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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体no.69 【6】自然則篇 (5) 末端の動きと体重移動での違いは &size(24){&color(green){末端の動きと体重移動での違いは}} ------ #contents *1.はじめに  先回は、操体の気持ちよさを深める工夫として、「体重移動」 と「末端の動き」、この2つの組み合わせを取り上げました。  今回は、その2つをキッカケにする2種類の操体の違いを見て いきます。つまり、「末端の動き」をキッカケにする場合と「体 重移動」をキッカケにする場合大雑把な違いを書きます。 *2.末端キッカケの方が分かりやすい  先ず、末端の手首・足首の動きをキッカケにする操体は、何と 言っても、分かりやすいのが特徴ですね。本で読んでも、実演を 見ても、割と直ぐに何をしているのかが理解しやすいと思います。  操体って言うと、仰向け膝立て足首背屈(爪先上げ、写真1) というイメージがあるのも、中腰尻振り運動などに比べて、本を 読んだだけでも、だいたい何をしているのか理解しやすいからで しょう。 &ref(DSCF4167.jpg)写真1  比較すると、中腰尻振り運動(写真2)などは、本を読んだだ けでは何をやっているか理解しにくいし、実演を見ても何をして いるのだろうという感じと思います。また、自分でやってみても、 初めのうちは、何をどう調節すると気持ちよさが深くなるか、分 かりにくいと思います。 &ref(DSCF4170.jpg)写真2 *2.末端キッカケは、全身に連動させにくい  しかし、末端をキッカケにする操体は、その動きを頭で理解し やすい反面、操体がまとまりにくい面があるような気がします。  バラバラになりやすいというか、注意していないと末端の動き だけになって全身に連動しにくいものになりやすいです。言い換 えれば、体丸事の気持ちよさを感じにくい、形だけの操体になっ てしまう可能性が高いです。  末端の手首や足首は、動く範囲も広いし、動く方向も沢山あり ます。また、手首足首の関節自体も色々な動き方(4種8方向) をします。そのため、その中から、その時の体全体の歪みにピッ タリあった一つの姿勢(タワメの間)を見付けることが難しいた めだと思います。 *3.体重移動キッカケは、体丸事の気持ちよさが出やすい  それに比べて、中腰尻振り運動など体重移動をキッカケにする 操法は、できるようになれば、全身に連動しやすく、体の動きが バラバラになりにくく、体まるごとの気持ちよさを味わいやすい 感じがします。  体重移動できる範囲が狭いし、慣れてくると、どちらに動かし たら気持ちよいか感じやすいためだと思います。原始感覚という か勘というかが働きやすいようです。 *4.膝首などキッカケは、末端キッカケと体重移動キッカケの中間  膝を動かしたり(写真3)、首を動かしたりは、手首・足首を キッカケにする場合と、体重移動をキッカケにする場合の中間 くらいに思います。やや、末端をキッカケにする場合に近いと 言えます。 &ref(DSCF4172.jpg)写真3  手の平を頭の後ろに置き、親指を支点に手首の捻転をキッカケ にする操体(写真4)など、手を体に付けた状態から始めたり、 合掌した手や組んだ腕の肘(写真5)をキッカケにする操体など も、同じように中間くらいだと思います。 &ref(DSCF4177.jpg)写真4 &ref(DSCF4180.jpg)写真5  つまり、まとめてみると、以下の2つのことが言えます。 (1)手首足首をきっかけにする操体よりも、初めは理解しにく いけれど、できると全身に連動しやすい (2)体重移動よりは、初めは理解しやすいけれど、全身に連動 させにくい *5.求心性の動きの方がまとまりやすい  また、手首足首を体から遠ざけていく動作を、手首足首を体に 近づけていく動作と比較すると、遠ざけていく方が見た目に理解 しやすいけれど、バラけやすく、まとまりにくいということも言 えます。  これも動く範囲が広く、方向も沢山あることから来ています。  たとえば、うつ伏せで尻に踵が着かない場合に、その足を伸ば すように誘導する操体(写真6)が良い例になります。 &ref(DSCF4185.jpg)写真6  この操体は、足首を体から遠ざけることをキッカケにしている せいか、定番の動きの操体の中では、効果を出せるようになるの が難しいとされているようです。  また、足は重いので一定の姿勢を長い時間にわたって続けるこ とが難しいことからも来ていると思います。  私は、自分でも余りこの操体、うつ伏せからの足伸ばし操体を しません。また、初心者に伝えることもあまりしません。やって みせることはしますが、できるように練習しなさいとは言いませ ん。  同じ効果が出せて、もっと簡単に身に付けられる方法があるか らです。  それは、尻に近づきやすい方の足の踵を少し余分に尻に近づけ るという方法です(写真7)。 &ref(DSCF4186.jpg)写真7  足首付近を持って、ゆっくり尻に近づけていきます。途中で反 対側の足の方に倒れていくことが多いです。抵抗が少ない方に倒 していきます。  動きづらくなった時点で足首を押すのはやめ、操者の反対側の 手でキッカケにした足首の延長の膝を持ち上げると気持ちよさが 深くなりやすいです。  気持ちよさがかなり長い時間にわたって続くので、正座状態な どの操者の膝の上に持ち上げた受け手の大腿部を乗せてしまうと ラクです(写真8)。 &ref(DSCF4188.jpg)写真8  腹に息が深く入っていることを確認します。この形まで持って いくと、患者さんの胴体部分の体重を移動させていることにもな ります。  気持ちよさが減ったり、受け手の腹の息が浅くなったり、受け 手が姿勢を変えたくなったりしたら、終わります。足を伸ばして から、反対側の足を尻に近づけていくと、この操体をする前より も尻に近づきやすくなっていると思います。  言葉だけで操体を伝えるのは難しいので、あまり操体のイメー ジが湧かないかもしれませんが、実際にやってみると簡単ですし、 足を伸ばしてくる定番の操体よりも身に付けるのも簡単です。  定番と同じ効果が出るのは、背骨に伝わる動きが同じになるか らだと思います。  末端をキッカケにする操体がバラけてしまって、なかなか、ま とまらないときには、このように、背骨に同じ動きを作り出す、 重さの操体や、それに近い、末端を胴体に近づける操体にしてみ ます。  そうすると、体全体に動きが伝わりやすく、体丸事の気持ちよ さが味わいやすくなるようです。試してみてください。  この「足首を尻に近づける」操体は、両足の踵がどちらも尻か ら遠い場合には使えません。その場合には、伸ばした受け手の足 の大腿部の下に操者の大腿部を入れて少し持ち上げ、受け手の大 腿部や脹ら脛に皮膚の操体(写真9)をすると効果が出ます。 &ref(DSCF4189.jpg)写真9  大腿部を持ち上げるのは、足を伸ばす定番の操体の時と大腿の 高さを同じくらいにするためです。高さの調節が巧くいかないと きには、座布団やクッションを受け手の大腿の下に積み上げても 良いと思います(写真10)。 &ref(DSCF4190.jpg)写真10  脹ら脛には、手の平も指も丸く当てて、親指側に捻転しながら 足首方向へのズラシを付け加えます。大腿部には、手の平を置い た状態から同じようなズラシを加えると効果的です。  これは、その方向への皮膚ズラシと、足の伸展が体にとっては 同じことだからのようです。  足首を持って伸ばすよりも、操体がまとまりやすく、現代の人 には気持ちよいと言ってもらえる可能性も高くなります。  また、持ち上げているのに比べるとラクなので、長い時間続け られます。それで、増々、受け手に気持ちよさを感じてもらいや すいようです。ヤジウマしてみてください。    次へ >>> [[術伝流操体no.70]] -----    >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.69]]    >>> 術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
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