キョンキョンに思いを伝えたからといって
これまでの関係がすぐに変わるわけじゃない
今までとなんら変わらず私はかがみん達と
キョンキョンはハルにゃん達と、それぞれの日常を過ごしていた
ただ今までと違う事は私の髪形がポニーテールになったことくらい
理由なんて決まってる、キョンキョンに見てもらう為
SOS団を見かけた時、ハルにゃんもポニテにしてたのには驚いた
キョンキョンはそれをみて私の脳内HDDに永久保存してある顔、
あの時と同じ真っ赤な顔していた
わかってはいたけどやっぱりライバルはハルにゃんなんだな
そりゃハルにゃんは可愛いし、スタイル良いし、ツンデレだし
私みたいな背の低くて、貧乳で、オタクな女なんか
ハルにゃんにかなうわけがない
まぁ今までオタクに引け目を感じた事は無いし
貧乳はステータスだ、そういう需要もあるんだって勝手に納得している
それにキョンキョンは私が思いを伝えたとき嬉しいといってくれた
たしかにハルにゃんは可愛いけど、私にだって
ハルにゃんに負けない魅力があるはずだよ
それにキョンキョンが気づいてくれれば
私の思いは叶うはず・・・
こなたに思いを伝えられたからといって
これまでの関係がすぐに変わるわけじゃない
関係が劇的に変わらないのは俺が結論を出さないからなんだろうが・・・
とにかく俺はこなたの気持ちを知って嬉しかった
あの後ポニーテールで学校に来てくれた事も
それを知ったハルヒもポニテにしてきたのには驚いたがな
そんなこんなで、俺は今悩んでいる
もちろんこなたのことで、だ
そりゃこなたの事は素直に可愛いと思うし、好きか?と聞かれれば
真っ先に「好きだ」と答えるだろう
でもそれは恋愛感情としてなのか?
それともただの友情なのか?それが自分自身よく分かっていない
俺はどうも優柔不断な男なんだろうな
ただ俺はあの時、こなたが泣いているのを見た時
あの時はうれし泣きみたいだったが、こなたの涙は見たくないと思った
その一方であの時、なぜか一瞬ハルヒの顔が頭に浮かんだんだ
それは声が似ているから、という理由では無いような気がする
俺はハルヒの事が好きなのだろうか?
「泉こなた」 「涼宮ハルヒ」
今俺の中で、2人が背を向けて並んで立っている
俺はどちらかに声を掛けないといけないんだ
でもそれができないでいる・・・
んー・・・どうすればいいんだろう?
考えれば考えるほど結論から遠ざかっていく
今度誰かに相談してみようか・・・
こういう場合は誰に相談すべきなんだろうなぁ
古泉にだけは止めておこう
閉鎖空間が何たらとか、世界が崩壊するだとか言って
結局俺の意見なんか聞いちゃくれない
まぁたしかに世界崩壊の危機と1人の男の恋愛と、
どちらをとるかというと、そりゃ世界崩壊の危機だろう
でも俺にとっちゃそんな事関係ないね
つかさ「こなちゃーん、帰ろー?」
こなた「あれ?かがみんは?」
つかさ「お姉ちゃん先生に呼ばれて、職員室に行くからって」
こなた「そうなんだ、じゃ、帰ろ」
つかさ「うん!」
かがみ「職員室に呼ばれたから何かと思ったけど、ただの落し物か・・・
こなた達は先に帰っちゃったし 今日は一人だなぁ・・・」
キョン「ハルヒは用事があるとか言ってたし、今日はもう解散だな
久しぶりに今日は静かに帰れそうだ・・・ん?あれは?」
かがみ「さて、帰るかー」
キョン「かがみ」
かがみ「あ、キョン君」
キョン「今帰りか?」
かがみ「うん、今日部活は?」
キョン「団長様が用事で欠席でな。かがみは1人なのか?」
かがみ「ちょっと職員室に呼ばれてたから、こなた達には先に帰ってもらったのよ」
キョン「そうか、じゃ行こうぜ」
かがみ「うん」
キョン「・・・・・なぁかがみ」
かがみ「なに?」
キョン「今、好きな人いるか?」
かがみ「ちょ!!ど、どうしたのよ?急に」
キョン「かがみ、恋愛感情としての「好き」と友達としての「好き」、決定的な差は何だと思う?」
かがみ「え?」
かがみ「えっと・・・そうね、決定的な差ってのはわかんないけど、一日中何をするにしても
その人のことを考えてしまうようになると、それはりっぱな恋愛感情よね」
キョン「そうか・・・」
かがみ「・・・」
キョン「・・・」
かがみ「・・・ちょうど今みたいにね・・・キョン君は今誰の事を考えてるの?」
キョン「・・・」
かがみ「キョン君、キョン君が誰と誰のことで悩んでいるかは、大体予想は付くけど
どちらかを選んだら、もう片方が傷つくなんてこと、考えちゃダメよ。じゃないとどちらも傷つくことになる」
キョン「あぁ」
かがみ「あたしの意見なんか参考になるかわかんないけど、そんなとこね」
キョン「・・・かがみ」
かがみ「?」
キョン「ありがとな」
かがみ「・・・どういたしまして」
キョン「でもなんで2人のことで悩んでるって、わかったんだ?」
かがみ「そりゃ、こなたがポニーテールにして来るんだもの、気が付かないほうがおかしいわ
この前涼宮さんを見かけたとき、涼宮さんもポニーテールにしてたし。まぁ女の勘ってとこね」
キョン(女の勘ねぇ・・・)
かがみ「本当はあたしもしてこようかと思ったんだけどね・・・」
キョン「え?」
かがみ「い、いや、何でもないわよ」
かがみ(キョン君の心の中には、あたしは入ってないんだよなぁ・・・)
つかさ「ねぇ、こなちゃん」
こなた「なーに?」
つかさ「こなちゃん、キョン君に告白したんでしょ?」
こなた「なっ、なぜそれを?」
つかさ「やっぱり。前にこなちゃん変わったねって言ってたでしょ?」
こなた「うん」
つかさ「あの後、お姉ちゃんとね、こなちゃん恋してるんじゃないか?って話してて
それでこなちゃんが元気になったとき、ポニーテールで学校に来たから・・・
きっとキョン君に告白して、キョン君と付き合うことになったんだって思ってたの」
こなた「途中まではあってるね」
つかさ「え?」
こなた「キョンキョンに告白はしたんだけどさ、まだ結論は出せないって・・・
でも、まだこれからだってことなんだよ、私はきっと、ハルにゃんがいるから
ダメだって言われるかと思ってたけど・・・まだチャンスはあるんだよ」
つかさ「そうなんだ・・・そうだったんだ」
こなた「私には、私にしかない魅力があるはずだよ」
つかさ「う、うん!そうだよ!がんばってね、こなちゃん」
こなた「うん!!!」
つかさ(なんでだろう、私付き合ってないって聞いて・・・少し、安心してる・・・?)
「一日中何をするにしてもその人のことを考えてしまうようになると、それはりっぱな恋愛感情よね」
かがみの言ったことが頭の中でこだまする
でもそうなると、俺はこなたとハルヒの両方に恋愛感情を抱いていることになる
今の俺は一日中何をするにしても2人のことを考えてしまうんだからな
やれやれ・・・どうすりゃいいんだか・・・
だがどちらにしろ、こなたは俺が結論を出すのを待っている
もし断るにしても、こなたの想いに応えるとしても
こなたはずっと答えを聞くまで、不安で仕方ないはずだ
かがみんにもつかさにも感付かれていたのか・・・
まぁ隠すわけじゃなかったから別にいいんだけどね
キョンキョンに思いを伝えてからもうずいぶんたった
キョンキョンも悩んでいると思うけど、やっぱり待ってるのは不安だ・・・
あーキョンキョンの心の中が覗けたらいいなぁー
でも覗けたとしても、怖くて覗けないだろうけど・・・
ハルヒ「キョン!!今度の不思議探索は2人で行うわよ!!」
キョン「なんで2人なんだ?」
ハルヒ「古泉君はバイトだって言ってたし、みくるちゃんや有希も用事があるらしいのよ」
キョン「それなら中止でいいだろ?」
ハルヒ「いいのよ!!とにかくいつもの時間に集合よ!!」
キョン(あのガチホモ野郎、ホントに用事があるんだろうな・・・)
そして探索の日
例のごとく遅れてやってきた俺である
ハルヒ「遅いっ!!罰金!!」
キョン「わかってるよ」
それにしてもハルヒよ、その格好はなんだ
ハルヒ「少しは似合ってるぞ、くらいは言いなさいよ」
キョン「ちょっと露出が高すぎやしないか?今日は夕方から雨らしいが、大丈夫か?」
ハルヒ「もう!!いいからさっさと行くわよ!!」
結局不思議探索とか言いながら、ただの買い物だったな
探索(買い物)中はタジタジだったよ。ハルヒは露出の高い服で
やたらと腕を絡めてくるんだからな・・・
キョン「当たり前といえば当たり前だが、結局不思議は見つからなかったな」
ハルヒ「・・・ねぇキョン」
キョン「なんだ?」
ハルヒ「あんた、こなたに告白されたんでしょ?」
キョン「なっ!!(何で知ってんだ!?)」
ハルヒ「女の勘よ、勘!!」
かがみといい、ハルヒといい、まったく女の勘ってのは恐ろしいね
ハルヒ「そりゃあたしはSOS団団長であんたは団員
その1、 いわば絶対君主と苦労従者の関係よ!!
別にあんたが誰と恋愛しようが、君主のあたしには関係ないわ!!
で、でも・・・その、あたしも・・・あたしも・・・・・・」
キョン「なんだ?」
ハルヒ(このバカキョン!!普通そこで「なんだ?」なんて言う!?そういう時は黙って聞きなさいよ!!!)
ハルヒ「な、なんでもないわよ!!とにかく今日は解散!!」
キョン「そうだな・・・お?早く行こうぜ、降ってきやがった」
まさかハルヒに気づかれるなんて・・・
どうすんの俺?どうすんだよ!!
最終更新:2007年08月23日 20:52