鍼術覚書 (2)手順と型
手順と型
手順
「手足→胴体→手足」
「陽→陰→陽」 が手順の二原則。
組み合わせれば、
「手足(陽→陰→陽) → 胴体(陽→陰→陽) → 手足(陽→陰→陽)」
となる。
慢性の病のときは、表位をはじめ体の表に邪が少ないので、はじめの
「陽に引く」を省くことが多い。(陰先陽後)。
また、逆に、急性の病のときは、体の表に邪が多いので、「陰に刺す」
ことは止め、「手足の陽に引く→胴体の陽に引く→手足の陽に引く」と
いう手順で刺すことが多い。(先急後緩)。
型
姿勢を良くし、手順で迷わない
まずは、型をしっかり習熟する。
姿勢が第一。
背筋を伸ばし、肩を落とし、脇をあけ、肘は張りぎみ、手首は折らない。
こういう姿勢だと、指が自由に動く。指にまかせるための第一歩。
また、姿勢が良いと上手そうに見えるのも効果的。
第二は順序。順番で迷うと、患者さんは不安になる。
他人が見て美しいと思うくらいでないと、型は役に立たない。
手順通りにツボを探し、患者さんの体の要求通りに刺鍼できれば、
体は自然に整い、病は癒える。
型の意味
つぎに、型の意味。
慢性期の型では頭を衝かせない
慢性期の型において、初めに手の陰経に引くのは、邪気が動いたとき
そちらに流れるようにするため。つまり、頭を衝かせないための予防策。
その次に、手の陽経に引くのは、表位の邪を少し減らしておくため。
前の予防策の補強にもなる。
横腹に引くのは、安全という以外に、左右差を減らす意味もある。
左右差が大きいと邪気がスムーズに上下の動きに乗りにくいため。
終りに肩頚頭(表位)をゆるめ、散鍼するのは、上に動いた邪気を散
らすため。
頭への散鍼で散らしきらないことも多いので、その部分と関係の深い
手の陽経(とくに、手の甲)に一本引いておく。
この始めと終りの刺し方は、「病が動いたときには、邪が頭を衝きや
すい」ことへの対処になっている。上衝を治めるための刺法。
(参照:(4)経絡の漢方古方派上下論)
だから、慢性期には、時間がないときも、始めと終りは省略しない。
逆に、中の部分は、患者さんの状態や時間を見て適当に組みあわせて
も良い(患者さんの体が有る程度読めるようになったら)。
応急は、陽位中心、陰を混ぜる
応急の型においては、
「手足の陽→胴体の陽→手足の陽」
が手順の基本となる。
運動系疾患でも肩や膝などのとき、それに、内臓系疾患の場合には、
陰経を組み合わせることになる。症状に応じ、組み合わせ方を工夫する
必要がある。
また、内(陰)が関係する急性病で上衝が激しいときなど、まず、手
の甲への引き鍼のあと、頭など熱いところへの散鍼をする必要がある場
合もある。後始末のときの手順を最初に行うということだが、すこし難
しい。
刺法の意味を考える
一つ一つの刺鍼での患者さんの体の変化をよく観察し、その刺法の意
味を考えると良い。
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