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……

唯「へー、純ちゃん、砂糖とミルク入れないんだ、大人っぽいんだね」

実は、普段は入れるし、今だって何となく見栄を張っているだけなんだけど、それは言わなくて良いよね?

唯「私も憂も、コーヒーの時はミルクと砂糖が必要なのに」

憂…。

その名前を聞いた瞬間、先ほどの出来事が私の胸に圧倒的な存在感を持って圧し掛かってくる。

唯「あれ、どうかした?」

純「い、いえ、そうなんですか…」

唯「うん、そうなんだよ。憂とか、ミルクは二つ入れるんだよ」

純「へー、ちょっと意外な感じですね…」

うん、ちゃんと平静を保ててる。

私は大丈夫だ。

唯「あ、ごめんね、冷めちゃうよね?飲んで飲んで」

純「は、はい、それでは頂き…」

唯先輩は私がカップに口を付けるのを興味津々と言う感じで見ている。

純「あ、あの、そんな風に見てられると飲みづらいんですけど…」

唯「えー、良いじゃん良いじゃん」

純「いやいや…」

唯「だって、純ちゃんのコーヒー飲むとこ見てみたいんだもーん」

純「私の飲むとこなんて普通ですよ?」

唯「憂の飲むとこはいつも見てるし、

あずにゃんの飲むとこもいつものティータイムで見てるから良く知ってる…。

だからあとは純ちゃんだけなのさ!」

憂、梓…。

いや、今はあまり考えないように、考えないように…。

純「純ちゃんだけなのさって…、本当に普通ですからね」

唯「普通でも良いよー」

私はカップに口を付ける。

唯先輩はそんな私をニコニコと見ている。

苦い…。

今飲んでいるコーヒーが苦いのは、砂糖とミルクが入っていないからと言うだけだ、きっとそうだ…。

私は、あまりの苦さに、何口も飲むことが出来なくて、一口飲んだところで、コーヒーカップを下ろす。

唯先輩が私を心配するような表情になる。

純「あれ、どうかしました?もしかして、私の飲み方ってどこか変でした?」

あ…、唯先輩の手が近づいてくる。

唯「涙出てるよ?」

唯先輩は指先で私の目じりに溜まった涙を掬い上げる。

あ、あれ…、何で?

純「あはは、おかしいですね、何で涙なんか出てるんでしょうね」

唯「純ちゃん…」

純「唯先輩の前だからって、無理してミルク砂糖無しで飲んだからかな?あはは、やっぱりコーヒーって苦すぎますよね。

私もけいおん部の皆さんみたいに紅茶じゃないと駄目なんですかね…」

あれ、何で涙止まらないの、やだよ、泣きたくなんかないのに。

私は両手で必死に涙を拭う。

でも、拭っても拭っても涙は止まらなかった。

涙を拭うのに一生懸命で、前が見えない私を何か暖かいものが包み込む。

唯「純ちゃん?」

唯先輩は私をぎゅっと抱きしめてくれた。

そのことは私の感情を余計に高ぶらせ…。

純「うわぁぁ…」

私の涙はもう止まらなかった。




……

どれぐらい、唯先輩は私を抱きしめていてくれたのだろう。

太陽はすっかり西に落ちんと言う時間になっていた。

唯「純ちゃん、もう大丈夫?」

純「は、はい…、ありがとうございます…」

唯先輩は暖かかった。

梓や憂がいつも言ってたように、抱きしめられていると凄く幸せな気分になる。

でも、私はあんまりその温もりに長い間浸っていると、この世界に帰って来れなくなると思って、

唯先輩の身体を押し戻す。

唯先輩は、そんな私の行動に、

「自分は余計な事をしてしまったんじゃないか」と言う感じの表情になる。

違うんです。

これは私が勝手に絶望して、それで唯先輩に勝手に縋りつこうとした事が嫌で…。

唯「ごめんね、何かこうして上げないと駄目かなって思ったから…。えへへ、余計なお世話だったかな…?」

純「ち、違うんです…、ただ、その…」

唯「うん、良いよ、大丈夫だから」

純「はい…、あ、あの、私もう帰りますね、あはは、何か随分長居しちゃいましたね…」

私は立ちあがる。

唯「送っていかなくても大丈夫?」

純「あはは…、大丈夫ですよ、もう落ち着きましたから」

唯先輩は私の顔を心配そうに見上げる。

唯先輩は何か言おうとして、

でも躊躇って、それでもやっぱりと言う感じに口を開く。

唯「あ、あのさ、純ちゃんに取っては、

凄い辛い話を掘り起こされる形になっちゃうと思うんだけどさ…」

唯先輩…?

唯「セカンドレイプとか、そう言う話にもなって来ると思うんだけどね…」

セカンド…、え?!

今、何て言いました?

唯「今日はまだ落ち着かないから、明日以降でも…、

あ、でも裂傷とかも可能性あるよね…」

純「唯先輩…?」

唯「純ちゃん、やっぱり今日行こう!」

唯先輩は何か大きな勘違いをしているらしかった。


唯「えー!?違うの!」

純「違います…」

唯「だって、あの、道で傷口を見た時、純ちゃんノー…」

純「わー!わー!」

唯「ノーパ…」

純「わー!!」

唯「だから、ノーパ…」

純「わっ!!」

唯「あはははは」

純「唯先輩、最後の方はわざとしてましたね」

唯「うむ、許してくれたまへよ」

まったく、この人は…。

でも、唯先輩は本当に人の心を明るくさせてくれる。

その事は間違いない。


純「で、どうしてそう思ったんですか?」

唯「だって、純ちゃんあの時パンツ履いてなかったから、あの、きっとそう言う事をされたんじゃないかって」

純「そ、それは…」

唯「それとも、露出狂で…」

純「それは、断じて違います」

唯「純ちゃんでも、さすがにそれは違うかぁ」

純「唯先輩の私のイメージってどんなんですか」

唯「モフモフな子?」

純「髪型だけじゃないですか!」

唯「そーだなー…、素敵な女の子?」

純「あ、え…?嫌だな、冗談はやめて下さいよ…」

唯「冗談なんかじゃないよ?」

唯先輩は急に真顔になって言う。

そして…。

え?!

私はベッドに押し倒されていた。

唯「ね、純ちゃん?」

純「な、何でしょう…」

唯「何でノーパンだったの?」

純「そ、それは…」

唯「まあ、その答えは良いや」

純「あ、ありがとう…、ございます。そ、それで、どいて頂けると…」

唯「嫌だ」

純「唯先輩?」

唯「どかないよ。だって、純ちゃんの方からパンツを脱いで誘ってくれてたんだもんね?」

そう言うと唯先輩の顔が近づいて来る。

それは今までの唯先輩じゃないみたいだった。

誰かと言うのはすぐには出て来ないけど、別の人みたいだった。

そして、私はその誰かを…。

私の思考は停止させられた、強制的に。

?!

キス…、された…?

唯先輩は口の間から下を挿し入れると、

私の歯、歯茎、舌、あらゆる箇所を蹂躙した。

唯先輩は私の口内で舐める箇所が無くなったかと思うと、

自分の唾液を流し込んでくる。

あ、甘いかも…。

唯先輩の唾って、甘いんだ…。

時間にすると、ほんの数十秒だったかも知れないけど、

私にとってその時間は永遠のようだった。

永遠のキス。

死のキス。


唯先輩は私から口を離す。

唯先輩の口の端から、唾液が糸を引いて、それが夕日を反射させた。

唯先輩はニコリと笑う。

唯「ふふ、純ちゃんの…、美味しかったよ」

ああ、あの顔は憂だったんだ。

今の唯先輩は、さっきのあの氷姫みたいな憂と同じ顔をしていた。

唯先輩は、私のカットソーをまくり上げる。

唯「あー、純ちゃん可愛いブラしてる。今日は何かのイベントだったのかな?」

イベント…。


今日は、午後から梓と一緒に…。

あれ?

何で、私こんなとこにいるの…?

唯「純ちゃん、まだ、泣いちゃ駄目だよぉ?だって…」

同じ人が同じような言葉を使ってるのにまるで違う響き。

唯「これから私が純ちゃんのことをたくさん泣かしてあげるんだからね!」

唯先輩はそう言うと私の涙を舌で舐めとった。

唯先輩の手が私のブラの中に侵入して…。

純「や、やめて下さいっ」

唯「止めないよ。さっき、純ちゃんのことたくさん啼かして上げるって言ったでしょ?」

唯先輩は私の乳房を柔らかく摩り始めた。

その手はさっき抱きしめてくれた時と同じ温かさだったけど、でも…。

純「んん…、ふぁ…」

唯「ねえ、純ちゃんの乳首陥没してたのがね、あはっ、プクって起き上がってきたよ」

純「あ、梓ぁ…、私、こんなのやだよぉ…、もう、梓のことからかわないからぁ…」

唯先輩は意地悪な笑みを浮かべる。

純「あ、やだぁ…」

唯「へー、純ちゃん、あずにゃんの事が好きだったんだぁ…」

純「ち、違いますっ、そんなこと」

唯「隠さなくても良いよ。さっき『梓ぁ』って言ったの、聞いちゃったもんね」

純「あ、あぁ…」

唯「純ちゃんはあずにゃんに操を立ててたんだね?」

純「ち、違い…、あぁ!」

あ、え…、嘘…?

唯「純ちゃんのここ、もうすっごいヌルヌルだ」

純「や、やだぁ、止めて…」

唯「私が触る前からヌルヌルだったのに?」

純「ち、ちが、あぅっ」

唯「あずにゃんには、こんなとこ見せられないよね」

純「や、止めて…、何で…」

唯「あずにゃんに奪って欲しかったの?」

ちがう、そんなんじゃない。

ただ、こんなのって理不尽過ぎるよ。

唯「でもその努力は無意味だよ。だって、あずにゃんは憂と付き合ってるんだよ?それも、結構前からね」

頭の奥でチンチンと痺れるような感覚。

唯「あ、その反応だと、知らなかったって感じ?」

既に、知ってます。

だから、こんなに苦しいんです。

唯「じゃあ、二人とも『純ちゃん』には内緒にしてたんだね」

唯先輩は私の名前をわざと強調するように言った。

その瞬間、何かがプチプチと音を立てて千切れる音が聞こえたような気がした。

唯「あはは、純ちゃん、まったくの道化だね」

唯先輩が私のスカートを捲り上げる。

唯「純ちゃん、オナニーは穴派?クリ派…って、聞いてないかー…。

じゃあ、好き勝手にやっちゃうよー」

唯先輩の攻めは的確で、抵抗する気力を失った私の身体から良いように刺激を引き出した。

唯先輩が私のクリトリスをつまみ上げた時、私は今日二度目の絶頂を迎えた。




……

唯「服は皺になっちゃうから脱いだ方が良いからねー、脱ぎ脱ぎしようねぇ」

純「はい…」

唯先輩が、私の服を剥ぎ取っていく。

私は、瞬く間に服を脱がされ裸でソファに横たえられた。

唯「はーい、私も裸になってみました!」

唯先輩が私の上に圧し掛かってくる。

唯「ね、キスしても良い?」

この人は、ここまでしておいて、何で「キスして良い」なんて許可を求めるんだろう?

唯「このまま、一方的にイカせ続けても良いんだけどさ、

でも、ちょっとは恋人っぽく楽しんだ方が、純ちゃんも良いでしょ?」

純「あんな酷い事しておいて、今更良くそんな事言えますね?」

唯「酷いこと?そうかなあ」

純「そうですよ」

唯「うーん、良く分からないや。だから、キスするね?」

そう言って、唯先輩は私にキスをする。

そして、キスしたまま、また私の股間に手を伸ばす。

純「んんーっ!!」

この人の手はやっぱり巧みで、私をまた高いところに導いていく。

私が目開くと、唯先輩の顔が目の前にある。

きっと、私は今凄く快感を堪える表情をしてるんだろうけど…。

どうしてだろう?何故か唯先輩も、同じ様に快感を堪える表情をしていた。

唯先輩と目が合う。

唯先輩はニコリと笑う。

あ、駄目…。

決壊しちゃうよぉ…。

あ、あ、あぁ…。

イく…、イっちゃうぅ!!



……

唯先輩は力が抜けてしまったのか私の上でぐったりとしていた。

唯「あ、純ちゃん…、重いよね?すぐ、どくね…」

純「い、いえ、もうちょっとこのままが良いです…」

唯「そっか…」

なんだろう、この重さはちょっと…。


純「唯先輩?」

唯「んー?」

純「人の重さって、気持ち良いんですね…」

唯先輩は、少し考え込むような顔をしてから、クスリと笑う。

唯「純ちゃんって大人だねー。何か…、そうだなぁ、

不倫してるOLのお姉さんが相手のおじさんに言うみたいな台詞に聞こえる」

純「それ褒めてないですよね?」

唯「褒めてるよぉ…、んしょっと…」

そう言って唯先輩は立ち上がる。

唯「あー、お腹んとこ純ちゃんのでベシャベシャだぁ」

唯先輩はいたづらっぽく言うから、私も言ってやる。

純「それ、唯先輩のも混じってますよ、きっと」

唯先輩は堪えた様子も無く、

唯「二人の愛の結晶だね!」

純「はいはい」

唯「じゃ、私はシャワー浴びてこよっかなぁー」

私は唯先輩の言葉で、急に濡れているのが気になって、お腹の辺りを触って見る。

唯先輩は目敏い事に私のその仕草を見逃さず、即座に突っ込みを入れる。

唯「純ちゃん、一緒にお風呂入る?」

純「いえ、唯先輩の後で良いです」

唯「えー、一緒に入ると楽しいのにさ」

純「そう言うのは憂と…」

言いかけて私は口をつぐむ。

そうだ、憂はもう唯先輩のものじゃない。

梓が私のものじゃないように。

唯「あ、そうだ…」

唯先輩は、私の迂闊な一言が聞こえなかったかのように、台所の方へ駆けて行くとタオルを持って戻って来る。

唯「じゃあ、これ使って待ってて」

唯先輩は私にタオルを放ると、また駆けて行く。




純「結局、何の連絡もしないままサボっちゃったなぁ…。あ、そだ、携帯…」

放り出されたパーカーのポケットから携帯電話を取り出す。

あはは…、何だよ梓の奴、まめだなあ…。

着信履歴は梓からの電話で一杯だった。

感心な事に、一回毎にちゃんと留守電を吹き込んでくれていたらしい。




梓「おーい、10分遅れだよ?」


梓「ちょっと、遅れるんだったら連絡するもんじゃない、普通」


梓「何か急な用事?」


梓「何かあった?あったんなら、連絡ぐらいよこしなさいよ」


梓「純?」


梓「大丈夫?」


梓「…、ともかく留守電聞いたら電話頂戴…。何時でも良いからさ」




梓…。

私はすぐにコールバック。

早く出て…、早く出て…。

出た!




純「ごめん!」


純「あ、うん、ちょっとね、急な用事でさ…、ホントーにごめん!」


純「うん、大丈夫、何も無いから…、うん…、うん…」


純「そう、ちょっと電話出来る状況じゃなくて…」


純「あはは、大丈夫だよ、うん、じゃあ、今日は憂とお泊りなんだ…」


純「そりゃー、私も一緒したかったよぉ」


純「うんうん、あはは、私がいないからって寂しがるなよぉ?」


純「あ、うん、そうだね、今度は絶対ね、うん、じゃあ、また明後日学校でね」




梓…。

梓への愛しさで私の心は一杯になる。

でも、梓はもう…。


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最終更新:2011年03月19日 00:09