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ツボの出やすい所 - (2015/10/19 (月) 09:23:50) のソース

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体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [3] ツボの出方、探し方
(1) ツボの出やすい所
#contents
*1.はじめに
 おおよその場所が見当が付けられた時に、ツボの出ている場所
を、はっきり特定する方法について書いていきます。

 人間の動きや体の構造上でツボが出やすい所は、ある程度、決
まっています。

 そして、歪みが大きくなった場合に古い歪みが出やすい場所も
だいたい決まっています。

 先ずは、ツボがどんな場所に出やすいか、その辺りの体の構造
の特徴から書いていきます。

 慣れていない人にも分かりやすくするために、患者さんの体に
触れた経験の長い人には当たり前と思えることも書いていきます。

*2.筋肉と筋肉の間の溝に出やすい
 一番目の特徴は、ツボは筋肉と筋肉の間の溝に沿って出ている
ことが多いことです。

 表面の皮膚が厚かったり皮下脂肪が厚いと少し難しくなります
が、見当を付けた辺りを、筋肉の走る方向を横断する形で触って
みると分かりやすくなります。

 歪みが古い場合には、見た目にも凹んで見えることが多いです。

 そういう筋肉の間の溝は、首や胴体や腕、足の大腿や下腿など、
太い筋肉がある所に、よく見られます。

**特に、関節の近くの骨が太くなる直前の所
 そういう筋肉の間の溝の中でもツボが出ていることが多いのは、
関節の近くの骨が急に太くなる直前の所です。

 骨の形は、一般的には、両端の所が丸く太くなっていて、中は
細い棒状というものです。マンガなどで犬がくわえている骨の形
です。

 両端の太い部分は、隣の骨と関節を作っていて、その部分には
大きな筋肉は付いていないことが殆どです。

 その太い部分が終わって細くなり始めた部分によくツボが出ま
す。

 それは、その骨に筋肉が付く部分でもあることが多いです。解
剖学的には「筋の起始停止」と呼ばれる所です。そこにツボが出
やすいのは、きっと、負荷が掛かりやすいからだなと思います。

 と言っても、その上には他の筋肉が覆いかぶさっていますが。

 鶏のモモ肉などを1本丸ごと食べるときによく観察してみてく
ださい。

 この筋肉と筋肉の間、特に、その中でも関節近くにあるものが、
ツボとしても大きいので、鍼灸で使われることが多いです。有名
な「足の三里」もこのタイプです。

*3.骨の直ぐ脇にも出やすい
 次に多いのは、骨の際というか、骨の直ぐ脇です。

 頭の方から、目の周りの骨に指を押しつけるようにすると、目
の悪い人は痛い所があるでしょう。

 顎(あご)の骨と頭の骨の間とか、後頭骨の首側(後頭骨下縁)、
背骨の両脇、肩胛骨の周り、鎖骨の首側、腹や腰に近い肋骨の下
側、骨盤の上側、腰骨の腹側、下腿の骨の脇、内踝(うちくるぶ
し)や外踝(そとくるぶし)の周り、踵(かかと)の骨の上側な
ど。

 ここでの上下は、頭の方を上、足指の方を下にしています。

 このタイプに似ているのが、臍の周りと女性の乳房の裾野周り
に出るツボです。手術痕や古傷の周りに出るのも、似たタイプか
なと思います。

 これらも、皆、負荷が掛かりやすい場所という共通点がありま
す。

 手や足の甲などでは、骨と骨の間に出ます。ですから、手足の
甲のツボを指定するときに「手甲4~5間」などと表現します。
これは「手甲の薬指に繋がる骨と小指に繋がる骨の間にあるツボ」
という意味です。

 手足の甲以外では、頭の頭蓋骨の上のツボも、このタイプが多
いです。大人になると一つのヘルメットのように繋がっています
が、赤ん坊の頃は分かれていた境目の所です。

 また、肋骨のある所では、肋骨と肋骨の間に出ていることもあ
ります。背骨と背骨の間や、骨盤を形作る仙骨と蝶骨の間にも出
ます。

 これまで書いた「筋肉と筋肉の間」と「骨の周り」の二つが、
ツボとしては最も多いです。

 背中の大きな筋肉である脊柱起立筋の中にあるツボ、足太陽経
の兪穴などは、起立筋の中の筋肉の束(たば)と束の間にあるの
で、関節の近くではないですが、大きな分類としては、筋肉と筋
肉の間にあると言えると思います。

 そして、その中でも肋骨のある部分では、肋骨と肋骨の間にあ
ることが多いので、骨と骨の間にあるとも言えます。

 骨関係では、もう一つ、骨の上の窪みにもツボが出ます。有名な
のは、下腿の「弁慶の泣き所」とも呼ばれる、筋肉が殆ど付いてな
い部分に二つ(中都、蠡溝)と、胸の胸骨の中央の辺り(膻中)に
あります。

 この3つとも、古くなると見た目にも凹んで見える場合が多いで
す。

 「弁慶の泣き所」にある2つのツボは、骨の中に血管や神経が入っ
ていく穴なんだそうです。

 この骨の周りの2つの形態のツボ、「骨と骨の間」と「骨上の窪
み」に出るツボのうち、骨の上のツボは、灸がよく効きます。が、
下腿の二つのツボは深く刺さずに接触鍼をしたり、弾入した後に直
ぐに横揺らしや旋撚するだけでも効きます。

*4.指の周り、耳のツボ
 そして、もう少し細かいツボだと、手足の指の周りにもツボが出
ます。先ず、指と指の間の水掻き状部分(手は八邪、足は八風)、
指の関節部の手平側や足裏側の皺(しわ)の両端(節紋)、爪の根
本(井穴)などです。

 灸だと、もう少し細かい、指関節の甲側の中央部の窪み(骨空)
や、指の先端と爪との境目の中央(指端、十尖穴)や、爪の上な
ども使います。が、鍼には、余り使われません。

 こういう指のツボは、経験上、急性症状を取り敢えず少なくす
る応急処置に使うと効果があるように思います。

 鍼では、耳のツボも使いますが、とても小さくて1mmズレて
も効かないことがあります。耳のツボも、丁寧に調べると、周り
より凹んでいます。

*5.太い筋肉には、少しズレても、ツボが出やすい
 もう一つ興味深いことに、筋肉の大きい部分には、少しズレて
いてもツボが出ることがあります。

 目の悪い人には、「顎の付け根」と「耳の下の骨」の間にツボ
が出ますが、ここは、目の横輪切りのラインからは少しズレてい
ます。

 目の横輪切りライン上には大きな筋肉が無いので、近くて太い
筋肉の部分に負荷が掛かりやすいせいかなと思います。

 次男が赤ん坊の頃、酸素ボンベを付けていたときに最も反応し
た胸の上腕寄り(中府)も、腹側で肺のある部分では最も筋肉の
厚みのある所です。

 縦切り、横輪切り、左右・上下・前後、対角などを基準にツボ
探しをするときに、この辺りも頭の隅に思い浮かべられると、出
ているツボが見付けやすいかもしれません。

 この太い筋肉に出やすいということは、腹や背中のツボの出方
にも見られます。

 体に歪みが出始めたときに背中側で初めにツボが出るのは、背
中の筋肉(脊柱起立筋)の一番太い所です。

*6.古くなると、横にズレる
 しかし、歪みが古くなってくると、横にズレていきます。

 慢性症状のある人などでは、「背骨の直ぐ脇(華陀経)」と、
脊柱起立筋の一番外側(痞根、腰徹腹)に出ていることが多くな
ります。

 これは、初めは負荷を筋肉の一番太い所で支えようとするのだ
が、だんだん、そこだけでは支えきれなくなるからだと思います。

 同じような現象は腹でも見られ、初めは腹の臍(正中腺)と脇
腹の中間のラインにツボが出るのですが、古くなると、臍の直ぐ
近くと脇腹近くの肋骨下縁や腰骨の腹側に出ます。

*7.おわりに
 探し方に入る前に長くなってしまったので、探し方は次回にな
ります。

 今回の話でも何回も出ていますが、その辺りで一番凹んでいる
所を探すのがコツです。

 何故ツボの出ている所が窪んでいるかも含めて、次回に詳しく
書きます。


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