累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &color(green){理科系的?現代風に考えると} &bold(){&size(24){&color(green){鍼灸漢方用語の術伝的解釈}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}} ------ #contents *はじめに 私は、理系の大学を出ましたので、昔からの鍼灸漢方用 語は、体の中の自然現象として見たいこともあり、以下の ように解釈しています。 また、一般の人や医師はじめ理系の人には、こういう解 釈の方が伝わりやすいのではないかなとも思っていますし、 研究も進みやすそうに思います。 *ツボ、経絡 **ツボ 筋肉が一時的に機能性病変(機能異常)を起こした所 表面に近い部分は過弛緩、奥の方は過緊張 **経絡 筋肉の重力負荷分担システム 正経12経は、立位での重力負荷分担システム **ツボと経絡について、詳しくは この辺りは、詳しくは>>> [[ツボと経絡の観方]] *瘀血,水毒,邪気、真気 **瘀血 血液が循環しにくくなり、悪化したもの。老廃物・未代 謝化学物質などが多く、ウイルス細菌などが増えている。 自然界での川や湖沼などで、流れにくくなった部分には、 ゴミが溜まりやすく、腐りやすいのと同じことと思います。 体内では、「ゴミ」=「老廃物・未代謝化学物質など」、 「腐る」=「ウイルス細菌などが増殖」ということだと思 います。 **水毒 体液が循環しにくくなり、悪化したもの。老廃物・未代 謝化学物質などが多く、ウイルス細菌などが増えている。 瘀血と同じですね。繰り返しになりますが、自然界での 川や湖沼などで、流れにくくなった部分には、ゴミが溜ま りやすく、腐りやすいのと同じこと。体内では、「ゴミ」 =「老廃物・未代謝化学物質など」、「腐る」=「ウイル ス細菌などが増殖」ということ。 **邪気 体の中の邪毒のうち、形が無く、見えないが、機能は、 実感できるもの。気体や電気のように。 瘀血や水毒から湧き出すと言われる。 実態は生体内雑電気か? ツボに指を近付けただけで飛 んでくるのは静電気放電? 過緊張した筋肉が発する異常 活動電位と関係か? ***邪気の出てくる文献など 追記:2017.1.11ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 邪気については、江戸時代の鍼灸書に頻繁に出てきます。 >「鍼は万病一邪と心得べし」『鍼道発秘』(葦原検校) >「邪気ある時は何れの所にも鍼を用ゆ > 病なきは何れの穴にも鍼を禁ず」『鍼道発秘』 > (葦原検校) >「けだし鍼は邪気を退くるものなり > 邪気さえ退く時は自ら正気は盛になる理なり」 > (『鍼灸重宝記』) >「邪気の至るや緊にして疾く、 > 穀気の至るや徐にして和す」 > (『杉山真伝流』皆伝之巻「鍼法撮要」〈気察〉) これら記述は、私が鍼灸している時に実感していること に近いですし、敏感な患者さんの話とも近いです。 例えば、筋痛症系の患者さんは、電気のような物が動い て指から出ていくと言う話をされる事が多いです。 [[術伝流一本鍼no.57]]:応用(9)筋痛症 ーーー 追記の追記:20180526 ーーーーーーーーー 『専門医のための漢方医学テキスト - 漢方専門医研修 カリキュラム準拠 』日本東洋医学会学術教育委員会 (著) にも出てきます。 > Ⅶ鍼灸 1鍼灸医学総論 (p299〜p300) > ③治療原則としての虚実,補寫 > 病的状態において「実」は邪気の充満した状態をいい、 > 邪気とは生命力の拡張を阻害するもの、病気の原因、誘 > 因である。健康体は発病せずに障害部位が発生するのは > その部位が弱っている、虚している、そこに邪(実)が > 侵入するからと考える…鍼灸治療の原則は補寫である… > 補:闘病反応の低下、体力低下を補うことである > 寫:充満した邪気を排除することである 『専門医のための漢方医学テキスト』の感想はブログ に書きました。 [[『専門医のための漢方医学テキスト』感想>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20101028/1288247718]] ーーー 追記の追記:20180526(終) ーーーーーー 邪気とは、今の言葉で言えば「生体内雑電気」かなと思 います。明治鍼灸大学時代の伊藤和憲先生の研究で「過緊 張した筋肉は活動電位を出し続けている」というのがあり ますが、その活動電位と関係が深そうに思います。 また、邪気は、漢方的には、体の中の邪毒のうち、目に 見えず、形が分からないが、電気や空気のように機能は感 じられる物と思われます。 そして、邪気は、水毒や瘀血から湧き出すとされるので、 腐った水からメタンガス(気体)が出てくる感じかなと思 います。 「症状が出ている所、古いツボ、傷跡、水毒、瘀血には、 邪気が沢山有る(蠢いている)。そこから邪気を退けると、 症状は改善し、ツボ、つまり、筋肉の一時的機能性病変も 改善し、傷跡の改善も進み、水毒や瘀血の毒性も低下する」 ということのようです。 体の中の電気生理学的研究が進むと解明できるかもしれ ないなと思っています。 ーーー 追記の追記:体内静電気 ーーーーーーーーー 堀泰典先生の『体内静電気を抜けば病気は怖くない!』 を読んだら、堀先生の言う体内静電気こそ、邪気の正体 (の1つ)のように思 いました。体内静電気を鍼で抜く 話も出てきましたので。 [[著書『体内静電気を抜けば病気は怖くない』の紹介>http://www.dr-hori.com/media/tainai/intro.php]] 『体内静電気を抜けば病気は怖くない!』の感想は、 ブログに書きました。 http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20161018 また、以下のような話も見付けました。 [[電磁波を放電しよう!体にたまった電磁波の抜き方、知っていますか?>http://www.emf110.com/blog/?p=267]] 上記で問題にしている体内に溜まった電磁波も、昔の 言葉で言えば邪気でしょうね。 体の表面に近い余剰電磁波(雑電気)は、アースなど で抜けますね。 けれど、邪気は筋肉内にも溜まっていることも多く、 そういう場合には、筋肉まで刺鍼する深鍼の鍼治療が一 番効果的と思います。もちろん、その前後に手足末端へ の引き鍼して、手足末端から体の外に出るように誘導す ることも大切ですが。 ーーー 追記の追記:体内静電気(終) ーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 追記:2018.05.26 ーーーーーーーーーーーーーーーーー また、邪気は、機械が不調の時に発する雑音にも似てい ると思います。 本田技研の本田宗一郎さんは、エンジン動かして音を聞 いて、エンジンの何処が不調か分かったそうですね。邪気 も同じように、調子の悪くなった体が発する雑電気だろう なと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ***邪気を感じる 邪気に関して以下のようなことを試してみると、殆どの 人の指は邪気に反応して動く場合が多いです。 [[邪気を実感する>https://www26.atwiki.jp/jutsuden/pages/326.html#id_f4adbb32]] 敏感な人は、ピリピリビリビリした感じを受けることが 多いです。また、敏感な患者さんには、鍼すると「電気の ようなもの(小さな雷や稲妻)が、動いている」という表 現をされることが多いです。 [[リウマチ薬で数値は下がったが、症状が改善しない>https://www26.atwiki.jp/jutsuden/pages/248.html#id_d2c04916]] **真気 毛細血管の血流と関係が深いようだ。実態は遠赤外線か? 特に、真気のうちの営気(穀気)は、毛細血管の血流そ のものかなと思います。それに対して、衛気は、毛細血管 の血流に従って生じる遠赤外線かなという感じです。 **瘀血,水毒,邪気、真気などについて、詳しくは この辺り、詳しくは、[[私の養生観]]、[[術伝流基本+]] の「発作現象の濁醪(どぶろく)モデル」なども参考にし てください。 *心下痞硬の痞硬、臍下不仁の不仁 **痞硬 その部分の筋肉が一時的な過緊張に成っている **不仁 その部分の筋肉が一時的な過弛緩に成っている *傷寒論の太陽病,中風,傷寒 **太陽病 上気道感染症、特に、(急性)上気道炎。 太陽位は、上気道のある部分の皮膚表面(〜筋肉)。上 気道の感染状況を皮膚表面(や筋肉)の変化などで診察し たことに由来するように思います。 「太陽之為病、脈浮、頭項強痛而悪寒」 (うなじにもシコりが出る) **中風 普通のカゼなど 「太陽病、発熱、汗出、悪風、脉緩者、名為中風」 「太陽病、項背強几几、無汗、悪風、葛根湯主之」 (うなじから背中にかけて強くこわばる) **傷寒 新型インフルエンザなど 「太陽病,頭痛発熱,身疼腰痛,骨節疼痛,悪風,無汗而喘,麻黄湯主之」 (傷寒論太陽病中篇) **新型ウイルスと傷寒論 (新型?)インフルエンザ・ウイルスは、シベリアの大 地に眠っているとか。先ず、夏に飛来した渡り鳥(雁,鴨) に感染。 渡り鳥が越冬のため中国南方などに移動。そこは、昔か ら、ヒト、ブタ、アヒル(家鴨)が一緒に住む地域。 そこで、先ず(蚊を媒介として)アヒル(家鴨)に感染 (鳥インフルエンザ)、次に(進化して?)ブタに感染 (豚インフルエンザ)、そして(進化して?)ヒトに感染 (新型インフルエンザ)。 ヒト、ブタ、アヒル(家鴨)が一緒に住んでいるので、蚊 が吸血した血の中のウイルスが、アヒル、ブタ、ヒトの血 液内で混ざりやすく、進化しやすいそうですね。 『傷寒論』は、昔の中国の南方地域で新型感染症の治療 に奔走した人によって書かれたとか。それで、私には、 『傷寒論』は、同じ上気道感染症(太陽病)のうち、普通 のカゼのように軽いもの(中風)と、新型インフルエンザ (やSARS)などのような重いもの(傷寒)の差を書いた 本のように見えました。 *おわりに ご理解いただけましたか。私は、こんな風に、ツボと経 絡など鍼灸漢方用語を観ています。こういう風に観ると、 鍼灸漢方用語は、現代医学と余り矛盾しないように思うの ですが、いかがでしょう。 ----- >>>術伝流鍼灸操体講座へ・・[[術伝流鍼灸操体講座]] >>>このページのトップヘ・・[[鍼灸漢方用語の術伝的解釈]] >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。 よろしくお願いします。 **感想・間違いなど 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。 よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。 よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ---- >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----