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操体症例問答no.5 - (2010/08/28 (土) 11:33:46) の1つ前との変更点

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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ----- &sizex(4){&color(green){操体症例問答no.5 }}&sizex(6){&color(green){操体あらマッサージ}} ----- #contents *(1)はじめに  遊風の操体掲示板にのせた操体症例4つめです。  仙台のコーン先生がなさっている症例報告風に書いてみた例です。 *(2)操体あらマッサージ **マッサージを頼まれたけど  このあいだ、腰と膝が悪いという婆ちゃんにマッサージをたのまれ たときの例を、コーン先生の操体ライブ風に書いてみました。  そしたら、お茶を飲んでいる時間もふくめて、たかが40分から50分 くらいのことなのに、長くなってしまいました。  私は、操体などをしているときには、自分の意識も半分くらいは、 とんでしまってボッとしていることがおおいので、思い出すのが大変 でした。 **実際には 私「おばあちゃん、どこがつらいの?」 婆「膝と腰だね」  辛いのか、ちょっとぶっきらぼう。 私「左と右でちがいがある?」 婆「わしゃ、全部左、どこも左なんだよ」 私「片側の腰や膝が悪いときは、   そっちを上にしてマッサージしたほうが   されているときラクだと思うよ。   ちょっと、横向きに寝てみて、ラクな格好をさがしてみよ」  婆ちゃんは、もぞもぞと横になる。 うーん、動きはゆっくり、少しぎこちない、 これは、確かに悪そうだなと思う。  婆ちゃんの後ろにまわって、 私「上になった足はもうすこし前のほうがラクじゃない?」  と言いながら、 下になっている右足の膝の前に、左足の膝をおく。 婆「うーん、そうかな、そうみてえだな」  腰の上になっている部分を左膝のほうへ押しながら 私「こうすると、もうすこし、いい感じかな?」 婆「うん、良さそう」  ばあちゃんのおなかに息がはいったのを目でたしかめながら、 腰を押すのを手から立てた左膝に代える。  この時点で、もう、横向き寝からの重さというか動きというかの操 体にはいっているわけです。  これは、すでにおわかりのように、あお向き寝からの膝たおしの変 形版の操法になっています。 私「肩のほうはどうかな?」  と言いながら、右手で上になっている左肩を動かしてみる。ほんの すこし動かしただけで後ろ側にスーッと動いていく。左腰から左膝に かけてと並行で、向きは逆、つまり、この婆ちゃんの体は、いま、ね じれたがっているのがわかる。  こういう場合には、このような姿勢になる場合が半分以上ですが、 肩も前のほうへ動かしたがる場合もあります。  ほんのすこしの力では動かなくなったところで止めて、ふれている 部分の皮膚を、すこし、いままで動いて来た方向にずらす。  ここまでで、3分くらいかな。  おなかの息が深いのを目でたしかめたあと、チラッと顔を見ながら 私「こっちのほうがいいみたいだねぇ。これでいいかな?」 婆「うん、それいい」 私「じゃあ、ラクな姿勢になれたから、   これからマッサージしていくけど、   痛かったり、逆に、物足りなかったりしたら言ってね。   合わせるから。   あと、姿勢を変えたくなったら言ってね。   同じ姿勢だと、つらくなることもあるから。」 私「それで、腰や膝が痛いときに、   そういう痛いところからマッサージはじめるよりも   足の指からはじめたほうがつらくないことがおおいから、   足の指からやってみるね。   腰や膝の痛いときは、   足の小指やとなりの指にシコリが出ていることがおおいんだ」  実際に、寝返りも打てないほどのぎっくり腰のときには、その人が 固まっている姿勢から施術するのはもちろんのこと、足の指もみから はじめないと痛がって患部の腰にさわれないことすらあります。  そう言いながら、腰を押す膝を右に代え、左手で婆ちゃんの左足の 小指の指裏の関節のとなりの指よりを押す。  右手は肩のあたりの皮膚をズラす皮膚の操体をしたまま。腰を押す 膝を変えたのは、力をいれるほうに操者の体の正中腺をむけるため。 婆「イタた、ホントだ」  となりの指の小指よりの指裏関節部も押す。 私「こっちも痛いでしょ」 婆「おー、ホントにイテェや」 私「ここの指と指のあいだも痛いことがおおいんだよね」  と言いながら、指のあいだの水かき状の部分を押す。 婆「おー、いて、よくわかるね」 私「まぁ、このあたりは、   腰や膝の悪い人は、たいてい痛いからね」  と言い、痛い動きですこし姿勢が変わったのに対して、右膝や右手 に感じる圧を一定にするよう、加えている力を調節しながら、足指に くわえた圧をよわめ、かるく、小指ととなりの指の裏や、あいだの水 かきを、しばらく、もむ。 私「小指ととなりの指をもむと、腰や膝の痛いのが軽くなるからね、   自分でもやると良いよ」  指裏がゆるんだころ、まだ、姿勢を変えたがっていないことを、右 手と右膝に受ける圧の変化で確認したあと、腰を押す膝を左に変え、 左手で、腰のあばら骨と骨盤のあいだをかるくマッサージしながら、 状態を調べていく ---(この時に必要に応じて、  肩の皮膚をズラす手を左手に変えて、  右手で腰をマッサージした可能性もあるが、  操体をしている最中はこちらの意識も半分ボッとしているので  良く覚えていない)。 ---こういう場合には、 骨盤に近い側の脊柱起立筋にシコリがある事が多い。 --見つかったシコリに手を当てて、 骨盤に押しつけるような圧力をかける。 少し強めに掛け、目をお腹から顔に移して ---(痛さを確認する時以外はお腹を見ている事が多い) -私「ここ痛いかな?」 -婆「おー、そこそこ」 --先ほどと同じように、 痛い動きで少し姿勢が変わったのに対して 左膝や肩に当てた手に感じる圧を一定にするよう 加えている力を調節しながら、 腰に加えた手の圧を少し弱め、 指圧というよりも、カワの操体の「沈」方向というか、 奥の方のシコっている筋肉に対する重さの操体という感じで 圧を加えていく。 -私「このシコリ大きめだね。   ここは腰の悪い人のポイントだから、   少し時間掛けるよ。」 ---この方法は、指圧と違って時間が長く (指圧は5から10秒ですが、1分以上は圧をかけます)、 シコリの状況に応じて 圧をかける方向や圧の強さを刻々と変化させていく 処に特徴があります。 ---橋本敬三・翁先生から操体を習った事のある増永静人先生の 医王会に経絡指圧を習いに行った時に、 直接習ったお婆ちゃんの先生に、この方法をやったら、 「とっても気持ちいいけど、貴方のは指圧じゃないね」 と言われてしまい、さすがプロだなと思いました。 でも、普通の方、素人の方にはわからないし、 「とっても気持ちいい」そうなので、 操体的には良いかなと思って、やっています。 ---解る方でもたいていは大丈夫です。 *「あんたのはちょっと変わってるね」 私「操体って言うのを入れてるんですよ。   気持ちよくないですか。   良くなければ普通のにしますから」 *「いや、気持ちいいから続けて」 という感じがほとんどです。 ---指でも、手のひらでも、肘でも、膝でも出来ます。 ---マッサージや按摩風な味付けをしたい時には、 加える圧はそのままに、 当てていない処を振ります。 ---肘を当てている時は手首や指、 指を当てている時には手首や肘を振ると、 受けている感じはマッサージや按摩のようになります。 ---スポーツ・マッサージ系の強揉み好きの方から #「ちょっと物足りねぇな」 と言われたら、 肘の先を当てて体重をかけ、手首を早めに振ります。 --腰痛のある方は、 あと二つよくシコリが出る処があるので、 そこも見ていく。それは、 腰骨と大転子を結んだ線から少し後ろ側の窪みとお尻中央。 -私「ここはどうかな」 -婆「痛いねぇ」 --お腹の息を見ながら、その二つの処にも 一見指圧風・重さの操体をしていく。 --その辺りのシコリが或る程度緩んだ頃、 まだ、姿勢を変えたがっていない事を 左膝や腰に当てた手に受ける圧の変化で確認しながら、 腰を押す膝を右に変え、 -私「次は膝だけど、   膝ってお皿の側が痛いように感じてても、   ホントは裏側のほうが痛い事が多いんだよ」 --と言いながら、膝裏のシコリを探る。 --親指寄りにも小指寄りにもシコリを見付け、 -私「ほら、此処と此処が痛いでしょう」 -婆「ホントにいてぇな」 -私「そうするとね、   ここの所から脹ら脛のほうまでずっと、   痛い処が繋がっている事が多いんだ」 --と言いながら、 そのスジというか、 筋肉と筋肉の間の溝を指圧風に押しながら辿っていき、 脹ら脛が終わる辺りのシコリを押す。 --親指側と小指側のラインを二本、順に行う。 -私「此処も痛いでしょ」 -婆「うー、いたた」 -私「この辺りのシコリを取らないと   膝の痛みって取れない事が多いんだよ」 -婆「そうけ、わしゃ膝の前ばっかりさすってたよ。   それで、良くならなかったんだ」 -私「後でやり方教えるからさ、   自分でもやってみてよ」 --と言いながら、指圧風カワの操体をしばらく続ける。 --つまり、 強さや方向を少しづつ変化させながら圧を加え続ける。 膝裏の2,3cm脹ら脛寄りと脹ら脛の終わる辺りの それぞれ親指寄りと小指よりの計4箇所に行う。 --或る程度緩んだ頃、 手のひらで大きく脹ら脛全体を掴んで 膝の方から足首の方へゆっくり揉んでいきながら、 緩み具合を確認する。 ---(マッサージを依頼された場合には、このように、  シコリを見付けたり、緩み具合を確認する手段として、  いわゆるマッサージの手法を使う事が多いです。  これに対して、操体を頼まれた時には、  手や指を皮膚の上で軽く滑らすように動かして探す事が多いです。  また、指圧風操法を普通のカワの操体にしますが、  体の状況によっては、  了解を得た上で圧を強めに加える事もありますし、  片手でカワ操体、もう一方では指圧風という組み合わせもします) --膝裏のシコリが緩んだ事を確認したのと、 ほぼ同時に、 右膝や右手に受ける圧の変化で 婆ちゃんが姿勢を変えたがっている事を確認し、 また、 お腹への息の入り具合が浅くなっている事も目で確かめながら、 -私「だいぶ良くなったみたいだね。   ちょっと確かめてみましょう。   すぐじゃなくていいからさ、   少し休んで起きあがれそうだったら、   ゆっくり起きあがって見て」 --(横向きに寝た姿勢が決まってからここまでせいぜい15分くらい) --婆ちゃんは、しばらく動かないでいてから、 もぞもぞと動き始める。 --起きる動きがちょっと速いので、 -私「ゆっくりね」 --辛そうな様子を見せずに立てたのを確認して、 -私「じゃぁ、ゆっくり、いろいろ動いてみて。   前に曲げるのはどうかな」 --婆ちゃんは、ゆっくり前に曲げていく。指先が足首辺りまでいく。 -私「前は、それくらい曲がればいいか、後ろはどうかな」 --後ろにも曲げて -婆「出来るね」 -私「他はどうかな、   体を捻ったり、横に曲げたり、ゆっくりやってみて」 --一通りやってみて -婆「なんともない、みんなできる」 -私「じゃあ、歩いてみて、ゆっくり」 --5歩ぐらい歩いてから -婆「なんともねぇだ、膝痛かったのに、   歩くのが辛くて外に行けねぇから来てもらったのに」 --と嬉しそう。始めた頃と声の調子が違う。 -私「正座はどうかな」 --ヒョイッと座って -婆「なんともねぇだ」 --辛い動きがあったら、 立ち姿勢での動きの操体や重さの操体、 それでも駄目そうなら、もう一度寝てもらって、 定番の操体なども試そうと思っていたのだが・・・。 -私「じゃ、いいのかな、肩とかは大丈夫」 --肩を回しながら -婆「肩は何ともねぇだ。   うん、もう治ったみたいだから、もういいよ。   ま、お茶でも飲んでって」 --スタスタサッサッと台所に消える。 --お茶をいただきながら、 -婆「わしゃ、お風呂で膝の上ばっかりさすってたよ。   裏だったとわなぁ」 -私「お風呂でさ、今度は、こうやって   両手の親指で膝の裏から脹ら脛にかけて、   押していくといいよ。」 --と、やって見せる。 --真似しながら -婆「こうかな」 -私「その時さ、痛い処があったら、押しながら   首をどっちかに回してみると痛くなくなるから。   今も少し痛い処残っているでしょう。   ちょっと、やってみて」 -婆「此処が痛いな、首を回すっと、   こっちかな、あっこっちだ、   ホントに痛みが少し減るだ」 -私「その痛みが減る格好をしばらく続けるといいんだよ。   首を戻したくなるまで。   場合によっては、   首回すだけじゃなくて、   上げたり下げたりするのが良い事もあるから、   工夫してみて」 -婆「ふーん、面白いね」 -私「仙台のお医者さんが始めたやり方でね、   操体って言うんだ。   少し痛いぐらいの膝の痛みなら取れるからやってみて。   あと、小指と隣の指を揉むのもついでにやるといーよ。   膝は、今、痛くなくなったけど、   家事したり無理したりすると、   また、痛み出すかもしれない。   ちょっと、痛くなったかなという時に   お風呂でやるといいよ。   それでも駄目なら電話して。」 -婆「うん、やってみる。   いいこと聞いただ。得したな。   腰はどうするね」 -私「腰は、おばあちゃんの場合は、   最初に横向きに寝た、あの姿勢で、   手をこういう風に伸ばしたら、   いい感じがしたでしょう。   あの格好をしてみるといいよ。   姿勢を変えたくなるまで。   腕を伸ばす方向が違う場合もあるから、   どっちにしたらいい感じになるか色々工夫してみて。」 --やってみせながら。 真似しながら -婆「あ、これね、へー、   それで腰痛く無くなるのかね」 -私「少し痛くなりかけたらやるといいよ。   あんまり無理して溜めちゃうと、   それだけじゃ駄目になるから。   それに、小指や隣の指を揉むのは、腰にもいいよ」 -婆「やってみる、いいこと聞いただ」 --マッサージの依頼で行って、操体を教えて帰ってきたという、 とても巧くいった例です。 --定番じゃないし、操体とは言えないかも知れない操法ですが、 この婆ちゃんの場合には、これが良いと思ったので、勧めました。 ---その方が既にやっている事を操体風に変えてみる と実行してくださる可能性が高くなります。 --その方のその時の体の状態に合った操体が見つからない時には、 立ち姿勢での重さの操体、特に、 テーブル位の高さの物に手をついて行う中腰尻振り運動 を伝える事が多いです。 ---家の中にはこの高さの物が多くて何処ででもやりやすいし、 直立2足歩行するヒトにとって基本的なバランス調整だと思うからです。 --この婆ちゃんのように、 自分でやってみようという気のある方には教えやすいです。 *(7)おわりに  質問などは、「[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]」のほうにおねがいします。    >>>つぎへ・・・[[操体症例問答no.5]] ----    >>>目次ヘ・・・・・・・・・[[症例問答]]    >>>このページのトップヘ・・[[操体症例問答no.4]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ------ *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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