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ツボ - (2016/07/19 (火) 11:31:57) の最新版との変更点

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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ [[鍼術覚書]] (3)ツボ &bold(){&size(24){&color(green){ツボ}}} ------ #contents *はじめに  ツボの出方には自然の法則がある。ここまで書いてきた ことを含め、書き出す。 * ツボの出方の自然則 **1.ツボは、歪んだ体の負荷分担システム  ヒトは動く生物、筋肉を伸び縮みさせて動く動物で、筋 肉を緊張させて負荷に耐える。心の負荷にも、体を緊張し て耐える。負荷が1カ所に集中しないよう、関連する筋肉 で分担。  筋肉は、3つの状態に変化する。必要に応じて自在に伸 び縮みする状態、過緊張してカチカチで伸びなくなった状 態、過弛緩してフニャフニャで縮めなくなった状態の3つ。 この過緊張、過弛緩は、一時的機能的なものなので、鍼灸 すれば改善する。 **2.主な負荷は、重力  ヒトは地球という星の地上で生きる生物で、重力を基本 的負荷として進化してきた。地球上の生物の形や動きを考 えていくときに、重力との関係を無視することはできない。 **3.立位での重力負荷分担が十四経  ヒトは、地球の地上で直立2足歩行するサル。立位の姿 勢では、天から見て重なる所同士で、重力を負荷分担して いる。「頭の天辺の頭痛は足厥陰」もその関係。 **4.臥位での重力負荷分担が愈募穴  寝るときには体を横たえるから、重力負荷は体の横輪切 りの方向に掛かる。  歪みが少ない人は、仰向け寝で寝ることが多く、背中の 筋肉の最も太い所で負荷を受け止めるから、兪穴が1行線 に並ぶ。  歪みが大きくなると横向き寝などが多くなるから、横に ズレて2行線や華陀経などに出やすくなる。  兪募穴などは、寝た姿勢での重力負荷分担なので、普段 は歩かない赤ちゃんや寝たきりの人には、横輪切りのツボ の方が効果的。 **5.動作時連動筋肉内にツボが出やすい  ある動作をしたときに一緒に動く筋肉にツボが出ている ことが多い。ある筋肉にツボが出れば、一緒に動く他の筋 肉に余分な負荷が掛かるから。  巨刺、上下刺、対角刺、奇経の「左内関と右公孫」など も、この関係。 **6.大きなツボは筋肉の厚い所に  横輪切りや縦切りの原則から少し外れていても大きな筋 肉のある所にツボが出ることも多い。大きな筋肉の方が大 きな負荷を引き受けられるから。  例えば、「肺の募穴が中府」、「目が悪いと、顎と首の 境目にツボが出る」など。どちらも関係する臓器の中心の 横輪切りラインからはズレているが、その辺りで最も筋肉 が厚い所。 **7.ツボの上の皮膚表面は、凹んでいる  ツボが出ている所の上の皮膚表面は、ペコペコと凹んで いる。ツボの下の皮膚に近い筋肉が一時的に機能的な過弛 緩の状態、つまり、フニャフニャでズブズブになっている から。  ツボが出ている辺りを予測できたときに、ツボの出てい る所を細かく特定するときの一番の目安。少しベタベタ湿っ ていたり、艶(つや)が無く黒ずんでいたりも、目安。 **8.ツボ末梢側の血行、神経伝達の阻害  ツボの奥は、痼り、つまり、一時的に機能的な過緊張に なっている。  過緊張の状態になった筋肉が血管や神経に影響して、そ こから末梢側の血行や神経伝達が阻害される。座骨神経痛、 三叉神経痛、顔面神経麻痺、冷え、瘭疽(ヒョウソ)、乳腺 炎、乳汁不足などの場合のツボの出方。 **9.動作制限の直前で伸びる筋にツボ  動作制限のあるときには、その一歩手前の姿勢で、最も 伸びようとしている筋肉の最も伸びようとしている所にツ ボが出る。  腱の付着部が痛いときには、その腱の筋腹にツボが出て、 腱付着部を引っ張っていて痛みが出る。指の動作制限でも、 その動作をする筋の筋腹にツボが出る。腕の最も太い辺り。 **10.内蔵の機能的関係からツボを予測  口内炎では、胃腸の調子が悪いことが多く、胃腸の病の ときと同じ所にツボが出やすい。二日酔いのときには、肝 臓のツボとか。 **11.ツボは古くなると横にズレる  筋肉の最も太い所で受け止めようとするせいか、背中側 は1行線、腹側は腹胃経に、初めは出る。  歪みが古くなると、そこだけでは負担しきれずに、だん だん横にズレて出る。背中側では、脊骨の直ぐ脇の華陀経 と脊柱起立筋の外側の端(痞根、腰徹腹など)。腹側では、 臍の周り、章門、五枢~維道の辺りなど。  現在は、そういう、正中の近くや体の横側にツボが出て いる人が多い。昔の文献を参考にするときは、その点を考 える。例えば、昔は「女三里」(三陰交)との話があるが、 今は、その横の蠡溝の方が多い。 **12.古い病のツボは体の境目に出やすい  古い病に関係するツボは、体の境目、左右境界の正中線 の辺り、前後境界の少陽や厥陰、上下境界、頭と首の境目、 手足と胴体の境目などに出やすい。上下境界は二つ、横隔 膜の辺り、臍と命門を結ぶラインの辺り。  古くなると横にズレて出る現象の「成れの果て」だろう。 *おわりに  この12個の自然則をよく理解することが大切。  患者さんの訴えを聞いたり、体を目で見て手で触って確 かめたりしたことと、こういう自然則を照らし合わせると、 だいたいツボの出ている辺りを予測できる。  後は、その辺りを見て触って、その辺りで一番凹んだ所 を見付けられれば、ツボは取れる。    >>>つぎへ・・・・・・・・・[[病]] ----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[鍼術覚書]]    >>>このページのトップヘ・・[[経絡]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ [[鍼術覚書]] (3)ツボ &bold(){&size(24){&color(green){ツボ}}} ------ #contents *はじめに  ツボの出方には自然の法則がある。ここまで書いてきた ことを含め、書き出す。 * ツボの出方の自然則 **1.ツボは、歪んだ体の負荷分担システム  ヒトは動く生物、筋肉を伸び縮みさせて動く動物で、筋 肉を緊張させて負荷に耐える。心の負荷にも、体を緊張し て耐える。負荷が1カ所に集中しないよう、関連する筋肉 で分担。  筋肉は、3つの状態に変化する。必要に応じて自在に伸 び縮みする状態、過緊張してカチカチで伸びなくなった状 態、過弛緩してフニャフニャで縮めなくなった状態の3つ。 この過緊張、過弛緩は、一時的機能的なものなので、鍼灸 すれば改善する。 **2.主な負荷は、重力  ヒトは地球という星の地上で生きる生物で、重力を基本 的負荷として進化してきた。地球上の生物の形や動きを考 えていくときに、重力との関係を無視することはできない。 **3.立位での重力負荷分担が十四経  ヒトは、地球の地上で直立2足歩行するサル。立位の姿 勢では、天から見て重なる所同士で、重力を負荷分担して いる。「頭の天辺の頭痛は足厥陰」もその関係。 **4.臥位での重力負荷分担が愈募穴  寝るときには体を横たえるから、重力負荷は体の横輪切 りの方向に掛かる。  歪みが少ない人は、仰向け寝で寝ることが多く、背中の 筋肉の最も太い所で負荷を受け止めるから、兪穴が1行線 に並ぶ。  歪みが大きくなると横向き寝などが多くなるから、横に ズレて2行線や華陀経などに出やすくなる。  兪募穴などは、寝た姿勢での重力負荷分担なので、普段 は歩かない赤ちゃんや寝たきりの人には、横輪切りのツボ の方が効果的。 **5.動作時連動筋肉内にツボが出やすい  ある動作をしたときに一緒に動く筋肉にツボが出ている ことが多い。ある筋肉にツボが出れば、一緒に動く他の筋 肉に余分な負荷が掛かるから。  巨刺、上下刺、対角刺、奇経の「左内関と右公孫」など も、この関係。 **6.大きなツボは筋肉の厚い所に  横輪切りや縦切りの原則から少し外れていても大きな筋 肉のある所にツボが出ることも多い。大きな筋肉の方が大 きな負荷を引き受けられるから。  例えば、「肺の募穴が中府」、「目が悪いと、顎と首の 境目にツボが出る」など。どちらも関係する臓器の中心の 横輪切りラインからはズレているが、その辺りで最も筋肉 が厚い所。 **7.ツボの上の皮膚表面は、凹んでいる  ツボが出ている所の上の皮膚表面は、ペコペコと凹んで いる。ツボの下の皮膚に近い筋肉が一時的に機能的な過弛 緩の状態、つまり、フニャフニャでズブズブになっている から。  ツボが出ている辺りを予測できたときに、ツボの出てい る所を細かく特定するときの一番の目安。少しベタベタ湿っ ていたり、艶(つや)が無く黒ずんでいたりも、目安。 **8.ツボ末梢側の血行、神経伝達の阻害  ツボの奥は、痼り、つまり、一時的に機能的な過緊張に なっている。  過緊張の状態になった筋肉が血管や神経に影響して、そ こから末梢側の血行や神経伝達が阻害される。座骨神経痛、 三叉神経痛、顔面神経麻痺、冷え、瘭疽(ヒョウソ)、乳腺 炎、乳汁不足などの場合のツボの出方。 **9.動作制限の直前で伸びる筋にツボ  動作制限のあるときには、その一歩手前の姿勢で、最も 伸びようとしている筋肉の最も伸びようとしている所にツ ボが出る。  腱の付着部が痛いときには、その腱の筋腹にツボが出て、 腱付着部を引っ張っていて痛みが出る。指の動作制限でも、 その動作をする筋の筋腹にツボが出る。腕の最も太い辺り。 **10.内蔵の機能的関係からツボを予測  口内炎では、胃腸の調子が悪いことが多く、胃腸の病の ときと同じ所にツボが出やすい。二日酔いのときには、肝 臓のツボとか。 **11.ツボは古くなると横にズレる  筋肉の最も太い所で受け止めようとするせいか、背中側 は1行線、腹側は腹胃経に、初めは出る。  歪みが古くなると、そこだけでは負担しきれずに、だん だん横にズレて出る。背中側では、脊骨の直ぐ脇の華陀経 と脊柱起立筋の外側の端(痞根、腰徹腹など)。腹側では、 臍の周り、章門、五枢~維道の辺りなど。  現在は、そういう、正中の近くや体の横側にツボが出て いる人が多い。昔の文献を参考にするときは、その点を考 える。例えば、昔は「女三里」(三陰交)との話があるが、 今は、その横の蠡溝の方が多い。 **12.古い病のツボは体の境目に出やすい  古い病に関係するツボは、体の境目、左右境界の正中線 の辺り、前後境界の少陽や厥陰、上下境界、頭と首の境目、 手足と胴体の境目などに出やすい。上下境界は二つ、横隔 膜の辺り、臍と命門を結ぶラインの辺り。  古くなると横にズレて出る現象の「成れの果て」だろう。 *おわりに  この12個の自然則をよく理解することが大切。  患者さんの訴えを聞いたり、体を目で見て手で触って確 かめたりしたことと、こういう自然則を照らし合わせると、 だいたいツボの出ている辺りを予測できる。  後は、その辺りを見て触って、その辺りで一番凹んだ所 を見付けられれば、ツボは取れる。    >>>つぎへ・・・・・・・・・[[病]] ----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[鍼術覚書]]    >>>このページのトップヘ・・[[ツボ]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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