<書籍概要>
- 著者:長山靖夫
- 初版:2009年12月30日
- 主な受賞歴
<目次>
- 序章 近代日本SF精神史-「想像/創造」力再生の試み
- 歴史的な未来を所有するために
- 科学小説、空想科学小説、SFと「古典SF」
- 第一章 幕末・維新SF事始-日本SFは百五十歳を超えている
- 儒者の聖戦「西征快心編」
- 夏目漱石も体験した「文学観」の維新
- 「新未来記」-江戸蘭学文化の最後を飾ったSF
- 第二章 広がる世界、異界への回路
- 「発見」された世界への違和感と共感
- 時間と空間の拡張-明治のヴェルヌ・ブーム
- 万能なのは「科学」か「カネ」か
- 「星世界旅行」-異色の異世界瞥見記
- 政治小説-ユートピアをめぐる小説の形式
- 竜宮の憲法、夢のなかの議会
- 「黄金世界新説」-反社会進化論の演説小説
- 末広鉄腸-民権と国権の狭間で
- 「新日本」-憲政の神様、唯一の小説
- 「宇宙之舵蔓」-「電気気球」で月に行く「翻訳小説」
- 気球型未来社会の白眉-ロビダ「第二十世紀」
- 「第二十世紀」と女権SF
- 第三章 覇権的カタルシスへの願望
- 世界への躍進を目指して-国権的政治小説の萌芽
- 須藤南翠-小説界の巨星と呼ばれた南進論小説家
- 「浮上物語」-明治中期冒険小説の白眉
- 「上の文学」の終焉、「悦び」の非主流化
- 「文学」は「想像」を排除するのか、SF百年論争の起点
- 捏造される「歴史」
- 偽史のパロディとしてのシミュレーション小説
- 第四章 啓蒙と発明のベル・エポック
- 「造化機論」から「人身体内政事記」へ
- 科学詩・科学物語を賛美した人々
- 加藤弘之-恒星間移民を示唆した明治の法学者
- 村井弦斎-発明と恋愛による社会改良
- 「食道楽」も社会進歩のため
- 科学小説・冒険小説好きだった幸田露伴
- 第五章 新世紀前後-未来戦記と滅亡テーマ
- 対ロシア未来戦記の系譜
- 羽川六郎の失地回復運動
- 飛行機と国際連盟-羽川六郎の予言
- 押川春浪「海底軍艦」、その後の進路
- 「宇宙戦争」に「暗黒星」-世界は何度も滅亡する
- 第六章 三大冒険雑誌とその時代
- 「冒険世界」創刊
- 「冒険世界」の多様な誌面戦略
- 冒険雑誌の老舗「探検世界」、特集「月世界」
- 全篇がSFの「世界未来記」
- 「探検世界」廃刊と「武侠世界」誕生
- 江見水蔭、羽化仙史など-忘れられたSF作家
- 「科学小説ラヂューム」と新元素「ニッポニウム」
- 第七章 大正期未来予測とロボットたち
- 馬鹿をも治すクスリの力
- 「空中征服」が警告する格差社会
- SFの宝庫-「現代ユウモア全集」
- ロボットの時代
- 円本ブームと高踏書物出版熱
- 第八章 「新青年」時代から戦時下冒険小説へ-海の十三の可能性
- 「冒険世界」から「新青年」へ
- 電気雑誌-もうひとつのSF雑誌の系譜
- 百花繚乱の探偵小説界
- 軍事科学小説とSFへの模索
- 戦時下の科学小説-原子爆弾と宇宙へのまなざし
- 第九章 科学小説・空想科学小説からSFへ
- 海野と乱歩は対立したのか
- 手塚治虫-戦前と戦後の橋渡し
- 「宇宙と哲学」と科学小説創作会
- 「星雲」創刊と日本科学小説協会
- 空飛ぶ円盤研究会、「宇宙塵」(科学創作クラブ)、「科学小説」(おめがクラブ)
- SF系出版の胎動
- 安部公房-孤高のアヴァンギャルドSF
- ファンタジーかSFか-「SFマガジン」創刊前夜の揺らぎ
- SF批判と日本SF作家クラブ創設
- 「日本アパッチ族」から<日本SFシリーズ>へ
- 福島体制の崩壊、ファンダムの変容
- アポロ十一号、大阪万博、国際SFシンポジウム
- 「日本沈没」の出現、SFの<浸透と拡散>
- あとがき
<内容メモ>
- 2010年5月以降に鑑賞した分。位置づけとしては「授業のノート」。
最終更新:2011年11月26日 23:07