柊かがみの分裂・前編

「親友だ」

いきなり私達の前に現れたその女性はそう言った。親友?
私の知らないキョン君・・それを知っている人
私と彼女の出会いがまさかあんな運命的なものになるとは思わなかった・・
でも話はちょっと前に戻るの

ハルヒ「さぁかがみ!あんたもこれを着るのよ!」
かがみ「はぁ!?何で私がこんなもの着なきゃなんないのよ!」
ハルヒ「あんたもSOS団に新入部員ほしいでしょ?アピールよアピール!」
かがみ「私はSOS団でもなければ新入部員もほしくなーい!」
ハルヒ「つべこべ言わないの。さぁ!ほれほれー」
かがみ「や、ホントに・・バニーガールだけはやめてぇー!」

なんで私がこんな目にあってるのかというと、今日はどの部活も新入部員勧誘活動
をする日で、私は放課後ハルヒに無理矢理連れてこられて、SOS団に新入部員を
入れるため、バニーガールの衣装を着せられそうになってるからなの
キョン君。笑ってないで助けてー!

ハルヒ「いい?私とみくるちゃんは勧誘してくるから、あんた達はここで呼び込みよ」
かがみ「え?ちょ、ちょっと待って!私この格好で一人でここにいるの?」
ハルヒ「キョン達がいるじゃない!じゃあ頼んだわよ!」
かがみ「あ、ちょっと待てー!・・ど、どうすんのよこれー」

結局バニーガールの格好させられちゃった・・朝比奈さんがいたから良かったものの
明らかに私浮いてるよー。こんなところ絶対にこなた達には見せられないわ!
っていうかキョン君見すぎ!

かがみ「キョン君・・そんなに見ないで」
キョン「あ、ああすまん・・いや見慣れないというか何というか、すごく似合っているぞ・・」
かがみ「バ、バカ!」
キョン「いや本当にな、うん。文字だけなのがもったいないくらい」
かがみ「どういうこと?」
キョン「何でもない!それよりもだかがみ、今度の土曜日暇か?」
かがみ「・・え?」

かがみ「暇・・だけど」
キョン「そうか、じゃあ一緒に買い物付き合ってくれないか?」
かがみ「それって、二人で・・?」
キョン「ま、まぁそういうことになるな。いやならいいんだが・・」
かがみ「全然嫌じゃないよ!行こう!」
キョン「おおそうか、良かったよ」

何?これってデートのお誘い?そうよね?うんそうよ、それ以外考えられない!
まさかキョン君から誘ってくるなんて。でも、それなら何でキョン君・・

こなた「プクク、そんなににやけちゃって~そんなにコスプレしたかったのかがみ?」
かがみ「へ?うわっ!な、なんであんたがいるのよ!しかもつかさとみゆきまで」
こなた「いや~向こうでハルにゃん達と会ってね、そしたらかがみがコスプレしてるって言ってたもんで」
つかさ「似合ってるよ、お姉ちゃん」
みゆき「ええ、よくお似合いです」
かがみ「さ、最悪だ・・」

こなた「そんなにコスプレ好きならうちで働きなよ~」
かがみ「うるさ~い!」

うかつだったわ、こなた達に見られるなんて・・でもね今の私はそんな事じゃ落ち込まないの
なんていったって土曜はキョン君とデートよデート。でも二人っきりで買い物なんて
したことないし、あ、どの服着ていこう?悩んじゃうな~。

キョン「ようかがみ、すまん待ったか?」
かがみ「ううん、全然待ってないよ!今きた所。」
キョン「今日は早くきたつもりだったんだがな。じゃあ行こうか」

ついに土曜日が来た。場所はお馴染みとなっているらしい駅前。10時に待ち合わせなんだけど
9時には駅についてた・・うん、ちょっとはしゃぎすぎよね。わかってるわ。
でも30分くらいしたらキョン君が来てくれたし、楽しい楽しいデートの始まり~
になるはずだったの。楽しかったのよ、楽しかったけど、ただ・・

キョン「かがみってどんな本読むんだ?」
かがみ「ラノ・・小説かな~?ファンタジー小説みたいなの」
キョン「そうか、長門もSF物を読んでたな」

違う違うのよ。それとラノベとはまた種類が・・そんなことはおいといて、私達は
デパートに行った。本屋に行ったり色んな服みたり一緒にアイス食べたり。もう
どっからどう見てもデートよこれは。本当に楽しくて幸せだった。でも・・

かがみ「ねぇ、キョン君・・」
キョン「ん?何だ」

「やぁキョンじゃないか」

いきなり私達の前に現れた人はキョン君をそう呼んだ。

キョン「なんだまた佐々木か」
佐々木「またとはなんだ。しかし本当だね、今までは全然会わなかったのにここ数日で2回も会うとは。」
かがみ「あの・・誰?」
キョン「ああ、こいつは佐々木と言って俺の・・」
佐々木「親友だ」

親・・友?

佐々木「と言っても中学3年の1年間だけなんだ。それより失礼したねデート中のようだね」
キョン「いや、これはだな!ただの買い物であって」
佐々木「僕はキョンにそのような中の女性ができたようで嬉しいよ」
キョン「いやだからかがみはそんなんじゃ」
かがみ「・・そんなんじゃ、何?」
キョン「うっ、だからだなその・・」
佐々木「キョン、彼女が困ってるじゃないか。どうやら僕が邪魔だったようだね、失礼するよ。」
キョン「あ、ああまたな」

考えもしなかった。私はキョン君を高校から入ってからしか見てない。だけどキョン君の事なら
何でも知ってると思ってた。キョン君の知り合い・・親友にこんな綺麗な人がいるなんて。
それにやっぱりキョン君は・・

かがみ「今日はもう帰ろっか?」
キョン「え、でもまだそんなに遅い時間にはなってないだろ」
かがみ「ゴメン今日は色々回って疲れちゃったの」
キョン「そうか・・わかった」

その後駅につくまでほとんど会話がなかった。どうしてだろ?キョン君と二人っきりなのに・・

そのままバイバイだけ言って私達はわかれた・・最悪だ。今日の私は最悪よ。
楽しくできてたじゃない?なのに佐々木さんが現れただけで勝手に嫉妬して
勝手に怒って帰るなんて・・本当最悪だわ。でもいきなりあんな事言われたら戸惑うわよ。
そんな事思いながらベッドにふて寝してたら、携帯が鳴った。

かがみ「もしもし?」
キョン「ああかがみ、俺だ」
かがみ「キョン君?どうしたの?」
キョン「いや今日はすまなかった。かがみ怒ってたろ?」
かがみ「あ、ううん怒ってないよ。全然・・キョン君のせいじゃないよ」
キョン「そうなのか。ならいいんだが、それより明日また同じ時間に駅にきてくれないか?」
かがみ「え?明日?何で」
キョン「何でと言われると俺もわからないんだが、とりあえず来て欲しいんだ」
かがみ「キョン君でもわからない?またSOS団がらみ?」
キョン「ん~違うんだが、同じようなものだ。来てくれるか?」
かがみ「・・うん、いいよ」
キョン「良かった。じゃあまた明日な!」

なんだろ?また変な事件とかかな・・まぁ今日は私も悪かったし、明日ちゃんと謝ろう

キョン「よう!かがみ待ったか?」
かがみ「ううん、今来たとこ」

次の日また私は待ち合わせ時間よりも早く来ていた。何か待たれるのって嫌よね

かがみ「キョン君。昨日はごめんね、すぐ帰っちゃって」
キョン「いやいいんだ。俺が怒らせたかと思ってすこし焦ったよ」
かがみ「・・・そんなことないよ」
キョン「うん、じゃあ着いてきてくれるか?」

そういってキョン君は歩きだした。目的地は意外にも近くの喫茶店だった。
でももっと意外だったのはそこで待っていた人だった・・
キョン君が止まったその席は一人の知らない女の人と、佐々木さんがいた

キョン「あの二人はいないのか?」
「今日は外してもらったの。いてもあんまり力になってくれないからね」
かがみ「あの~」
「ああゴメン、どうぞ座って。私は橘京子。佐々木さんの友達よ」

かがみ「で、佐々木さんとそのお友達が私に何のよう?」

席についた私とキョン君はとりあえず飲み物を頼み、用件を聞いた

橘「う~んどこから話せばいいのかな?とりあえず涼宮ハルヒの持ってる力の事知ってる?」
かがみ「ハルヒの力?ん~知ってるといえば知ってるかな・・色々あったしね」
橘「じゃあ涼宮さんが神として認識されてるって事は?」
かがみ「神?ハルヒが?そんなことありえないわ。」
橘「あらそう。なら話が早いわ!実は私はこの佐々木さんが神だと思ってるの」
かがみ「佐々木さんが・・神?」
佐々木「最近この話を聞き過ぎてうっかり自分が神だと信じてしまいそうだよ」
橘「んもう!そうなの!話せば長くなるんだけど、私は涼宮さんが持ってる力が本当は佐々木さんが
  持つべき力だったと思ってるの。でも佐々木さんはそんな力なかった」
かがみ「え~っと確かなんでも思い通りになる力だっけ」
橘「そう、その力が佐々木さんにはなかった。でも絶対あるはずなの。私にはわかるの」
キョン「その話は前聞いた。それとかがみと何の関係がある」
橘「あら?あなた気がつかないの?その力を持ってる人がいるじゃない」
キョン「まさか・・」
橘「そう、柊かがみ。あなたは涼宮ハルヒと同じ能力を持ってるの」

かがみ「私が?ハルヒと同じ能力を?」
橘「そうよ。あなたは涼宮ハルヒの能力を無効にすることができるし、あなたの思い通りに世界を変えられるの」
かがみ「それって・・」
橘「そう、あなたは消失した涼宮ハルヒを元に戻した。あなたがそう望んだから」
キョン「だ、だからどうしたんだ。次はかがみが神とかいいだすのか?」
橘「いいえ、私が思うに・・かがみさんと佐々木さんは元は一人の人間だったのよ」
かがみ「え?元は一人の人間?」
橘「そう、3年前、いえもう4年前ねあなたがこの世界に来た日、佐々木さんも生まれたの」
佐々木「それは初耳だが、待ってくれないか。僕は4年前以前の記憶もあるんだけどね」
橘「記憶なんて曖昧なものなの、4年前にそれ以前の記憶を作られたとしたら?その記憶が本物だと証明できる?」
キョン「だとしてもだ。何で別の人格で、別の人間が生まれたんだ」
橘「それはわからないわ。でもただ一ついえる事は、私は佐々木さんを神だと信じてる。
  そしてその神の証明とも言える能力をかがみさんがもっている。この二人が合わさって
  一人の人間になれば、まさに涼宮ハルヒに対抗できる神が誕生するの」

今まで色んな話を聞いたけどこれが一番ぶっ飛んでるわね。私と佐々木さんが元は一人の人間?
これだけはどう考えても信じられないわ

かがみ「それで私にどうしろっていうの?」
橘「ずばり言うと一人の人間に戻ってほしいの」
かがみ「そんな事できるわけないじゃない」
橘「いいえ二人がそう望めばできるのよ!私にはわかるの」
かがみ「じゃあ私はパスするわ。そんな事望まないもの」
佐々木「すまない。僕も賛成出来ない。僕は僕だ。まだやりたい事がたくさんあるしね」
キョン「ふ、まぁそういうことだ。お前の演説は面白かったが現実はそう上手くいかないようだな」
橘「ん~もう!なんでなのよー!今日の所はここまでにするけど、諦めないからね」
キョン「はいはい、ご自由に」

その後橘さんは帰っていった。でも飲み物代は払ってくれたみたい。
やることもないし私達も帰る事にした。その帰り道、キョン君とわかれた後、佐々木さんと帰る方向が同じで
二人っきりになった。・・・聞くしかない

かがみ「ねぇ佐々木さん・・・」

その時、その計画は始まった。

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最終更新:2007年11月04日 23:55
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