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背中と脚裏の負荷分担 - (2015/10/18 (日) 09:38:33) の1つ前との変更点

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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){背中と脚裏の負荷分担}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [2] 動作負荷の分担原則 (4) 背中と脚裏の負荷分担 #contents *1.はじめに  これから、脳性麻痺の次男と側湾の人を例に、縦切り相関の中でも、 背中と脚裏の負荷分担について考えたことを書いていきます。 *2.肺呼吸の負荷と脳性麻痺の姿勢  まず、次男の例から。  肺呼吸の段階にない状態で生まれたことと、いわゆる脳性麻痺特有 の姿勢に関係があるのでは…と思っています。もちろん、脳性麻痺で は腹筋にくらべると背筋が優位なので、背中側に反りやすいのですが、 それだけではなく、肺呼吸の負荷との関係もあるように思います。  生まれて直ぐ6ヶ月入院して帰ってきた次男は、後頭骨下縁から尾 骨までずーっと弓なりに前に反り、胸部で後湾がなく、胸部も前湾し ていました。  つまり、肺呼吸の段階にない状態で生まれたことで肺に異常な負担 がかかり、その負荷を分担するため、横輪切りの背中側がたいへん緊 張し、そのため、胸部後湾がなくなってしまったという面もあるので は…と思います。  胸部後湾がなくなるほど胸を反らしてみると、とうぜん、腰も反り 返りますから、その姿勢のまま立ち姿勢を維持しようとすると、おし りを出っ張らせ、鼡径部(腹と足のさかい)を後ろに曲げ、踵(かか と)を上げないとうまく立てないことがわかりました。  つまり、ハイヒールをはいたようなかっこうです。余談ですが、 ハイヒールというのは、もともとは寝室用のはき物で、バストとヒッ プを強調するためのものという話を聞きました。  次男は、3歳ちかくまで歩けず、歩いたときは踵と両手をあげた、 脳性麻痺児特有の歩き方で、5歩歩くと転ぶという状態でした。  小学校入学までは長い時間は歩けなくて、保育園の先生もベビーカー に乗せて移動していました。  そして、まだ、胸部後湾がなく胴を前に曲げられないので、マット 運動の前転ができませんでした。それで、このころ病院のPT(理学 療法)の訓練で前転をすると、背中が曲げられないので戻ってしまっ たり、勢いをつけると背中でなくお尻からドスンと落ちるようなかん じで前転していました。戻ってしまうことのほうが多かったです。  くすぐったり灸したりしていたら、だんだん、胸部後湾ができてき ました。保育園のころは冬のあいだずっとゼロゼロと呼吸器の状態が 悪かったのですが、胸部後湾ができはじめた小学1年生の冬からは、 あまりゼロゼロしなくなりました。  動きの操体で好きなモノは仰向けで親指側を足の裏のほうに回しな がら足を伸ばすもので、いちばん気持ちいいと言ってました。つまり、 脳性麻痺児特有の内反尖足を強調する動きです。  それも、はじめは、背中全体を反らすように伸ばすのを気持ち良い と言うので、背中を反らしていました。つまり、胸部後湾がないこと、 胸部前湾を強調する姿勢です。  しばらくして、ほぼまっすぐに引っ張るのが気持ち良いと言いだし、 中学生になると、座っている私の肩に踵(かかと)を乗せて引っ張ら れるのが気持ち良いと言うようになりました。  なんとなく、力の作用点が、だんだん背中上部から腰のほうへ降り てきているような感じを受けました。  胸部後湾ができましたが、中学前半までは、腰の前湾やソケイ部の 後湾が強く、つまり、腰が前に大きく反り、ソケイ部が後ろへ反って いる状態でした。  いま(2007年5月現在)高校2年生ですが、中学生のころにく らべると、腰や鼡径部の反りが少なくなり、歩幅も大きくはなってい ます。  そのかわり中学後半からは足先の内反はきつくなっている感じで、 歪みが下腿に集中してきているような感じをうけます。  もう高校生なので大きく変化はしないかもしれないし、時間はすご くかかるでしょうが、いまだにすこしずつ変化しているようです。1 か月単位では変化がわからず、1年単位でようやくわかる程度なので すが。  いろいろやってきて、後ろ(背中)側の筋肉の負荷の分担により、 肺のある胸の負担をかばった結果、また、胴体部分が背筋優位である 結果として踵(かかと)が上がっている可能性が大きいと思っている わけです。  猿回しの猿は2本足でも歩けますが、その猿の立ち姿勢での横から のレントゲン写真を見てみると、いわゆるS字カーブ、つまり胸部後 湾がちゃんとあります。普通の猿にはS字カーブはありません。  猿回しの人が小猿のころにマッサージをして背中や腰の筋をゆるめ、 S字状のカーブをえがくようにしないと、2本足で歩けるようにはな らないそうです。  背骨がきれいなS字カーブをえがくことと直立2足歩行とが関係あ るように思えてならないのです。 *3.側湾と脹ら脛  次男の例は、立ち姿勢での体の前後のバランスに関係する負荷分担 の例ですが、左右バランスの負荷分担が関係しているのではという例 にも出会いました。  30代なかばで側湾があり、脹ら脛(ふくらはぎ)の左右差がすご い人がいました。  片方の足の脹ら脛(ふくらはぎ)のヒフク筋がズブズブで張りや厚 みがなく、ヒフク筋がほとんど無いように見えるほどだったのです。  足の左右の力のはいり具合というか、踏ん張ることができる程度に おうじて胴体の左右の重さを変えるために、背中上部で背骨が左右に 曲がった可能性が大きいのでは…と思いました。  負担の差が大きいので、できるだけ上部で重さに左右差をつけたほ うが少ない左右差で負担を平均にできるが、頭が曲がって揺れるのは まずいので、背中上部で左右差をつけた可能性が高いのではないかな と考えています。 *4.おわりに  このように、立ち姿勢や直立2足歩行での重心バランスというのは、 胴体部分に影響をあたえるし、逆に、胴体部分の内蔵の病の影響が立 ち姿勢や直立2足歩行にも影響をあたえるという、双方向の関係があ るのだなと思います。  次男のリハビリで胴体と足の動きのバランスで考えたことは、ほか にもあるのですが、長くなったので、別の機会にしたいと思います。  また、この2足歩行と胴体の重心配分の関係からも、昔の人が経絡 の中でも、縦切りを正経12経として重視したのも、必然性があるこ となのだなぁと思います。  12というのは、前横後ろで3,体の内外で2,手足で2で、組み 合わせると、3×2×2=12になります。    >>>つぎへ>>>[[経絡の交差と2足歩行]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[背中と脚裏の負荷分担]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){背中と脚裏の負荷分担}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [2] 動作負荷の分担原則 (4) 背中と脚裏の負荷分担 #contents *1.はじめに  これから、脳性麻痺の次男と側湾の人を例に、縦切り相関の中 でも、背中と脚裏の負荷分担について考えたことを書いていきま す。 *2.肺呼吸の負荷と脳性麻痺の姿勢  先ず、次男の例から。  肺呼吸の段階にない状態で生まれたことと、いわゆる脳性麻痺 特有の姿勢に関係があるのでは…と思っています。もちろん、脳 性麻痺では、腹筋に比べると背筋が優位なので、背中側に反りや すいのですが、それだけではなく、肺呼吸の負荷との関係もある ように思います。  生まれて直ぐ6ヶ月入院して帰ってきた次男は、後頭骨下縁か ら尾骨まで弓なりに前に反り、胸部で後湾がなく、胸部も前湾し ていました。  つまり、肺呼吸の段階にない状態で生まれたことで肺に異常な 負担が掛かり、その負荷を分担するため、横輪切りの背中側が大 変緊張し、そのため、胸部後湾が無くなってしまったという面も あるのでは…と思います。  胸部後湾が無くなるほど胸を反らしてみると、当然、腰も反り 返りますから、その姿勢のまま立ち姿勢を維持しようとすると、 尻を出っ張らせ、鼡径部(腹と足の境)を後ろに曲げ、踵を上げ ないと上手く立てないことが分かりました。  つまり、ハイヒールを履いたような格好です。余談ですが、ハ イヒールというのは、元々は寝室用の履物で、バストとヒップを 強調するためのものという話を聞きました。  次男は、3歳近くまで歩けず、歩いたときは踵と両手を挙げた、 脳性麻痺児特有の歩き方で、5歩歩くと転ぶという状態でした。  小学校入学までは長い時間は歩けなく、保育園の先生もベビー カーに乗せて移動していました。そして、未だ、胸部後湾が無く 胴を前に曲げられないので、マット運動の前転ができませんでし た。  それで、この頃に病院のPT(理学療法)の訓練で前転をする と、背中が曲げられないので戻ってしまったり、勢いを付けると 背中でなく尻からドスンと落ちるような動きで前転していました。 戻ってしまうことの方が多かったです。  クスグったり灸したりしていたら、だんだん、胸部後湾ができ ていきました。保育園の頃は、冬の間ずっとゼロゼロした感じで 呼吸器の状態が悪かったのですが、胸部後湾ができ始めた小学1 年生の冬からは、余りゼロゼロしなくなりました。  動きの操体で好きなモノは、仰向けで親指側を足裏の方に回し ながら足を伸ばすものでした。とても気持ちいいと言ってました。 つまり、脳性麻痺児特有の内反尖足を強調する動きです。  それも、初めは、背中全体を反らすように伸ばすのを気持ち良 いと言うので、背中を反らしていました。つまり、胸部後湾が無 いこと、胸部前湾を強調する姿勢です。  しばらくして、ほぼ真っ直ぐに引っ張るのが気持ち良いと言い だし、中学生になると、座っている私の肩に踵を乗せて引っ張ら れるのが気持ち良いと言うようになりました。  なんとなく、力の作用点が、だんだん背中上部から腰の方へ降 りてきているような感じを受けました。  胸部後湾ができましたが、中学前半までは、腰の前湾や鼠径部 の後湾が強く、つまり、腰が前に大きく反り、鼠径部が後ろへ反っ ている状態でした。  今(2007年5月現在)高校2年生ですが、中学生の頃に比 べると、腰や鼡径部の反りが少なくなり、歩幅も大きくはなってい ます。  その代わり中学後半からは足先の内反は大きくなっている感じ で、歪みが下腿に集中してきているような感じを受けます。  もう高校生なので大きく変化はしないかもしれないし、時間は すごくかかるでしょうが、今だに少しずつ変化しているようです。 1ヶ月単位では変化が分からず、1年単位で何とか分かる程度な の変化なのですが。  色々やってきて、後ろ(背中)側の筋肉の負荷の分担により、 肺のある胸の負担を庇った結果、また、胴体部分が背筋優位であ る結果として踵が上がっている可能性が大きいと思っているわけ です。  猿回しの猿は2本足でも歩けますが、その猿の立ち姿勢での横 からのレントゲン写真を見てみると、いわゆるS字カーブ、つま り胸部後湾がちゃんとあります。普通の猿にはS字カーブはあり ません。  猿回しの人が小猿の頃にマッサージをして背中や腰の筋を弛め、 S字状のカーブを描くようにしないと、2本足で歩けるようには ならないそうです。  この猿回しの猿のレントゲンの例からも、背骨が綺麗なS字カー ブを描くことと直立2足歩行とが関係あるように思えるのです。 *3.側湾と脹ら脛  次男の例は、立ち姿勢での体の前後のバランスに関係する負荷 分担の例ですが、左右バランスの負荷分担が関係しているのでは… という例にも出会いました。  30代半ばで側湾があり、脹脛の左右差が大きい人がいました。  片方の足の脹脛の腓腹筋がズブズブで張りや厚みがなく、腓腹 筋が殆ど無いように見えるほどだったのです。  足の左右の力の入り具合というか、踏ん張ることができる程度 に応じて胴体の左右の重さを変えるために、背中上部で背骨が左 右に曲がった可能性が大きいのでは…と思いました。  負担の差が大きいので、できるだけ上部で重さに左右差を付け た方が少ない左右差で負担を平均にできるが、頭が曲がって揺れ るのは良くないので、背中上部で左右差を付けた可能性が高いの ではないかな…と考えています。 *4.おわりに  このように、「立ち姿勢や直立2足歩行での重心バランスは、 胴体部分に影響を与える」し、逆に、「胴体部分の内蔵の病の影 響が、立ち姿勢や直立2足歩行にも影響を与える」という、双方 向の関係があるのだなと思います。  次男のリハビリで胴体と足の動きのバランスで考えたことは、 他にもあるのですが、長くなったので、別の機会にしたいと思い ます。  また、この2足歩行と胴体の重心配分の関係からも、昔の人が 経絡の中でも、縦切りを正経12経として重視したのも、必然性が あることなのだなぁと思います。  12というのは、前横後ろで3,体の内外で2,手足で2で、組 み合わせると、3×2×2=12になります。    >>>つぎへ>>>[[経絡の交差と2足歩行]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[背中と脚裏の負荷分担]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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