱をとりあえず脇に置き、ホックが外れた分浮き上がったブラに押し上げられている胸
元に手をかける。
「あららーユカちゃん、ボタンかけちがえちゃってるよ~?」
奴らしくないミスをからかいながら、三つばかし留められていた白いブラウスをはだけ
た。
「っ…やだ……」
さっきはあんなに「グリグリしてぇっ!」っておねだりしてきたくせに、余韻に勃ちあ
がったままの乳首が可哀想だ。
「おねーちゃんスイッチ、イきますよ~♪」
ストローの蛇腹を曲げてアンテナを立てる。なんだこりゃ、すっげ楽しいかも。「地獄
に落ちろ」という電波が飛んできた気もするが、気のせいということにしておく。
「使うのはマ行な。ルール知ってるよな?」
「………早くどけよ」
画面の中の彼らのように「こどもだから、わっかりませーん!」と答えたいことだろう。
しかしそうしたとしても俺はエロい百科お兄さんなので、「じゃあ俺のページの代わりに、
パンツをお口で下ろしてみてねー」と言うだけだ。
「はぁ~い、じゃあ…『ま』!」
スイッチを押す真似をするが、当然奴は動かない。
「…ノリ悪いなあ」
「……これで乗り気になれる奴がいるのか?」
重ねて「早く下りろ」と冷たく言ってくる。白いブラウスの間からは、それにひびかな
いようにとシンプルなデザインにしたパステルピンクのブラとツルすべ美白な愛され肌の
胸板、さっきまで俺の手でいじられまくっていたプリプリの乳頭が覗いている。
「アンテナの感度が悪いのかなぁ~?」
「なに馬鹿なこと言って……ひっ!?」
箱を奴に近付けて、その可愛らしい乳首にストローをかすめると、刺激に敏感になって
いたそこは持ち主の意思と関係なく快感として受け入れた。
「ひゃ、ん……っだ、だめっ…!」
「…『まだダメぇと言いつつモロ感』」
単品でなく箱を持って動かしてるので、力加減がうまくできないのだが、不規則な強弱
がかえって気持ち良さそうだ。結果オーライ。
「何言って…ぁ、あ、そこダメ……っ」
ストローの穴に先端を突っ込むように押しつけると、いやいやをするように首を振るが、
奴の下腹に跨がった俺の尻にはスカート越しに硬いモノが押しつけられている。
「次はぁ、『み』!何かケツに当たってるんですけど」
「…っぃ、いやあっ……は、早くどいて…」
「『見ちゃいやぁと言いつつ、ビンビン』」
「……っく…」
楽しそうに続ける俺に、何を言っても墓穴だと黙り込む須藤。
「あれー?感想ないの?」
「…別に」
「『そんなんじゃ足りないのぉっ!』とかさ」
「……っ…特に、ありません」
何なのこのエ○カ様は。
唇を噛みしめてはせっかくの悲鳴が楽しめないので、ちょっと趣向を変えることにした。
「じゃあ『む』!『村瀬君になんかお願いはありますか』?」
ちょんちょんとストローの先端で左右の乳頭をつつき回しながら、聞いた。疑うような
目で見上げてくるので、乳輪をツィーッとなぞる。
「っそれ、を……やめ…ぁ…っ」
ツルツルした軸でクリクリと転がすと、ストローとの温度差にか面で与えられる刺激に
か、ピクンッと俺の身体の下で奴の腰が震えた。そうかそうか、これが気持ち良いのか。
左右とも丁寧にストローを転がせながら、言葉を紡げないぷるぷるの唇…というか奴の
顔に顔を寄せる。
「えーと…『め』!…『目を見て言いなさい』」
「命令じゃないか!」
反射的に突っ込まれるが、ルールは俺なので気にしない。さっきだって質問でしたー。
「はいはい、あと一文字だから、自分でやってみようねえ~?」
合わせた瞳は「そんな馬鹿な真似できるか!」と訴えていたが、ストローの先でさんざ
んいじくったそこを焦らすようにつつくと、たまらず口を開いた。
「…も……『もうダメ』ぇ…っ」
テレビは次の番組を映していたが、こちらのコーナーはまだまだ続きそうだ。
(おしまい)
最終更新:2013年04月27日 14:46