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術伝流一本鍼no.41 - (2012/01/03 (火) 09:32:22) の1つ前との変更点
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&color(green){術伝流一本鍼no.41 (術伝流・養生の一本鍼・運動器編(10))}
&bold(){&size(24){&color(green){三叉神経痛の痛みが消えたら、}}}
&bold(){&size(24){&color(green){声を出すと痛くなった}}}
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#contents
*(1)はじめに
前回までの2回で、坐骨神経痛を取り上げました。今回は、三叉神
経痛です。
坐骨神経痛のときに、神経痛症状の特徴として、以下の2つを書き
ました。
① 神経痛症状のツボは、その神経が脳脊髄の高さから皮膚表面に立ち
上がってくるところに出やすい
② そのツボの奥で過緊張した筋肉が出す異常活動電位の影響で、神経
に異常なインパルスが生じるのではないか
この2つは、三叉神経痛でも同じです。
三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくるのは、側頭部と頭頂部の境
目で、耳の頭頂よりあたりだそうです。三叉神経痛の人のそのあたり
をさがすと、皮膚がブヨブヨしているところがみつかります。そこが
三叉神経痛のポイントのツボです。
そこの邪気を経絡的に関連する手甲にひいたり、そこに刺鍼したり
するのが、三叉神経痛の鍼灸治療のコツです。
慢性期では、慢性期の養生の型と組み合わせて施術します。
(2)症例
三叉神経痛、および、歯の炎症と痛みのあるという人。
まず、慢性期の養生の型で診察、脈、顔、舌、腹診などをしました。
(写真1)。
&ref(DSCF4794.JPG)写真1
それから、あお向けで、手順通りに、手の陰陽、横腹、小腹、大腹、
足の陰陽の順で施術しました。腹とそれに関係する足のツボをとくに
みました(写真2、3)
&ref(DSCF4809.JPG)写真2
&ref(DSCF4814.JPG)写真3
うつ伏せも、手順通りに背腰足の順で施術しました。とくに、腹に
関係していそうな背のツボと、脹脛のツボをていねいにみました
(写真4,5)。
&ref(DSCF4830.JPG)写真4
&ref(DSCF4836.JPG)写真5
そのあと、座位で、顎関節あたりの痛みとその原因のツボ探しをし
ました(写真6、7)。
&ref(DSCF4842.JPG)写真6
&ref(DSCF4843.JPG)写真7
経絡的相関というか、位置的に顎の痛みに関係しそうな手甲のツボ
をさがしたら、3~4間に出ていました。そこに刺鍼し(写真8)、引
き鍼しながら、口を開けたり閉じたり(写真9)、首をねじったり
(写真10)してもらいました。
&ref(DSCF4844.JPG)写真8
&ref(DSCF4848.JPG)写真9
&ref(DSCF4849.JPG)写真10
上歯の痛みが残っているということで、手の八邪を調べたら、位置
の関係からか、1~2間が硬い状態でした。そこで、合谷に刺鍼しなが
ら、口の開け閉めをしてもらいました(写真11)。そしたら、すこし
中央よりに痛みが移ったということで、合谷から親指方向に鍼を向け
(写真12)、刺鍼しました(写真13)。痛みは消えました。
&ref(DSCF4853.JPG)写真11
&ref(DSCF4854.JPG)写真12
&ref(DSCF4855.JPG)写真13
そのあと、三叉神経痛のときによくツボが出る側頭部と頭頂部の境
目にツボをさがしました(写真14)。くりかえしになりますが、三叉
神経が皮膚表面に立ち上がってくるところあたりです。そして、その
ツボに刺鍼しました(写真15)。
&ref(DSCF4857.JPG)写真14
&ref(DSCF4858.JPG)写真15
それから、口を開け閉めするときにいっしょに動くであろう首にツ
ボが出ていないか調べました。出ていたツボに順に刺鍼しました
(写真16,17)。
&ref(DSCF4860.JPG)写真16
&ref(DSCF4862.JPG)写真17
そのあと、顎関節のところに出ていたツボにも刺鍼しました
(写真18)。
&ref(DSCF4864.JPG)写真18
ここまでの施術で、動かしたりするときの痛みはすっかり消えまし
た。が、声を出すと痛みが出るとのことでした。
声を出すのに関係するだろうなと、喉から胸にかけて見てみたら、
鎖骨から胸骨にかけてが真っ赤になっていました。面積がひろいので、
楊枝を輪ゴムで束ねたものを使って散鍼しました(写真19)。その上
のノドのまわりがそこにくらべて赤みがまるでないので、変だなと思
い、ノドまわりも散鍼してみたら、ノドまわりも真っ赤になっていき
ました(写真20)。
&ref(DSCF4866.JPG)写真19
&ref(DSCF4867.JPG)写真20
そのあと声を出してもらったら、痛くなくなったということでした。
熱邪が奥にこもっていて、そのため声を出すときに痛かったのだろう
なと思いました。
仕上げとして、頭に散鍼し(写真21)、手の甲に引き鍼して
(写真22)、後始末しました。
&ref(DSCF4868.JPG)写真21
&ref(DSCF4870.JPG)写真22
声を出すと痛いということで、非常に面白い経験をさせてもらった
感じがしました。
全体的には、典型的な上衝という感じに見えました。三叉神経痛に
よる顎の痛み、歯の痛み、声を出すときの痛み、みな上衝した邪気に
よるもの、つまり、上衝による症状が表位の少陽~陽明に出たという
ことです。
そして、長いこと続いていることから、その上衝が恒常的であるこ
とになります。その視点にたてば、慢性期の養生としては、腹を改善
し、恒常的な上衝をおさめていく必要があることになります。
そういう意味で、東洋医学的な病証の把握も大切なことを思い起こ
させる症例でした。
つぎへ>>>[[術伝流一本鍼no.42]]
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>>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流一本鍼(あ)]]
>>>このページのトップヘ・・[[術伝流一本鍼no.41]]
>>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]]
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術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。
また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。
よろしくお願いします。
**間違いなど
間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の
参加者を募集しています。
よろしくお願いします。
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&bold(){&size(24){&color(green){三叉神経痛の痛みが消えたら、}}}
&bold(){&size(24){&color(green){声を出すと痛くなった}}}
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#contents
*(1)はじめに
前回までの2回で、坐骨神経痛を取り上げました。今回は、三叉神
経痛です。
坐骨神経痛のときに、神経痛症状の特徴として、以下の2つを書き
ました。
① 神経痛症状のツボは、その神経が脳脊髄の高さから皮膚表面に立ち
上がってくるところに出やすい
② そのツボの奥で過緊張した筋肉が出す異常活動電位の影響で、神経
に異常なインパルスが生じるのではないか
この2つは、三叉神経痛でも同じです。
三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくるのは、側頭部と頭頂部の境
目で、耳の頭頂よりあたりだそうです。三叉神経痛の人のそのあたり
をさがすと、皮膚がブヨブヨしているところがみつかります。そこが
三叉神経痛のポイントのツボです。
そこの邪気を経絡的に関連する手甲にひいたり、そこに刺鍼したり
するのが、三叉神経痛の鍼灸治療のコツです。
慢性期では、慢性期の養生の型と組み合わせて施術します。
*(2)症例
三叉神経痛、および、歯の炎症と痛みのあるという人。
まず、慢性期の養生の型で診察、脈、顔、舌、腹診などをしました。
(写真1)。
&ref(DSCF4794.JPG)写真1
それから、あお向けで、手順通りに、手の陰陽、横腹、小腹、大腹、
足の陰陽の順で施術しました。腹とそれに関係する足のツボをとくに
みました(写真2、3)
&ref(DSCF4809.JPG)写真2
&ref(DSCF4814.JPG)写真3
うつ伏せも、手順通りに背腰足の順で施術しました。とくに、腹に
関係していそうな背のツボと、脹脛のツボをていねいにみました
(写真4,5)。
&ref(DSCF4830.JPG)写真4
&ref(DSCF4836.JPG)写真5
そのあと、座位で、顎関節あたりの痛みとその原因のツボ探しをし
ました(写真6、7)。
&ref(DSCF4842.JPG)写真6
&ref(DSCF4843.JPG)写真7
経絡的相関というか、位置的に顎の痛みに関係しそうな手甲のツボ
をさがしたら、3~4間に出ていました。そこに刺鍼し(写真8)、引
き鍼しながら、口を開けたり閉じたり(写真9)、首をねじったり
(写真10)してもらいました。
&ref(DSCF4844.JPG)写真8
&ref(DSCF4848.JPG)写真9
&ref(DSCF4849.JPG)写真10
上歯の痛みが残っているということで、手の八邪を調べたら、位置
の関係からか、1~2間が硬い状態でした。そこで、合谷に刺鍼しなが
ら、口の開け閉めをしてもらいました(写真11)。そしたら、すこし
中央よりに痛みが移ったということで、合谷から親指方向に鍼を向け
(写真12)、刺鍼しました(写真13)。痛みは消えました。
&ref(DSCF4853.JPG)写真11
&ref(DSCF4854.JPG)写真12
&ref(DSCF4855.JPG)写真13
そのあと、三叉神経痛のときによくツボが出る側頭部と頭頂部の境
目にツボをさがしました(写真14)。くりかえしになりますが、三叉
神経が皮膚表面に立ち上がってくるところあたりです。そして、その
ツボに刺鍼しました(写真15)。
&ref(DSCF4857.JPG)写真14
&ref(DSCF4858.JPG)写真15
それから、口を開け閉めするときにいっしょに動くであろう首にツ
ボが出ていないか調べました。出ていたツボに順に刺鍼しました
(写真16,17)。
&ref(DSCF4860.JPG)写真16
&ref(DSCF4862.JPG)写真17
そのあと、顎関節のところに出ていたツボにも刺鍼しました
(写真18)。
&ref(DSCF4864.JPG)写真18
ここまでの施術で、動かしたりするときの痛みはすっかり消えまし
た。が、声を出すと痛みが出るとのことでした。
声を出すのに関係するだろうなと、喉から胸にかけて見てみたら、
鎖骨から胸骨にかけてが真っ赤になっていました。面積がひろいので、
楊枝を輪ゴムで束ねたものを使って散鍼しました(写真19)。その上
のノドのまわりがそこにくらべて赤みがまるでないので、変だなと思
い、ノドまわりも散鍼してみたら、ノドまわりも真っ赤になっていき
ました(写真20)。
&ref(DSCF4866.JPG)写真19
&ref(DSCF4867.JPG)写真20
そのあと声を出してもらったら、痛くなくなったということでした。
熱邪が奥にこもっていて、そのため声を出すときに痛かったのだろう
なと思いました。
仕上げとして、頭に散鍼し(写真21)、手の甲に引き鍼して
(写真22)、後始末しました。
&ref(DSCF4868.JPG)写真21
&ref(DSCF4870.JPG)写真22
声を出すと痛いということで、非常に面白い経験をさせてもらった
感じがしました。
全体的には、典型的な上衝という感じに見えました。三叉神経痛に
よる顎の痛み、歯の痛み、声を出すときの痛み、みな上衝した邪気に
よるもの、つまり、上衝による症状が表位の少陽~陽明に出たという
ことです。
そして、長いこと続いていることから、その上衝が恒常的であるこ
とになります。その視点にたてば、慢性期の養生としては、腹を改善
し、恒常的な上衝をおさめていく必要があることになります。
そういう意味で、東洋医学的な病証の把握も大切なことを思い起こ
させる症例でした。
つぎへ>>>[[術伝流一本鍼no.42]]
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**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
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よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。
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養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。
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