<リンク集>
位置づけとしては「教科書・参考書」。
<作品概要>
- <◆基本情報>
- 著者:アイザック・アシモフ
- 訳者:福島正美(ハヤカワSF文庫)
- 主な受賞歴
- <◆主要人物>
- 地球
- イライジャ(ライジ)・ベイリ:主人公。刑事。
- ジェシイ(ジェゼベル)・ベイリ:ライジの妻。
- ベントリイ・ベイリ:ライジの息子。
- ジュリアス・エンダービイ:ペイリの旧友であり上司。警視総監。
- R・サミイ:総監の秘書役ロボット。
- ヴィンセント・バーレット:エンダービイの前秘書。R・サミイに職を奪われた。
- アンソニイ・ジェリゲル:当代地球上随一のロボット学者。
- フランシス・クロウサー:ニューヨーク・イーストの発酵学者。懐古主義地下組織のメンバー。
- 宇宙市
- R・ダニール・オリヴァー:宇宙市より、殺人事件解明のために派遣された「ロボット刑事」。ペイリのパートナーとして働く。
- サートン博士:R・ダニールの開発者であり、宇宙市側の要人だったが、殺害される。
- ハン・ファストルフ博士:宇宙市側のサートン博士殺害事件の責任者。
- <◆シナリオ>
- 1 警視総監との会話
- 2 高速自動走路[エキスプレス・ウェイ]
- 3 靴屋での突発事件
- 4 家族への紹介
- 5 事件の分析
- 6 寝室の囁き
- 7 宇宙市探訪
- 8 ロボットについての討論
- 『★第一の推理:R・ダニールの正体は人間・サートン博士。サートン博士殺害は宇宙市側の狂言である!→R・ダニールがロボットであることが証明され頓挫』
- 9 宇宙人による解明
- 10 私服刑事の午後
- 11 高速走路の逃走
- 12 ロボット技術館の意見
- 13 機械への移行
- 『★第二の推理:R・ダニールはロボット三原則第一条に反して殺人ができる。凶器の熱戦銃はダニールが人工胃の内部に隠して持ち去ったのだ!→R・ダニールには第一原則が正常に機能していると証明され頓挫』
- 14 名前の力
- 15 陰謀者の逮捕
- 16 動機に関する質問
- 17 計画の結末
- 18 操作の終り
- 『★第三の推理:主犯はエンダービイ警視総監。彼は懐古主義グループのメンバーであり、彼の目論んでいたのはR・ダニールの破壊であったが、眼鏡を壊してしまっていたので見誤って瓜二つのサートン博士を殺害してしまった。凶器の熱戦銃はR・サミイを使って外世界を通じて運ばせ、犯行は自分が行ない、また同じルートで持って帰らせた。』
<関連情報、その他雑感>
- <◆備忘録>
- アシモフ作品群
- 「空想自然科学入門」
- 十八世紀までの科学派、果樹園のようなものだった。それはよく耕され、手入れされ、整理されて、香たかく、枝もたわわに実をつけていた。(中略)しかもそれ以後となると、人々があまりせっせと働きすぎたために、果樹園はうっそうと生い茂り、陽もさしこまなくなってきた。もう隅から隅まで通り抜けることができなくなり、人々は道に迷ったりもとの場所へ逆もどりしてしまったりした。(中略)そこである者は、果樹園のせまい一部分だけで満足し、狭いところに閉じこもった。
- 今日では、科学という果樹園は、地球をとりまく巨大な怪物となり、そこには一枚の地図もなく、誰も道を知らなくなった。有能な科学者たちも、ただ狭い部分を手探りしているにすぎない。(中略)強いて道を求めようとすると、果樹園の中で迷子になってしまうのだ。(中略)
- だが幸いなことに、わたしはSF作家だった。ちゃんとしたSF作家であるためには、(わたしの考えでは)できるだけ多くの科学の分野と親しくなっておかねばならない。そこでわたしは、科学の一般化の方向にむかって、頑固に歩きつづけてきた。
- もちろん、そうしたからといって、科学の果樹園全体を細かく歩きまわることはできない。一生は短く、頭脳はあまりにも限られている。だが、気球に乗って飛ぶように、果樹園の上を漂い、地面からでは見えなかったような果樹園全体の構図の一部を見ることはできるのだ。わたしは、わたしが見たと信ずるものを、読者にも見てほしいと思って、これを書いた。わたしには、わたしの見たものを他人にも見せたいという、使命感にも似た強迫観念があるらしい……
- 第一ジャンル:宇宙歴史小説
- ギボン「ローマ帝国衰亡史」
- ステープルドン「星の創造者」/E・E・スミス「銀河パトロール」との区別
- 「銀河帝国の興亡」三部作
- 「宇宙の小石」
- 「宇宙気流」
- 「暗黒星雲のかなたに」
- 第二ジャンル:ロボット・テーマ
- 「われはロボット」
- 「ロボットの時代」
- 「鋼鉄都市」(本作)
- 「はだかの太陽」
- 「母なる地球」ほかの中篇
- 第三ジャンル:アイディア・ストーリー式
- ロボットもの作品の系譜
- グスターフ・メイリンク「巨人ゴーレム」
- マリア・W・シェリー「フランケンシュタイン」
- アンブローズ・ブアース「マクスンの人形」
- カレル・チャペック「R・U・R」
- ヴィリエ・ド・リラダン「未来のイヴ」
- 推理小説としての本作に対する言及
- A・E・マーチ「推理小説の発達」
- サム・モスコウィッツ
- 処女長篇「宇宙の小石」
最終更新:2012年07月21日 23:37