柊かがみの兄萌え 後編

かがみ「・・・ホント? ほんとにこなたには喋ってないのね、つかさ」
つかさ「本当だよう、信じてよう、痛かったよう」
かがみ「・・・ということはやっぱり、こなたが部屋漁って見つけやがったのか。やっぱりあの時
    ブッ殺して埋めておくべきだったわね」
つかさ「怖いよお姉ちゃん~、やめようよ~」
かがみ「とりあえず、こなたのヤツは明日学校でシメるか(ボキボキ)」
つかさ「でもさお姉ちゃん、こなちゃんがもしお部屋を漁って見つけたんなら、その場でお姉ちゃんの
    ことをからかうんじゃないかな。こなちゃんの性格考えると、見つけて我慢できるとは思えなくて」
かがみ「それは一理あるわね。でもこなたやアンタじゃないとしたら、どこからこの話が漏れたのかしら」
つかさ「それ以外の人かな」
かがみ「まさか・・・みゆき?」
つかさ「ゆきちゃんが、そんなことするはずないでしょ!」
かがみ「そうね・・・ねぇつかさ、アンタ本当に思い当たることないの? こなたには喋ってなくても
    他の人に・・・とか。ねぇ、つかさは最近、こなたやみゆき以外と、何か私の話をした?」
つかさ「うんとね・・・そういえば、キョン君とお話したときにね・・・」
かがみ「なんだと! つかさっ、キョン君に何話したんだっ!」
つかさ「キョン君って典型的なお兄ちゃんタイプだよね。私もキョン君みたいなお兄ちゃんが欲しいな・・・って」
かがみ「なんかデジャブを感じるわ・・・で?」
つかさ「んでね、あの・・・私が妹じゃダメかな・・・とか・・・キョン君に・・・恥ずかしい」
かがみ「アンタ本当に、お兄ちゃん願望が強いわね」
つかさ「お姉ちゃんだってそうじゃん。お部屋に兄妹でえっちなことするお話の本とか・・・あっ!」
かがみ「どうしたのつかさ?」
つかさ「お姉ちゃん・・・ごめんなさい・・・」
かがみ「なんで謝るの?」
つかさ「キョン君がね、『俺は兄として不服か』っていったからね、兄妹じゃ恋人には・・・なれないから・・って」
かがみ「・・・それで?」
つかさ「でね。でも、今時なら兄妹でもいいのかな、お姉ちゃんのお部屋に、そういう本がいっぱいあるから・・・って
    キョン君に・・・言っちゃった・・・」
かがみ「・・・・・・」
つかさ「お姉ちゃん?」
かがみ「・・・ごめんつかさ、出てって・・・出ていけっ!」
かがみ「まさかこなたより先に・・・キョン君に知られてたなんて・・・私、死にたい・・・学校行きたくない。
    キョン君にどんな顔して会えばいいか分かんないよ」

こなた「やふ~、おはようつかさ、みゆきさん・・・どうしたのサつかさ、元気ないね? かがみんと喧嘩でもしたのかな?」
つかさ「・・・うん、そんなトコ」
こなた「そんなら私が今から、かがみんのクラスに行って・・・」
つかさ「お姉ちゃんは今日、学校に来てないよ」
みゆき「こなたさん、ちょっといいですか」
こなた「どしたのみゆきさん、改まって」
みゆき「つかささんから事情を聞きました。かがみさんがその・・・お兄さんと妹さんのお話が載っている本を持っている
    件につきまして」
こなた「ありゃ、みゆきさんにも喋っちゃったのかいつかさ。そんなこと聞かされても、みゆきさんも反応に困るだろに」
つかさ「こなちゃんはこのお話、誰から聞いたの? それともお姉ちゃんのお部屋で見つけたの?」
こなた「さすがに人の部屋にガサ入れたりしませんよ。キョン君からね・・・ちょっと聞かれたのさ?」
つかさ「・・・これで話が繋がったよ」
みゆき「つかささんからキョン君、キョン君からこなたさん、こなたさんからかがみさんの耳に入って・・・」
つかさ「・・・そして私がお姉ちゃんに叩かれたんだ、くすん」
こなた「元はといえば、キョンに変なこと話したつかさがいけないんじゃんかヨ」
つかさ「・・・そうだね。どうしよう・・・ひっく・・・うえええん・・・」
こなた「あ・・・つかさ。私もかがみんをちょっとからかっちゃったりしたから、私もいけないんだヨ
    一緒にかがみんに謝るから泣かないでおくれよ」
キョン「・・・悪りぃ。さっさから話を聞かせてもらってたんだが」
こなた「あ・・・キョン。いつの間に背後を。キョンが暗殺拳の使い手なんて知らなかったよ」
キョン「お前はもう死んでいる・・・じゃなくてな、結構シリアスな感じでおまえらが話してたから、割り込むのも悪いと思って声をかけられなかった」

キョン「この件、一番悪いのは俺だわ。つかさには口止めしておいて、こなたに話しちまったからな」
こなた「いや、キョンからの相談を、かがみにペラペラ話して、からかった私が一番悪いヨ」
つかさ「そもそも私が、キョン君に変な話、しなければ良かったんだ・・・ぐすん・・・」
みゆき「つかささん、もう泣かないで」
こなた「それにしても事が事なだけに、難しいねぇ。かがみんはあれでものすごく純情なコだから、自分のささやかな
    趣味を知られてショックだったろうね」
つかさ「グスン・・・グスン・・・」
キョン「つかさ、もう泣くな・・・なあ、こなた、みゆき、この件は俺に任せてくれないかな」
こなた「キョンは言ってみれば、災難の当人なわけだからねぇ。キョンの説得をかがみんが聞くかな?」
みゆき「いえ、だからこそキョン君が親身になって説得すれば、かえってかがみさんも聞き易いかもしれません」
キョン「気まずさの原因だからね俺は。だからかがみが抱えている気まずさを、取り除けるのは俺だけだと思う」
つかさ「お姉ちゃん、今朝もお部屋から出てこないし、一言も口聞いてくれなかった、嫌われちゃった・・・」
キョン「大丈夫だつかさ。かがみがお前のこと、嫌いになるわけないだろ。可愛い妹なんだからな」
こなた「妹持ちの言うことには説得力あるネ。大丈夫、大丈夫さつかさ。キョンなら・・・キョンならきっと何とかしてくれる」
みゆき「ということで、ここはキョン君にお願いしましょう」
キョン「今日、放課後かがみと話をするよ。こなたとみゆきは心配しなくていい。つかさ、今日、お邪魔していいか」
つかさ「うん・・・ありがとう・・・」
キョン「やれやれ・・・世話のかかる妹が増えた気分だぜ」

つかさ「キョン君、ごめんね。面倒かけて・・・」
キョン「いや、つかさもかがみも俺の大事な友達だ。それも貴重な女の友達だからな。はじめてと言っていい」
つかさ「友だち・・・ね・・・でも意外だな。キョン君、中学のときとかすごく女の子にモテたでしょ? 彼女とかいなかったの」
キョン「威張って言うことじゃないが、彼女なんて代物はついに一度も出来なかった、女友達っていえるほどの相手もいなかった!」
つかさ「それは周りの女の子の見る目がないのか、キョン君自身が知らず知らずのうちにチャンスを潰してただけなんじゃ?
    でも、そんなこんなで、初めて出来た女の子のお友達だから、私たちにこんなに優しくしてくれるんだ」
キョン「それもあるけど、自分が秘密にしていたことがバレちまって、ものすごく気まずい思いをするってのは俺も
    経験あるからな。まして今回みたいにその・・・かがみが、ああいうテのものが好きで、それが、妹持ちの
    男友達にバレちまったなんてのは、要らん誤解されたらたまらないという意味で、かがみの心情を察するにあまりある」
つかさ「・・・キョン君ってさ、女心に敏感なのか疎いのか、ときどき分からなくなっちゃうよ」
キョン「とにかく、かがみの説得は任してくれ」
つかさ「お姉ちゃん、身体の具合が悪くて休むことにしてるみたい。だから名目はお見舞い、ってことにしといてね」
キョン「まさか追い返されたりしないよな」
つかさ「お母さんがいるから・・・お見舞いに来た人を追い返したりしたら流石に怒ると思うから、それは大丈夫」
キョン「そっか。それならいいんだが・・・お、ちょっとここ寄ってくか」
つかさ「え、何か買うの?」
キョン「手ぶらで見舞いってのもあれだからな。つかさ、かがみってどんなケーキが好きなんだ?」

柊母「かがみ~、キョン君がお見舞いに来てくださったわよ~」
かがみ「え・・・キョン君が・・・キョン君が・・・なんで・・・なんでくるのよ・・・
    会いたい・・・会いたくない・・・帰って欲しい・・・帰って欲しくない・・・どうしよう・・・」
キョン「よ、かがみ、起き上がって大丈夫なのか」
かがみ「・・・う、うん。わざわざ来てくれたんだ。心配かけてゴメン・・・ね。座って。」
キョン「・・・・・・」
かがみ「・・・・・・」
キョン「・・・あのさ」
かがみ「つかさから話、聞いたでしょ。私がその・・・ああいうお話が好きだって・・・件・・・」
キョン「聞いたよ。で、俺も最近、そういうのが流行ってるのかなと思って、なにげなくこなたに聞いてみたんだ」
かがみ「そっか・・・それでこなたがこのこと、知ってたんだね。部屋漁ったなんて疑って、こなたに悪いことしちゃったな」
キョン「まあ、あいつは普段の行いがああだから・・・でも、こなた今日、お前が学校休んだの見て、すごく反省してたぞ」
かがみ「・・・ま、あいつにはいい薬かもね」
キョン「こなたから聞いたんだが、最近、そのテのストーリーって、女子中高生の間でひそかなブームらしいな」
かがみ「ブームって言っても、ひそかな、ってくらいだから、やっぱりマニアックなんだよね。キョン君、正直・・・私が
    こういうの好きって聞いたとき・・・引いたでしょ・・・キョン君、実際に妹がいるお兄ちゃんだし・・・」
キョン「いや、全然」
かがみ「本当?」
キョン「兄妹的な恋愛にあこがれる、ってのはよくあることじゃないかな。実際俺も・・・付き合うなら、妹みたいに慕ってくれる
    タイプの方が・・・いいしな」
かがみ「キョン君、実際そういうタイプの女の子にすごくモテると思うよ。つかさだって、キョン君みたいなお兄ちゃんが欲しいって・・・」
キョン「俺は、かがみみたいな妹も欲しいけどな」
かがみ「え?」
キョン「つかさに対する気遣いをみているとすごく優しいし、なにするにも一生懸命だし、気が強い割に純情で涙もろいし、
    かがみみたいな妹がいたら、俺も兄としてもっとしっかりして、いい兄貴になりたいと思うぞ」
かがみ「ありがと・・・キョン君」
キョン「その・・・さ。実の妹にすらキョン君と呼ばれてしまう可哀想な俺のために、そう・・・呼んでくれないかな?」
かがみ「ありがと・・・お兄ちゃん」
キョン(・・・・・・嗚呼、カ・イ・カ・ン)
かがみ「おーいキョン君、お兄ちゃ~ん、大丈夫ですか~」
キョン「・・・そういや差し入れにプリンなんぞ買ってきたんだ。食べないか」
かがみ「ありがと。実は小腹が空いてたんだ」

つかさ「・・・キョン君、ありがとう」
キョン「何の、可愛い妹分のためなら、この程度ナンテコタナイ」
つかさ「このお礼はいつか個人的にするね」
キョン「いや、気遣いなく。もともと俺の責任でこうなったモンだしな」
つかさ「もう、人の好意は素直に受けるの~!」
キョン「・・・期待してるよ。それじゃあな」

かがみ「ねぇキョン君、お兄ちゃ~ん、帰りに本屋に寄りたいんたけど、付き合ってくれないかな?」
キョン「かがみ、ここ学校だから。そのお兄ちゃんって呼び方は、いらぬ誤解をされるから自重してくれ」
こなた「そうだぞかがみん。調子に乗るな~!」
キョン「ふん、私はどうせお兄ちゃん属性の変な子ですよ。それにキョン君のお墨付き妹だもん!」
こなた「こいつ、開き直りやがりましたヨ。こんなんなら、あることないことばら撒いて、奈落の底に突き落として
    おいた方が良かったかもね~」
つかさ「目が怖いよこなちゃん~、喧嘩はやめて、みんなキョン君の妹になろうよ」
みゆき「私もキョン君の妹になってみたいです」
こなた「キョンもほどほどにしないと、そのうち血の繋がりのない妹が12人も増えて、大変なことになるよ」
キョン「こなた・・・それなんてシ○タープ○ンセス?」

めでたし、めでたし?

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最終更新:2007年07月28日 22:19
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