地球をアイスピックでつついたらいい感じに割れるんじゃないかしら?
なんて事を思い始めちゃうほど寒い日だった。つい最近まで暑いと思ってたのに
秋を通りすぎて急に冬がやってきた。地球はホントに大丈夫かしら?
な~んて心配をしてると
こなた「お~い、かがみん!」
いつも通りのニヤけ顔でオタク少女が話しかけてきた
かがみ「おはよ、こなた。なんかやけに元気ねぇ」
こなた「そりゃあテストも終わった12月中旬、元気にもなるよ」
かがみ「何あんた、クリスマスに大事な用でもできたの?」
こなた「クリスマス?甘いよかがみん。あたしはそんなのに用はないの」
かがみ「じゃあ何なのよ?」
こなた「ふふふ、それは12月31日大晦日の大イベント、コミケなのなだー!」
かがみ「・・・はいはい」
こなた「あれ~?かがみんノリ悪いぞ」
かがみ「あんたのそのテの話はもう飽きたのよ」
こなた「何をおっしゃる。またかがみんには手伝ってもらうからね?」
かがみ「はぁ!?もうあんなとこイヤー」
ハルヒ「かがみ!今日の放課後SOS団の部室に集合ね。」
教室に入ると勢いよく私の前に走ってきたハルヒが叫んだ。
それだけ言うと満足気に席に戻った。理由ぐらい聞かせなさいよ!
キョン「理由なんか聞いても教えてくれないさ。あいつは人を驚かすのが趣味な奴だからな」
かがみ「わわ、キョン君!いたなら言ってよ。ビックリするじゃない」
キョン「おっとすまんな。ま、あいつがこの時期にやりそうな事ぐらいは想像つくがな」
かがみ「?」
その放課後、掃除を終え。SOS団の部室の扉を開けると私が予想したよりも大勢の人がいた。
いつものSOS団の面々に加えて、髪が長くニコニコしている女の人と
・・我が妹つかさと、そしてなぜここにいる、こなた!
こなた「お~っすかがみん遅いぞ!」
ハルヒ「そうよ、掃除にしたって遅すぎるわ。もしかして家でもそんな風なのかしら。」
かがみ「な・・違うわよ。これでも掃除は得意なのよ」
ハルヒ「ふ~ん。ま、そんな事どうでもいいわ!ここにみんなを呼んだのは他でもないの」
かがみ「・・・」
ハルヒ「この中にクリスマスに予定のある人いる?いないわよね。このメンバーでクリスマスパーティをするわよ」
かがみ「え?ちょ、ちょっと待ってよ、急にそんなこと言われても・・」
ハルヒ「あらかがみ、クリスマスに予定でもあるの?まさか男とデートとか?」
キョン「そうなのか?」
かがみ「ち、違うわよ!そんなはずあるわけないじゃない。ただね・・」
つかさ「いいんじゃない?お姉ちゃん。たまにはみんなでやるクリスマスも」
かがみ「まぁ・・そうね。」
ハルヒ「それじゃ他に予定のある人いる?」
こなた「あたしは大丈夫~」
ハルヒ「ふんふん、他のみんなも大丈夫のようね。それじゃ決定ね!」
なんでこんな美男美女が揃いもそろってクリスマスに予定がないのかしら・・
キョン「それで、何をやるんだ?」
ハルヒ「ん~あたし的には鍋がいいと思うんだけど。」
つかさ「鍋かーおいしそうだなぁー」
キョン「で、どこでやるんだ?」
ハルヒ「もちろんここよ、ここ」
かがみ「え、ここ?どっかお店じゃなくて?」
ハルヒ「そうよ、コンロも鍋もあるしね。こういうのはこっそり隠れてやるのがいいの」
こなた「おおハルにゃんわかってるねー!闇鍋てきな・・」
かがみ「それが狙いか」
古泉「いいじゃありませんか。たまにはこういったクリスマスパーティも」
ハルヒ「そう。じゃあ決定ね!今度の休みに材料買いに行くから覚えといてね」
こなた「むふふ。これははずせませんなー」
かがみ「あんたはついていかんでいい!」
なんて楽しくお喋りしてたのはいいけど、一つ気になることがある。
さっきから私は一人の視線を感じている。たぶん私が部室に入ってきてからずっと
なんなの・・長門さん。
長門「・・・」
私が目を合わせてもその液体ヘリウムみたいな真っ直ぐな瞳はそれない。
私の方が何か怖くて目をそらしちゃった。なんなのよ一体・・
ハルヒ「じゃあ今日はこれにて解散!今度の休み。忘れないでよ!」
そのあと私達は固まって帰った。こんな大勢で帰るのも初めてだけど楽しい。
帰る途中で名前を知らなかった女の人とも仲良くなった。名前は鶴屋さん
すごいハイテンションなこなたって感じ。結構適当な人だ。
そんな楽しい出来事も、次の日に起こった悪夢により、心の隅に飛んでいくことになった。
12月18日。山風が吹いて、とても寒い日だった。
かがみ「つかさー!まだ寝てんのー?遅刻しないようにねー!」
ふぅ~寒い。また今日もつかさは布団にくるまったまま起きてこない。
ちゃんと遅刻しないように学校についてるのかしら?
こなた「お~いかがみん!」
かがみ「お、こなたおはよ!」
こなた「ううー今日も寒いですなー」
かがみ「ホントよねーあんたがこの時間に来てるのは偉いわ。それより昨日のあれなによ?」
こなた「昨日のあれって?」
かがみ「SOS団の事よ。なんであんたがあそこにいたのよ」
こなた「へ、SOS団?何のこと?あたらしいギャルゲかなんか?」
かがみ「はぁ?何ぼけてんのよ。クリスマスパーティの鍋のことじゃない」
こなた「え、クリスマス?鍋?かがみん、何の話か全くよめないよ」
はっは~んとぼけて騙そうとしてんのね?その手には乗らないわよこなた!
そのあとあえてその事にふれずにこなたと分かれた私は、教室に入った。
まだ、その変化に気づく事ができなかった・・
かがみ「あれ?キョン君来てないんだ・・ハルヒもいない」
ハルヒに連れ回されてるキョン君が頭に浮かぶ。また何か計画してんじゃないでしょうね
それはそうと今日は数学のテストだったわ。得意じゃないんだし、今のうち勉強しとこうかしら
「お~っす柊!」
「おはよう柊ちゃん」
おはよ~ってあれ?私の事を柊なんて呼ぶ人いたっけ?そう思って振り返ると、そこには
短めでややくせのある髪で八重歯の女の子と長い髪をカチューシャでとめた大人しそうな女の子がいた
かがみ「あの・・誰?」
「!!あ、あやのー!朝から柊が毒はいた!5年間連れそった級友に対して誰?だって!」
あやの「よしよーし、どうしたの柊ちゃん?」
5年間?級友?私は知らないわこんな二人。何?誰なの?
「まだ言う気?ほれ柊言ってみろ!その口で!日下部み・さ・おって!」
かがみ「や、やめて!何するの?」
みさお「な、なんだよーいつもの柊らしくないぞ!何かあったん?」
あやの「そうよ、どうしたの?」
かがみ「何かあったもなにも、私はあなた達のこと知らないわ。何でこの教室にいるの?誰なの?」
みさお「柊・・?」
気がつくとクラスの大半がこちらを見ていた。大声だしたせいだわ。そしてその二人は少し間をおいて
キョン君とハルヒの席に鞄を置いた。
かがみ「な、何してんの?そこはキョン君とハルヒの席よ!」
みさお「え、なぁ柊?ホントにどうしたん?うちのクラスにそんな変な名前の奴いないぞ?」
かがみ「キョン君とハルヒがいない?どういうことよ、何よあんた達わけわかんないこと言って」
みさお「わけわかんないのはお前だぞ。熱でもあんの?」
かがみ「っ!・・ねえあなた。私の言ってる事とこの子のいってることどっちがおかしい?」
女子「・・あなた」
かがみ「え?・・・」
わけわかんない。何?みんなで私を騙そうとしてるの?じゃなきゃ、こんなことありえない!
かがみ「ねぇこの二人前からいた?キョン君とハルヒの事知らない?」
私はこの問いをクラスの全員に聞いた。でも返ってくる答えはおなじ。「前からいたよ。その二人は知らない」
おかしい、絶対おかしい。みんなで騙そうとしてるんだとしてもこれはひどすぎる。それに何?
みんななんでそんな目で私を見るの?・・気がつくと私はクラスの真ん中で立ちつくしていた。
みさお「な、なぁ柊。その二人は誰?どっかで知り合った人?」
かがみ「・・・」
ガラッ
「はーい、席につけー!」
かがみ「あ、岡部先生!キョン君とハルヒが・・・岡部先生じゃない?」
ひかる「なんだ柊?先生に何か用か?」
かがみ「あ、あの岡部先生はどこに?」
ひかる「岡部先生?そんな先生はいないぞ?何いってるんだ?」
みさお「柊、保健室いった方がいいと思うよ」
私は何も考えずドアを開けて廊下にでた。そして無意識にむかっていた。こなた達の教室に
かがみ「こなた!」
こなた「うわ!え?かがみん?何やってんの今HR中だよ?」
かがみ「こなた。キョン君とハルヒがいないの!誰に聞いても知らないって言うの」
こなた「え、キョン?ハルヒ?な、何それ。何かのキャラの名前?」
かがみ「な、長門さんは?ながもんよながもん!知らないはずないでしょ?」
こなた「ながもん?デ、デジモンの種類かなんか?」
胃が落ちるっていうのはたぶんこんな感じだと思う。何?何でなのこなた。
何でそんな困った顔するの?ニヤケ顔で笑ってよ。嘘でしたー!って言ってよ。
ななこ「おい柊~なんや~?用があるなら休み時間にな~」
こなた「あ、かがみん!」
私は古泉君の教室。長門さんの教室。朝比奈さん・鶴屋さんの教室に走った。
でも全部結果は同じだった。いない・・みんないない。
誰か知らない先生に連れられて教室に戻された。授業なんて聞けない。私はずっと抜け殻状態だった。
こなた「かがみん?」
かがみ「・・・こなた」
こなた「さっきの事なんだけど、みゆきさんがキョンの事知ってるって」
かがみ「!?みゆき!そうよね。知ってるよね?」
みゆき「え、ええキョンというのは哺乳綱偶蹄目シカ科ホエジカ属に分類されるシカでして・・」
かがみ「何いってんのみゆき!私が言ってるのはそんな事じゃないのよ!ふざけないで!」
みゆき「あ、あ・・すみませんお力になれなくて・・ぐすっ・・失礼します」
こなた「みゆきさん!待って!・・どうしたのかがみん、今日のかがみんおかしいよ!」
つかさ「ゆきちゃん、こなちゃん!お姉ちゃんどうしちゃったの・・?」
かがみ「あ・・ごめんみゆき、ごめんこなた・・ごめんつかさ」
放課後放心状態の私はふらふらといつもの道を帰っていた。昨日はみんなで帰ったのに、今日は一人
一人ってこんなに寂しいんだ・・
みさお「柊!」
かがみ「あ、日下部・・峰岸」
みさお「今日はどしたん?あの後もずっとぼーっとしてたし。」
あやの「ちょっと柊ちゃんっぽくなかったね」
かがみ「ああごめん。寝ぼけてた。」
みさお「そうだなーあれは完全に寝ぼけてた。ちょっと笑えなかったけどね。」
あやの「クスッ」
かがみ「・・・」
みさお「まだ調子悪いん?今日はしっかり休め!」
かがみ「うん、そうする」
みさお「じゃあまた明日なー」
あやの「バイバイ」
ごめん二人とも、やっぱりあんた達のこと知らないや・・
でも私なんでとっさにあの二人の名前言えてたんだろ。ちょっとだけ何か懐かしかった・・
家に帰った私はゆっくりと考える事にした。今わかってるのはキョン君とハルヒ
そしてほかのSOS団のみんながいなくなったこと。岡部先生も・・しかも誰もみんながいた事を覚えていない
覚えてるのは私だけ・・それと入れ替わりのようにうちのクラスにきた日下部と峰岸。
二人は私の事を知っていて、5年間クラスが一緒だと言ってた。私は二人の事知らない。
知らないけど二人と話すと何か懐かしい気がした。
かがみ「ふぅ・・全然わかんない」
また夢でも見てるのかな?そうだといいんだけど・・・ともかくみんながいたって証拠が
何にもない。痕跡も記憶も・・・いやある、一つだけある!みんな・・少なくともキョン君がいたって証拠
7月7日、私の誕生日にもらったポッキーを私はずっと食べずにとっている。
かがみ「あった!」
見つけた。これ、これこそがキョン君がいたって何よりの証拠。私は箱を開けた。
何故かはわかんないけど、そうするしかなかった。すると中には紙が入っていた。
「プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後」
最終更新:2007年11月04日 23:53