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術伝流操体 【4】操体で一通り治療 [4] 座位立位などでの操体
(4) 座位の皮膚の操体など
座位の皮膚の操体など
(1)はじめに
先回まで3回、座位での動きの操体を取り上げてきました。 先回は、
座位での対角からの動きの操体でした。
今回は、座位での皮膚の操体や、それにちかい耳や髪の毛の動きを
キッカケにした操体を紹介していきます。
基本手順は、先回までと同じです。
(1)ラクな座位になってもらう
(2)キッカケをえらびイイ感じにする
(3)イイ感じを付け足し増やす
・とくに、体重移動を付け足す
(4)気持ちよさを味わう
(5)体重をもどしたくなったら終える
・そのあと、数呼吸は後味を味わう
(2)頭や首などの皮膚の操体
座位からの皮膚の操体は、比較すると、肩甲骨鎖骨から上のところ
にすることがおおくなります。そういうところにしたほうが動きやす
いからだと思います。
くわしくいえば、頭では、頭頂部、額、側頭部、後頭部など。それ
以外では、首、鎖骨まわり、上腕外側、背中や胸の上のほうなど。
ラクな座位になってもらい、気になるところがあるか聞き、教えて
もらいます(写真1)。写真の人は、横頚部のすこし後ろよりでした。
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写真1
このとき、ふれてイヤな感じがあれば、別のところをえらびます。
イヤな感じがなければ、そこをズレやすいほうにずらしてみます。
それで、イヤな感じがなければ続けます(写真2)。イヤな感じがあ
れば、イイ感じのずらし方をさがします。
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写真2
付け足しは、まず経絡的に関連する手の指などを反らしてみて、イ
イ感じなら反らし続けます(写真3)。
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写真3
それから、連動をうながす言葉をかけていきます(写真4)。「イ
イ感じをさがして、ゆっくり動いていってください。体重も移しやす
いほうに移してください。」とかです。そして、十分に気持よさを味
わってもらいます。
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写真4
イイ感じが消えたり、体重をもどしたくなったりしたら、終わりに
して、ラクな座位になってもらいます。
そして、数呼吸やすんで、後味を味わってもらいます。
(3)髪の毛をずらす操体
髪の毛をずらすことをキッカケにする座位の操体です。非常に微妙
な操体なので、受け手のイイ感じをとくに大切にしてください。また、
感覚的にわからない人にはできないこともあります。
同じように、ラクな座位になってもらいます(写真5)。
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写真5
髪の毛の上に四指をふんわりと乗せてから、四指のあいだで髪の毛
をはさむようにします。このとき、イヤな感じがしたら、別の場所の
髪の毛をはさむようにします。
それから、はさんだ髪の毛を左右前後や、時計回り、反時計回りな
どにずらしてみて、イイ感じのずらし方をさがします(写真6)。つ
むじの向きや、髪のはえている方向と、同じ方向か逆の方向か、その
二つが良いことが多いようです。
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写真6
つぎに、イイ感じの姿勢をさがして動いてもらったり、体重も移し
やすいほうに移してもらいます(写真7)。
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写真7
十分に気持よさを味わってもらいます。
このとき、写真の人のように、どんどん姿勢が変わっていくこともあ
ります(写真8)。
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写真8
イイ感じが消えたり、体重をもどしたくなったら、終わりにして、
ラクな姿勢になってもらいます。
そして、数呼吸やすんで後味をあじわってもらいます。
(4)耳の操体
耳を動かすというか、引っ張ることをキッカケにする操体です。動
きの操体なんですが、感覚的には、動きの操体というよりも、皮膚の
操体にちかい感じがします。
これも、微妙なところがある操体なので、受け手の感じるイイ感じ
をとくに大切にしてください。また、これも、感覚的にわからない人
にはやりにくいです。
やはり、ラクな座位になってもらいます。
そして、まず耳をつまんでみてイイ感じのするところをさがします
(写真9)。
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写真9
それから、つまんだ耳をあちこちに動かしてみて、イイ感じの方向
をみつけます。つまんだところを頭から離す方向に引っ張るほうがよ
いことが多いので、いろいろな方向にかるく頭から離すように引っ張っ
てみて、イイ感じの方向をみつけます。
連動を動かす言葉をかけていきます。まずは、頭や首をイイ感じの
ほうに動かしてもらいます(写真10)。
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写真10
つぎに、手を動かしたり、体重を移したりしてもらいます(写真11)。
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写真11
こうして、付け足しの動きをしてもらっているあいだに、耳をかる
く引っ張る感じがゆるんでしまわないよう気をつけます。ゆるんでし
まうと、そのとたんに気持よさが消えてしまうことが多いので。
気持よさをさがして動いていってもらうと、写真の人のように寝て
しまうこともあります(写真12)。
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写真12
イイ感じが消えたり、体重をもどしたくなったら、終わりにして、
しばらくラクな姿勢で後味をあじわってもらいます。
この操体は、耳をはさまず、耳にふれ、そこをずらすことをキッカ
ケにすることもできますが、ますます微妙になり、感覚的にイイ感じ
がわかる人でないと、むずかしくなります。
また、片方の耳を引っ張るだけでなく、両方の耳を引っ張ることを
キッカケにすることもできます。このときには、頭のなかに何か響い
ているような感覚が生まれるので、私はおもしろいなと思っています。
ただ、まぁ、これも微妙な感覚なんでわからない人もいますし、イ
ヤな感じに思う人には使えないです。
(5)髪の毛を散鍼がわりに引っ張る
座位での操体で、髪の毛をキッカケにするものに、髪の毛をかるく
引っ張りすぐ離すというのがあります。
鍼でする散鍼とよく似た効果があり、頭に熱感があるときなどにす
ると、熱が出ていきやすくなります。
ラクな座位になってもらいます。頭をさわって熱く感じるところの
髪の毛をつまんで、かるく引っ張り、すぐにパッと離します(写真13)。
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写真13
熱いところがみつからなくなるまで、くりかえします。
この操体をしたあとは、前に書いた座位での手の指もみをしておい
たほうがよいです。髪の毛を引っ張ることで、熱を発散させることが
できますが、発散した熱の代わりに胴体のほうから、新たな熱がやっ
てきてしまうキッカケになってしまうこともあるからです。
手の指もみをしておくと、胴体から新たにきた熱は、手のほうに誘
導されやすくなり、頭が熱くなる可能性を減らせます。
また、 その日の操体のおわりに、 この髪毛引張操体と手の指もみ
をしておくと、頭が痛くなったり熱が出たりする可能性も減らせます。
いまでは、かるい操体をうけたあとの夜などに、頭が痛くなったり
熱が出たりする人も、たまにいるようです。そういう経験がある人に
は、しておいたほうがよいと思います。
(6)おわりに
座位での操体を紹介してきましたが、今回までで、おもなものは終
わりました。
次回は、四つん這いなどからの操体を紹介していきます。
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