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術伝流操体no.69 - (2015/03/18 (水) 15:06:58) の1つ前との変更点
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術伝流操体no.69
【6】自然則篇 (5) 末端の動きと体重移動での違いは
&size(24){&color(green){末端の動きと体重移動での違いは}}
------
#contents
*1.はじめに
先回は、操体の気持ちよさを深める工夫として、「体重移動」
と「末端の動き」、この2つの組み合わせを取り上げました。
今回は、その2つをキッカケにする2種類の操体の違いを見て
いきます。つまり、「末端の動き」をキッカケにする場合と「体
重移動」をキッカケにする場合大雑把な違いを書きます。
*2.末端キッカケの方が分かりやすい
先ず、末端の手首・足首の動きをキッカケにする操体は、何と
言っても、分かりやすいのが特徴ですね。本で読んでも、実演を
見ても、割と直ぐに何をしているのかが理解しやすいと思います。
操体って言うと、仰向け膝立て足首背屈(爪先上げ、写真1)
というイメージがあるのも、中腰尻振り運動などに比べて、本を
読んだだけでも、だいたい何をしているのか理解しやすいからで
しょう。
&ref(DSCF4167.jpg)写真1
比較すると、中腰尻振り運動(写真2)などは、本を読んだだ
けでは何をやっているか理解しにくいし、実演を見ても何をして
いるのだろうという感じと思います。また、自分でやってみても、
初めのうちは、何をどう調節すると気持ちよさが深くなるか、分
かりにくいと思います。
&ref(DSCF4170.jpg)写真2
*2.末端キッカケは、全身に連動させにくい
しかし、末端をキッカケにする操体は、その動きを頭で理解し
やすい反面、操体がまとまりにくい面があるような気がします。
バラバラになりやすいというか、注意していないと末端の動き
だけになって全身に連動しにくいものになりやすいです。言い換
えれば、体丸事の気持ちよさを感じにくい、形だけの操体になっ
てしまう可能性が高いです。
末端の手首や足首は、動く範囲も広いし、動く方向も沢山あり
ます。また、手首足首の関節自体も色々な動き方(4種8方向)
をします。そのため、その中から、その時の体全体の歪みにピッ
タリあった一つの姿勢(タワメの間)を見付けることが難しいた
めだと思います。
*3.体重移動キッカケは、体丸事の気持ちよさが出やすい
それに比べて、中腰尻振り運動など体重移動をキッカケにする
操法は、できるようになれば、全身に連動しやすく、体の動きが
バラバラになりにくく、体まるごとの気持ちよさを味わいやすい
感じがします。
体重移動できる範囲が狭いし、慣れてくると、どちらに動かし
たら気持ちよいか感じやすいためだと思います。原始感覚という
か勘というかが働きやすいようです。
*4.膝首などキッカケは、末端キッカケと体重移動キッカケの中間
膝を動かしたり(写真3)、首を動かしたりは、手首・足首を
キッカケにする場合と、体重移動をキッカケにする場合の中間
くらいに思います。やや、末端をキッカケにする場合に近いと
言えます。
&ref(DSCF4172.jpg)写真3
手の平を頭の後ろに置き、親指を支点に手首の捻転をキッカケ
にする操体(写真4)など、手を体に付けた状態から始めたり、
合掌した手や組んだ腕の肘(写真5)をキッカケにする操体など
も、同じように中間くらいだと思います。
&ref(DSCF4177.jpg)写真4
&ref(DSCF4180.jpg)写真5
つまり、まとめてみると、以下の2つのことが言えます。
(1)手首足首をきっかけにする操体よりも、初めは理解しにく
いけれど、できると全身に連動しやすい
(2)体重移動よりは、初めは理解しやすいけれど、全身に連動
させにくい
*5.求心性の動きの方がまとまりやすい
また、手首足首を体から遠ざけていく動作を、手首足首を体に
近づけていく動作と比較すると、遠ざけていく方が見た目に理解
しやすいけれど、バラけやすく、まとまりにくいということも言
えます。
これも動く範囲が広く、方向も沢山あることから来ています。
たとえば、うつ伏せで尻に踵が着かない場合に、その足を伸ば
すように誘導する操体(写真6)が良い例になります。
&ref(DSCF4185.jpg)写真6
この操体は、足首を体から遠ざけることをキッカケにしている
せいか、定番の動きの操体の中では、効果を出せるようになるの
が難しいとされているようです。
また、足は重いので一定の姿勢を長い時間にわたって続けるこ
とが難しいことからも来ていると思います。
私は、自分でも余りこの操体、うつ伏せからの足伸ばし操体を
しません。また、初心者に伝えることもあまりしません。やって
みせることはしますが、できるように練習しなさいとは言いませ
ん。
同じ効果が出せて、もっと簡単に身に付けられる方法があるか
らです。
それは、尻に近づきやすい方の足の踵を少し余分に尻に近づけ
るという方法です(写真7)。
&ref(DSCF4186.jpg)写真7
足首付近を持って、ゆっくり尻に近づけていきます。途中で反
対側の足の方に倒れていくことが多いです。抵抗が少ない方に倒
していきます。
動きづらくなった時点で足首を押すのはやめ、操者の反対側の
手でキッカケにした足首の延長の膝を持ち上げると気持ちよさが
深くなりやすいです。
気持ちよさがかなり長い時間にわたって続くので、正座状態な
どの操者の膝の上に持ち上げた受け手の大腿部を乗せてしまうと
ラクです(写真8)。
&ref(DSCF4188.jpg)写真8
腹に息が深く入っていることを確認します。この形まで持って
いくと、患者さんの胴体部分の体重を移動させていることにもな
ります。
気持ちよさが減ったり、受け手の腹の息が浅くなったり、受け
手が姿勢を変えたくなったりしたら、終わります。足を伸ばして
から、反対側の足を尻に近づけていくと、この操体をする前より
も尻に近づきやすくなっていると思います。
言葉だけで操体を伝えるのは難しいので、あまり操体のイメー
ジが湧かないかもしれませんが、実際にやってみると簡単ですし、
足を伸ばしてくる定番の操体よりも身に付けるのも簡単です。
定番と同じ効果が出るのは、背骨に伝わる動きが同じになるか
らだと思います。
末端をキッカケにする操体がバラけてしまって、なかなか、ま
とまらないときには、このように、背骨に同じ動きを作り出す、
重さの操体や、それに近い、末端を胴体に近づける操体にしてみ
ます。
そうすると、体全体に動きが伝わりやすく、体丸事の気持ちよ
さが味わいやすくなるようです。試してみてください。
この「足首を尻に近づける」操体は、両足の踵がどちらも尻か
ら遠い場合には使えません。その場合には、伸ばした受け手の足
の大腿部の下に操者の大腿部を入れて少し持ち上げ、受け手の大
腿部や脹ら脛に皮膚の操体(写真9)をすると効果が出ます。
&ref(DSCF4189.jpg)写真9
大腿部を持ち上げるのは、足を伸ばす定番の操体の時と大腿の
高さを同じくらいにするためです。高さの調節が巧くいかないと
きには、座布団やクッションを受け手の大腿の下に積み上げても
良いと思います(写真10)。
&ref(DSCF4190.jpg)写真10
脹ら脛には、手の平も指も丸く当てて、親指側に捻転しながら
足首方向へのズラシを付け加えます。大腿部には、手の平を置い
た状態から同じようなズラシを加えると効果的です。
これは、その方向への皮膚ズラシと、足の伸展が体にとっては
同じことだからのようです。
足首を持って伸ばすよりも、操体がまとまりやすく、現代の人
には気持ちよいと言ってもらえる可能性も高くなります。
また、持ち上げているのに比べるとラクなので、長い時間続け
られます。それで、増々、受け手に気持ちよさを感じてもらいや
すいようです。ヤジウマしてみてください。
次へ >>> [[術伝流操体no.70]]
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いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
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よろしくお願いします。
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【6】自然則篇 (5) 末端の動きと体重移動での違いは
&size(24){&color(green){末端の動きと体重移動での違いは}}
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*1.はじめに
先回は、操体の気持ちよさを深める工夫として、「体重移動」
と「末端の動き」、この2つの組み合わせを取り上げました。
今回は、その2つをキッカケにする2種類の操体の違いを見て
いきます。つまり、「末端の動き」をキッカケにする場合と「体
重移動」をキッカケにする場合大雑把な違いを書きます。
*2.末端キッカケの方が分かりやすい
先ず、末端の手首・足首の動きをキッカケにする操体は、何と
言っても、分かりやすいのが特徴ですね。本で読んでも、実演を
見ても、割と直ぐに何をしているのかが理解しやすいと思います。
操体って言うと、仰向け膝立て足首背屈(爪先上げ、写真1)
というイメージがあるのも、中腰尻振り運動などに比べて、本を
読んだだけでも、だいたい何をしているのか理解しやすいからで
しょう。
&ref(DSCF4167.jpg) 写真1
比較すると、中腰尻振り運動(写真2)などは、本を読んだだ
けでは何をやっているか理解しにくいし、実演を見ても何をして
いるのだろうという感じと思います。また、自分でやってみても、
初めのうちは、何をどう調節すると気持ちよさが深くなるか、分
かりにくいと思います。
&ref(DSCF4170.jpg)写真2
*2.末端キッカケは、全身に連動させにくい
しかし、末端をキッカケにする操体は、その動きを頭で理解し
やすい反面、操体がまとまりにくい面があるような気がします。
バラバラになりやすいというか、注意していないと末端の動き
だけになって全身に連動しにくいものになりやすいです。言い換
えれば、体丸事の気持ちよさを感じにくい、形だけの操体になっ
てしまう可能性が高いです。
末端の手首や足首は、動く範囲も広いし、動く方向も沢山あり
ます。また、手首足首の関節自体も色々な動き方(4種8方向)
をします。そのため、その中から、その時の体全体の歪みにピッ
タリあった一つの姿勢(タワメの間)を見付けることが難しいた
めだと思います。
*3.体重移動キッカケは、体丸事の気持ちよさが出やすい
それに比べて、中腰尻振り運動など体重移動をキッカケにする
操法は、できるようになれば、全身に連動しやすく、体の動きが
バラバラになりにくく、体まるごとの気持ちよさを味わいやすい
感じがします。
体重移動できる範囲が狭いし、慣れてくると、どちらに動かし
たら気持ちよいか感じやすいためだと思います。原始感覚という
か勘というかが働きやすいようです。
*4.膝首などキッカケは、末端キッカケと体重移動キッカケの中間
膝を動かしたり(写真3)、首を動かしたりは、手首・足首を
キッカケにする場合と、体重移動をキッカケにする場合の中間
くらいに思います。やや、末端をキッカケにする場合に近いと
言えます。
&ref(DSCF4172.jpg)写真3
手の平を頭の後ろに置き、親指を支点に手首の捻転をキッカケ
にする操体(写真4)など、手を体に付けた状態から始めたり、
合掌した手や組んだ腕の肘(写真5)をキッカケにする操体など
も、同じように中間くらいだと思います。
&ref(DSCF4177.jpg)写真4
&ref(DSCF4180.jpg)写真5
つまり、まとめてみると、以下の2つのことが言えます。
(1)手首足首をきっかけにする操体よりも、初めは理解しにく
いけれど、できると全身に連動しやすい
(2)体重移動よりは、初めは理解しやすいけれど、全身に連動
させにくい
*5.求心性の動きの方がまとまりやすい
また、手首足首を体から遠ざけていく動作を、手首足首を体に
近づけていく動作と比較すると、遠ざけていく方が見た目に理解
しやすいけれど、バラけやすく、まとまりにくいということも言
えます。
これも動く範囲が広く、方向も沢山あることから来ています。
たとえば、うつ伏せで尻に踵が着かない場合に、その足を伸ば
すように誘導する操体(写真6)が良い例になります。
&ref(DSCF4185.jpg)写真6
この操体は、足首を体から遠ざけることをキッカケにしている
せいか、定番の動きの操体の中では、効果を出せるようになるの
が難しいとされているようです。
また、足は重いので一定の姿勢を長い時間にわたって続けるこ
とが難しいことからも来ていると思います。
私は、自分でも余りこの操体、うつ伏せからの足伸ばし操体を
しません。また、初心者に伝えることもあまりしません。やって
みせることはしますが、できるように練習しなさいとは言いませ
ん。
同じ効果が出せて、もっと簡単に身に付けられる方法があるか
らです。
それは、尻に近づきやすい方の足の踵を少し余分に尻に近づけ
るという方法です(写真7)。
&ref(DSCF4186.jpg)写真7
足首付近を持って、ゆっくり尻に近づけていきます。途中で反
対側の足の方に倒れていくことが多いです。抵抗が少ない方に倒
していきます。
動きづらくなった時点で足首を押すのはやめ、操者の反対側の
手でキッカケにした足首の延長の膝を持ち上げると気持ちよさが
深くなりやすいです。
気持ちよさがかなり長い時間にわたって続くので、正座状態な
どの操者の膝の上に持ち上げた受け手の大腿部を乗せてしまうと
ラクです(写真8)。
&ref(DSCF4188.jpg)写真8
腹に息が深く入っていることを確認します。この形まで持って
いくと、患者さんの胴体部分の体重を移動させていることにもな
ります。
気持ちよさが減ったり、受け手の腹の息が浅くなったり、受け
手が姿勢を変えたくなったりしたら、終わります。足を伸ばして
から、反対側の足を尻に近づけていくと、この操体をする前より
も尻に近づきやすくなっていると思います。
言葉だけで操体を伝えるのは難しいので、あまり操体のイメー
ジが湧かないかもしれませんが、実際にやってみると簡単ですし、
足を伸ばしてくる定番の操体よりも身に付けるのも簡単です。
定番と同じ効果が出るのは、背骨に伝わる動きが同じになるか
らだと思います。
末端をキッカケにする操体がバラけてしまって、なかなか、ま
とまらないときには、このように、背骨に同じ動きを作り出す、
重さの操体や、それに近い、末端を胴体に近づける操体にしてみ
ます。
そうすると、体全体に動きが伝わりやすく、体丸事の気持ちよ
さが味わいやすくなるようです。試してみてください。
この「足首を尻に近づける」操体は、両足の踵がどちらも尻か
ら遠い場合には使えません。その場合には、伸ばした受け手の足
の大腿部の下に操者の大腿部を入れて少し持ち上げ、受け手の大
腿部や脹ら脛に皮膚の操体(写真9)をすると効果が出ます。
&ref(DSCF4189.jpg)写真9
大腿部を持ち上げるのは、足を伸ばす定番の操体の時と大腿の
高さを同じくらいにするためです。高さの調節が巧くいかないと
きには、座布団やクッションを受け手の大腿の下に積み上げても
良いと思います(写真10)。
&ref(DSCF4190.jpg)写真10
脹ら脛には、手の平も指も丸く当てて、親指側に捻転しながら
足首方向へのズラシを付け加えます。大腿部には、手の平を置い
た状態から同じようなズラシを加えると効果的です。
これは、その方向への皮膚ズラシと、足の伸展が体にとっては
同じことだからのようです。
足首を持って伸ばすよりも、操体がまとまりやすく、現代の人
には気持ちよいと言ってもらえる可能性も高くなります。
また、持ち上げているのに比べるとラクなので、長い時間続け
られます。それで、増々、受け手に気持ちよさを感じてもらいや
すいようです。ヤジウマしてみてください。
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