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鍼灸漢方用語の術伝的解釈 - (2018/05/27 (日) 05:48:03) の編集履歴(バックアップ)


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理科系的?現代風に考えると

鍼灸漢方用語の術伝的解釈


はじめに

 私は、理系の大学を出ましたので、昔からの鍼灸漢方用
語は、体の中の自然現象として見たいこともあり、以下の
ように解釈しています。

 また、一般の人や医師はじめ理系の人には、こういう解
釈の方が伝わりやすいのではないかなとも思っていますし、
研究も進みやすそうに思います。

ツボ、経絡

ツボ

 筋肉が一時的に機能性病変を起こした所
 表面に近い部分は過弛緩、奥の方は過緊張

経絡

 筋肉の重力負荷分担システム
 正経12経は、立位での重力負荷分担システム

ツボと経絡について、詳しくは

 この辺りは、詳しくは>>> ツボと経絡の観方

瘀血,水毒,邪気、真気

瘀血

 血液が循環しにくくなり、悪化したもの。老廃物・未代
謝化学物質などが多く、ウイルス細菌などが増えている。

 自然界での川や湖沼などで、流れにくくなった部分には、
ゴミが溜まりやすく、腐りやすいのと同じことと思います。
体内では、「ゴミ」=「老廃物・未代謝化学物質など」、
「腐る」=「ウイルス細菌などが増殖」ということだと思
います。

水毒

 体液が循環しにくくなり、悪化したもの。老廃物・未代
謝化学物質などが多く、ウイルス細菌などが増えている。

 瘀血と同じですね。繰り返しになりますが、自然界での
川や湖沼などで、流れにくくなった部分には、ゴミが溜ま
りやすく、腐りやすいのと同じこと。体内では、「ゴミ」
=「老廃物・未代謝化学物質など」、「腐る」=「ウイル
ス細菌などが増殖」ということ。

邪気

 体の中の邪毒のうち、形が無く、見えないが、機能は、
実感できるもの。気体や電気のように。

 瘀血や水毒から湧き出すと言われる。

 実態は生体内雑電気か? ツボに指を近付けただけで飛
んでくるのは静電気放電? 過緊張した筋肉が発する異常
活動電位と関係か?

邪気の出てくる文献など

追記:2017.1.11ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 邪気については、江戸時代の鍼灸書に頻繁に出てきます。

「鍼は万病一邪と心得べし」『鍼道発秘』(葦原検校)

「邪気ある時は何れの所にも鍼を用ゆ
   病なきは何れの穴にも鍼を禁ず」『鍼道発秘』
                  (葦原検校)

「けだし鍼は邪気を退くるものなり
  邪気さえ退く時は自ら正気は盛になる理なり」
                 (『鍼灸重宝記』)

「邪気の至るや緊にして疾く、
   穀気の至るや徐にして和す」
   (『杉山真伝流』皆伝之巻「鍼法撮要」〈気察〉)

 これら記述は、私が鍼灸している時に実感していること
に近いですし、敏感な患者さんの話とも近いです。

 例えば、筋痛症系の患者さんは、電気のような物が動い
て指 から出ていくと言う話をされる事が多いです。
術伝流一本鍼no.57:応用(9)筋痛症

 ーーー 追記の追記:20180526 ーーー
  『専門医のための漢方医学テキスト』にも出てきます。
 Ⅶ鍼灸 1鍼灸医学総論 (p299〜p300)
 ③治療原則としての虚実,補寫
  病的状態において「実」は邪気の充満した状態をいい、
 邪気とは生命力の拡張を阻害するもの、病気の原因、誘
 因である。健康体は発病せずに障害部位が発生するのは
 その部位が弱っている、虚している、そこに邪(実)が
 侵入するからと考える…鍼灸治療の原則は補寫である…
 補:闘病反応の低下、体力低下を補うことである
 寫:充満した邪気を排除することである

  『専門医のための漢方医学テキスト』の感想はブログ
 に書きました。
 『専門医のための漢方医学テキスト』感想
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 邪気とは、今の言葉で言えば「生体内雑電気」かなと思
います。明治鍼灸大学時代の伊藤和憲先生の研究で「過緊
張した筋肉は活動電位を出し続けている」というのがあり
ますが、その活動電位と関係が深そうに思います。

 また、邪気は、漢方的には、体の中の邪毒のうち、目に
見えず、形が分からないが、電気や空気のように機能は感
じられる物と思われます。

 そして、邪気は、水毒や瘀血から湧き出すとされるので、
腐った水からメタンガス(気体)が出てくる感じかなと思
います。

 「症状が出ている所、古いツボ、傷跡、水毒、瘀血には、
邪気が沢山有る(蠢いている)。そこから邪気を退けると、
症状は改善し、ツボ、つまり、筋肉の一時的機能性病変も
改善し、傷跡の改善も進み、水毒や瘀血の毒性も低下する」
ということのようです。

 体の中の電気生理学的研究が進むと解明できるかもしれ
ないなと思っています。

 敏感な人は、ピリピリビリビリした感じを受けることが
多いですし、敏感な患者さんには「小さな雷(稲妻?)」
という表現をされた人もいます。

 堀泰典先生の『体内静電気を抜けば病気は怖くない!』
を読んだら、堀先生の言う体内静電気こそ、邪気の正体
(の1つ)のように思 いました。体内静電気を鍼で抜く
話も出てきましたので。
著書『体内静電気を抜けば病気は怖くない』の紹介

 『体内静電気を抜けば病気は怖くない!』の感想は、ブ
ログに書きました。
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20161018

 また、以下のような話も見付けました。
電磁波を放電しよう!体にたまった電磁波の抜き方、知っていますか?
 上記で問題にしている体内に溜まった電磁波も、昔の言
葉で言えば邪気でしょうね。

 体の表面に近い余剰電磁波(雑電気)は、アースなどで
抜けますね。

 けれど、邪気は筋肉内にも溜まっていることも多く、そ
ういう場合には、筋肉まで刺鍼する深鍼の鍼治療が一番効
果的と思います。もちろん、その前後に手足末端への引き
鍼して、手足末端から体の外に出るように誘導することも
大切ですが。
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追記:2018.05.26 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 また、邪気は、機械が不調の時に発する雑音にも似てい
ると思います。

 本田技研の本田宗一郎さんは、エンジン動かして音を聞
いて、エンジンの何処が不調か分かったそうですね。邪気
も同じように、調子の悪くなった体が発する雑電気だろう
なと思います。
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邪気を実感する

  また、邪気は以下のようなことを試してみると、実感で
きる場合が多いです。


 敏感な人は、鍼すると「電気のようなもの(小さな雷や
稲妻)が、動いている」という表現をされることが多いで
す。
リウマチ薬で数値は下がったが、症状が改善しない

真気

 毛細血管の血流と関係が深いようだ。実態は遠赤外線か?

 特に、真気のうちの営気(穀気)は、毛細血管の血流そ
のものかなと思います。それに対して、衛気は、毛細血管
の血流に従って生じる遠赤外線かなという感じです。

瘀血,水毒,邪気、真気などについて、詳しくは

 この辺り、詳しくは、私の養生観術伝流基本+
の「発作現象の濁醪(どぶろく)モデル」なども参考にし
てください。

心下痞硬の痞硬、臍下不仁の不仁

痞硬

 その部分の筋肉が一時的な過緊張に成っている

不仁

 その部分の筋肉が一時的な過弛緩に成っている

傷寒論の太陽病,中風,傷寒

太陽病

 上気道感染症

 太陽位は、上気道のある部分の皮膚表面(〜筋肉)。上
気道の感染状況を皮膚表面(や筋肉)の変化などで診察し
たことに由来するように思います。

中風

 普通のカゼなど

傷寒

 新型インフルエンザなど

新型ウイルスと傷寒論

 (新型?)インフルエンザ・ウイルスは、シベリアの大
地に眠っているとか。先ず、夏に飛来した渡り鳥(雁,鴨)
に感染。

 渡り鳥が越冬のため中国南方などに移動。そこは、昔か
ら、ヒト、ブタ、アヒル(家鴨)が一緒に住む地域。

 そこで、先ず(蚊を媒介として)アヒル(家鴨)に感染
(鳥インフルエンザ)、次に(進化して?)ブタに感染
(豚インフルエンザ)、そして(進化して?)ヒトに感染
(新型インフルエンザ)。

 ヒト、ブタ、アヒル(家鴨)が一緒に住んでいるので、蚊
が吸血した血の中のウイルスが、アヒル、ブタ、ヒトの血
液内で混ざりやすく、進化しやすいそうですね。

 『傷寒論』は、昔の中国の南方地域で新型感染症の治療
に奔走した人によって書かれたとか。それで、私には、
『傷寒論』は、同じ上気道感染症(太陽病)のうち、普通
のカゼのように軽いもの(中風)と、新型インフルエンザ
(やSARS)などのような重いもの(傷寒)の差を書いた
本のように見えました。

おわりに

 ご理解いただけましたか。私は、こんな風に、ツボと経
絡など鍼灸漢方用語を観ています。こういう風に観ると、
鍼灸漢方用語は、現代医学と余り矛盾しないように思うの
ですが、いかがでしょう。



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