術伝流操体・操体で一通り治療 (5)あまり動かない人の例2.
あまり動かない人の例1.
1.はじめに
操体で一通り治療した例で、あまり動かない人の例の2つ目です。
2.横向き丸まり型から仰向け
2.1.1.ラクな姿勢は、横向き丸まり型
「ラクな姿勢で寝てみてください。仰向けでも、うつ伏せでも、横向
きでもかまいません。横向きの場合は、どちらを上にした寝方でも良い
です。いま、いちばんラクな感じのする寝方で寝てみてください」と声
をかけたら、右を下にした横向き寝になりました(写真1)。
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写真1
この人は、現在0歳児を育てているそうなので、右手を使うために、
いつも左手で赤ちゃんを抱いていて、左半身が疲れている可能性がある
なと思いました。
いつものとおり、かるく足裏の指もみをして、足指裏が痛くなくなる
まで、膝を曲げて逃げてもらいました(写真2)。
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写真2
これで、この寝方では、下半身は、ほぼラクな感じになったかなと思っ
たので、「上になっている左手は、背中に回すのと、胸の前に持ってく
るのと、どちらがイイ感じですか?」と伝えて、試してもらったら
(写真3)、胸の前のほうがイイ感じとのことでした。
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写真3
横向き丸まり型かなと思いながら、腕を置く位置や手首の捻り具合な
どを加減して、よりラクな、よりイイ感じをさがしてもらい、それを皮
膚操体ですこし強調したりしました(写真4)。
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写真4
それから、その横向き丸まり型をすこし強調するために、膝の曲げ具
合をすこし深くしながら、左肩甲骨の皮膚をずらすように支援してみた
ら(写真5)、イイ感じということでしたので、その支援を続けました。
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写真5
しばらくしてから、すこし押し返してくるような感じを受けたので、
「姿勢を変えたくなったら、変えてもいいですよ」と言ったら、ゆっく
りと、仰向けになっていきました。
2.2.仰向け膝曲げ倒しから右側面伸ばし
仰向けになった姿勢をよく見たら、右足がすこし外に開いていました
(写真6)。
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写真6
それ以外には、首を左に傾けているのも目立ちましたが、操体は、基
本的に、下半身のほうから整えていくのが原則なので、左足をきっかけ
にしてみることにしました。
そこで、試しに、膝を曲げて倒して、曲げ具合がどのくらいがいいか
比較してもらいました。くわしく書くと、右足の踵が、左足の、足首く
らい、膝くらい、大腿中ほどくらいの3つの位置にくるような姿勢をく
らべてもらいました。
そしたら、右足の踵(かかと)が左足に膝くらいの位置がイイ感じと
のことでした(写真7)。
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写真7
そして、そこまで、足を曲げてもらったら、首を傾けている感じは、
少なくなりました。
こういう姿勢のときには、上になっている右大腿内側を伸ばすことを
キッカケにするとよいことが多いので、試して見ると、やはり、イイ感
じということでした。そのまま、右大腿内側を伸ばすことにつながるよ
うに、皮膚をずらし続けました(写真8)。
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写真8
そして、イイ感じを付け足していこうと姿勢を見たら、右肩から右
腕がキュークツそうに、つまり、そのあたりの筋肉が緊張しているよう
に見えたので、「右腕が、まだ、キュークツそうですね。いろいろ動か
して、ラクな格好をさがしてください」と伝えたら、右手を頭のほうに
伸ばすのがイイ気持ちということでした(写真9)。
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写真9
その姿勢を見てみると、もっと右半身を伸ばしたそうな感じを受けた
ので、右半身を伸ばすことにつながるように、腕の皮膚をかるくズラし
てみたら(写真10)、案の定、イイ感じが増え、右半身が伸びる感じが
気持ちよいとのことでした。
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写真10
支えるのに操者の両手を使ってしまいましたが、首が、まだ、なんと
なくキュークツそう、つまり、首に緊張が残っていそうに見えました。
そこで、「首がキュークツじゃないですか? 右を向いたり、左を向
いたりすると、どっちかで、もっとイイ感じになりませんか?」と聞い
たら、右を向いたほうがいいということでしたので、ラクな範囲で右を
向いたままにしてもらいました(写真11)。
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写真11
「だいたいイイ感じの姿勢になれたと思うので、このイイ感じの姿勢
を十分に味わってください。イイ感じが消えたり、十分に味わえたと思っ
たら、終わりにしてもいいですよ」と声をかけておきました。
しばらくして、仰向け大の字に近い姿勢になっていきました。だいぶ
体全体が緩んだ感じがしたので、感じを聞いてみたら、本人もじゅうぶ
んラクになった感じがするということでした。
それで、仕上げに移ることにしました。
2.3.座位で、3軸+重さ、指もみ
ゆっくりと座位の姿勢になってもらいました。
そして、頭の後ろで手を組んでもらい、左右捻転、左右側屈、前後屈
という、いわゆる胴体の3軸を順に試して、それぞれ比較してイイ感じ
のほうを選んでもらいました(写真12、13、14)。
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写真12
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写真13
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写真14
イイ感じのほうを3つ組み合わせてもらってから、体重をどちらに移
しやすいか試してもらい、いちばんイイ感じのほうに体重も移してもら
いました。
そして、十分に体重が移せるように、受け手の肘を手のひらで支えま
した(写真15)。
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写真15
「支えていますから、体重をかけたいだけ、こちらにかけてください」
と伝えたら、かなり体重をかけてきました(写真16)。
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写真16
そのあと、手の指もみをしました(写真17、18)。
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写真17
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写真18
3.おわりに
ふりかえってみると、この人の場合は、おもに二つの操体で、おおざっ
ぱに体が整ってしまったことになります。
操体を受けるのは、ほとんど初めてということでしたが、体に対する
感受性がすぐれている感じを受けました。そのため、いまの自分の体が
イイ感じになる姿勢や動きがなんとなくつかめ、少ない操体で、体が整っ
ていったように思います。
ただし、比較すると、こういう人は少なく、初めのうちは、ラクな寝
方やイイ感じの姿勢や動きが分からない人のほうが多いです。
そこで、次回からは、ラクな寝方やイイ感じの姿勢がわからないで、
キュークツそうなのに仰向け大の字に近い格好で寝ている人を、どうい
うふうに誘導してラクな寝方でイイ感じの姿勢になってもらうか、その
やりかたを挙げていきたいと思います。
そして、そのあと、逆に、イイ感じを求めて、どんどん動いていって
しまう人を追っていく、しかも、イイ感じが消えないように追っていく
方法を挙げていく予定です。
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いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
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た話」の写真入り版のような感じにしていきたいと思っています。
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