偽妹彼女
家の手伝いはするもんだと言うが、なるほどたしかに損はなかった。
天袋が届かないからと押し入れの片付けを母親に命じられたのだが、発掘した姉貴の古
いランドセルを戦利品として部屋に持ち帰った。
断っておくが、俺は残しておいたエクレア食ったくらいで包丁持ち出すような鬼姉に懸
想できるシスコンでもなければ、赤ランドセル萌え萌えハァハァなロリコンでもない。
埃を払いラナ○ーでペカペカにしたそれに、用意したプレゼントを入れて蓋をする。
後日、いつも通り俺の部屋に来た相手の前に差し出してやると、案の定ビックリしてく
れた。
「っな…な……」
ぱっちりとした目を大きく見開き、小ぶりな唇をぱくぱくさせる美少女…それが、俺を
尋ねて来た客人だった。
肩にサラサラストレートな黒髪のかかるクリーム色の長袖シャツに、見えそで見えない
罪な丈のデニムのサロペットスカート。姿勢良く座った足はすらりと長く、黒のレギンス
から覗くふくらはぎは適度に張りのあるスベスベ美肌だ。
この誰もが羨む可憐な乙女の姿が、普段はクールなイケメン優等生である須藤豊君の秘
密のご趣味だということを知ってるのは、今のところ本人と俺だけである。
「驚いた?懐かしいっしょ」
そんなに気に入ってくれるとは、用意した甲斐があったってもんだ。
ランドセルを抱えてご満悦の俺の両肩に、そっと奴のたおやかな白い手が置かれた。
「いやだなあ、感謝のチューはまだ早いよ?中を…」
「………村瀬」
思いの外落ち着いたトーンに、素直に奴の顔を見る。
「うん?」
「悪いことは言わない。早くそれを元の持ち主に返して、一緒に警察に行こう!」
胸がないためちょっと幼く見えるサロペットといういでたちにもかかわらず、凛々しく
説得してくれる優等生。この生真面目さと正義感が、その可愛らしい顔で「カッコいい」
と言われちゃう主因だろう。
いや、でもね、
「なんで犯罪者決定なの!?」
ノータイムで俺をロリコン窃盗犯にしてくれた相手は、きょとんとして手を離した。
「え……?盗品じゃないのか?」
「なわけないだろ!姉貴のだよ、姉貴の!」
言ってしまうと現実に引き戻されたので、さっさと相手に押しつけてしまう。
「大丈夫なのか?その、お姉さんの勝手に持ち出して…」
「良いから、中開けてみろ」
慎重に抱える須藤に、有無を言わせず命令した。
「………?」
首を傾げつつも底部の金具をパチンと外して、つや出しした赤い蓋を開ける。持ち主の
名前があると萎えるので、時間割表も連絡カードも取っ払った中があらわになった。
「…開けたけど」
「中見てみ、中」
プヨンとしたおねだりリップを怪訝そうに尖らせ、言われた通りに奴はそこに手を突っ
込み、入ってたモノをつまみ上げる。そして、
「っ…うわぁっ!?」
悲鳴と共に床へと放り捨てたのは、白い布。レースやリボン飾りのないフワフワコット
ンで、大小三か所に付いた穴にはゴムが通されている。
紛れもなく、女児用のパンツってやつだった。
「な、なっ…何だよこれ!」
「パンツ」
「そんなの見れば分かるっ!俺にこんなの見せて、何の嫌がらせだ!早くお姉さんに謝っ
てこい!」
うわあ、なんか俺すんごい誤解されちゃってる?
「何言ってんだよ。小学生にはデカすぎるし、さすがにそれしちゃあ俺変態でしょ~。安
心して、買ったやつだから」
「十分変態だし安心なんかできないっ!」
さんざんな言われようだが俺はくじけず、ドン引く相手ににじり寄りその頬をつついて
やる。するんと滑らかな白い肌は、程良い弾力で俺の指を押し返してきた。ぷにぷに。
「そんなこと言わないでよ…これ、ユカちゃんのために用意したんだから」
「……『ため』?」
訝しげに見上げてくる黒い瞳に向かって、俺は満面の笑みを浮かべてみせた。
「ユカちゃんに夢の赤いランドセルを背負わせてあげたくって…ジャカジャカン☆『今日
だけ小学生セット』~!」
ピュアでイノセントな俺のセリフ(効果音付き)を、優秀な頭脳が時間をかけて咀嚼し
理解する。
「…っか、勝手に人の夢決めるなぁっ!俺がいつそんなこと言った!?ええ!?」
奴の血色の良い唇をふにふにしていた俺を突き飛ばし、先程の沈黙分を取り返すかのよ
うに喚く須藤。激昂しすぎて声が裏返っちゃっている。地味に痛いです。
しかし俺は気にせず床の子供パンツを拾い上げ、それのバックプリントを見せつけてや
った。ファンシーなクマさんと目があったのか、あからさまにオタオタして視線を逸らし
てしまう。
「照れるなよ、ユカちゃあん……ところでお前、小学校ん時何組だった?」
「え?あ、ええと…二、一、一だったかな」
馬鹿正直に答えてくれる優等生。俺は丁寧に「ありがとう」と礼を言ってポケットから
出したマジックペンのキャップを外す。
そしてクマさんパンツをひっくり返し、「2ねん2くみ ゆうか」とウエストの裏側に
書いてやると、彼は素敵に絶望的な顔をしてくれた。
「…そ、その……まさかとは思うんだけど…」
「うん?大丈夫、かぶらせたりなんて変な真似しないから。ただちょっと穿いてもらうか
ら、パンティー脱いでねぇ」
「十分変な真似じゃないかっ!お断りだそんなの!」
結局言いなりになってしまうのは分かりきってるのに、それでも毎回必死に回避しよう
とするのはアレだろうか?「無理やりしてぇ!荒々しく脱がしてぇ!」ってことか?
ちょっと悩んで、やっぱり紳士な俺は乱暴な真似はできないという結論が出た。
「…じゃあユカちゃん、好きなのを選ばせてあげよう。その一、やさしーい俺に着替えさ
せてもらう。その二、素っ裸に剥かれてランドセルしょってハイハイで家ん中一周する。
でもってその三、今までの可愛い記念写真を、俺のアドレス帳全部に一斉送信する……そ
の四、お利口さんに自分でお着替えする。さあ、どうぞ」
「そ……んな……」
震える唇は声こそ出ないが、「どれ選んでも地獄じゃないか」と訴えている。そんなこ
とないのに、おっかしいなあ。
「答えなかったら、一から三までのフルコースな。はい、じゅーきゅーはちなな…」
「きまっ…着ますっ!自分で着るからっ!」
慌ててコスチュームプレイを受諾してくれた優等生は、親の仇でもあるかのように険し
い顔をして、俺の手にしたクマさんパンツとランドセルを順に指差した。
「は……はいて、それ持てば良いんだろ?」
羞恥と屈辱にふるふるしながらも、なんてことなさげに笑みすら浮かべようとしている。
引きつるそれですら美しいイケメン王子様だが、今は黄色い悲鳴をあげてくれる女子は居
ない。
そしてこの状況においても取り乱さない、健気な美少女の虚勢を削ぐ過程がとっても楽
しみな俺は、AVでも下剋上ものとかが大好きな筋金入りのSっ子だ。
「うん。さすがにそんなおっきな妹居たら問題あるから、今日はお出かけしないよー」
呑気な俺の返事にほっと息をついて、奴は膝立ちになった。
「あっち向いてろ」と言う権利のないことを知っているので、黙って中腰になりサロペ
ットの裾に手を入れる。一気に下着ごと下ろすのか、目の前の俺を気にしながらレギンス
をずり下ろしていった。
「爪、引っかけちゃわないようにねぇ~?」
「わ…分かってる!」
むき出しになったそこを見せないようにか、ゆっくりと白い腿が露わになっていく。そ
れにつれて、七分丈レギンスの黒い面積がだんだん少なくなるのを俺はウキウキと眺めて
いた。
「…そんなグラグラしちゃってて、上手に脱げますかぁ?」
俺のからかいにもめげず内股になって、彼はピンクのショーツをちらちら覗かせながら
片方ずつ足を抜く。前屈みになっているので、後ろからは短い裾から可愛い桃尻が丸見え
になっていることだろう。
デニムのサロペットスカートにノーパン素足で、イケメン優等生は俺を見据えた。
「………よこせよ…」
下着の入ったレギンスを床に置き、クラスの女子くらい短い丈のスカートから生足覗か
せた須藤…いや、無自覚ドM女装っ子が、顔を真っ赤にして右手を出してくる。
「うん?何を?」
「何をって……」
今さらとぼけるなと睨んでくるが、美少女の悔しげに上気した目元は「いじめてくださ
い」と言わんばかりだ。
「たしかにこれには、お名前書いてあるけどねぇ……ユカちゃんのだったら、ちゃんとお
願いしなさい」
「…っ………」
「ほらほら~、このおぱんちゅは誰のなんですかぁ~?」
記名済みのクマさんパンツをつまみ、相手の目の前に振ってやる。前に下ろした両手で
スカートの裾を押さえながら、ノーパン女装優等生は恥辱に身を震わせつつもその紅唇を
動かした。
「ゆ…ゆ…か、の………っぱんつ、ください……っ」
午前中は涼しい顔して応用問題解いてた「王子様」が、同級生に女児用パンツをおねだ
りしている。デニムのサロペットの下で、剃毛ペニスはどうなっていることだろうか。
「……よくできました」
頼まれたものを床に落としてやると、慌てて右手で掴んで引き寄せる。一度は放り捨て
たそれを身に着けるという行為に耐えきれず俯いてしまった奴の頭を撫でながら、俺は優
しく提案してやった。
「それ穿いてランドセル背負う間、向こう見ててやろっか?」
「………いい、の…?」
また何か変なこと言われるんじゃないかと、探るように俺を見つめてくる。長い睫毛に
縁取られた美少女の瞳には、俺の慈悲深ーい笑顔が映っていた。
「良いよぉ?…あとで言うこと聞くんならね」
「…『言うこと』?」
「そっ…嫌なら、お手伝いしてあげるよ?それ穿くの」
端正な面を悩ましく歪め、しばらく考えてから奴はうなずいた。
「…お願いします……」
「言うこと聞きますか?」
「き……きく、から…」
復唱させて、それが自分の選択であることをよっく理解させてやる。
早くも後悔してるような相手のレギンスを取ると、俺は言葉通り奴に背を向けた。
「じゃあコレは帰るまでバッグに入れとこうねぇ~」
レギンスで子供パンツの恥ずかしさを和らげることもできなくなった彼が息を呑むが、
気付かないふりでショーツと分け畳んでしまう。
「ユカちゃんのパンティー、なんかいっつも前んとこ濡れちゃってるねぇ…エッチだなあ」
「やだ……ぃ、わないで…っ!」
顔を向けないままピンクのショーツをヒラヒラさせると、動揺したのか衣擦れの音が大
きくなった。ニヤニヤしながらレギンスと一緒に、奴のスポーツバッグにしまう。
カチャカチャと、ランドセルの金具が触れ合う音の後、消え入りそうな声が俺を呼んで
きた。
「で……でき、ました…」
はやる気持ちを抑え勿体をつけて振り返る。
お行儀良く正座する元気もなくなったのか、ぺたりと床に小さな尻をつけた「女の子」がそこに居た。
「おお~…」
愛らしい目鼻立ちの顔を赤らめて俯いているが、俺から見えなくなるわけじゃない。ベ
ルトを緩めはしたが、ちょっと小さめの赤いランドセルを背負った彼の姿は、頭のてっぺ
んからパンプス用のレース靴下に覆われた爪先まですべて拝むことができた。
洋服自体は変わってないのだが明らかに身体に合ってないランドセルと、見えてはいな
いがレギンスを脱いだ長い足の付け根に身に着けたモノによって、さっきまでは申し分な
い美少女だったはずの姿に、どことなく違和感が出ていた。
「かぁ~わいぃ二年生でちゅねえ~」
「……これで満足かよ」
「ううん、まだダメ」
十歳サバ読みプレイは彼の自尊心を深く傷つけたようで、俺が首を振るとうちひしがれ
たような目で見上げてきた。
「そんな上目遣いしちゃって~。ちゃんとご褒美あげますからねぇ」
言いながら奴のそばまで行って膝立ちにさせ、身体の向きを変えさせる。下着が見えそ
うで見えない、ギリギリミニ丈のスカートに覆われた尻を軽く叩くと、薄いショーツとは
また違ったフワフワ感があった。
「おぱんちゅ、前後ろ間違えなかった?」
「っ…ま、間違うわけないだろっ……」
ガキみたいに聞いてやると、悔しいのかキュッと唇を噛みしめる。答え合わせは後で良
いか。
「ちょっとじっとしててねぇ~」
部屋に転がしてた袋から、大きな赤いリボンの付いたヘアゴムを取り出す。年齢フタ桁
いっちゃうとバトン部とかチアでなければ恥ずかしいような、そんなお子様用アクセサリ
ー。
セミロングの黒髪をハーフアップにして、リボンの向きを考えながら結ぶ…おお、なか
なか悪くないじゃないか。
床から拾った百均のスタンドミラーで見せてやると、「恥ずかしい…」と長い睫毛を伏
せてしまった。赤いリボンで上げられているので、黒髪がその横顔を隠すことはなかった
が。
鏡を戻し、膝立ちにしたまま後ろに下がる。赤いランドセルを背負った背中に、つとめ
て穏やかに声をかけた。
「ちょっとお顔だけこっち向いて~」
「…………」
さすがに「はぁ~い☆」とは言ってくれなかったが、おずおずと振り返ってくる。子供
っぽさの象徴のようなランドセルに、おっきな赤リボンを付けた黒髪美少女が俺に視線を
向けてきた。見返りポーズ。
「ぅ…く……くく……」
震えながらうずくまる俺を、泣きそうな顔して睨みつけるコスプレ優等生。幼さをアピ
ールする小道具によって、ガーリーなサロペットスカートはいわゆるジャンパースカート
と呼んだ方が近くなっている。
腹筋は爆笑したがっていたが、俺はどうにか口を開いた。
「……よし、じゃあ今度はそのまんまで、『お兄ちゃん』って言ってみ?」
「!…な……なんでそんなこと……っ」
これ以上の屈辱には耐えられないと言わんばかりに反抗してくるが、
「…言うこと、聞くって言ったよね?」
「っう……」
今さら後悔しても遅い。自分を窮地に陥れた自身を責めつつも、俺が命令を取り下げる
様子のないことにがっくり肩を落とす。
「ほら」
せっつく俺を潤んだ瞳が見上げ、血色も形も申し分ないおねだりリップが、羞じらいな
がらも言葉を紡ぎだした。
「………ぉ……おにい…ちゃん……っ…」
「お兄ちゃん」。
末っ子の俺には一生縁がないはずの呼び掛けに、胸の奥がさとうきび畑だ。
「なんか俺…新しい趣味に目覚めそうなんだけど」
「目覚めなくて良いから!一生眠ってていいからそんな趣味!」
やけになって喚く須藤の頭をポンポン撫でてやりながらスカートに手を伸ばす。
「まあまあ、そんなこと言わずに…ちょっと拝見」
裾をぺろりとめくれば、ゆったりしたお子様パンツが美尻を包み、クマさんプリントが
それをさらに可愛らしく演出しているのが丸見えに。
例によって兄貴の名義で買った「いつもより刺激的に!ロリータショーツ(白プリント)」
は、たしかに俺の腹を刺激してくれた。
「く……クマちゃん可愛いですねえ…っ」
必死に笑いを堪える俺を、潤んだ目で睨みつけてくる。
「っさ…最低だ……こんなことしてっ……何が楽しいんだよ…っ!」
そりゃあもちろん、可愛い顔に浮かべるこの反応がです。
服さえ着れば申し分ない美少女が、一皮剥けばイケメン優等生が、俺の責め立てに打て
ば響くようにイヤイヤアンアン返してくれちゃうのだ。サービス精神溢れる俺としては、
もっともっと可愛がってあげたくなるってものだ。
「はぁい、じゃあカバン下ろしましょうね、ゆーかーちゃん?」
クマさんパンツを元通り隠し、ほっそりした肩に両手を置く。
ようやく飽きてくれたのかとホッと息をついた相手の腕からランドセルのベルトを抜く
…と見せかけて、サロペットの胸元に手を回した。
「っひゃ!?」
「おやおや~?ユカちゃんはもうブラジャー着けてるんでちゅか~?」
服の上からブラの下の乳首を引っかかれ、肘にランドセルを掛けたまま身悶える須藤。
「まだぜ~んぜんおっぱいちっちゃいのに…ユカちゃんはおませさんですねぇ~」
「ぁ……あっ、やだ、やだぁっ!」
サロペットの脇から胸当ての下に滑り込み、今度は薄手のシャツの上からブラを揉む。
デニム越しよりも細やかになった指の動きに、ついに奴は膝を崩してしまった。
「あらあらユカちゃん、白いおぱんちゅ見えちゃいますよぅ~?」
「…っ!やだっ…見な…で……っていうか手ぇ離せよっ!」
スカートめくられていたというのに、慌てて裾を引っ張って下着を隠そうとする。健気
なことで。
「おやおや、それじゃあカバン下ろせないよねぇ…ランドセルしょってたいのかなぁ~?
気に入りましたか?赤いの」
「あ…やっ……そ、そんなしちゃ……っ…」
片手で乳頭をつつきながらランドセルの底を叩くと、腰骨に響くのか突き上げるように
ビクビクと震え、スカートを押さえていた手から力が抜けた。
空の赤いランドセルを奴の腕から抜いて、床に転がす。役目の割にかさばるので、また
押し入れに戻さなくては。
「イヤイヤって、ユカちゃんてばそればっかり。何がどうなるから嫌なのか、ちゃんとお
話ししてくれないと、お兄ちゃん分からないよ~?……っと」
足の付け根ぎりぎりまで露わになったスカートを直してやりながら、抗う力をなくした
身体を壁に押しつけた。投げ出した足の間に割り込んだので、膝を合わせるわけにもいか
なくなった須藤が困った顔をする。
すらりとした腿の付け根にあるお子様パンツに思いをはせながら黒髪を優しく梳いてや
り、俺は高らかに宣言した。
「じゃあそんなわけで、一緒にお勉強しましょうねえ~!」
「…は………?」
「だから、お勉強」
恥辱と愛撫に半泣きになった奴の顔を、袖口で拭いながら俺はニッコリしてみせる。
「ユカちゃんが『イヤイヤ』だけじゃなくって、ちゃんとお話しできるように、お兄ちゃ
んが教えてあげるからねぇー!」
「な…何馬鹿なこと言ってるんだよ、むら」
「『お兄ちゃん』」
顔を近付けてじっと奴の目を見ると、逆らえず奴は言い直した。
「ぉ……おに、ちゃん?」
「おに」で止めたのはわざとだろうか?まあ突っ込まないでやろう。
「はぁい、じゃあ……これは?」
リボン付きのゴムで一房束ねた髪を持ち上げると、須藤は訳が分からず見上げてくる。
「………?」
「俺が今触ってるのは、どこですか?」
重ねて尋ねてやると、困ったように俺の顔をうかがいながらおずおずと口を開いた。
「…か、かみ……?」
「正解!可愛いおリボン似合ってますよぉ~…じゃあ、ここは?」
赤いリボンから手を離し、今度は頭のてっぺんに手のひらを当てる。
「…あたま……」
「そうだねー。ユカちゃんお利口さんだから、なでなでしてあげようねぇ~」
撫でくり撫でくりされてる相手は、徹底したガキ扱いの屈辱にすんごい怖い顔して耐え
ている。
同じノリで額だの頬だの鼻だのに手を下ろしていき(頬は当然可愛く「ほっぺ」と呼ば
せた)、怒りと恥辱にわななく唇に指を当てた。
「ここは?」
「く……くひ………」
言えてない言えてない。
再び痙攣したがる腹筋に歯を食いしばって我慢する俺に、いっそ殺してくれと言わんば
かりに熱視線を送ってくれる。今こいつにこの小学生プレイとノーパンデートごっこを選
ばせたら、どっちのがマシだと思うんだろう?
「か、か……かわゆいお口ですねぇ~!」
「……っもう……良いだろ?やめてくれよ…」
こっちは必死に笑いを堪えているというのに、なんて面白くない奴なんだ。
「…そんな悪いこと言うお口には、お兄ちゃんがチャックしちゃいますよぅ~?」
そんな気は毛頭ない冗談だったのだが、幼い優等生は愉快に過剰反応してくれた。
「い、いやだ!お願いだからやめてくれっ!」
リボンで括った黒髪を振り振り、魔法少女のようなことを言ってくれる。
「……じゃあ、どうして欲しいのかな?」
「今すぐ離せ」と冷たく吐き捨てられる前に言葉を継いでしまう。
「他のとこみたくなでなでして欲しいんなら、ちゃんと言いなさい」
「っ……この………!」
怒りにうち震えながらも、逃げ場のないことに須藤が口を開いた。
「…な……なで、て…」
「『なでなでしてください』でしょ?」
「ぅ……な、なでなでして…ください…」
古文だろうと英文だろうとスラスラ朗読しちゃう唇が、たどたどしくおねだりしてくる。
こいつの発言中は黙って耳を傾けてる女子たちは、こんなセリフでもウットリしちゃうの
だろうか?
「……ユカちゃんのココ、ぷよぷよしてて可愛いですねぇ~」
お望みどおり人差し指で上唇からふにふにとなぞってやる。こんなとこ改めて触られる
ことなんてなかったんだろう、下唇の中央をぐっと押すと、ビクリと首をすくめてしまっ
た。
唇は身体の外に出た粘膜とは言うけど、こいつの場合は数ある性感帯のうちの一つだろ
う。エロエロ優等生め。
「…はぁい、おしまい」
頃合を見計らって離してやると、詰めていたのか浅く息をつく。間近で目が合うのが嫌
なのか伏せたままの睫毛が白い頬に影を作っていて、ランドセルの似合わない年相応の「
女の子」の顔を演出していた。
一人っ子とはいえ利発な彼は、きっと小さい頃から頼られたり信用される立場だったん
だろう…こうした子供扱いに我慢がきかないほどに。
身体の両側に下ろした奴の手が脱力しているのを確認し、再び胸元を掴んでやった。
「…っん………!」
「はーい、次はココですよ?……なんて言うのかな?」
ようやく俺の意図に気付いたのか、さっきまでとは別の意味で頬を赤らめ見上げてくる。
「…ユカちゃん?」
デニム越しにシャツとブラのカップを掴みあげ、軽くひねって乳首にかすめる。本人に
よる開発と俺による再開発とで、たぶん今まで付き合った「女の子」の中じゃ一番の感度
になったのではないだろうか。まあ揉んで突っ込んで楽しめなくはあるが。
「ぁ、ん………むね、です……」
恥ずかしそうに視線を横に流してしまった須藤に「はずれー」と言いながら、脇からサ
ロペットの中へ手を突っ込んだ。
「残念、ずっと正解だったのにねぇ~?」
「…なっ、何が違って……ひゃっ!?」
脇腹を直に撫でられた奴が悲鳴をあげる。胸当ての中で薄いシャツを捲り上げた俺の手
は、すべすべした肌の感触を思う存分楽しむことができた。
「ひっ……や、やだ、抜いてっ!ぬ……ひゃうっ!」
慌てて服の上から俺の手を押さえようとしてくるが、引きしまった腹をツーッとなぞっ
てやると裏返った声をあげてしまう。当然、抗う力なんて出るわけがない。
「『ヌいて』だなんて、ユカちゃんてばエッチ~!」
身を竦める奴に構わずサロペットの中で肩までシャツを捲り上げてしまう。露わになっ
たピンクのブラの下から指を突っ込んで、カップを余らせる平らな胸をくすぐってやった。
「こんなブラなんか着けちゃって……『ユカのエッチなおっぱい』でしょ?ほら、言って
みな」
手探りで乳首をつまみながら急かすと、逃れたい一心で猥語を口走りかける。
「っ……ゆか…の……………っ言えるか!そんな、んんっ!……」
気高くあることは美徳ではあるが、現在の状況下ではこれっぽっちも役には立たない。
両手を回しホックを外してしまうと、シャツと一緒にブラも上にたくしあげてしまう。
さんざんいじくられた乳頭に、直接デニムの粗い生地が擦れた。
「っ!……っや…ぁ……離し…」
背を丸めて触れないようにするのだが、サロペットの中に入れた俺の手を抱え込む格好
になってしまう。
「うん?もっと触って欲しいの?」
鎖骨や脇をつつきながら白々しく尋ねてやると、かぶりを振りつつも言葉にはしない。
きっと声出そうとしても「ひゃあんっ」とか、そんなんになっちゃうんだろう。
「…じゃあちょっとやさしくしてあげようか……エッチなユカちゃんの可愛いおっぱいを
触ってるのは、誰ですか~?」
薄い胸板を指圧してやりながら、人差し指の先で乳首を弾いてやる。この「小学生」は
ない乳を無理やり揉まれるのがたいそう好きなようで、喘ぎつつも先程までと違い腿を擦
り合わせていた。
「…なんて呼べって、言ったっけ?」
優しく促し、親指で赤く色付いているだろう乳頭を押しつぶす。サロペットから白い肌
をチラチラ見せている格好に髪に付けた赤いリボンは、とても違和感があるとともに…な
んとも言えないエロさがあった。
「………おにいちゃん……」
とてもそんな言葉の似合わない目で睨んできているが、胸を押さえていた奴の両手がい
つの間にかスカートの裾を掴んでいるのを見て許してやることにする。
「…よく言えました」
胸当ての隙間から覗く肌に息を吹きかけ、ビクつく相手から手を離した。
「……はっ………ふ…」
俺とは対照的に、荒い息をつきながらも捲れ上がったブラやシャツをそそくさと下ろす。
お子ちゃまごっこは終わったとでも思ってるんだろうが、そんなわけがない。
「それじゃ次は、ユカちゃんの大事なトコを聞いてみよっかあ?」
「え?……っ!?」
無防備になったスカートの裾を掴まれて、慌てて俺の手を押さえようとするがもう遅い。
「…あらららー?」
厚いデニムの上からは分からなかったが、白い綿パンツに覆われたそこは、直接触られ
る前に起立しちゃっていた。いかにも子供用な余裕のある布使いなので、中に何か詰め物
でもしているみたいだ。白い○塔。
「号令もないのにおっきしちゃって…コレは、なんですかぁ~?」
「…っう……ぁ、は、離して……っ!」
悶える奴に構わずそれをつつきながらよく見ると、純白の頂がポツンと湿った水玉にな
っている。さすが綿百パーセント、吸水性はバッチリだ。
「質問に答えなさい。コレは、なんですか?」
「……ん……いや、やだ…ぁ…っ!」
フワフワの生地で先端を覆うように両手で包み込む。むき出しの腿をヒクつかせて耐え
てるみたいだが、腰を揺する仕草は嫌は嫌でも「いやん、もっと」属のものだと思う。
「分かんないの?ここはぁ……『ユカの、いやらしいオチンチン』でしょ?はい復唱」
「何言って…もう、許して……」
女児用パンツでなぶられるのと俺の言葉責めのどちらに参っちゃったのかは分からない
が、ついに優等生が音をあげた。
「許すも許さないも、答え教えてあげてるのになぁ……あれ?なんか湿ってない?ココ」
「………っ…」
俺の手に絶えずこねくりまわされて、ペニスからにじみ出た我慢汁による模様は広がっ
てきている。
「二年生にもなっておもらししちゃったり、きちんとお話しできないなんて、恥ずかしい
ですねえ~?」
「ち…違っ……!」
「違うんだったら言ってみな。ほれほれ」
さんざんな言われように反論したくても、そのためには舌っ足らずな恥ずかしいセリフ
を口走らなければならない。
その可愛らしい顔が浮かべる苦悶の表情をたっぷり楽しんでから、俺は妥協案を出して
やることにした。
「そんな恥ずかしいなら、じゃあね~……『お兄ちゃん、ユカ恥ずかしいのっ!』って言
えたら、おしまいにしてあげる」
「…………」
慈愛溢れる救済措置なのに、須藤が喜ぶ気配はない。
「……ユカちゃーん?」
そそり立ったペニスから一度手を離し、柔らかい下着越しに袋を掴んでやると、黙りこ
くっていた相手がビクリと身を反らせた。
「あっぅ………やぁ……っ!」
「ほらほら、どうすんの~?」
いつもなら痛いくらいの刺激も、子供パンツの厚い布は生殺しのようなレベルにしか伝
えないんだろう。緩慢な愛撫に悩ましく眉をひそめつつ、「おしまい」というエサに釣ら
れて言葉を紡ぐ。
「は、は……はずかし、い………おにぃ、ちゃん……」
初めての妹が美少女どころかチンコ付きな奴なんて、そうそう居ないんじゃなかろうか。
さらには学校ではクールなイケメン王子様というハイスペックハイクオリティー具合。そ
んなんに涙目で「お兄ちゃん」言われた日には、間違いの一つや二つ怒っても責められな
いだろう。
「……………よくできました」
たっぷり間を置いてから、綿パンツの膨らみから両手を離す。
そして、
「っ!?な、何す…っおい!」
引きしまった腹が覗くほどにサロペットを捲り上げて下着のウエストを引っ掴むと、「
女の子」らしからぬ声で怒鳴られてしまった。
「何って、パンツ下ろすの。はい、腰上げて~」
「はぁ!?話が違うだろ!さっき『おしまい』って…」
「あー、それは質問がって意味。決まってるだろ?」
まさかあれだけでプレイ終了にするわけがない。
「何、がっ…決まってるんだよ……っ離れろ!」
両手で俺の肩を押さえつけてくるのだが、向かい合ってお股パカーンなこの体勢ではい
まいち締まりがない。しかも女児用パンツの中はフル勃起ドゥーイングときたもんだ。
「んも~ユカちゃんったら、お股だけじゃなくって身体もちゃんとおっきしてください!」
腰を上げてくれないので奴の右側に移り、ゴムの通ったウエストから中に手を滑り込ま
せる。薄い肉付きながらも程良くぷりんとした尻たぶをそれぞれ掴むと、途端に奴の身体
が跳ねた。
「ひゃっ!?…っあ、そこダメ……っ!」
「ダメって?どこがダメなの?」
俺の服をギュッと掴んで堪える須藤の顔を覗き込みながら、吸いつくような桃尻を揉む。
小ぶりな乳房のような張りといい感度といい、つくづく野郎にしとくはもったいない。も
ちろん、俺と目を合わせたくなくてそっぽ向きかけて失敗している面を含めて。
上気した目尻にはうっすら涙がにじんでいて、俺が指を動かす度に湿った睫毛を震わせ
ている。引き結んだ口元もまたしかり。みずみずしい紅唇は拒もうにも「あ」だの「んん
」だのといった嬌声しかこぼせないようだ。
ともかく両手に当たるプリプリの感触と、至近距離で喘ぐお顔を楽しみながら、目の前
の「小学生」のクマさんパンツを膝までずり下ろすことに成功した。
「あららー。ユカちゃんのココは、やっぱりツルツルでちゅねえ~?」
パンツの下から現れた、お子様らしく無毛の股間をからかってやる。形の良い膝にまと
わりつく白いコットンはスラリとした身体に全然似合ってないのだが、そのちぐはぐさが
いかにもお仕着せプレイっぽくて良い感じ。
俺の左手に引きしまった右腿を押さえつけられて、文字通り身動きがとれなくなった須
藤は、それでも床に直接触れた尻をもじもじと揺すって逃れようとした。
「ぅ……あ、なでな…で、ぇ……っ…」
構わず滑らかな下腹を手のひらで大きく撫で、血管の浮き出た竿を掴みあげる。剃毛ペ
ニスはその愛らしい顔に似合わず、剥けた先端から我慢汁を垂らしていた。
「おっぱいはちっちゃいのに、ココは大人みたいですねぇ~?」
「ひゃ、あ……や、やだ…やだあっ…」
ぞんざいに扱く俺の手を払いのけたいのだろうが震える指は俺の袖にしわを作るだけで、
もはや俺にしがみついちゃっている格好だ。
「『やだ』じゃなくってさあ…何かして欲しいならちゃんとお話ししなさいって、ば!」
ヒクつくペニスの先端を親指で引っかくと、満足に抗うこともできずうめいていた須藤
がついに音をあげた。
「ひぅっ!……っは…はなし、て………その、お兄ちゃん…」
いかにも取って付けた感じだが、こんな「妹」におねだりされる機会はそうそうないの
で良しとする。
「……『離して』ねえ~…ナニをドコから離して欲しいのかなあ?ユカちゃん?」
焦らすように右手で亀頭をグリグリしながら尋ねると、俺の手をどんどん汚してくれる
張本人はその愛らしい顔を悩ましくしかめてみせた。
「ぁ………て…てを……」
「手って、誰の?」
「……おにい…ちゃん、の…」
不承不承といった感じで答えるが、まだまだ甘やかすわけにはいかない。涙を溜めた黒
瞳を覗き込み、辛抱強く聞いてやる。
「ふぅん?で、お兄ちゃんの手を、ドコからどうして欲しいのかな?」
「…………そ……そこから…離して……」
「そこってナニ?さっき言えなかった『ユカの、いやらしいオチンチン』のこと?」
「っ………」
同級生の前でサロペットから勃起チンコを丸出しにして、今さら何を恥ずかしがってい
るんだろう。まあこれで「オチンチン擦ってえ!イかせてぇえ!」なんて言われたら俺的
に萎えなんですが。あ、その方がこいつ的にはお得か。
もう少しネチネチ可愛がってやりたい気もするが、クマさんパンツを引っかけた膝は座
っている状態なのにガクガク言っちゃってる。
「…このままじゃ、お兄ちゃんの部屋汚されちゃいそうですねぇ~……ねえ、ユカちゃん?」
すっかりヌルヌルになった右手のひらを見せつけると、その匂いにか眉をひそめて横を
向いてしまう。それでも俺の手や奴自身のペニスを伝って股間を汚しているモノは、この
「オナニー?なんですかそれは?」と言い出しそうな清純派美少女が垂らしたのだ。
「んじゃー特別大サービス!『はい』か『いいえ』で答えてね~…もうイっちゃいそうな
の?」
「…は……はい…っ」
拒んで今以上の責めを味わいたくないのか、ためらいながらも素直にうなずく須藤。
「…ユカちゃん、女の子なのにオチンチン気持ちいいんだ?」
「…………はい……」
「この、ベトベトんなったオチンチン擦られて、我慢できそうにないの?」
「………は…い…」
「エッチなお汁がドピュドピュ出ちゃいそうなんだ?…って、もうグチャグチャだけど」
「……………ぃ……」
「可愛いリボン付けて、女の子のランドセルしょってたのに、お兄ちゃんに触られてビン
ビンなんだ?ほうら、こんなにトロトロんなっちゃって」
「………っふ…………ぅ……」
筋にそって我慢汁を塗り広げてやりながら尋ねていたのだが、いい加減こいつの頭が限
界っぽいのでやめにしてやる。
「…じゃあ、イってもいいけど、今下げたパンツを元通りにするまで我慢できる?『はい』
か『イエス』で答えてね。さぁどっち?」
「はぁ?それじゃ…っあ……んっ!」
もっともな突っ込みは聞きたくないので、縮み上がったタマを無理やりぐにぐにしてや
る。俺なら発狂ものだと思うのだが、さすがMっ娘(男)は見事に快感として受け取ったみ
たいだ。
「ひゃ、ぅ……ん、んんっ!」
楽しそうに身悶えしてくれるが、壁に賢い頭を打ちつけるのはよろしくないのでさっさ
と聞き直すことにする。
「ど・っ・ち、なんですかぁ~?」
「……っは、はい!…わ…わかり、ました……お、おにいちゃん…っ」
どう考えても「今にもイきそうです」な状態だが、頑張るみたいだ。自分から「お兄ち
ゃん」いうあたり、かなり切羽詰まっていると見える。
「いいお返事ですねぇ~!お利口さんなユカちゃんは、お兄ちゃんがなでなでしてあげよ
うねえ~?」
足を押さえつけていた左手でそうしてやるのだが、右手でペニスを握り込まれた奴はそ
れどころではないみたいようだ。括った髪をちょいと引っ張っただけで首を竦め、潤んだ
目を強く閉じる。
「…ぁ…あ、は、はやくっ……!」
「早く?早くイきたいの?それとも…可愛いクマちゃん穿きたいんでちゅかぁ~?」
なりふり構えないのか勢い良く首を縦に振ってくれるのだが、あいにくと俺は右利きな
ので、左手だけで大きな「小学生」にパンツを穿かせるというミッションはなかなかスム
ーズにはいかない。
さらに困ったことに、ご本人が俺の肩口を掴んだままなのもあって可愛いお子ちゃまパ
ンツは白い腿を遅々として進まず。つまりは焦らしプレイ真っ最中ということだ。
「あともうちょっとだから、我慢してねぇ~?」
輪にした指で竿を締めつけ、強めに上下させる。必死にやりすごそうとしているのか、
それに合わせて投げ出した足がキュッと緊張し、レースソックスに覆われた爪先がピンと
反ったり縮こまったりした。他人事ながら面白い光景。
「あ、あぁ………も、ダメ!おにぃ、ちゃ……っ!」
俺の肩にすがりつき、「だめ…だめ」とうわ言のように呟きながらも健気に耐え続けて
いた優等生だったが、お預けを食らいまくった挙句のこの仕打ちには敵わなかったみたい
だ。
その筋の人が涙流して喜ぶようなセリフを吐きながら、赤いリボン付けた「女の子」は
サロペットスカートから精液を噴き上げてイってしまった。俺の右手やデニム生地に、生
温い白濁がパタパタと付着する。
「……あ、ぁ………っ……っ!」
白い喉と腹をヒクつかせ喘ぐ須藤だったが、解放にとろけかけた瞳が俺の顔を捉えてギ
クリと身を強張らせた。ヘラヘラしてた俺が眉間にしわ寄せてるのはなかなか怖かったよ
うで、慌てて俺の服から手を離しスカートの裾を下ろしてしまう。グチャグチャのペニス
を拭わないままだから、あとで困った顔するのが目に見えている。こいつらしくない失敗
だ。
「……我慢しなさいって、言ったよね?」
笑いだしたいのを堪え冷たく尋ねれば、手コキによがっていた先程までとは別の意味で
赤い唇がわななく。元凶は俺だというのに、こいつの薄い胸の内は罪悪感でいっぱいなの
だろう。
「クマちゃん穿くまでって、お兄ちゃん言いませんでしたかぁ?」
腿の半ばまで引き上げたお子様パンツを指せば、案の定怯えたように長い睫毛を伏せて
しまう。赤く染まった目尻には恥辱か快感による涙が流れ、さらしている痴態にそぐわな
いおきれいな泣き顔だった。まあそういうのを苛むことに浪漫があるのですが。
「ぅ………ぃ…いました…っ」
「誰が?」
「……おにいちゃん…が、です……」
教え子の飲み込みの良さに気を良くした俺は、ようやくニッコリして頭を撫でてやった。
手のひらを返したような態度の変化に戸惑い唇を噛む須藤だが、しばらくよしよしとして
やればホッとしたように息をつく。
女装した学年首席が、同級生の手で射精した挙句大人しく子供扱いされてるだなんて、
もう突っ込みどころが多すぎて笑えない。
「…エッチ汁おもらししちゃうなんて、悪い子ですねぇ…ユカちゃんは」
汚れた手を子供パンツで拭えば羞じらうように目を逸らしてしまったので、内股をくす
ぐるように塗りつけてやる。ビクンと身をしならせながら、それでも奴は必死に言葉を紡
いだ。
「ひ、う……っご、ごめんなさい……っ…」
デニムの裾には後始末をしなかったペニスの汚れが染み出してきている。替えの服はな
いわけではないので、膝にプリントパンツを引っかけたままの「小学生」ともう少し遊ぶ
ことにした。
「…そんな悪い子のユカちゃんは、もっといっぱいお勉強しないとですねぇ~?」
お子様には罰ではなく、教育でもって分からせてやらなければ。
(おしまい)
最終更新:2013年04月27日 15:02