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&color(green){術伝流一本鍼no.80 (術伝流・体得篇(20))}
&bold(){&size(24){&color(green){小さな工夫の積み重ねを楽しめるか}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents
*1.はじめに
先回は、鍼灸を身に付けていくコツとして「小さな工夫の積み
重ねを楽しめるか」どうかが大切と書きました。そして、「努力
可能な段階にまで課題を小さくすることができるか」ということ
も大切とも書きました。
そういうことに夢中になれる人の方が上達しやすいと思います。
今回は、そもそも、体のような自然のものの要望を読み、対応
していく、その対応に対する反応を読み、また、対応していく、
そういうことを楽しめるかということを書いていきます。
*2.知之者不如好之者、 好之者不如楽之者
論語に「 知之者不如好之者、 好之者不如楽之者」とあります。
気功太極拳の師である楊名時先生に付いた時に初めに「稽古を
楽しみなさい」と言われました。そして、しばらくして稽古の前
の話で「私は、道家に近く、儒家ではないが、論語のこの言葉は
良いと思う」という前置きの後で、紹介されました。
和訓は、
「之を知る者は、之を好む者に如かず。
之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」。
「知る者は、好む者には及ばない。好む者は楽しむものには及
ばない」ということですね。「及ばない」は「敵わない」でも良
いですね。
鍼灸の体得にも、この言葉は当てはまるように思います。
*3.鍼灸の本質は、体という自然との対話
ずっと体得篇で書いてきたように、「鍼灸の本質は、体という
自然との対話」です。鍼灸だけでなく、操体、按摩、指圧など東
洋的物理療法による臨床は、体という自然との対話だと思います。
四診し、体という自然がその時に要望していることを読み、見
立て、治療方針を立て、治療中も刻一刻と変化する体の要望に合
わせて、リアルタイムに対応し(即時即応)、仕上げていく。そ
ういう体という自然との対話が、鍼灸臨床の本質と思います。
*4.鍼灸で体との対話を楽しむ
2.と3.を合わせると、鍼灸の臨床は、「鍼灸という手段を
使って、体という自然との対話を楽しむ」ことが一番の目標にな
るということではないでしょうか?
鍼灸に関する知識、体という自然に関する知識を知っているだ
けの人は、鍼灸という技術が好きで、体という自然との対話が好
きな人には及ばない(敵わない)。
鍼灸という技術が好きで、体という自然との対話が好きなだけ
の人は、鍼灸という技術で体という自然との対話を楽しんでいる
人には、及ばない(敵わない)。
そういうことだと思います。
*5.「指に任せよ」との関係
杉山和一検校の作とされる和歌に、以下のものがあるそうです
ね。
「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな 引くも引かぬも 指に任せよ」
今回紹介した論語の言葉との対応を考えると、以下に成るよう
に思います。
心で刺す レベル:知っている
手で引く レベル:好き
指に任せるレベル:楽しむ
皆さんは、どう思われますか?
*6.おわりに
そういうわけで、鍼灸を体得していく目標は、「鍼灸で体との
対話を楽しむ」ことができるようなレベルを目指していくという
ことだと思います。
それには、先回書いたような、「小さな工夫の積み重ねを楽しめ
るか」、そして、そういう「工夫を積み重ねることに夢中になれ
るか」ということも大切になってくると思います。
そういう、「鍼灸で体との対話を楽しむ」工夫、極々小さなも
のでも良いから、そういうものを伝え残していきたいと思って、
この連載をしてきました。
皆さんも何か面白い工夫を見付けたら紹介してください。互い
に工夫を伝え合って、「鍼灸で体との対話を楽しむ」レベルを目
指していきましょう。そういうレベルの人を増やしていきましょ
う。そして、日本や世界に、和方鍼灸の良さを伝え残していきま
しょう。
次へ>>>[[術伝流一本鍼no.81]]
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想・間違いなど
感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
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&color(green){術伝流一本鍼no.81 (術伝流・体得篇(21))}
&bold(){&size(24){&color(green){体という自然との対話に楽しめるか}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents
*1.はじめに
先回は、鍼灸を身に付けていくコツとして「小さな工夫の積み
重ねを楽しめるか」どうかが大切と書きました。そして、「努力
可能な段階にまで課題を小さくすることができるか」ということ
も大切とも書きました。
そういうことに夢中になれる人の方が上達しやすいと思います。
今回は、そもそも、体のような自然のものの要望を読み、対応
していく、その対応に対する反応を読み、また、対応していく、
そういうことを楽しめるかということを書いていきます。
*2.知之者不如好之者、 好之者不如楽之者
論語に「 知之者不如好之者、 好之者不如楽之者」とあります。
気功太極拳の師である楊名時先生に付いた時に初めに「稽古を
楽しみなさい」と言われました。そして、しばらくして稽古の前
の話で「私は、道家に近く、儒家ではないが、論語のこの言葉は
良いと思う」という前置きの後で、紹介されました。
和訓は、
「之を知る者は、之を好む者に如かず。
之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」。
「知る者は、好む者には及ばない。好む者は楽しむものには及
ばない」ということですね。「及ばない」は「敵わない」でも良
いですね。
鍼灸の体得にも、この言葉は当てはまるように思います。
*3.鍼灸の本質は、体という自然との対話
ずっと体得篇で書いてきたように、「鍼灸の本質は、体という
自然との対話」です。鍼灸だけでなく、操体、按摩、指圧など東
洋的物理療法による臨床は、体という自然との対話だと思います。
四診し、体という自然がその時に要望していることを読み、見
立て、治療方針を立て、治療中も刻一刻と変化する体の要望に合
わせて、リアルタイムに対応し(即時即応)、仕上げていく。そ
ういう体という自然との対話が、鍼灸臨床の本質と思います。
*4.鍼灸で体との対話を楽しむ
2.と3.を合わせると、鍼灸の臨床は、「鍼灸という手段を
使って、体という自然との対話を楽しむ」ことが一番の目標にな
るということではないでしょうか?
鍼灸に関する知識、体という自然に関する知識を知っているだ
けの人は、鍼灸という技術が好きで、体という自然との対話が好
きな人には及ばない(敵わない)。
鍼灸という技術が好きで、体という自然との対話が好きなだけ
の人は、鍼灸という技術で体という自然との対話を楽しんでいる
人には、及ばない(敵わない)。
そういうことだと思います。
*5.「指に任せよ」との関係
杉山和一検校の作とされる和歌に、以下のものがあるそうです
ね。
「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな 引くも引かぬも 指に任せよ」
今回紹介した論語の言葉との対応を考えると、以下に成るよう
に思います。
心で刺す レベル:知っている
手で引く レベル:好き
指に任せるレベル:楽しむ
皆さんは、どう思われますか?
*6.おわりに
そういうわけで、鍼灸を体得していく目標は、「鍼灸で体との
対話を楽しむ」ことができるようなレベルを目指していくという
ことだと思います。
それには、先回書いたような、「小さな工夫の積み重ねを楽しめ
るか」、そして、そういう「工夫を積み重ねることに夢中になれ
るか」ということも大切になってくると思います。
そういう、「鍼灸で体との対話を楽しむ」工夫、極々小さなも
のでも良いから、そういうものを伝え残していきたいと思って、
この連載をしてきました。
皆さんも何か面白い工夫を見付けたら紹介してください。互い
に工夫を伝え合って、「鍼灸で体との対話を楽しむ」レベルを目
指していきましょう。そういうレベルの人を増やしていきましょ
う。そして、日本や世界に、和方鍼灸の良さを伝え残していきま
しょう。
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