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術伝流操体no.22 - (2010/07/31 (土) 13:13:12) のソース

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術伝流操体 [2]ラクな寝方をすこし強調 (9)ラク寝連続 例1.横向き捻れから 

&size(24){&color(green){横向き捻れからの連続操体}}
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#contents
*1.はじめに 
 ラクな寝方で連続して操体していくときに、よく見られる例の1回目
で、横向きに寝た場合に、上半身を下半身と反対側にしたがる、いわゆ
る「横向き捻れ」型(写真1)の方を実際に施術した例です。

&ref(p操体あ0811#01.jpg)写真1

 臨床の場で出会う受け手の方には、いろいろな連続操体をしていく方
がいます。それを理解していただくために、これから連続操体の例をあ
げるときは、できるだけ実際に連続操体した例をあげていきます。

 今まで寝方別繰体で解説してきたような比較的多い典型的タイプとい
うのとは少し違っている場合もありますが、操体ライブという感じで見
ていただけるとありがたいです。

 さて、横向き寝がラクだった場合や、どの寝方がラクか分からないの
で横向き寝になってもらった場合にも、ラクな寝方になったら、まず重
さの操体から試してみるというのが原則の一つです。

 しかし、横向き寝の場合には、重さの操体からはじめるといっても、
重さと皮膚が合わさったような感じでやっていくのが良いことが多いで
す。

 捻れタイプか丸まりタイプか見きわめて、捻れの場合には、下半身の
前側(腹側)にかるく重さをかけながら、上半身には後ろ(背中側)に
かるく重さをかけ、両方を&bold(){やじろべえ}のようにバランスさせつつ、
下半身においた手と上半身においた手で反対方向に皮膚ズラしをしてい
く感じになります。

 丸まりタイプの場合には、下半身上半身ともに前、つまり、腹側にか
るく重さをかけながら、皮膚ズラしをしていくという感じになります。

*2.連続施術してみたら
 「ラクな寝方になってください」といったら、写真2のようになりま
した。

&ref(p操体あ0811#02.jpg)写真2

 一見横向き丸まり型かなとも思ったのですが、足指を痛くして逃げ
てもらって(写真3)、実際に捻れ型か丸まり型か試しにやってみてか
ら聞いてみたら、捻れたほうがイイ感じとのことでした(写真4)。

&ref(p操体あ0811#03.jpg)写真3

&ref(p操体あ0811#04.jpg)写真4

 そのまま、しばらく、皮膚の操体として続けていたら、だんだん仰向
けに近づいていき(写真5)、仰向け寝になりました。

&ref(p操体あ0811#05.jpg)写真5

 仰向け寝になった状態で足の倒れ具合を見てみると、右足が大きく外
に倒れていました(写真6)。

&ref(p操体あ0811#06.jpg)写真6

 そこで、足を曲げたほうがラクなのではないかと聞いて、足の曲げ具
合を反対側の足の足首あたり、膝あたり、大腿あたりのどのあたりがラ
クか選んでもらったところ、膝あたりがラクということでした(写真7)。

&ref(p操体あ0811#07.jpg)写真7

 そこで、その姿勢を少し強調する皮膚の操体(写真8)をしてみたら
イイ感じとのことで、しばらく続けました。

&ref(p操体あ0811#08.jpg)写真8

 終えてから、足の倒れ具合をふたたび見てみると、前よりも少し改善
した感じでしたが、また充分とは言えない状態でした(写真9)。

&ref(p操体あ0811#09.jpg)写真9

 こういう場合には、膝裏の小指側が縮んでいるため、足が倒れている
こともよくあるので、試しに膝を立ててもらい、膝裏を調べさせてもら
いました(写真10)。

&ref(p操体あ0811#10.jpg)写真10

 やはり膝裏小指側にシコりが見つかったので、そこを少し痛くしてイ
イ感じのほうに逃げてもらい、膝裏のシコリが消える姿勢を維持する操
体をしました(写真11)。

&ref(p操体あ0811#11.jpg)写真11

 終わってから足の倒れ具合を比較してみると、左右ほぼ同じになって
いました(写真12)。

&ref(p操体あ0811#12.jpg)写真12

 ほんの少し左足が倒れている感じもしたので、念のため左足の膝裏を
調べたらシコリが見つかったので、そのシコリからも逃げてもらう操体
もしてみました(写真13)。そしたら、足はもういいかなという感じに
なりました。

&ref(p操体あ0811#13.jpg)写真13

 こういう場合に、もちろん、やっていない定番の操体をしていくとい
うこともできます。たとえば、この場合には、膝たおしや足のばしとか
です。

 この辺りの判断は迷う部分もあるのですが、このときは、はじめが横
向き寝がラクで捻れる形の操体でしたので、膝たおしはしませんでした。
前にも書きましたが、横向き捻れと仰向け膝たおしは、タワメの間の姿
勢という点から見ると同じ操体という見方ができるからです。

 また、足の長さの左右差があまりなかったし、足の親指側が巻き込む
ように床に近づいていたりする感じもなく、足首から先が立っている感
じもあまりなかったので、足のばしはしませんでした。

 足の長さの左右差は内くるぶしの位置で判断しますが、それが左右で
ずれているときには、長いほうの足を伸ばす操体をするとイイ感じなこ
とが多いです。

 そして、親指側が巻き込むように床に近づく傾向の見られるときは、
足の前側(腹側)を伸ばすことがイイ感じのことが多く、足首から先が
立っているように見えるときは、足の裏側(背中側)を伸ばすのがイイ
感じのことが多いです。どちらもそのラクな足の格好を少し強調すると、
そういう操体になるからです。

 このあたりは、受け手によっても違ってきます。できるだけたくさん
いろいろな操体を受けたほうが満足度が高い人と、数は少なくてもいい
からイイ感じのタワメの間をできるだけ長く味わったほうが満足度が高
い人がいるように思います。現在では比較すると後者のほうが多いよう
に思います。

 臨床の場では、限られた時間で操体をすることがほとんどです。連続
して操体するときには、時間内で満足度の高い操体になるように次にす
る操体の選び方も工夫してみてください。もちろん受け手と相談できる
場合には、相談して決めるのもよいと思います。

 そんなわけで、足のほうはもういいかなという感じになったので、足
のほうは終わりにして、上半身に目を向けてみました。

 右腕を横に大きく伸ばしていたので、それを少し強調する皮膚の操体
をしてみました(写真14)。

&ref(p操体あ0811#14.jpg)写真14

 イイ感じがしなくなったときに止めてラクな格好になってもらったら、
両手がだいたい同じような位置になりました(写真15)。

&ref(p操体あ0811#15.jpg)写真15

 ただ、足のほうから眺めてみて、仰向け大の字と比較すると、少し左
に側屈していました(写真16)。

&ref(p操体あ0811#16.jpg)写真16

 それで、それを少し強調するために、体の右側面を伸ばすのにつなが
る皮膚の操体をしてみたら、気持ちいい感じがあったので、しばらく続
けました(写真17)。

&ref(p操体あ0811#17.jpg)写真17

 終わってラクな格好になってもらったら、まだ肩に少し左右差が残っ
ていたので、それを少し強調するように肩を動かしてみたら、イイ感じ
とのことでしばらく続けました(写真18)。

&ref(p操体あ0811#18.jpg)写真18

 それでも、まだ少し、右肩が上がり気味でした。右肩が上がっている
場合には、右の肩や首の右側にシコリがあって、その奥が縮んでいるた
め、右肩を上げているのがラクな場合が多いので、右肩や首の右側を調
べてみました。

 そしたら、シコリが見つかったので、そのシコリに指先で皮膚操体を
しながら、経絡的に関連する指を反らしてみたら、感じが良いというこ
とで続けました(写真19)。

&ref(p操体あ0811#19.jpg)写真19

 そしたら、ほぼ仰向け大の字になり、左右差もあまり目立たなくなり
ました(写真20)。

&ref(p操体あ0811#20.jpg)写真20

*3.仕上げ
 ラクな寝方からの連続操体としては、これで終わりです。しばらく寝
たまま休んでもらう時間があれば、そのまま寝てもらってもよいと思い
ます。このときはすぐ起きて動く必要があったので、仕上げをしました。

 仕上げとしては、座位での重さの操体(写真21)をしてから、座位で
指揉み(写真22)をすることが多いです。

&ref(p操体あ0811#21.jpg)写真21

&ref(p操体あ0811#22.jpg)写真22

 このラクな寝方からの操体を終えたあとの仕上げについては、次の
「操体で一通り治療する篇」でくわしく説明します。

 また、指先での皮膚操体も、今まであまり詳しく解説してきませんで
したが、歪みに関係するシコリが見つかった場合にピンポイントで、そ
のシコリを改善するのに役に立つで、ラクな寝方からの操体が終わった
ら詳しく説明する予定です。


   つぎへ>>>[[術伝流操体no.23]]


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