「動作時に連動する筋肉内」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

動作時に連動する筋肉内 - (2015/10/19 (月) 09:27:54) の編集履歴(バックアップ)


累積: - ___ 昨日: - ___今日: -

動作時に連動する筋肉内

体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [2] 動作負荷の分担原則
(7) 動作時に連動する筋肉内

1.はじめに

 今まで書いてきた以外にも興味深いツボの出方もあります。そ
れは、ある動作をするときに同時に動く部分にツボが出るという
例です。「体は連動装置」という言葉が納得できる例でもありま
す。

 例えば、足の脹脛が頻繁に攣(つ)る人のツボが同じ足の鼠径
部に出たり、バトミントン肘のツボが同側の下腿外寄り前側に出
たり、フォアハンドテニス肘のツボが反対側の下腿外寄り前側に
出たりします。

2.ある動作の時に一緒に動く筋肉にツボが出る

 足の脹脛が攣ったときには必ず鼡径部が縮みます。つまり、足
を折り畳むような姿勢で、大腿を腹に近づけて耐えるわけです。
鼡径部を伸ばしたまま、脹脛が攣るのに耐えることはできないで
す。

 それで、脹脛が頻繁に攣る人には、鼡径部にそれに関連するツ
ボが出るのだと思います。

 バトミントンのときには、フォアハンドでもバックハンドでも
ラケットを持つ手と同じ側の足を前に出して支点にします。

 テニスでフォアハンドのときには、ラケットを持つ手と反対側
の足を前に出して支点にします。テニスでもバックハンドのとき
には、同じ側の足が支点になります。

 これまで書いてきた相関に当てはめれば、バトミントン肘は上
下相関に、フォアハンド・テニス肘は対角相関に相当します。

 このように、体の連動性に従って、ある動作をするときに同時
に動く筋肉上にツボが出ることも多いです。

3.横輪切り、縦切り、左右なども動作時連動筋肉内

 今まで書いてきた、横輪切り、縦切り、左右、前後、上下、対
角も、まとめてみれば動作時連動筋肉ということなのかもしれな
いなとも思います。

 筋肉は、たいてい反対に動くもの同士で対(つい、ペア)になっ
ていますし、人間の動きは直立2足歩行が中心になります。

 その辺りも含めて、ある動作をするときに一緒に動く筋肉で負
荷を分担しあっているのだと思います。

 これは、一緒に動く筋肉の一つにツボができていれば、一緒に
動く他の筋肉に余分な負荷がかかるから、しだいに、それらの筋
肉にもツボができていくと考えてもよいです。

 そう考えると、ツボの広がり方が分かりやすいし、一つの痛み
や動作制限に対して、関係するツボが出やすい所の大雑把な見当
が付けやすいと思います。

 目の病に関係するツボが首肩肩甲間部に出るというのも動作時
連動筋肉内ということかもしれません。目を使うときに首肩肩甲
間部も一緒に動かしていることが多いので。

 ですから、運動選手の痛みや辛さで治し方が分からない場合に
は、練習を見学してみるのも良い方法です。実際に参加して、次
の日に筋肉痛を起こした所を調べてみると、ツボを見付けやすい
でしょう。

 最も、普段、全然、運動らしい運動をしていない場合には、全
身が筋肉痛で決めることができないなんてことになるかもしれま
せんが。

4.ツボに当たることが大切

 これまで書いてきたように、ツボは筋肉の負荷分担により増え
ていきますから、横輪切り、縦切り、左右・前後・上下、そして、
それらの組み合わせの対角や動作時連動筋肉内など、色々な出方
をします。

 可能性の高そうな順から試していけば良いのですが、だいたい、
その辺りと分かっても、1cmズレたりしたら、結果が出ないこと
もあります。

 例えば、膝裏の痼りを反対側の手の肘の辺りで弛めることなど、
私は中々できるようになりませんでした。

 でも、今では、自分でできるだけでなく、初めて鍼灸を習う人
にもその場で結果を出してもらえるようになりました。

 伝え方を工夫し、ツボの探し方や鍼灸の仕方を1つずつ段階を
踏んで伝えれば、比較的簡単にできるようになります。

 灸のツボでは2,3mmズレても効かない小さなツボを使ったり
もします。そういうツボ探しも、その場でできるように伝えてい
ます。

 ツボが出ている可能性の高い場所、その中からツボの場所を選
ぶ方法がしっかり伝えられれば伝わるようです。

 効果を出せるような刺し方や鍼の動かし方が分からないとか、
そういう技が上手くできないという人がいますが、刺す場所がツ
ボから外れている場合が多いです。

 出ているツボに鍼が当たっていれば、刺し方や鍼の動かし方は
多少違っていても効果が出ますし、余り考えずにボッと何となく
鍼を動かしている方が自然に適切な刺し具合になっていることも
多いです。

 つまり、どういう鍼の刺し方、灸のすえ方をするかよりも、ツ
ボが的確に取れているかどうかの方が、効き目を大きく左右しま
す。

 この辺りは、初心者でも天性でできてしまう人もいますね。で
も、天性でできない人でも、探し方を身に付ければできるように
なります。

 また、操体などの運動療法でも、ツボが出ている所を特定でき
れば、効果的な操体を見付けやすくなります。基本的には、ツボ
が出ている筋肉を縮ませる連動が生まれる動きの操体を選んでい
けば、上手くいくことが多いです。

 そして、手足を指圧などをしている最中に反対側の手の指を胴
体などに出ているツボに当てていれば、指圧をしている間の患者
さんの体の変化をよりリアルに感じることができます。

5.おわりに

 そこで、次からは、ツボが出やすい部分や、ツボになっている
部分の皮膚や筋肉の状態、そして、その辺りの中から、ぴったり
の点を探す方法を紹介していきます。


   >>>つぎへ>>>ツボの出やすい所



   >>>目次へ・・・・・・・・・体は自然、臨床は対話

   >>>このページのトップヘ・・動作時に連動する筋肉内

   >>>術伝HPトップへ ・・・・トップページ

術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」


お知らせとお願い

術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集

 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、術伝流のモデルをみてください。

 よろしくお願いします。

感想など

 感想などありましたら、「術伝」掲示板に書いてください。

 また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。


 よろしくお願いします。

間違いなど

 間違いなど見つけた方は、術伝事務局あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集

 「術伝」では症例相談用メーリングリスト( 術伝ML(muchukand))の
参加者を募集しています。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   >>>術伝HPトップへ ・・・・トップページ