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第一章 乙女たちの油断 ― 枯れ木女、ななこの怒り

みゆき「さあ皆さん、出番ですよ~」
こなた「いざっ! 鬼畜ハーレム王キョンのえっちな大冒険、本編・・・」
キョン「何言ってんだゴルァ。男女7人夏物語本編、始まるザマスよ!」
ななこ「いや~ん♪」
ゆい「いっちゃうー♪」
つかさ「熟女AVじゃねえんだ! 自重しろこの淫乱年増!」
かがみ「言うわね、つかさ」

ななこ「ほう・・・柊。可愛い顔して随分とえげつないこと言うやないか。遺書はもう書いたのか?」
ゆい「お姉さんびっくりだー・・・夏の間、鉄格子付きの別荘で過ごしたいかい?」
つかさ「だって台本にそう書いてあるんだもん。私のせいじゃないもん」
かがみ「この台本書いたの誰よ? まさかみゆき?」
みゆき「わっ、私じゃないですよ」
こなた「さ、前振りはこの辺にして本編いってみよー」
ななこ「・・・つまりそういうことやな。覚えとき、泉」


そんなこんなで、夏休みの「ドキドキ☆キョン君とイク温泉旅行」のプランは着々と練られていった。
行き先は、黒井先生の先輩のご実家が経営している温泉旅館に決定。時期は8月の下旬。
「それまではしっかり勉強しとき。やることやって、最後にちょっと息抜きっていうなら、ご両親もすんなり許してくれると思うで」とは黒井先生の弁。
うん、確かにその通りね。夏休みの最後に楽しいことがある、と思うだけで、なんかやる気が出る。
いつもはのんびりしているあのつかさも、流石に今年は受験生ということもあってか、割ときちんと勉強しているみたい。たまにみんなで集まって勉強するけど、あのこなたですら、結構集中してやっているのにはびっくりした。
勉強会の後、お菓子やジュースをつまみながら、旅行のプランをあれこれ話すのが楽しい。みんなで下調べして、この日はここに行こうとか、こんな名物があるらしいとか、ハイキングのコースがあるから行ってみようとかね。
キョン君と2人っきりになれる時間があるかな。あるといいな。温泉街を浴衣着て、2人で腕組んで歩いてみたいよ。
そのキョン君はというと、予備校の夏期講習に通っていて、こっちの勉強会には7月に1度、参加したきり。ちょっと寂しいけど、旅行の時はずっと一緒にいられるんだから、我慢我慢・・・でも、早く会いたいナ。
      • あ、旅行前日が登校日だから、その時会えるんだ。いろいろお話しよう。

登校日に付随する諸々のセレモニーが終わり、こなたたちのクラスに顔を出すと、こなた、つかさ、みゆきと話をしているキョン君がいた。おーい、キョン君。久しぶり。
「よ、久しぶりだなかがみ」
久々に会うキョン君。なんか嬉しい。ね、夏休み、勉強の方は進んでる?
「まあ、今年受験生だしな。自覚が出てくると、それなりにやる気も出てくる。ボチボチだな」
楽しみだね。明日。
「そうだな。なんだかんだでここまで、勉強漬け・・・ってこともないか。適度に息抜きはしてたけど、まあ、ここらでドカンと骨休めってのも悪くないしな。俺も明日が大いに楽しみだ」
勉強会で集まったときなんかにね、一応、基本的なプランを色々話してたんだ。キョン君にもその都度メールを送ったから知っていると思うけど、キョン君は今回の旅行、何か希望ある?
「いや、かがみたちがよく調べて考えてくれたみたいだから、俺は特に・・・いや、1つある。蕎麦は絶対食いたい」
そっか、ここの蕎麦ってすごく美味しいんだよね。絶対食べようね。
「かがみはん、蕎麦はカロリー低いからって、食べ過ぎたらあきまへんで。それに、一緒に天ぷらなんぞ頼んだら意味ありまへんで」
うっさいこなた。変な関西弁使って茶々入れるんじゃないわよ。
「それにしても・・・警察官や学校の先生って、社会的信用あるんだね。今回もお父さんとお母さん、すんなり許してくれたし、良かったよね、お姉ちゃん」
ま、昨今は教員も警官も、いろいろ言われてはいるけど、大半は真面目に仕事しているからね。それなりに社会的信用があるのは当然でしょ。
「でも・・・ゆい姉さんやななこ先生見てると・・・ぷくく・・・」
こなた、言いたいことはなんとなく分かるけど自重しなさいよ。どこかで聞かれているかもしれないでしょ。
「2人とも、とてもいい人だと思いますよ。堅いお仕事をされているのにざっくばらんで、親しみやすくて」
みゆき、あんたもいい人だね。みゆきが人を悪く言うの、聞いたことないし。
「まあ、あまりあの2人を悪く言うとバチが当たるぞ。今回、こうやって旅行にいけるのもあの2人のおかげだろ・・・ま、
2人とも、既存の高校教員や警察官の枠に当てはまらない、ユニークな人間であることを認めるのはやぶさかではないが」
キョン君って、今時の高校生らしくない、もってまわった言い回しが好きだよね。あんまり本とか読んでないのに。
「・・・でもさ、出来れば私たちだけで行きたかったネ」
「こなちゃん、それは言わない約束でしょ」


「ま・・・枯れ木も山の賑わいって言うし、こういうときは大勢の方が楽しいかもね、そうだよね、アハッ♪」
おいこなた、それって国語の教科書に載ってる、諺の誤用例そのまんまだぞ、分かって使ってるのか?
「いぐざくとりぃ~」
「おいおい、枯れ木はないだろ枯れ木は。黒井先生もゆいさんもすごく美人だし、2人ともまだ20代だろ」
「けどさキョン、ゆい姉さんはともかく、ななこ先生なんてあの年で彼氏はいないは、週末はネトゲで徹夜するは、ホントに女として枯れ木みたいじゃん」
こなた、アンタも今みたいな生活続けてると、人のこといえないわよ。黒井先生はあれでも一応教員っていう仕事に就いているけど、アンタはそのままズルズルと、ニートになりそうで心配だわ。
「あれでも一応教員って、かがみんもフォローしたつもりで、結構酷いこと言ってるじゃん、ぷぷ」
「黒井先生みたいにきれいな人でも、ご縁ってのは、なかなか無いものなのでしょうか?」
「みゆきさん、ななこ先生はなまじ見てくれだけは良いから、なおのこと始末が悪いんだヨ。あれで男がいないなんて、顔は良くても性格は悪いです、って言ってるようなモンじゃんか、あはは」
「こなたさん、そういうことはっきり言っちゃうと・・・うふふ」
ちょっと・・・あのみゆきまで笑ってるじゃない。もしかしてみゆきって、ちょっと、黒い?
「止めなよこなちゃん・・・ななこ先生に悪いよー、そんなこと言っちゃ、めっ!」
ま、枯れ木も山の賑わいってのは、言いえて妙かもしれないわね、黒井先生には悪いけど。
「お姉ちゃんまで・・・やめなよー」
「おいおい・・・おまえら、大概にしとけよ。聞いてるかもしれないぞ」
大丈夫よ。聞いてたら今頃、烈火のごとく怒り狂ってこっちに来てるわ。ま、口さがない品評はこのくらいにしますかね。

大丈夫じゃなかったりするんやな、これが・・・
おそらく今日、旅行の話をするんやろうから、こっちからも一言声かけとこうと、教室の前まで来てみればこれや。
ま、教師の悪口は、ウチらも学生時代よう言っとったし、それ自体を咎める気はない、けどな、本人には絶対に聞かれないところで言うのが、最低限の仁義ってもんや。聞かれたときは、相応の報いを覚悟せなあかん。
枯れ木やて・・・男も知らん小娘に、枯れ木呼ばわりされる覚えはないで。ウチがおまえらの年の時は、もう大人の階段登っとったわ。
それに、お前らは肝心なことを忘れとる。今回の旅行で、キョンとどれだけの付き合いが出来るのか、それはひとえに引率者のウチや成実さんの裁量にかかってるんやで。匙加減1つやで。
今回、奥手なあの連中のために、破格のスペシャル企画を用意してたんやけど、泉と柊姉と高良は外したるわ。
それにしても、泉はともかく、高良と柊の姉までもが、ウチらをバカにするとは思わんかったわ。
キョンと柊だけやな、良心があるのは。
さてと、こっちもいろいろ、対策を立てんとあかん。成実さんに連絡して、善後策を練るわ。

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最終更新:2007年07月31日 00:43
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