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術伝流一本鍼no.63 - (2014/11/14 (金) 09:52:21) のソース

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&color(green){術伝流一本鍼no.63 (術伝流・体得篇(3))}

&bold(){&size(24){&color(green){肩こりに片手刺しで操体鍼}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents
*1.はじめに
 先回は、「指を細く使え」ということを中心に、ツボの実践
的な取り方を書きました。今回は、鍼での自己養生に欠かせな
い片手での刺鍼法です。

 操体の橋本敬三先生は、鍼灸も名人でしたが、初めの頃は毛
鍼がなかなか刺せないで、いろいろ工夫されたようです。『生
体の歪みを正す』(創元社)に、新聞紙に撚鍼で刺鍼練習する
方法が書かれていました。 

 適当な大きさに切った新聞紙を利き手でないほうの手で持ち、
鍼先から1cmくらいの鍼体を利き手の拇指示指でつまみ、新聞
紙に撚鍼で刺鍼するという練習法です。

*2.橋本敬三先生の片手での撚鍼法
 実際にしてみましたが、初めはティッシュの方がやりやすかっ
たです(写真1)。 ティッシュにラクにさせるようになったら、
新聞紙に撚鍼で刺鍼する練習をします(写真2)。

写真1: DSCF5009
写真2: DSCF5010

 新聞紙にも片手で簡単に撚鍼で刺鍼できるようになったら、
足三里に撚鍼で刺鍼する練習をします。筆者は、銀の霞鍼まで、
この撚鍼法で刺せるようになりました。

 利き手でない方の手でも、この撚鍼法で刺鍼できるように練
習します(写真3)。利き手でない方の手の場合は、銀鍼が無
理なら、ステンレスのディスポでよいでしょう。

写真3: DSCF5014

*3.利き手で反対の手に刺鍼して操体鍼
 次は、利き手で、利き手でない方の手に刺鍼してみます。実
際の自己養生に使う場合には、全て撚鍼法で刺鍼するよりも、
弾入してから撚鍼で刺鍼するほうが簡単なので、その方法を紹
介します。

 先ず、先回説明した「指を細く使う」方法で、ツボを取りま
す。肩コリなどなら、前腕の甲側小指より、手甲4~5間、3~4
間などを探して、いちばん効果が出そうな所を取ります。

 それから、利き手の拇指と中指で鍼管と鍼のセットを持ち、
取ったツボの上に立て(写真4)、押してみてツボの上に立っ
ているか確認します。

写真4:DSCF5024

 拇指中指をずらし押手を作ってから示指で弾入します(写真
5)。そして、鍼管を外し、鍼先から1cm位の所を利き手の
拇指示指で摘み、撚鍼で刺鍼していきます。

写真5:DSCF5026

 響きを感じたら、そのまま置鍼して、首や反対の手を動かし
て、イイ感じの姿勢を探していきます(写真6,7)。操体法を
ご存知なら、置鍼をキッカケに動きの操体をするということで
す。操体鍼と呼んでいます。

写真6:DSCF5028
写真7:DSCF5029

 置鍼した側の手を動かしてもよいですが、痛みを感じるよう
な無理はしないようにしてください(写真8)。

写真8:DSCF5032

*4.利き手の反対の手で利き手に刺鍼して 
 いよいよ、利き手の反対側の手で利き手に刺鍼してみます。
3.と同じように、ツボをさがし、そのツボに弾入撚鍼します
(写真9)。そして、イイ感じをさがしてユックリ動く操体鍼
をします(写真10)。

写真9:DSCF5036
写真10:DSCF5046

*5.体の内側の現象を味わう
 手に置鍼しながら、首や手を動かして、イイ感じの姿勢を探
すこと(操体鍼)をしていくときには、体の内側の色々な現象
を味わうようにするのがコツです。

 例えば、筋肉がプルプル震えて弛んでいくような感じ、電気
のようなものが走っていくような感じ、温かい風が吹きぬけて
いくような感じ、温かい水がジワーっと広がっていくような感
じ、小さな雷があちこちで鳴り響くような感じ、など。

 そして、そういう体の内側の現象が、だんだん変化していく
様子も観察します。細かく見ていけば、刻一刻と変化している
のが分かると思います。

 自分の体の内側の方が、他人の体の内側よりも感覚しやすい
です。先ずは、じっくり、鍼したときに自分の体の内側で起き
る色々な現象を感じ味わうようにしましょう。

 それが、鍼師としての勘を養う「初めの一歩」です。刺鍼中
も刻一刻と変化していく患者さんの体の反応に合わせて、刻一
刻と手の内を変化させて対応していくのが、鍼、とくに単刺の
楽しさですから。

*6.おわりに
 片手刺しができないうちは、無理せずに、とったツボに円皮
鍼を貼って、それをキッカケに操体鍼をしてもよいと思います。
大切なのは、鍼師としての勘を養うために、刺鍼中の体の中で
起きている現象を味わうことですから。


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