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気持ちよいと歪みが取れる理由 - (2010/08/09 (月) 06:17:17) の編集履歴(バックアップ)


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気持ちが良いと歪みが取れる理由

体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [1] 「体は自然」が基本
(2) 気持ちが良いと歪みが取れる理由

1.はじめに

病気の症状が出るまえの未病の状態において、体という自然のなかで
何がおこって病気の症状が出るまでにいたるかという点について書い
ていきます。

2.気持ち悪いと体が歪むのが病の出発点

 鍼灸の名人でもあった操体の橋本敬三先生は、「気持ち悪いと体が
歪むのが病の出発点」だという言葉をのこされています。

 くわしく書くと、気持ち悪いことをすると体が歪み、それをほって
おくと、なんとなく変でイヤな感じの不定愁訴になり、それから、検
査に異常のあらわれる機能異常の状態になり、つづいて、器官が破壊
されるという順番で病気が進行するとのことです。

 治る順序は逆で、気持ち良いことをすると体の歪みがなくなり、す
ると、不定愁訴が消え、次の日くらいに機能異常が改善され検査結果
が変わり、しばらくして、器官破壊も可逆変性できる範囲では改善さ
れるということです。

図1

 さて、まずは、なんで、気持ち悪いことをすると体が歪み、気持ち
良いことをすると歪みがなくなるか考えていきましょう。

 気持ち悪いことをしているときの姿勢をよく思い出してみましょう。
あまり良くない姿勢をしていることが多くありませんか?極端な言い
方をすれば、目と手だけ気持ち悪いことに向いていて、それ以外はそっ
ぽ向いている姿勢をしていませんか?

 たいていは、手首は甲を反らせる方向に折れるような感じで曲げて、
肘はできるだけ体から気持ち悪いものを離すように伸びていて、肩は
上がっていて、腰は曲がっていて、顔はそっぽ向いて、体の正中腺、
つまり、ヘソもそっぽ向け、目だけ横目で気持ち悪いものを見ている
そんな姿勢をしていますね。

 言いかえれば、手さきと目以外は気持ち悪いことから遠ざける姿勢、
そんな姿勢じゃないですか?

 実際に極端な例をやってみると、ああ、なるほど、これでは、長い
時間この姿勢では体が歪むだろうなと納得できますので、やってみて
ください。

 逆に、気持ちよいことしているときは、気持ちよいものをできるだ
け自分の体に近づけ、体の正中腺、つまり、臍の前に持ってきて、手
首はあまり曲げず、肘はすこし張りぎみ、肩は下がっていて、手首・
肘・肩・背中が一つの円をえがき、腰から仙椎にかけては反っていて、
頭や目は気持ち良いものに向いているという姿勢をしていませんか?

 こういう姿勢だと長い時間やっていても疲れにくいです。いわゆる
良い姿勢に近いですね。鍼灸や操体はじめ養生や臨床も、この姿勢で
できるようになると効果が出やすくなります。


 さて、そういう気持ち悪い姿勢を続けていると体が歪みますので、体は自然にそれを改善しようとする行為をしはじめます。いわゆる、アクビやノビです。アクビは体を反らせて上を向くことが多いですが、その前には、体を前に折り曲げたり、下を向いていることが多いと思いますが、いかがでしょう。私は、操体をはじめ、ヨガ、気功、整体など、体を動かす運動療法は、みな、アクビの様式化ではないかと考えています。民族の違い、体形の違い、好みの違いによって、いろいろな形や方法への変化がおきているだけで、また、心に言葉でえがかれた物語が違うだけで、本質は、みんな同じに見えます。鍼灸もまた、流派、民族の違いをこえた部分に本質があるというか、それらの共通部分に本質があるように思います。鍼灸や按摩指圧、操体などふくめて、技法の違いにもよらない東洋的な身体観、病気観、治療観をみつけていきたいなと思っています。
 私は、ヨガや気功や整体をやっているときには効果が出せても、なぜ効果が出せるかわかりませんでした。操体をやって、理由がわかったように感じました。みんな、アクビの様式化なんだ。体が自然にやっていることを様式化しただけなんだ・・・と。
 アクビの様式化ということに気づいたのは、赤ちゃんの動きを見ていたときでした。生まれて半年ほどの長男がアクビやノビをしていたのを見てびっくりしました。それまで見た、どんな気功の名人よりも、整体の名人よりも、操体の名人よりも上手な、みごとな動きをしていたのです。ほんとうにびっくりしました。理にかなっていて、自然で、文句のつけようのないほど、みごとな動きでした。それいらい、こういう体を動かす健康法は、アクビの様式化で、おぼえるというよりも、赤ちゃんのころはできていて、成長するにしたがって忘れてしまったことを思い出せばよいだけなんだなぁと思うようになりました。
 また、操体をしているあいだは、ツボがピンポイントで取れなかったので、操体も効果を出せたり出せなかったりで、いつも6割以上の確率で効果を出せるというわけではありませんでした。鍼灸を習っていく過程で、ツボがピンポイントで取れるようになると、操体もつねに6割以上の確率で効果を出せるようになりました。橋本先生が「ツボは1mmくらい、そこに鍼が刺せるかどうかだ」と書かれていたのを思いだし、納得しました。

7.おわりに

 「体は自然」という東洋医学的な身体観から「病気になるのも
自己免疫機能のひとつ」という東洋医学的な病気観、「目の前の人の体
のそのときのの状態に合わせる」という治療観までを説明しました。

 納得していただけたでしょうか?



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