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胴体の歪みと足の歪み - (2010/08/19 (木) 15:24:35) の1つ前との変更点

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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){胴体の歪みと足の歪み}} ---- 操体もくもく・操体の自然則 (12) 胴体の歪みと足の歪み #contents *1.はじめに  先回は、&bold(){皮膚の操体では、シコりの上の皮膚の張りをたもつのがコツ} なんじゃないかなという話を書きました。  さて、今回は、胴体の歪みと手足の歪みの関係、とくに、足の歪み との関係を書いていきたいと思います。 *2.操体で下半身からととのえるのは、直立2足歩行するから  操体では、上半身の症状でも、まずは下半身の歪みをとり、バラン スをととのえることから、はじめます。  とくに膝裏のシコりをとることを大切にしています。  これは、ヒトが直立2足歩行するサルであることから来ています。  この場合の直立というのは、背骨が地面に対してほぼ垂直な状態に なっていて、その上に頭がのっているという意味です。  もちろん完全にまっすぐ垂直ではなく、横から見るとS字状のカー ブをえがいていますが、前後から見ると地面に対してほぼ垂直に立っ ています。  ダチョウなどの鳥や、それと近い恐竜など、2足歩行する動物は、 ほかにもいますが、彼らの背骨は地面に対してほぼ平行で、頭は前に つきでて、後ろにつきでた尾羽や尻尾とくんで、前後バランスを取っ ています。 **ロボットに2足歩行させるのは、むずかしい  いま、2足歩行ロボットの研究がさかんですが、バランスをとるの がむずかしく、人間が歩くように見える2足歩行を実現していくのは まだ時間がかかりそうです。  前にも書いたと思いますが、ヒトの歩行では、足跡の横幅は、腰の 横幅よりもせまいのですが、まだ、ロボットではそうなっていません。  どちらかというと、恐竜やダチョウをむりやり立たせたような格好 をしているし、歩き方もそういう歩き方です。シャモ(軍鶏)に似て いるなと思います。  また、歩き始めの赤ちゃんのトコトコ歩きは、足跡の横幅が腰の横 幅とほぼ同じですので、ロボットもまだその段階なのかなと思います。 *3.脳性麻痺の次男が歩き、泳げるようになるまで **頭から仙骨まで弓なりに前に反っていた  さて、前にも書きましたが、我が家の次男は超未熟児で産まれまし た。6ヶ月入院して帰ってきたときには、頭から仙骨までが一様に弓 なりに前に反った状態でした。  その当時は、まだ脳性麻痺という診断はされてはいませんでしたが、 その状態から見れば、当時から脳性麻痺だったと思われます。  ヒトの体は、腹筋に対しては背筋のほうが優位、つまり、背中の筋 肉のほうが強いので、脳性麻痺ではどうしても背筋の側の縮む力が強 くなり、背中側が縮むため、弓なりに前に反った姿勢になってしまう わけです。 ***猿回しのサルの背骨は、S字状  背骨がそういう状態ですから、なかなか歩けるようになりませんで した。  3歳すこし前に初めて歩いたときには、両手をあげて爪先立ちで、 5歩ほど歩いて、ころびました。  その歩き方を見て、ようやく脳性麻痺という診断が出ました。  あとで、猿回しのサルの横からのレントゲン写真を本で見て、背骨 がS字状にカーブしているのを知りました。また、猿回しのひとが、 小猿のときから腰や背中をマッサージなどして、背中や腰をやわらか くして、そういう背骨の状態にしていかないと2足歩行できないとい う話でした。  うーん、なるほど、次男がなかなか歩けなかったわけだなぁと、納 得しました。 **肺の負担をへらすため背中を柔らかくしたかった  当時も、くすぐったりしたりして、背中をやわらかくしたいなとは 思っていましたが、それは歩行のためというよりも、肺の負担をへら すという目的のほうが強かったのです。  主治医の説明では、「超未熟児は、肺が未発達のうちに肺呼吸をは じめるし、男性ホルモンと肺の発達がバッティングするので、肺に後 遺症が残る」ということでした。  病院から帰ってきたときには、酸素ボンベからのチューブを鼻の下 に張り付けていました。  操体で赤ちゃんの病気に良く効くと言われている脇腹くすぐり療法 の応用で、胸の腕よりをくすぐったおかげか、さいわい退院後5か月 ほどで、レントゲン撮影での肺の影が消え、酸素ボンベははずしてよ いことになりました。  それでも肺の機能はひくく、カゼをひきやすかったり、冬中ゼロゼ ロしたりしていました。  それで、胸まわりをしらべたら、胸のまわりの筋肉や胸と同じ高さ の脇や背中の筋肉がガチガチだったので、ほぐせば、すこしは呼吸が しやすくなり、肺の負担をへらせるかなと思ったわけです。 **PTの訓練は痛がって逃げ回っていた  脳性麻痺という診断がついたので、病院で定期的にPT(理学療法) の訓練をうけることになりました。  PTの先生は、やさしかったし、玩具を使ったりして楽しめるよう に工夫はしてくれたのですが、どちらかというと、縮んだ筋肉を伸ば す方向での訓練がおおかったので、次男はいたがって逃げ回っていま した。  それで、目標を聞いて、家では操体や按摩などして筋肉をほぐして、 なんとか目標を達成できるようにしていくことしかできませんでした。  また、小学校入学くらいから手先を使うOT(作業療法)の訓練も はじめたのですが、訓練の成果はあまり上がったとは言えない状態で した。 **小学校入学のころは体を前屈できなかった  それで、小学校入学するまでは、あまり長い距離を歩けず、自転車 の前籠に乗せるか、ベビーカーに乗せるかしていました。  短い距離を移動するときには、母親が手をつないで歩いていました が、体重が重くなってささえきれなくなったので、小学校入学のころ から、私が手をつないで歩くようになりました。  そのころの背骨の状態は、ようやく背中上部での前への湾曲がへり、 背中の上半分はまっすぐに近づいていました。  しかし、まだ、背中を前に曲げることはできないので、マット運動 の前転ができませんでした。 **自転車に乗る練習  小学校にはいるころには、自転車の前籠にものせにくい大きさになっ たし、超未熟児の割には重くて、前籠に乗せているとハンドルがふら つくようになりました。  フラッカーズという商品名の子供を前籠に乗せてもふらつかないと いうのが売りの、専用の自転車を利用していたのですが。  とくに、母親が自転車の前籠に乗せて移動するときの事故が心配に なってきたので、補助輪付きの自転車に乗る練習をはじめました。 ***小1で補助輪つきに乗れるまで  足は、伸筋優位、つまり、脳性麻痺では、足は伸ばしやすく曲げに くくなります。 --そのため、 ペダルに足をかけずに地面を足で蹴って前に進む キックキックという方法で 自転車を前に進ませる事も最初は出来ませんでした。 ---それが出来るようになってから、次は ペダルに足を乗せるのがなかなか出来ず、  それが出来たら、今度は ペダルを一周させるたびに足がペダルから落ちてしまう  という状態でした。 -3ヶ月ほどかかってなんとか 補助輪付きを乗れるようになりました。 ***3年生で補助輪を外すまで [#q60d6e37] -3年生になって 補助輪付きに乗るには体も大きくなり、 からかわれたり 虐められたりする原因にもなったので、 補助輪を外す練習を始めました。 -明治神宮外苑で休日に 大人になっても自転車に乗れない方に 乗り方を教えてくれる催しが行われていると聞いて、 出掛けてみました。 --でも、 始めに付いてくれた指導者の方には 「この子には教えられないな」  と言われてしまいました。 ---それでも 何回か通っているうちに 練習のやり方を教えて下さる指導者の方に出会えて、 練習方法を知る事ができ、 真っ直ぐや左回りは出来るになりました。 -右回りがなかなか出来るようにならないので、 私と一緒に近所の公園でも練習しました。 --3ヶ月経って、ようやく、 1km四方くらいある、その広い公園の 幅4mくらいある遊歩道を 止まらずに1周できるようになりました。 ---幅1m以下の狭い歩道を走れるようになるのには、 それから1年ほどかかりました。 **平泳ぎで海で遠泳をするまで [#t38cb191] -同じ頃、 泳ぎを習うためにPTさんから訓練を受けて、 クロールは泳げるようになりました。 --でも 「内反尖足の脳性麻痺児には一生平泳ぎはできません」  と言われてしまいました。 -それでも、本人はやりたがったので、 毎週近くの温水プールに通いました。 --溺れる可能性もあるので 後ろからゆっくり泳いでついていき、 見ていたら、 手は、平泳ぎ風に動くのですが、 足のほうは、 1年経っても両足とも棒のように後ろに伸びたままでした。 --さすがに、 そろそろ諦めさせたほうが良いかなと考え始めた頃に、 25m泳いでいる途中で1度だけ足が開きました。 ---次男に伝え、褒めたら、凄く喜んでいました。 --それから少しづつ足が開く回数が増え、 初めて足が開いてから1年ぐらい経って なんとか足のほうも平泳ぎ風になっていきました。 ---水泳を習い始めてから4年以上経っていました。 -そして、 中学1年生の時の臨海学校では、 顔を上げた平泳ぎで遠泳を完泳し、 医療関係者を唖然とさせました。 **スキーや縄跳び、マットで前転も [#jf4ed3c5] -また、 障害者向きのスキー教室に通い、 スキーブラというスキーの先端が交差しないようにする 補助具を付けてですが、 簡単な斜面なら滑れるようになりました。 -縄跳びもなんとか出来るようになりました。 -体を前に曲げることもできるようになり、 マット運動の前転も出来るようになったし、 字を書く時には、逆に、 ノートに目を近づけすぎて心配なほどになりました。 **手の訓練の成果が出るようになった [#i279562f] -それで、そういう事、つまり 自転車や平泳ぎやスキーなどが出来るようになってから、 急に、 手足の訓練の成果が上がるようになっていきました。 --やりたくてもできなかった TVゲームのアクションものなど、 複数のボタンを組み合わせて速く続けて押す事が 必要なゲームなどもなんとか出来るようになりました。 --保育園時代には、 塗り絵をさせると2,3cmはみ出してしまうほどしか 手先のコントロールが出来なかった、つまり、 線を描き始めようとする点や描き終えようとする点が 2,3cmずれてしまうほど 手が大雑把にしか動かなかったのが、 なんとか1.5cm四方くらいの文字なら 書けるようになりました。 ---小学校卒業時点では 時間を掛ければ 1cm四方の文字を書けるようになりました。 -作業療法の手先を動かす訓練も順調に進むようになり、 担当のOTの先生から 「この子は脳性麻痺ではないんじゃないのかな」  と言われるほどになりました。 **箸も使えるようになった [#x267be23] -自転車の訓練を始めた頃は、 普通の方が1ステップで出来る事を 100ステップに分けて練習すれば何とか出来るようになる という状態でしたが、 --中学生になったら、 本人の好きな事なら10ステップ、 興味のない事でも30ステップに分ければ なんとかなるかなぐらいにはなりました。 ---そして、 高校生になって、 ようやく箸をなんとか使えるようになりました。 -未だ、 全ての面で普通の方と同じ様に出来るようになった わけではなく、 高校生になった今でもつま先立ちで歩いていますし、 その他にも 練習しても出来ない事はたくさんありますが、 少なくとも本人が好きなTVゲームなら、 私の苦手なアクションゲームの 複雑で速いボタン操作もできるようになっています。 *体幹部のバランスが先で、手先の動きは後 [#x53d83ec] -ながなが書いてきましたが、 何が言いたいのかというと、 体幹部の基本的なバランスが取れていないと 手足のリハビリは効果を上げにくい  のではないかという事なのです。 --操体では、 下半身は土台だから、 先ず下半身の歪みを取るという目的で 膝裏の痼りを先ず見ていきますが、それは 背骨の状態がそれ程歪んでいない方に通用する事  だと思います。 ---我が家の次男の小学校入学前までの状態くらい 胴体に歪みがあると、 手足の操体をしても効果が上がりにくいのではないか  という事なのです。 **体幹部のバランスが取れたら手先のリハの効果が出始めた [#t6c678f8] -こうして、次男の成長を振り返ってみると、 体を動かす時の 胴体の大雑把なバランスが取れる状態になったとたんに 手足のリハビリの成果が上がりだした  ように思えるのです。 ++自転車で左右バランス、 ++クロールで左右捻転バランス、 ++縄跳びで上下バランス、 ++スキーで前後バランス、ついでに言えば、 ++平泳ぎで足を左右に開き戻す時のバランス。 ---おわかりとは思いますが、例えば スキーは前後の動的バランスが取れないと出来ませんし、 自転車は左右の動的バランスが取れないと乗れません。 ***直立2足歩行し難いほど歪みがある時は、胴体から [#i34197a9] -よくよく考えてみれば、 操体で下半身、特に膝裏から整えていくのは、 ヒトが直立2足歩行するサルである事から来ているわけで、 直立2足歩行できないほど胴体に歪みのある場合には、 胴体の歪みを先に正したほうが良い  というのは当たり前の話かも知れません。 --でも、 今まであまり話題になった事はないように思いますし、 私自身 次男にずっと付き合ってきてようやく解った事です。 ---始めから解っていたら、 赤ちゃんの頃にそういう視点で操体をしていたら もう少し歪みを減らせたかなと思いながら書いています。 *言葉の示す意味を理解しないと、振り回される [#q98dbdce] -言葉という物は一人歩きしやすい  なと改めて思います。 --その言葉が 産み出されたワケ(理由)を良く理解していないと、 一人歩きする言葉に振り回されて、判断を誤る  事に繋がります。 ---操体は自然則で作られているので、 そういう事は比較的少ないですが、 それでも 一人歩きする言葉に振り回されないよう 気を付けていきたいなと思います。 -また、 目で見て耳で聞いて手で触って確かめられる事から 「言葉」で語られた自然則や操体・操法の型までの道筋を、 大勢の方に納得していただけるような形で 書き残していく事を心がけていきたいと思います。 --よろしくお願いします。 **操体は一期一会、操体はライブ [#y99b6aa4] -数学のように、 言葉だけで作られた世界は 言葉のみで考え伝え合っていけますし、 機械のように、 言葉で書かれた仕様書に基づいて作られた物は 修理の際にも 仕様書に書かれた言葉を頼りにしていっても 間違いは少ないと思います。 --しかし、 人間の体のように自然な物を相手にする時には、 目で見て耳で聞いて手で触って確かめられる事で、 その「言葉」が実際に成り立っているかどうかを いつも確かめながら行動していかないと 判断を誤りやすくなるなと思います。 -そういう意味で、 操体というのは「一期一会」  なものだなと思います。 --なんて書くと若い方には通じませんね。 ---ようするに コーン先生がいつもおっしゃっているように 「操体はライブ」なんです。 *赤ちゃんは歩けないから、先ずは脇腹擽り [#h4c3fd52] -そう言えば、操体で 「赤ちゃんには脇腹擽りが良い」と勧めているのも、 赤ちゃんは直立2足歩行の段階にないので、 膝裏を整える事よりも、胴体を緩める事を優先する  という事なのかも知れません。 -胴体の大きな動的バランスを考えると、 脇腹の在る部分、背骨で言うと腰椎の部分ですが、 その辺りが一番関係しているようです。 --腰椎には他の骨が繋がっていません。 ---他の胴体部分の背骨、 胸の部分の胸椎には肋骨が、 お尻部分の仙骨には骨盤が繋がっています。 --他の骨が繋がってないので動きやすいせいか、 胴体の部分の動的バランスを取る時には、 この腰椎の高さの部分を一番動かして バランスを取っているようです。 **脇腹を擽ると、胴体は整う [#j37d5589] -細かく言うと、 左右捻転運動では腰椎3番、 左右側屈では腰椎2番、 上下運動では腰椎1番、 前後運動では腰椎5番が関係しているそうですが、 それほど細かく考えなくても、 脇腹の擽ったがる所を擽っていれば、 胴体全体のバランスが良くなるという、 操体の脇腹擽りというのは優れた方法だな  と改めて思いました。 --そう言えば、 我が家の次男は、 赤ちゃんの頃は脇腹は擽ったがらなかったのですが、 段々擽ったがるようになっていき、 水泳や自転車の練習をしている頃には、 腕と胸の間だけでなく、 脇腹も擽っていた事を思い出しました。 ***擽りやカワが先で、動きの操体は、歩きがさまになってから [#i66f2e91] -それで、 小学校の低学年の頃は、 もっぱら擽り療法や、それと同じ効果のある 筆や歯ブラシや小児鍼のローラー  (痛くない程度にギザギザが沢山付いている   ローラーを皮膚の上で転がす道具、   擽るのと同じ効果があるし、   形が面白いので子供は大好きでした)  などを使って、 擽ったがる部分を擽っていました。 --それと、 寝ている間は、普段擽ったがる所へカワの操体をしました。 ---足を伸ばしたり曲げたりという 普通の動の操体はあまり喜ばないので出来ませんでした。 -自転車や水泳が出来るようになって、 歩き方が、踵を上げているとはいえ 直立に近づいた頃からは、 足を伸ばす、つまり、 内反尖足を強調する動きの操体を とても気持ちよいと言うようになり、 寝る前によくやりました。 --また、 足の指揉みと同じ効果のある、足の先のほう、 足指や踵へのお灸もしました。 ---指揉みよりもお灸のほうを面白がったからです。 *障害児に操体をどんどんしてあげてください [#oa59626f] -今回書いた、 直立2足歩行出来ないほど歪みのある場合には 膝裏よりも 脇腹を始めとする胴体の歪みを優先したほうが良い 場合が多いという点にさえ注意をすれば、 障害児の歪みや運動機能の改善には 操体は大変効果があります。 **操体は気持ちよいので、障害児からねだられる [#h0a9d226] -操体は気持ち良さを大切にするので、 障害児のほうから「操体をしてくれ」と言って せがまれるほどなのが良い点です。 --さすがに 中学2年生になった頃からはそういう事は減りましたが、 小学生の頃は 毎日夕食後や寝る前に操体をねだられていました。 ---飲み過ぎて酔っぱらってできないと良く怒られました。 --重度の障害児の訪問看護をしている方の話では 言葉が出てこない子でも目でせがんでくるようです。 -皆さんのまわりに障害を持ったお子さんがいらしたら、 ぜひ操体をしてあげてください。 --少しづつですが変わっていきます。 -できたら、 お母さんを始め家族の方に操体を伝えて、 毎日やるように勧めて下さい。 --痛い方法だと親子関係が壊れる場合がありますが、 操体は気持ち良さを大切にするので そういう事はありませんので、 安心して勧められます。 ***障害児の方への操体で、腕が上がる [#h6fe19ac] -それに、 そういう障害児の方に操体をしていく事で みなさんの操体の腕が上がっていくと思います。 --脳性麻痺などの障害の場合の筋肉の痼りの堅さは、 肩こりや腰痛などが酷い方とは 比べ物にならないほどの堅さで、 そういう痼りに操体していると、 肩こりなどは簡単だなと思えるようになります。 --また、 言葉によるコミュニケーションが取れない場合が多いので、 体の歪みを読む能力や、 力を加える方向や力のいれ具合を判断する能力、また、 患者さんが満足しているかどうかを判断する能力が 上がっていきます。 **障害児の方への操体は、1年単位で評価する [#n95b38c8] -ただ、あせらないでください。 毎日のように行っても、 1ヶ月単位では進歩が見られない事が多い  と思います。 --でも、諦めないでください。 ---1年続けて振り返ると 1年前とはだいぶ違っていると思います。 -ご家族の方に勧める場合のも、 その点をよく話してあげてください。 *次回は、息の話 [#h1c6bb2d] -今回は、 直立2足歩行できないほど 胴体の歪みが大きい場合には、 膝裏を中心に下半身を整える事から始めるよりも、 赤ちゃんの場合と同じ様に 脇腹を始め胴体の擽ったがる所を擽ったり、 そこにカワの操体をしたりして、 胴体の大雑把な歪みを先に正したほうが良いのでは・・・  という話を書きました。 -「操体の自然則」という事でしばらく書き続けてきましたが、 内容的には、「動」に関する物を先ず書いてきました。 --「操体」なので、 体を操る事すなわち「動」が中心となると思いますので。 が、これで、ひとまず、「動」については終わりにして、 操体をしている最中の息の変化について 次回から書いてみたいと思います。 *5.おわりに        >>>つぎへ>>>[[タワメの間の息]] ---- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、養生に ついての雑談や、症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){胴体の歪みと足の歪み}} ---- 操体もくもく・操体の自然則 (12) 胴体の歪みと足の歪み #contents *1.はじめに  先回は、&bold(){皮膚の操体では、シコりの上の皮膚の張りをたもつのがコツ} なんじゃないかなという話を書きました。  さて、今回は、胴体の歪みと手足の歪みの関係、とくに、足の歪み との関係を書いていきたいと思います。 *2.操体で下半身からととのえるのは、直立2足歩行するから  操体では、上半身の症状でも、まずは下半身の歪みをとり、バラン スをととのえることから、はじめます。  とくに膝裏のシコりをとることを大切にしています。  これは、ヒトが直立2足歩行するサルであることから来ています。  この場合の直立というのは、背骨が地面に対してほぼ垂直な状態に なっていて、その上に頭がのっているという意味です。  もちろん完全にまっすぐ垂直ではなく、横から見るとS字状のカー ブをえがいていますが、前後から見ると地面に対してほぼ垂直に立っ ています。  ダチョウなどの鳥や、それと近い恐竜など、2足歩行する動物は、 ほかにもいますが、彼らの背骨は地面に対してほぼ平行で、頭は前に つきでて、後ろにつきでた尾羽や尻尾とくんで、前後バランスを取っ ています。 **ロボットに2足歩行させるのは、むずかしい  いま、2足歩行ロボットの研究がさかんですが、バランスをとるの がむずかしく、人間が歩くように見える2足歩行を実現していくのは まだ時間がかかりそうです。  前にも書いたと思いますが、ヒトの歩行では、足跡の横幅は、腰の 横幅よりもせまいのですが、まだ、ロボットではそうなっていません。  どちらかというと、恐竜やダチョウをむりやり立たせたような格好 をしているし、歩き方もそういう歩き方です。シャモ(軍鶏)に似て いるなと思います。  また、歩き始めの赤ちゃんのトコトコ歩きは、足跡の横幅が腰の横 幅とほぼ同じですので、ロボットもまだその段階なのかなと思います。 *3.脳性麻痺の次男が歩き、泳げるようになるまで **頭から仙骨まで弓なりに前に反っていた  さて、前にも書きましたが、我が家の次男は超未熟児で産まれまし た。6ヶ月入院して帰ってきたときには、頭から仙骨までが一様に弓 なりに前に反った状態でした。  その当時は、まだ脳性麻痺という診断はされてはいませんでしたが、 その状態から見れば、当時から脳性麻痺だったと思われます。  ヒトの体は、腹筋に対しては背筋のほうが優位、つまり、背中の筋 肉のほうが強いので、脳性麻痺ではどうしても背筋の側の縮む力が強 くなり、背中側が縮むため、弓なりに前に反った姿勢になってしまう わけです。 ***猿回しのサルの背骨は、S字状  背骨がそういう状態ですから、なかなか歩けるようになりませんで した。  3歳すこし前に初めて歩いたときには、両手をあげて爪先立ちで、 5歩ほど歩いて、ころびました。  その歩き方を見て、ようやく脳性麻痺という診断が出ました。  あとで、猿回しのサルの横からのレントゲン写真を本で見て、背骨 がS字状にカーブしているのを知りました。また、猿回しのひとが、 小猿のときから腰や背中をマッサージなどして、背中や腰をやわらか くして、そういう背骨の状態にしていかないと2足歩行できないとい う話でした。  うーん、なるほど、次男がなかなか歩けなかったわけだなぁと、納 得しました。 **肺の負担をへらすため背中を柔らかくしたかった  当時も、くすぐったりしたりして、背中をやわらかくしたいなとは 思っていましたが、それは歩行のためというよりも、肺の負担をへら すという目的のほうが強かったのです。  主治医の説明では、「超未熟児は、肺が未発達のうちに肺呼吸をは じめるし、男性ホルモンと肺の発達がバッティングするので、肺に後 遺症が残る」ということでした。  病院から帰ってきたときには、酸素ボンベからのチューブを鼻の下 に張り付けていました。  操体で赤ちゃんの病気に良く効くと言われている脇腹くすぐり療法 の応用で、胸の腕よりをくすぐったおかげか、さいわい退院後5か月 ほどで、レントゲン撮影での肺の影が消え、酸素ボンベははずしてよ いことになりました。  それでも肺の機能はひくく、カゼをひきやすかったり、冬中ゼロゼ ロしたりしていました。  それで、胸まわりをしらべたら、胸のまわりの筋肉や胸と同じ高さ の脇や背中の筋肉がガチガチだったので、ほぐせば、すこしは呼吸が しやすくなり、肺の負担をへらせるかなと思ったわけです。 **PTの訓練は痛がって逃げ回っていた  脳性麻痺という診断がついたので、病院で定期的にPT(理学療法) の訓練をうけることになりました。  PTの先生は、やさしかったし、玩具を使ったりして楽しめるよう に工夫はしてくれたのですが、どちらかというと、縮んだ筋肉を伸ば す方向での訓練がおおかったので、次男はいたがって逃げ回っていま した。  それで、目標を聞いて、家では操体や按摩などして筋肉をほぐして、 なんとか目標を達成できるようにしていくことしかできませんでした。  また、小学校入学くらいから手先を使うOT(作業療法)の訓練も はじめたのですが、訓練の成果はあまり上がったとは言えない状態で した。 **小学校入学のころは体を前屈できなかった  それで、小学校入学するまでは、あまり長い距離を歩けず、自転車 の前籠に乗せるか、ベビーカーに乗せるかしていました。  短い距離を移動するときには、母親が手をつないで歩いていました が、体重が重くなってささえきれなくなったので、小学校入学のころ から、私が手をつないで歩くようになりました。  そのころの背骨の状態は、ようやく背中上部での前への湾曲がへり、 背中の上半分はまっすぐに近づいていました。  しかし、まだ、背中を前に曲げることはできないので、マット運動 の前転ができませんでした。 **自転車に乗る練習  小学校にはいるころには、自転車の前籠にものせにくい大きさになっ たし、超未熟児の割には重くて、前籠に乗せているとハンドルがふら つくようになりました。  フラッカーズという商品名の子供を前籠に乗せてもふらつかないと いうのが売りの、専用の自転車を利用していたのですが。  とくに、母親が自転車の前籠に乗せて移動するときの事故が心配に なってきたので、補助輪付きの自転車に乗る練習をはじめました。 ***小1で補助輪つきに乗れるまで  足は、伸筋優位、つまり、脳性麻痺では、足は伸ばしやすく曲げに くくなります。  そのため、ペダルに足をかけずに地面を足でけって前に進むキック キックという方法で自転車を前に進ませることも、はじめはできませ んでした。  それができるようになってから、つぎは、ペダルに足を乗せるのが なかなかできませんでした。  それができたら、今度は、ペダルを一周させるたびに、足がペダル から落ちてしまうという状態でした。  3ヶ月ほどかかって、なんとか、補助輪つきを乗れるようになりま した。 ***3年生で補助輪をはずすまで  3年生になって、補助輪つきに乗るには体も大きくなり、からかわ れたり、いじめられたりする原因にもなったので、補助輪をはずす練 習をはじめました。  明治神宮外苑で、休日に、大人になっても自転車に乗れない人に乗 り方を教えてくれるもよおしがひらかれていると聞いて、でかけまし た。  でも、はじめについてくれた指導者の人には、「この子には教えら れないな」と言われてしまいました。  それでも、何回かかよっているうちに、練習のやり方をおしえてく ださる指導者に出会えて、練習方法を知ることができ、まっすぐや左 回りはできるになりました。  右回りがなかなかできるようにならないので、私といっしょに近所 の公園でも練習しました。  3ヶ月たって、ようやく、1km四方くらいある、その広い公園の 幅4mくらいある遊歩道を止まらずに1周できるようになりました。  幅1m以下のせまい歩道を走れるようになるのには、それから1年 ほどかかりました。 **平泳ぎで海で遠泳をするまで  同じころ、泳ぎをならうために、PTさんから訓練をうけてクロー ルは泳げるようになりました。  でも「内反尖足の脳性麻痺児には一生平泳ぎはできません」と言わ れてしまいました。  それでも、本人はやりたがったので、毎週ちかくの温水プールにか よいました。  おぼれる可能性もあるので、後ろからゆっくり泳いでついていき、 見ていたら、手は、平泳ぎ風に動くのですが、足のほうは1年たって も両足とも棒のように後ろに伸びたままでした。  さすがに、そろそろ、あきらめさせたほうがよいかなと考えはじめ たころに、25m泳いでいる途中で1度だけ足が開きました。  次男につたえ、ほめたら、すごく喜んでいました。  それから、すこしづつ足が開く回数がふえ、初めて足が開いてから 1年ぐらいたって、なんとか足のほうも平泳ぎ風になっていきました。  水泳を習いはじめてから4年以上たっていました。  そして、中学1年生のときの臨海学校では、顔をあげた平泳ぎで、 海での遠泳を完泳し、医療関係者を唖然とさせました。 **スキーや縄とび、マットで前転も  また、障害者むきのスキー教室にかよい、スキーブラというスキー の先端が交差しないようにする補助具をつけてですが、簡単な斜面な ら、すべれるようになりました。  縄跳びもなんとかできるようになりました。  体を前に曲げることもできるようになり、マット運動の前転もでき るようになったし、字を書くときには、逆に、ノートに目を近づけす ぎて心配なほどになりました。 **手の訓練の成果が出るようになった  それで、そういうこと、つまり、自転車や平泳ぎやスキーなどがで きるようになってから、急に、手足の訓練の成果が上がるようになっ ていきました。  やりたくてもできなかったTVゲームのアクションものなど、複数 のボタンを組み合わせて速く続けて押すことが必要なゲームなども、 なんとかできるようになりました。  字も、なんとか1.5cm四方くらいの文字なら書けるようになりまし た。  保育園時代には、塗り絵をさせると、2,3cmはみ出してしまうほど しか手先のコントロールができなかった、つまり、線をかきはじめよ うとする点や、かきおえようとする点が2,3cmずれてしまうほど、手 がおおざっぱにしか動かなかったのですが。  小学校卒業時点では、時間をかければ、1cm四方の文字を書ける ようになりました。  作業療法の手先を動かす訓練も順調に進むようになり、担当のOT の先生から、「この子は脳性麻痺ではないんじゃないのかな」と言わ れるほどになりました。 **ハシも使えるようになった  自転車の訓練をはじめたころは、普通の人が1ステップでできるこ とを100ステップに分けて練習すれば、なんとかできるようになると いう状態でした。  中学生になったら、本人の好きなことなら10ステップ、興味のな いことでも30ステップに分ければ、なんとかなるかなぐらいには、 なりました。  そして、高校生になって、ようやくハシをなんとか使えるように なりました。  まだ、すべての面で普通の人と同じようにできるようになったわ けではなく、高校生になった今でもつま先立ちで歩いています。  そのほかにも、手描きの製図など練習してもできないことは、た くさんありますが、すくなくとも本人が好きなTVゲームなら、私 の苦手なアクションゲームの複雑で速いボタン操作もできるように なっています。 *体幹部のバランスが先で、手先の動きは後 [#x53d83ec] -ながなが書いてきましたが、 何が言いたいのかというと、 体幹部の基本的なバランスが取れていないと 手足のリハビリは効果を上げにくい  のではないかという事なのです。 --操体では、 下半身は土台だから、 先ず下半身の歪みを取るという目的で 膝裏の痼りを先ず見ていきますが、それは 背骨の状態がそれ程歪んでいない方に通用する事  だと思います。 ---我が家の次男の小学校入学前までの状態くらい 胴体に歪みがあると、 手足の操体をしても効果が上がりにくいのではないか  という事なのです。 **体幹部のバランスが取れたら手先のリハの効果が出始めた [#t6c678f8] -こうして、次男の成長を振り返ってみると、 体を動かす時の 胴体の大雑把なバランスが取れる状態になったとたんに 手足のリハビリの成果が上がりだした  ように思えるのです。 ++自転車で左右バランス、 ++クロールで左右捻転バランス、 ++縄跳びで上下バランス、 ++スキーで前後バランス、ついでに言えば、 ++平泳ぎで足を左右に開き戻す時のバランス。 ---おわかりとは思いますが、例えば スキーは前後の動的バランスが取れないと出来ませんし、 自転車は左右の動的バランスが取れないと乗れません。 ***直立2足歩行し難いほど歪みがある時は、胴体から [#i34197a9] -よくよく考えてみれば、 操体で下半身、特に膝裏から整えていくのは、 ヒトが直立2足歩行するサルである事から来ているわけで、 直立2足歩行できないほど胴体に歪みのある場合には、 胴体の歪みを先に正したほうが良い  というのは当たり前の話かも知れません。 --でも、 今まであまり話題になった事はないように思いますし、 私自身 次男にずっと付き合ってきてようやく解った事です。 ---始めから解っていたら、 赤ちゃんの頃にそういう視点で操体をしていたら もう少し歪みを減らせたかなと思いながら書いています。 *言葉の示す意味を理解しないと、振り回される [#q98dbdce] -言葉という物は一人歩きしやすい  なと改めて思います。 --その言葉が 産み出されたワケ(理由)を良く理解していないと、 一人歩きする言葉に振り回されて、判断を誤る  事に繋がります。 ---操体は自然則で作られているので、 そういう事は比較的少ないですが、 それでも 一人歩きする言葉に振り回されないよう 気を付けていきたいなと思います。 -また、 目で見て耳で聞いて手で触って確かめられる事から 「言葉」で語られた自然則や操体・操法の型までの道筋を、 大勢の方に納得していただけるような形で 書き残していく事を心がけていきたいと思います。 --よろしくお願いします。 **操体は一期一会、操体はライブ [#y99b6aa4] -数学のように、 言葉だけで作られた世界は 言葉のみで考え伝え合っていけますし、 機械のように、 言葉で書かれた仕様書に基づいて作られた物は 修理の際にも 仕様書に書かれた言葉を頼りにしていっても 間違いは少ないと思います。 --しかし、 人間の体のように自然な物を相手にする時には、 目で見て耳で聞いて手で触って確かめられる事で、 その「言葉」が実際に成り立っているかどうかを いつも確かめながら行動していかないと 判断を誤りやすくなるなと思います。 -そういう意味で、 操体というのは「一期一会」  なものだなと思います。 --なんて書くと若い方には通じませんね。 ---ようするに コーン先生がいつもおっしゃっているように 「操体はライブ」なんです。 *赤ちゃんは歩けないから、先ずは脇腹擽り [#h4c3fd52] -そう言えば、操体で 「赤ちゃんには脇腹擽りが良い」と勧めているのも、 赤ちゃんは直立2足歩行の段階にないので、 膝裏を整える事よりも、胴体を緩める事を優先する  という事なのかも知れません。 -胴体の大きな動的バランスを考えると、 脇腹の在る部分、背骨で言うと腰椎の部分ですが、 その辺りが一番関係しているようです。 --腰椎には他の骨が繋がっていません。 ---他の胴体部分の背骨、 胸の部分の胸椎には肋骨が、 お尻部分の仙骨には骨盤が繋がっています。 --他の骨が繋がってないので動きやすいせいか、 胴体の部分の動的バランスを取る時には、 この腰椎の高さの部分を一番動かして バランスを取っているようです。 **脇腹を擽ると、胴体は整う [#j37d5589] -細かく言うと、 左右捻転運動では腰椎3番、 左右側屈では腰椎2番、 上下運動では腰椎1番、 前後運動では腰椎5番が関係しているそうですが、 それほど細かく考えなくても、 脇腹の擽ったがる所を擽っていれば、 胴体全体のバランスが良くなるという、 操体の脇腹擽りというのは優れた方法だな  と改めて思いました。 --そう言えば、 我が家の次男は、 赤ちゃんの頃は脇腹は擽ったがらなかったのですが、 段々擽ったがるようになっていき、 水泳や自転車の練習をしている頃には、 腕と胸の間だけでなく、 脇腹も擽っていた事を思い出しました。 ***擽りやカワが先で、動きの操体は、歩きがさまになってから [#i66f2e91] -それで、 小学校の低学年の頃は、 もっぱら擽り療法や、それと同じ効果のある 筆や歯ブラシや小児鍼のローラー  (痛くない程度にギザギザが沢山付いている   ローラーを皮膚の上で転がす道具、   擽るのと同じ効果があるし、   形が面白いので子供は大好きでした)  などを使って、 擽ったがる部分を擽っていました。 --それと、 寝ている間は、普段擽ったがる所へカワの操体をしました。 ---足を伸ばしたり曲げたりという 普通の動の操体はあまり喜ばないので出来ませんでした。 -自転車や水泳が出来るようになって、 歩き方が、踵を上げているとはいえ 直立に近づいた頃からは、 足を伸ばす、つまり、 内反尖足を強調する動きの操体を とても気持ちよいと言うようになり、 寝る前によくやりました。 --また、 足の指揉みと同じ効果のある、足の先のほう、 足指や踵へのお灸もしました。 ---指揉みよりもお灸のほうを面白がったからです。 *障害児に操体をどんどんしてあげてください [#oa59626f] -今回書いた、 直立2足歩行出来ないほど歪みのある場合には 膝裏よりも 脇腹を始めとする胴体の歪みを優先したほうが良い 場合が多いという点にさえ注意をすれば、 障害児の歪みや運動機能の改善には 操体は大変効果があります。 **操体は気持ちよいので、障害児からねだられる [#h0a9d226] -操体は気持ち良さを大切にするので、 障害児のほうから「操体をしてくれ」と言って せがまれるほどなのが良い点です。 --さすがに 中学2年生になった頃からはそういう事は減りましたが、 小学生の頃は 毎日夕食後や寝る前に操体をねだられていました。 ---飲み過ぎて酔っぱらってできないと良く怒られました。 --重度の障害児の訪問看護をしている方の話では 言葉が出てこない子でも目でせがんでくるようです。 -皆さんのまわりに障害を持ったお子さんがいらしたら、 ぜひ操体をしてあげてください。 --少しづつですが変わっていきます。 -できたら、 お母さんを始め家族の方に操体を伝えて、 毎日やるように勧めて下さい。 --痛い方法だと親子関係が壊れる場合がありますが、 操体は気持ち良さを大切にするので そういう事はありませんので、 安心して勧められます。 ***障害児の方への操体で、腕が上がる [#h6fe19ac] -それに、 そういう障害児の方に操体をしていく事で みなさんの操体の腕が上がっていくと思います。 --脳性麻痺などの障害の場合の筋肉の痼りの堅さは、 肩こりや腰痛などが酷い方とは 比べ物にならないほどの堅さで、 そういう痼りに操体していると、 肩こりなどは簡単だなと思えるようになります。 --また、 言葉によるコミュニケーションが取れない場合が多いので、 体の歪みを読む能力や、 力を加える方向や力のいれ具合を判断する能力、また、 患者さんが満足しているかどうかを判断する能力が 上がっていきます。 **障害児の方への操体は、1年単位で評価する [#n95b38c8] -ただ、あせらないでください。 毎日のように行っても、 1ヶ月単位では進歩が見られない事が多い  と思います。 --でも、諦めないでください。 ---1年続けて振り返ると 1年前とはだいぶ違っていると思います。 -ご家族の方に勧める場合のも、 その点をよく話してあげてください。 *次回は、息の話 [#h1c6bb2d] -今回は、 直立2足歩行できないほど 胴体の歪みが大きい場合には、 膝裏を中心に下半身を整える事から始めるよりも、 赤ちゃんの場合と同じ様に 脇腹を始め胴体の擽ったがる所を擽ったり、 そこにカワの操体をしたりして、 胴体の大雑把な歪みを先に正したほうが良いのでは・・・  という話を書きました。 -「操体の自然則」という事でしばらく書き続けてきましたが、 内容的には、「動」に関する物を先ず書いてきました。 --「操体」なので、 体を操る事すなわち「動」が中心となると思いますので。 が、これで、ひとまず、「動」については終わりにして、 操体をしている最中の息の変化について 次回から書いてみたいと思います。 *5.おわりに        >>>つぎへ>>>[[タワメの間の息]] ---- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、養生に ついての雑談や、症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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