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治療をした後に表情は晴れ晴れしたか - (2015/10/20 (火) 14:45:23) のソース

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体は自然、臨床は対話 【2】臨床は対話 
(3) 治療をした後に表情は晴れ晴れしたか
#contents
*1.はじめに
 治療が終わってからの判断に、一番、役に立つのは、治療前と
治療後との顔の表情の変化です。

 治療を始める前の暗く沈み、淀んだような表情が、明るく晴れ
晴れとスッキリした表情になったら、少し動作制限や痛みが残っ
ていても大丈夫です。

 そういうときには、声のトーンも明るくなります。

 一般的に、痛みや動作制限が20%しか改善しなくても喜んで
くださる人の方が予後は良いです。

 次に診たときには前回の状態が半分以上保たれていて、治療す
ると、また少し改善してという感じで、少しづつ改善が積み重なっ
て良くなっていくことが多いです。

*2.痛みが減っても喜ばない人は、予後が悪い
 逆は心配です。

 痛みや動作制限が80%以上改善しても表情が良くならない人は、
予後が悪く、次に診たときには元に戻ってしまっていたというこ
とが多かったです。

 こういう人は、訴えている体の辛さの他に、心の悩みを抱えて
いることが多いようです。

 本人がそれを自覚されていない場合もあります。

 そういう場合には、心に関係するといわれる胸骨中央(膻中)、
みぞおち(鳩尾)、鎖骨の周り、首、後頭骨下縁、手平の中央
(労宮)、仙骨、足の内側中央(足厥陰)のライン、手足親指な
どの辺りを調べて、痼りがないか、ツボが出ていないか探します。

 痼りなどがあったら、その痼りを弛めたり、ツボを改善したり
しているうちに、悩みを話し出したりされることも多いです。

*3.体が弛むと、心も解れる
 でも、心の悩みに直接アプローチしなくても、普通に鍼灸して
いるだけでも、適切な刺激で、ガチガチに強張っていた筋肉の緊
張が弛むと、悩みが気にならなくなる状態に心が変化していくこ
とが多いです。

 治療をした後で、「実は、悩みを抱えて来たんだけれど、何か
どうでもよくなちゃった。すっきりしちゃった」と受け手の人に
言われて、「へー、そうなんですか」となるようなことも多いで
す。

 それが鍼灸や操体などの良い所だなと思います。

 悩みを感じた原因はなにも変わってなく、また、悩んでいた記
憶は残っているのですが、それが辛さに結びつかなくなるようで
す。

 ですから、ゆっくり、じっくり、進めていけばよいと思います。

 治療をしている間だけでも悩みが心から消えていると、辛さが
全然違うようです。

 治療をした日の夜だけでもグッスリ眠れると、もっと違うよう
です。

*4.思い方を変えるより、体を弛める方が長持ちする
 悩みに対して言葉で心の思い方を変えるという方法を取る治療
法もありますが、効果がない場合もあるように思います。

 心の悩みは、具体的な危機が迫っているというよりも、普段の
生活の中で周りの人々に言われた言葉が原因で生まれることが多
いようです。

 そのため、言葉を中心にして患者さんの心の思い方を変えても、
普段の生活の中で悩みを生み出したものに似た言葉を再度聞くと
直ぐに再発しやすいようです。

 普通に治療して、体が弛み、悩みが気にならなくなったときに
は、普段の生活の中で悩みを生み出したものに似た言葉を聞いて
も再発しにくいようです。

 悩むのにも悩みやすい姿勢があり、そういう姿勢を取りやすい
ように体が歪んでいたのですが、鍼灸や操体などの治療でその歪
みを改善すると、言われたときに一瞬その悩みやすい姿勢になっ
ても、その姿勢の形に歪む原因となる痼りが無ければ、直ぐに元
の悩みに関係の無い姿勢に戻りやすいからのようです。

 悩みやすい姿勢に歪むまでにシコりが筋肉に定着するのには、しば
らく同じ姿勢をとりつづけることを何度も繰り返す時間が必要なせい
だと思います。

 言葉で心の思い方を変えた場合にもシコりがゆるみますが、その場
合には、悩みの原因と似た言葉を聞いたときにそのシコりがもどりや
すいようです。

 このあたりは議論のあるところだと思いますが、言葉で心の思い方
を変えるという手段で体をゆるめた場合には、比較的早くシコりや歪
みがもどっていたという例を見かけることがおおかったです。

 ただ、言葉で思い方を変えることを手段にした場合でも、表情が晴
れ晴れしてきたときには、わりと予後が良いようです。

*5.相性がよいことも大切
 まぁ、いろいろ工夫して治療したあと晴れ晴れしてもらえる確率を
上げていきたいと思います。

 ただ、合う合わないということも大きな要素です。そのあたりが晴
れ晴れとしない原因のこともあるようです。

 治療者と治療手段の相性は良いことがおおいのでしょうが、治療手
段と受け手との相性、治療者と受け手との相性はどうでしょう。

 その3つの相性がすべて良ければ、それだけで自然治癒力は増える
ようで、治療はうまくいきます。

 でも、相性が合わないとむずかしくなります。相性の合わないこと
を言われたり、されたりしても気持ちよ良くないし、相性の合わない
人にふれられても気持ち良くないし、ゆるまないで緊張することのほ
うがおおいからでしょう。

 プロとしてやっていくためには、60%以上の人に合わせられない
とむずかしいかもしれません。

 でも、治療者の気持ち良さを無視してまで無理して合わせようとす
ると、トラブルの原因になったり、治療者が体をこわす原因になった
りもします。

 また、そういうふうに無理して合わせても受け手の方の体に合った
適切な感じが出ないことのほうが多く、その治療で効果が出ることは
少ないように思います。

 まぁ、合わない人には合いそうな人を紹介できればよいのかなと思
います。

*6.おわりに
 治療をおえたあとに晴れ晴れとした表情をしてもらえるように、い
ろいろな工夫をしていきましょう。


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