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術伝流操体no.66
【6】自然則篇 (2) 動きから皮膚や重さへ
&size(24){&color(green){動きから皮膚や重さへ}}
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#contents
*1.はじめに
前回は、「動きの操体」の変遷を辿ってみました。今回は、そ
こから「皮膚の操体」や「重さの操体」までのバリエーションを
紹介します。
*2.タイプ6:自力と抵抗を逆に
受け手に膝を倒してもらい、操者が手首を捻転して抵抗する形
(写真1)は、受け手の負担が大きいことに気がつきました。
&ref(DSCF3584.jpg)写真1
「足が重いので、気持ちよさを味わえるまで続けられない」と
言われました。膝を適度な角度に保つ姿勢を維持するには、それ
だけで大きな力が必要なためだと思います。
それで、膝を倒す方を操者がして、受け手には手首を捻る方を
してもらったら(写真2)、皆さん、こちらの方が気持ちよいと
いうことでした。これでも、タワメの間(ま)での体全体の姿勢
は同じです。
&ref(DSCF3586.jpg)写真2
ただ、操者のほうも、重い足を動かし、長い時間一定の位置に
保持するのは、大変でした。気持ちよさが良く感じられるほどタ
ワメの間が長くなる傾向にあるためだと思われます。
*3.タイプ7:大腿を床に倒してから
それで、先ず膝をラクな方に倒してもらい、その時に胴体と脚
の角度が開きすぎて無理な格好にならないように上半身を浮かす
ように動かしてもらいました(写真3)。
&ref(DSCF3591.jpg)写真3
つまり、タワメの間の時の胴体と脚の捻れる角度が、仰向けで
膝を倒している時と同じになるようにしたわけです。
一番に気持ちのよい膝を倒す角度はそのままで、仰向けの床に
背中が付いた姿勢から倒れていく方の大腿の横側が床に付く姿勢
になってもらったわけです。
その姿勢で、膝が浮き上がってこないように操者が押さえ、受
け手に手首を捻ってもらいました。受け手は、倒れていく方と反
対側に腕を伸ばしているだけでも、結構、効果があることも分か
りました。
受け手も操者も共にラクで、長い間ずっと気持ちよさの味わえ
るバリエーションができました。倒した脚の大腿部に座布団を1,2
枚のせれば、一人操体としても楽しめます。
*4.タイプ7.2:座布団を積んだり、壁を利用したり
背中が床に着いている方が安心できるという人には、布団など
を畳んだものを膝が倒れていく側に気持ちの良い角度の分だけ積
んでしまうと、やりやすいこともわかりました。
壁などを利用して同じ角度が保たれるようにしても同じです。
比較すると、横向き寝に近い格好、つまり背中上部を浮かせて
しまう方が気持ちよいという人が多かったです。
が、この2つの操体の違いは、主に、体のどの辺りに体重を掛
けると気持ちよいかということで、決まってくる感じがしていま
す。
*5.タイプ8:「押す」を「皮膚をズラす」に
大腿を押すバリエーションをしているうちに、大腿を浮かない
ように床に押しつけるよりも、皮膚を膝の方向にズラした方が気
持ちよいという受け手が多いことに気が付きました(写真4)。
&ref(DSCF3590.jpg)写真4
そして、こういう皮膚ズラしでも、受け手が作る腕の動きに対
して、逆モーメントの抵抗になっていることも分かりました。
そして、私は、この時に、皮膚の操体が生まれた理由(わけ)
を納得できました。
動きやすい方向に動かすことと、皮膚をズレやすい方向にズラ
すことを比較してみると、どちらをしても、タワメの間の姿勢を
中心に考えれば、同じモーメントの動きが受け手の体に生まれて
くることに気が付いたわけです。
*6.タイプ9:抵抗も皮膚ずらしで
受け手が動かしている腕の方も皮膚をずらすのに変えたらどう
かなと思い、空いている方の手で肩あたりの皮膚を、大腿の皮膚
と逆モーメントになる方向にズラしてみました(写真5)。
&ref(DSCF3593.jpg)写真5
受け手の口から「これは気持ちよい」という声が返ってきまし
た。
こうして、動きの操体は、皮膚の操体に置き換えることができ
ることが分かりました。
*7.タイプ9.2:脇腹の皮膚ずらしで
タイプ9をしているうちに、違う場所の皮膚ズラしでも、タワ
メの間が同じになればよいことに気が付きました。
例えば、膝ちかくの皮膚の代わりに、大転子あたりの皮膚をズ
ラしても同じです(写真6)。
&ref(DSCF3594.jpg)写真6
その他、色々な所でできますが、一番面白いなと思ったのは、
脇腹の隣り合う2カ所の皮膚を互いに逆ベクトルになるようにズ
ラすことです(写真7)。脇腹の肋骨よりの皮膚と、骨盤よりの
皮膚を逆方向にズラします。
&ref(DSCF3596.jpg)写真7
うまくいくと、片手の2本の指でも気持ちよさを味わってもら
うことができます。
*8.タイプ10:重さの操体として見ると
このやり方をしばらく続けているうちに、このやり方は、下半
身の重さを腹側に移動し、上半身の重さを背中側に移動している
ことにもなるなと思い至りました。
そして、中腰尻振り運動などが操体の中にあるのも納得できま
した。
先ほど書いた、受け手が腕を膝が倒れていく方と反対側に腕を
伸ばしていくだけでも効果が出る理由に気がついたわけです。腕
の重さを利用して、膝が倒れていくことに抵抗しているというこ
とです。
中腰尻振り運動でも、下半身の体重移動に対して、上半身で逆
ベクトル(逆モーション)の体重移動になる動きを作って、倒れ
ないで丁度バランスするようなタワメの間を作っていることが多
いですね。
こんなことを考えていくうちに、どんな操体も、関節筋肉を動
かす形、皮膚をズラす形、重さを移す形に変化させることができ
るかもしれないなと思いました。
その時、その場で、受け手が、気持ちよさを感じられるもの、
イメージしやすいものを選んでいけば良いのだなと納得しました。
*9.歪みの酷い人は、横向き寝がラク
色々な人に操体をしているうちに、歪みが酷くなるほど、症状
が辛くなるほど、横向き寝で寝るのがラクな人が多くなることに
気が付きました。
それで、私は、今、横向き寝がラクな人には、その格好のまま
で、腰あたりと肩あたりの皮膚をズラしやすい方向にズラすこと
を、先ず、試してみるようになりました。
その部分を暫くズラしてみて、息が深くなるかどうか見守りま
す。言葉が通じる人には、息が深くなった時点で、気持ちよさを
聞きます。
もちろん、ズレ具合によっては、仰向け膝倒しとは違う操体の
バリエーションになってしまうこともあります。
*10.重さをいつも意識の片隅に
そして、皮膚をズラしながら、受け手の上半身と下半身の重さ
の移動具合を両手に感じて、バランスを取るようになりました。
シーソーや天秤(てんびん)のバランスを取るように、その時
その場の患者さんの体の状況に合わせて、ズラし具合や向きをリ
アルタイム(即時即応)で調節していくことを心がけます。
重さの操体という見方を思いついたので、皮膚をズラしたり、
筋肉を動かしたりしている時でも、微妙なバランスを取りやすく
なったように思います。
いつも重さを意識の片隅に置いておくことで、タワメの間で、
二つの互いに逆ベクトルの動きの極(ごく)僅(わず)かな変化を感
じて、受け手の体の望みに丁度良く合わせていくことが以前より
上手にできるようになりました。
ヤジロベエがバランスをとって動くように、モビールが風に吹
かれてゆっくり動いていくように。
*11.重さへの意識と止め時
また、こうしていると、もうその操体を止めてもよいと受け手
の体が感じ始めたサインも見つけやすいです。
受け手の体が姿勢を大きく変えたがっているような動きを見せ
たら、たいてい止め時です。それは、それまでのヤジロベエがバ
ランスを取るような、モビールが風に吹かれて動くような動きと
は、まったく別の種類の動きです。
ただ、実際の人の動きはヤジロベエやモビールよりもダイナミッ
クで、終わったと思った時点から、次の操体への動きが始まって
いく人もいます。
また、一つのタワメの間の時のバランスを取る動きも、弾力に
富んだ、生き物らしいダイナミックな動きを伴なったものになる
ことも多いです。
*12.互いに逆なベクトル1組で、タワメの間
ついでに書いておきますが、互いに逆向きの同じ大きさの力が
働くから、「タワメの間」ができるわけです。逆ベクトルの力が
釣り合って、タワメという状態ができるということです。
片一方の力だけ働くとしたら、タワメの間は生まれず、体は動
き続けてしまいます。
一方の力だけに思える時にも、反対向きの力は、必ず存在しま
す。逆向きの力が、体の重さ、倒れまいとする動きの2つに代表
されるような時には、意識されにくいだけです。
*13.色々なバリエーションを作る
さて、「ギュ・パッ・ストン」型から「その時にラクな寝方を
強調するように皮膚をズラす」形や「重さを移してみる」形まで
が、同じ操体という言葉で呼ばれることを納得していただけまし
たか?
タワメの間を中心にして、互いに方向が逆で大きさが同じ力が、
ヤジロベエのように少しずつ動きながら、バランスを取っている
イメージを心に思い浮かべてみてください。
それができれば、一つの操体から、様々なバリエーションを作っ
ていくことができます。
まぁ、力が2つでなく、3つ以上で、1つの力との残りの力の
組み合わせが釣り合っていることもあるとは思いますが。
*14.おわりに
納得できない人は、疑問点をお寄せください。
今回は、ギュッ・パッ・ストンから皮膚や重さの操体までの共
通点を書きました。次回からは、色々なタイプでの手段の違いを
通して、操体の自然則を説明していきます。
先ずは「ギュッ・パッ・ストン」と「ふわー・ぽわわん・ふっ・
くにゃぁ」の向き不向きについて書いていきます。
次へ >>> [[術伝流操体no.67]]
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
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よろしくお願いします。
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術伝流操体no.66
【6】自然則篇 (2) 動きから皮膚や重さへ
&size(24){&color(green){動きから皮膚や重さへ}}
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#contents
*1.はじめに
前回は、「動きの操体」の変遷を辿ってみました。今回は、
そこから「皮膚の操体」や「重さの操体」までのバリエーショ
ンを紹介します。
*2.タイプ6:自力と抵抗を逆に
受け手に膝を倒してもらい、操者が手首を捻転して抵抗する
形(写真1)は、受け手の負担が大きいことに気が付きました。
&ref(DSCF3584.jpg)写真1
「足が重いので、気持ちよさを味わえるまで続けられない」
と言われました。膝を適度な角度に保つ姿勢を維持するには、
それだけで大きな力が必要なためだと思います。
それで、膝を倒す方を操者がして、受け手には手首を捻る方
をしてもらったら(写真2)、皆さん、こちらの方が気持ち良
いということでした。これでも、タワメの間(ま)での体全体
の姿勢は同じです。
&ref(DSCF3586.jpg)写真2
ただ、操者の方も、重い足を動かし、長い時間一定の位置に
保持するのは、大変でした。気持ちよさが良く感じられるほど
タワメの間が長くなる傾向にあるためだと思われます。
*3.タイプ7:大腿を床に倒してから
それで、先ず膝をラクな方に倒してもらい、その時に胴体と
脚の角度が開きすぎて無理な格好にならないように上半身を浮
かすように動かしてもらいました(写真3)。
&ref(DSCF3591.jpg)写真3
つまり、タワメの間の時の胴体と脚の捻れる角度が、仰向け
で膝を倒している時と同じになるようにしたわけです。
一番に気持ちのよい膝を倒す角度はそのままで、仰向けの床
に背中が付いた姿勢から倒れていく方の大腿の横側が床に付く
姿勢になってもらったわけです。
その姿勢で、膝が浮き上がってこないように操者が押さえ、
受け手に手首を捻ってもらいました。受け手は、倒れていく方
と反対側に腕を伸ばしているだけでも、結構、効果があること
も分かりました。
受け手も操者も共にラクで、長い間ずっと気持ちよさの味わ
えるバリエーションができました。倒した脚の大腿部に座布団
を1,2枚乗せれば、一人操体としても楽しめます。
*4.タイプ7.2:座布団を積んだり、壁を利用したり
背中が床に着いている方が安心できるという人には、布団な
どを畳んだものを膝が倒れていく側に気持ちの良い角度の分だ
け積んでしまうと、やりやすいことも分かりました。
壁などを利用して同じ角度が保たれるようにしても同じです。
比較すると、横向き寝に近い格好、つまり背中上部を浮かせ
てしまう方が気持ちよいという人が多かったです。
が、この2つの操体の違いは、主に、体のどの辺りに体重を
掛けると気持ちよいかということで、決まってくる感じがして
います。
*5.タイプ8:「押す」を「皮膚をズラす」に
大腿を押すバリエーションをしているうちに、大腿を浮かな
いように床に押しつけるよりも、大腿の皮膚を膝の方向にズラ
した方が気持ちよいという受け手が多いことに気が付きました
(写真4)。
&ref(DSCF3590.jpg)写真4
そして、こういう皮膚ズラしでも、受け手が作る腕の動きに
対して、逆モーメントの抵抗になっていることも分かりました。
そして、私は、この時に、皮膚の操体が生まれた理由(わけ)
を納得できました。
動きやすい方向に動かすことと、皮膚をズレやすい方向にズ
ラすことを比較してみると、どちらをしても、タワメの間の姿
勢を中心に考えれば、同じモーメントの動きが受け手の体に生
まれてくることに気が付いたわけです。
*6.タイプ9:抵抗も皮膚ズラしで
「受け手が動かしている腕の方も皮膚をズラすのに変えたら
どうかな」と思いました。空いている方の手で、肩の辺りの皮
膚を、大腿の皮膚と逆モーメントになる方向にズラしてみまし
た(写真5)。
&ref(DSCF3593.jpg)写真5
受け手の口から「これは気持ちよい」という声が返ってきま
した。
こうして、動きの操体は、皮膚の操体に置き換えることがで
きることが分かりました。
*7.タイプ9.2:脇腹の皮膚ズラしで
タイプ9をしているうちに、違う場所の皮膚ズラしでも、タ
ワメの間の時の姿勢が同じになれば良いことに気が付きました。
例えば、膝の近くの皮膚の代わりに、大転子の辺りの皮膚を
膝の方へズラしても同じです(写真6)。
&ref(DSCF3594.jpg)写真6
その他、色々な所でできますが、一番面白いなと思ったのは、
脇腹の隣り合う2カ所の皮膚を互いに逆ベクトルになるように
ズラすことです(写真7)。脇腹の肋骨よりの皮膚と、骨盤よ
りの皮膚を逆方向にズラします。
&ref(DSCF3596.jpg)写真7
うまくいくと、片手の2本の指でも気持ちよさを味わっても
らうことができます。
*8.タイプ10:重さの操体として見ると
このやり方をしばらく続けているうちに、このやり方は、下
半身の重さを腹側に移動し、上半身の重さを背中側に移動して
いることにもなるなと思い至りました。
そして、中腰尻振り運動など、体重移動を切っ掛けにするも
のが、操体の中にあるのも納得できました。
先ほど書いた、受け手が腕を膝が倒れていく方と反対側に腕
を伸ばしていくだけでも効果が出る理由に気がついたわけです。
腕の重さを利用して、膝が倒れていくことに抵抗していると言
うことです。
中腰尻振り運動でも、下半身の体重移動に対して、上半身で
逆ベクトル(逆モーション)の体重移動になる動きを作って、
倒れないで丁度バランスするようなタワメの間を作っているこ
とが多いですね。
こんなことを考えていくうちに、どんな操体も、関節筋肉を
動かす形、皮膚をズラす形、重さを移す形に変化させることが
できるかもしれないなと思いました。
その時、その場で、受け手が、気持ちよさを感じられるもの、
イメージしやすいものを選んでいけば良いのだなと納得しまし
た。
*9.歪みの酷い人は、横向き寝がラク
色々な人に操体をしているうちに、歪みが酷くなるほど、症
状が辛くなるほど、横向き寝で寝るのがラクな人が多くなるこ
とに気が付きました。
それで、私は、今、横向き寝がラクな人には、その格好のま
まで、腰辺りと肩辺りの皮膚をズラしやすい方向にズラすこと
を、先ず、試してみるようになりました。
その部分を暫くズラしてみて、息が深くなるかどうか見守り
ます。言葉が通じる人には、息が深くなった時点で、気持ちよ
さを聞きます。
もちろん、ズレ具合によっては、仰向け膝倒しとは違う操体
のバリエーションになってしまうこともあります。
*10.重さをいつも意識の片隅に
そして、皮膚をズラしながら、受け手の上半身と下半身の重
さの移動具合を両手に感じて、バランスを取るようになりまし
た。
シーソーや天秤(てんびん)のバランスを取るように、その
時その場の患者さんの体の状況に合わせて、ズラし具合や向き
をリアルタイム(即時即応)で調節していくことを心掛けます。
重さの操体という見方を思い付いたので、皮膚をズラしたり、
筋肉を動かしたりしている時でも、微妙なバランスを取りやす
くなったように思います。
いつも重さを意識の片隅に置いておくことで、タワメの間で、
二つの互いに逆ベクトルの動きの極(ごく)僅(わず)かな変化を
感じて、受け手の体の望みに丁度良く合わせていくことが、以
前より上手にできるようになりました。
ヤジロベエがバランスを取って動くように、モビールが風に
吹かれてゆっくり動いていくように。
*11.重さへの意識と止め時
また、こうしていると、もうその操体を止めても良いと受け
手の体が感じ始めたサインも見付けやすいです。
受け手の体が姿勢を大きく変えたがっているような動きを見
せたら、たいてい止め時です。それは、それまでのヤジロベエ
がバランスを取るような、モビールが風に吹かれて動くような
動きとは、全く別の種類の動きです。
ただ、実際の人の動きはヤジロベエやモビールよりもダイナ
ミックで、終わったと思った時点から、次の操体への動きが始
まっていく人もいます。
また、一つのタワメの間の時のバランスを取る動きも、弾力
に富んだ、生き物らしいダイナミックな動きを伴なったものに
なることも多いです。
*12.互いに逆なベクトル1組で、タワメの間
ついでに書いておきますが、互いに逆向きの同じ大きさの力
が働くから、「タワメの間」ができるわけです。逆ベクトルの
力が釣り合って、タワメという状態ができるということです。
片一方の力だけ働くとしたら、タワメの間は生まれず、体は
動き続けてしまいます。
一方の力だけに思える時にも、反対向きの力は、必ず存在し
ます。逆向きの力が、体の重さ、倒れまいとする動きの2つに
代表されるような時には、意識されにくいだけです。
*13.色々なバリエーションを作る
さて、「ギュ・パッ・ストン」型から「その時にラクな寝方
を強調するように皮膚をズラす」形や「重さを移してみる」形
までが、同じ操体という言葉で呼ばれることを納得していただ
けましたか?
タワメの間を中心にして、互いに方向が逆で大きさが同じ力
が、ヤジロベエのように少しずつ動きながら、バランスを取っ
ているイメージを心に思い浮かべてみてください。
それができれば、一つの操体から、様々なバリエーションを
作っていくことができます。
まぁ、力が2つでなく、3つ以上で、1つの力との残りの力
の組み合わせが釣り合っていることもあるとは思いますが。
*14.おわりに
納得できない人は、疑問点をお寄せください。
今回は、ギュッ・パッ・ストンから皮膚や重さの操体までの
共通点を書きました。次回からは、色々なタイプでの手段の違
いを通して、操体の自然則を説明していきます。
先ずは「ギュッ・パッ・ストン」と「ふわー・ぽわわん・ふっ・
くにゃぁ」の向き不向きについて書いていきます。
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